追放シーフの成り上がり

白銀六花

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 ウォーリアスキルの確認ができた数日後。
 使者団とセンテナーリオ精霊国側との会談が行われ、そこでも国王は明言は避けたものの使者団からはフェリクスがスキル発動を成功させたとして報告。
 これを喜んだ国王はその翌日にはフェリクスを含む使者団全員を王宮に呼び寄せて、今後の精霊国の在り方について話をしようという事になった。

「いやはや実にめでたい!フェリクスのスキルがこうも早く確認できようとはな!ルアーナよ。これで心置きなく情交を結べようぞ」

「フェリクス様、本当ですの!?私もこれ程早くお迎えに参られるとは、まだ心の準備が……いえ、とても嬉しいですわ」

 国王は昨日には知っていたにも関わらずルアーナ王女にはまだ話していなかったようで、驚きの表情を浮かべた後には頬を赤らめながら嬉しそうに微笑んだ。
 フェリクスも父である拳王にさえも伝えていない事からまだ迎えに来たつもりはないが、自分に好意を寄せてくれるルアーナ王女が喜んでくれた事に嬉しさを覚える。

「まままだ若輩者故至らぬ点は多いかとは思いますが、貴女様に相応しい男となれるよう今後も努力いたします。まずは……ちちち父にごほっほっほ報告申し上げ、かっ必ずや貴女様をお迎えにあがる事を約束いたしましょう」

 強気に発言してみせたとしても、やはりどもりが抜けないあたりは緊張が丸わかりのフェリクスだ。
 フェリクスの父といえば拳王と呼ばれる拳王国最強の戦士であり、表情やどもりの激しさから考えるとおそらくは父親が苦手なのだろう。
 そこを突いてみたくなるセンテナーリオ国王は少し意地悪をしてみたくなったのかもしれない。

「では其方の父、拳王がもし了承せぬとしたらどうするのだ?」

 これに固まるフェリクスは思考回路が停止しているのだろう、口をポカンと開いて即答できずにいる。
 その頭が回っていないのをいい事に、背後からディーノが「殴ってでも押し通す」などと言うものだからフェリクスもそれをそのまま口にした。

「父に……父は……父を……あ、はい。殴ってでも押し通します。え?今私はなんと?」

「ふっふっふっ。アークアビット最強の男を殴るか。それは見ものだがチェルソよ。フェリクスとルアーナとの交際を報告するとした場合に其方はどう見る」

 自分の発言にオロオロとし始めるフェリクスをよそに、アークアビットの使者として来たチェルソから拳王がどう考えるか聞いてみた。

「おそらく拳王様はフェリクス王子のウォーリアスキルについて良くは思っておりませぬ。もし王族同士の婚姻をお考えとなれば他の王子を推薦なされるかと」

「ふむ。発動せぬスキルを持つとされておればそうかもしれんな。ルアーナはどう思う?」

「いやです」

 即答された。
 オロオロとするフェリクスを微笑みながら見つめるルアーナではあるが、否定の言葉には鋭さがあった。

「嫌ならばフェリクスが力ずくでも通すしかあるまい。むっふっふ。これもこれで楽しみになってきたな」

「さすがに王子といえど拳王様に拳を向けては罪人として裁かれるやもしれませんが……」

 国王は楽しそうだがチェルソとしては困った話題だ。
 可愛がっていた教え子がたとえ他国の王女と婚姻を結ぶためとはいえ、罪人になっては元も子もない。

「兄を全員殴り倒せばいい。よし、そうしよう」

 好き勝手言うディーノは無責任極まりないが、これまで虐げられてきたとするフェリクスを思えばこその発言であり、本人的には悪気はないつもりだ。
 それでもさすがに王位継承権のある兄王子を殴るとすればやはり問題であり、チェルソは苦笑いしながら「それも駄目です」と否定する。

「じゃあオレが相手にする予定の五拳人の誰かと……あ、だめか。全力で殴れないんだった。んー、それなら五拳人の相手した後オレとやるか。この間のイルミナート以上の戦いを見せられれば納得もするだろうし」

「いいい如何なる時も人を全力で殴ってはならぬとの教えですが……」

「それは訓練とか試合ならだろ?自分を殺す程の相手なら話は別って事だったしさ」

「え……私を殺す気なんですか?」

「本気でやらないと死ぬかもってだけ」

 師であるイルミナートでさえも一方的に嬲られた事を考えれば、フェリクスが相手にした場合には死ぬ可能性はかなり高い。
 この条件であれば試合ではなく戦いである為、全力を出したとしても問題はないのだが。

「ま、まだ死にたくないです」

「マルドゥク相手に死なないんだから平気だって。今度オレが実戦稽古もしてやるから」

 とんでもない発言である。
 ディーノの発言から考えればフェリクスの訓練は死ぬ可能性が充分にあったという事だ。
 死ぬかもしれないと思いつつも、毎日のようにマルドゥクと戦わせていたディーノは頭が少しイカれているのかもしれない。

「ふむ。ディーノとフェリクスの戦い次第ではさすがの拳王も認めざるを得まい。フェリクスは精進せよ。それとディーノの色相竜討伐日が決定したのでな。二日後の早朝には出発し、色相竜の棲む【キルデービル】の南区の家を間借りして一泊。明朝には戦ってもらう事とするが覚悟は良いのだな?」

