追放シーフの成り上がり

白銀六花

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141 フレースヴェルグ

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 フレースヴェルグが住むという山までマルドゥクであれば急がずとも半々時ほどで到着できる距離である。
 そして巨獣であるマルドゥクの存在はすぐに見つかってしまい、威嚇の鳴き声をあげて純白の翼を広げた姿が視界に入る。

「デケーなおい!山のてっぺんがまるまる翼になってんじゃねーか!」

 広げた翼や山に流れるように垂れた尾羽を合わせれば、竜種、それも色相竜にも劣らない大きさとなるのではないかと思われる。
 そして図鑑には暴風の魔鳥とも書かれていた事から、あの巨体を思わせないような速度で飛び回る事もできるだろう。

「すげー鳴き声だな!これだけ距離あるのに耳がイカれそうなんだけど!」

 パウルがそうこぼすようにフレースヴェルグの鳴き声は空気を震わす快音波であり、歩数で千歩以上もの距離があろうと耳を塞がなくてはならない程の音圧がある。
 片耳を押さえて大声で話さなければ会話もできず、マルドゥクに寄生しているウルもこの音波には耐えられないらしく、少しずつ後退りする程だ。
 おそらくは指向性のある快音波ではあるが、首一つ傾ければその方向も変えられると考えればブレス以上に強力な武器とも言える。
 また、快音波ともなればやはり防御力も何も意味がなく、近距離でこの音波を食らえば体調を崩すどころか脳が破壊される可能性もありそうだ。
 メンバーの中でも狩りを得意とするランドは耳も良いのか蹲って声も出せずにいる。
 ディーノもあれに挑むのかと思えば少し恐怖さえ覚えてしまい、近付くにつれてこの快音波に耳が耐えられなくなる可能性もある。
 試しに風の防壁を展開してみるものの、空気の振動が防壁に伝わり内外の音が不協和音となってしまい逆効果のようだ。
 やむを得ず武器整備用のボロ布を引き裂いて耳に詰め、少しでも耐えられるように準備を済ませる。

「近付けるかもわかんないけどとりあえず行ってくる!もしヤバそうならオレを回収しに来てくれ!」

「わかった!けどお前はちょっと回り込め!首をあっちに向けてくれ!耳がー!痛え!」

 ザックが苦しむ姿など初めて見るディーノではあるが、この音波には自分も耐えられないと勢いよく駆け出した。

 駆け出したとしてもすぐには首の向きを変えないフレースヴェルグに、音圧から解放されたディーノは爆風を放って一気に加速。
 距離を詰めようと駆け出したところで首の向きがディーノへと向けられ、それを避ける為にもすぐに横方向へと向きを変える。
 しかし首を傾けるだけであれば容易にディーノの速度にも対応し、快音波を浴びながら走る方向を右へ左へとフェイントを入れる事で直撃する時間を減らすも体に掛かる負担は大きい。
 これまで対峙してきたモンスターの中でも最も戦いにくいモンスターだ。

 そして攻撃対象をディーノへと向けられた事で音圧から解放されたザックは、これは自分が討伐できないどころか捕獲もできない、挑むべきモンスターではないとして、ディーノの活躍だけに期待する事にした。
 もし近くに落下するようであれば、速度に特化したパウルとエンベルトに任せればいいだろうと、自分が戦う事は諦めたようだ。

 ザックがそんな事を考えているとは思いもよらないディーノは、平面的に回避するのは無理だと感じて防壁を足場に三次元的に駆け回る。
 フレースヴェルグに向かう速度は落ちるものの、快音波による負担が抑えられた事で思考も安定し、おおよそではあるが鳴き声開始からのカウントを続けていたディーノは快音波が途切れるその時を待つ。
 最初は魔法攻撃かとも思ったが、ユニオンを薙いだとしても音波は途切れず魔力もチャージされていない。
 おそらくは魔法により鳴き声を増幅はしているとしても、快音波は魔法ではなくあくまでも物理現象であり、音の発生源がフレースヴェルグの鳴き声であるとすれば声が途切れる時は必ずやってくる。
 そして逃げ回っている間も続くだけの肺活量ともなれば、空気を取り込もうと再発までに少し時間はかかるだろう。

 そしてその時はやってきた。
 カウント開始から二百五を数えたところで快音波が途切れ、新たにカウントを開始しながらギフトを発動、爆破で加速しながら一気に距離を詰める。
 快音波の時間に多少の誤差は生じるとしてもある程度の予測ができればそれでいい。
 また、およそ千歩の距離を縮める間に再発がなければ戦いようはいくらでもあり、もし再び快音波を放たれてしまうとしても再発までの時間がわかれば保つべき距離も測る事もできる。
 ディーノのギフトを発動した状態での爆破加速からの歩数千歩の距離となると、停止状態からカウントして約二十二。
 最高速からであれば約十七で駆け抜ける事ができるものの、今のある程度速度に乗った状態からであれば約十九といったところだろう。
 全出力の爆破では一度の加速しかできない為、距離がある場合には速度を落とさずに爆破を繰り返した方が速い。

 吸気音さえ聞こえてくる程の呼吸でフレースヴェルグの胸が膨れ上がり、ディーノがあと百歩程の距離まで近付いたところで快音波が放たれる。
 すでに最高速度まで達したディーノは急激な方向転換は難しく、速度を落とす事にはなってしまうとしても快音波を避けようと爆破を利用して上空へ回避。
 縦回転しながら音波を避けつつ、顔の方向をディーノへと向けるに合わせて防壁を蹴り横に向けて空を駆ける。
 距離もあと五十歩程まで近付いている状態、そしてフレースヴェルグへと向けて空を駆けていた事で首の方向が真横へと向いたのが原因か快音波が途切れ、これをチャンスと見たディーノはさらに方向を変えて顔面目掛けた唐竹割り。
 その瞬間に翼を一気に畳んだフレースヴェルグは風魔法を利用して後方に向けて空へと舞い上がり、ユニオンで一定量の爆風を相殺しつつ、溜まったフレースヴェルグの魔力を利用したリベンジブラストを発動したディーノ。
 フレースヴェルグの爆風にディーノの爆破が重なった事により双方の間で膨大に膨れ上がる風の奔流。
 空を飛翔しようとしたフレースヴェルグも後方へ向けて吹き飛ばされ、山の頂上付近から隣の山の中腹へ向けて落下。
 叩きつけられた事で快音波ではない悲鳴をあげている。
 打ち上げられたディーノはフレースヴェルグからどんどん距離が離れていき、体勢を立て直すと落下しながら速度を稼いで空を駆け出した。

 山に叩きつけられたフレースヴェルグは体を起こして立ち上がり、怒りの声をあげながら空へと羽ばたく。
 ゆっくりとした動きでありながらも風に乗って浮き上がるようにして空を舞う様は、伝説として語られるに相応しい空の王といった様相だ。
 全身羽毛に包まれているのかと思われた体だが、下半身はマルドゥクにも似た青黒い硬質な体表をしている。
 マルドゥクの体を知る限りでは竜種の鱗に匹敵する強度の外殻に覆われている事から、並の攻撃は通らないであろう事がうかがえる。
 空を駆けるディーノの存在を確認し、遠距離から風の砲弾のようなブレスを吐き出した。
 ディーノの最高速度よりも速い風の砲弾は、大気を歪ませて向かってくる為見えづらくとも視認はできる。
 速度に乗ったディーノは向かってくる風の砲弾を上方に回避しようとするが、放たれた時よりも巨大に膨れ上がった砲弾により弾かれてしまう。
 ダメージこそそれほど大きくはないが、完全に速度を殺されてしまった。
 そこへ向かって来るフレースヴェルグに、ディーノも爆破加速で再び駆け出すが、振り向けられた凶悪な爪は回避できたものの、巨大な翼に巻き込まれて体勢を崩す。
 おそらくは今放たれた風の砲弾は飛行するモンスターを撃ち落とす為のものであり、直接ダメージを与える為のものではない。
 そしてディーノのカウントで三はかかるであろう距離を二とかからずに詰めて来る速度から、素早さもこれまで対峙してきたモンスターでも最速のもの。
 ディーノの瞬間的な爆破加速に近い速度で常時飛び回れるとすれば、速度以外を武器として挑まなくてはならない為戦いの幅は狭まる。
 ディーノも体勢を崩したとはいえ、狙いを定めた爪による攻撃を振るったフレースヴェルグにとっても回避される事は予想外。
 翼を大きくはためかせると、ディーノはそのまま弾き飛ばされながら爆破で体勢を立て直して空を駆ける。
 飛行を停止したフレースヴェルグは続け様に二発の風の砲弾を放出し、ディーノの前方下へと放たれた砲弾は地面に着弾すると、地上から空へと向けて竜巻が巻き上げられる。
 ディーノの左右前方に出現した竜巻により回避する幅が狭められ、すぐ後ろに迫るフレースヴェルグにディーノが取れる行動は上下の二択。
 降下は風を自在に操れるフレースヴェルグであれば攻撃に転じる事ができる為、上方へと向けて一気に駆け上がる。
 しかしフレースヴェルグもそれに追従し、駆け上がり続けてはすぐに追いつかれると判断したディーノは防壁を蹴って宙返り状態となり、その場を突き抜けて行くフレースヴェルグに接触しながら強引に爆破を打ち込んだ。
 自身にもダメージを負いつつ距離をとるディーノは、回復薬を口に含みつつフレースヴェルグに視線を向ける。
 爆破を受けたフレースヴェルグは体内に溜めた空気を吐き出したものの、ダメージとしてはそう高くなかったのか旋回しながらディーノの姿を目で追いかける。

 フレースヴェルグは人間を想定した戦闘をするわけではない為か、やや攻撃が大雑把ではあるものの、魔法でダメージを与えようとしてこないあたりがディーノとしては厄介極まりない。
 風魔法や快音波で動きを阻害し、自身の爪で直接トドメを刺しにくるモンスターともなれば色相竜さえも倒せる強さを持つのではないだろうか。
 ディーノもフレースヴェルグを倒せるか怪しいところではあるが、サーヴァがテイムできるのかも少し心配になってきた。
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