 国王が討伐依頼する色相竜は、かつてセンテナーリオ精霊国の精鋭部隊で臨んだにも関わらず敗北を喫しており、これまで誰も近付かないよう厳命していた個体だ。
 その過去については触れずに討伐依頼をするのは国としてのプライド故か、余計な不安を与えないためかは国王のみが知るところ。

「いつでも構いません。色相竜と戦えるのなら望むところですので」

 自信に溢れるディーノの発言に国王は少し戸惑うも、以前見たクレート=ブラーガの戦いを思い返せばそれに近い力を持つのかと考えられなくもない。
 それでもやはり異界から召喚したクレートの強さは異常であり、この世界の住人であるディーノがその域まで達する事ができるのかと疑うのも当然の事。
 かつて挑んだ際には報復であろう周辺にあった多くの村や街が滅ぼされ、今度失敗に終われば王都にも被害が出る事が予想される為、ディーノには是が非でも勝ってもらわなくてはならないのだ。

「勝てる見込みはあるのだな。では其方に任せよう。我々もこの国の為、そして今後訪れるやもしれん竜害への備えとしてその戦いを見定めさせてもらう。おそらくは其方の戦いから学ぶ事も多いであろうからな」

 今回も見学ツアーが決行されるようだが、全ての国の戦力を底上げする必要がある為、経験を積めるというのであれば見学者がどれだけ多くとも構わない。
 初めて見る強敵との戦いよりも、一度は見た強敵との戦いの方が幾分かは戦いやすくなる事から国の上層部だけでなく冒険者も同行させるべきだろう。
 以前のクレートの戦いには冒険者の同行はさせていなかったのだが、今回のディーノの戦いには実力のある者は全て連れて行くつもりだ。
 確実にクレートが倒した個体よりも強い色相竜であり、もしディーノが苦戦するようであれば介入してでも討伐する。
 国王としては見学者であると同時に保険のつもりでもあるのだが。

「わかりました。広範囲戦になるので遠見筒があるといいかもしれません。あ、それとマルドゥクもいるのでその日のうちに戦いになる可能性が高いですけどいいですか?」

 たとえ敵意を向けていないとしても確実に強敵となり得るマルドゥクが近付いて来ようものなら、色相竜とて警戒するどころかすぐにでも襲い掛かってくる事になるだろう。
 国王は失念していたが色相竜の討伐にディーノが挑むだけでなく、もしもの備えとしてマルドゥクがいる。
 どうやら国王の保険は必要なかったようだが、すでに手配している為今更断るよりは伝説の魔狼を……いや、伝説の魔狼の戦いが見たい。

「ディーノよ。其方の戦いも観たいがそのマルドゥクは戦えぬのか?最強最悪とされる魔狼の戦いをこの目で見てみたいのたが」

「戦えますけど……オレの色相竜討伐が無くなるかも……少し惜しいけどウルはどうだ?やれるか?」

「戦っていいならもちろん相手にするがどうだろうな。どうも俺との親和性が高いのかティアマトとは違ってマルドゥクからは意思が伝わってくるからな。もしかすると予想以上の戦いができるかもしれない」

 親和性が高いというよりはマルドゥクはディーノが屈服させたうえで寄生した事から、ディーノへの服従心が高いのだろう。
 その友であるウルが寄生した事やギフトによる火属性スキルの発動など、さまざまな要因が重なってマルドゥクの意思とウルの意思とが混在する事になっているのかもしれない。
 スキルの特性上絶対の支配権はウルにあるとしても、マルドゥクの意思で反射的な行動をとれるとすれば、ただ寄生しているよりも遥かに強い。
 ティアマトの場合では複数のモンスターによって押さえつけられ、抵抗しようという意思を残したまま寄生した事から、ウルの意思のみで体を支配し、パラサイトを解除すればただ眠りにつくという状態になっていた。
 それでもギフトを発動しないディーノよりも強かった事から、ウルの0級冒険者としての実力は相当なものだろう。

「だよな。なんか寄生されてるわりにウルっていうかマルドゥクっぽい時あるし。まあ残念だけど今回はウルに譲るか」

 ディーノとしてもウルが寄生した状態のマルドゥクの実力を見ておきたい気持ちはあり、マルドゥクにお手頃な相手となれば色相竜くらいしか思いつかない為、今回の色相竜戦を譲るのが一番手っ取り早い。
 ディーノとしては色相竜からの経験を積めなくなる為残念極まりないが、この先を考えればマルドゥク対色相竜は早いか遅いかの違いでしかない。
 今回諦めたとしても次回はディーノが戦えばいいだろう。
 見学者にとっては巨獣同士の戦いである為、知識も経験も得られないかもしれないが……

「我々としてもマルドゥクを捕らえたというディーノの実力が確かなものであると確信はできるのでな。ここまで話を進めておいてすまぬが是非ともマルドゥクの戦いを見せてくれ。ディーノにはまた別の機会に頼むとしよう」

 マルドゥクの戦いが決まったものの、国王からは別の機会が用意されるとすればディーノとしてもそれ程悪くはない。
 多くの経験を積むのであれば、まだ見ぬ未知のモンスターを討伐した方が得られるものは多いだろう。
 必ずしも色相竜討伐である必要もなく、強敵を用意してもらえるのであればディーノはそれで満足だ。
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