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サーヴァが聖銀入りした翌日。
「ディーノもモンスターの捕獲手伝うよな。っつか手伝え」
「はあ?兄貴が自分で捕まえてやるって言ってたけど!?」
「おいディーノよぉ。お前にとってモンスター図鑑ってのはどんなもんなんだ?」
「図鑑?ガキの頃からの宝物だけど」
「そんなお前の宝物を買ってやったのはどこの誰だ?長い事大事にしてる宝物だぞ?」
「なんだよ。今更代金支払えって事かよ。結構小さい事言うな……ほい。これで足りるだろ」
「違えよ!代金なんてどうでもいいんだそんなもん!むしろいくらでも買ってやるわ!誠意だよ誠意!今新しく俺達の仲間になったサーヴァがこれから大事にしていく宝物を獲りに行く。そんならお前も手伝うのが筋ってもんじゃねーのか?」
「んー、よくわからん理屈でオレを同行させようと……まあいいけど。でもオレ必要なくね?」
「いやー、思ったより面倒くせーもん欲しがるもんでよぉ。お前の力が必要そうなんだよ」
「オレの力ね……それ空飛ぶやつって事?」
「はい正解!俺ら飛べねーもん」
「ゴメンなディーノ。俺も空飛びたくてさ」
サーヴァのしょうもない理由で空飛ぶモンスターを捕獲する事になったようだが、聖銀には空を飛ぶ事のできる者は一人もいない。
ランドの弓矢で攻撃する事もできるにはできるのだが、矢の届かない高さまで飛ばれては戦いようがないのだ。
思い返せば昨日の夜にはゲルマニュートが空を飛ぶ気持ちよさやら世界の広さやらと熱く語っていたが、それに影響されたせいかレオパードなどの戦闘系モンスターよりも空飛ぶモンスターに興味を示したようだ。
そして酒場のテーブルに広げた図鑑で様々なモンスターを見ていたが、その中からザックがいくつか居場所の知っているモンスターをピックアップ。
朝方にこれがいいと指し示したのが【フレースヴェルグ】という巨鳥だったとの事。
「伝説級の魔鳥だよな……そんなのテイムできるもんなのか?」
フレースヴェルグはマルドゥク程とはならないものの、討伐の記録がない魔鳥という事で伝説級という扱いだ。
翼を広げれば家数軒を包み込める程の大きさとなり、獲物とした巨大なモンスターをも掴んで飛べる飛行能力ともなれば人間を運ぶくらい容易い事だろう。
「できるといいな。しっかり躾ければいけると思う」
「おおぅ……自信あるわけじゃないのか。でも場所わかるのか?」
「知ってるぜ。ジャダルラックからだと馬車で十日はかかるだろうけど、マルドゥクなら丸一日とかかんねーんじゃね?」
馬車で十日となればかなりの距離がありそうだがマルドゥクの足なら確かに一日で辿り着けると思われる。
ディーノの知らない遠方ともなれば、その土地ならではの料理や酒もあり気にならなくはない。
それでも活動開始の遅い聖銀のせいで、今から向かったとしても今日中に辿り着くことは不可能だ。
一度王都に戻って、いや、ラフロイグで魔鋼武器の進捗状況を確認してからフレースヴェルグ捕獲に向かうべきか。
完成していればこの捕獲の旅でその性能を確かめる事もできるし、完成していなくともやはりどこまで作業が進んでいるのかも気になるところ。
ウルもエルヴェーラに会いたいと思っているはずだ。
「じゃあ行くか。行く前に国王様に挨拶してからな」
「おう、助かるぜ。行った先じゃ飯代はだしてやるからよ」
安い報酬ではあるが美味い飯に美味い酒、見慣れぬ土地には興味がある為ディーノも行くのはまんざらでもない。
とりあえずは王宮で挨拶を済ませたら出発する事とする。
この日も国王は王宮にはおらず、訓練場として整備された広場でライカン化しての訓練を行っていた。
ここ数日はルーヴェべデル獣王国も大きく変化しており、バランタイン王国との国交を結ぶ為に様々な取り決めがあると同時に、力量差を痛感した事で獣人部隊を結成して、まずは色相竜にも備えられるようにと訓練の日々も続いている。
六代目と七代目の国王は歳はとっているものの獣人化した事で肉体が強化され、若い者とそれ程変わらない動きができるとこの訓練にも積極的に取り組んでいるそうだ。
国王も同じくして訓練に参加しているのだが、政務やら何やらで忙しいにも関わらず自分の休息時間を削ってまで努力する姿は、他の獣人達の士気を高めているとの事。
そして肉体としては最も強いと考えられるゲルマニュートは徹底的に絞られているらしい。
昨日の酒の席でも国王が厳しいと嘆いていたものの、現実逃避とばかりに空を飛び始めてからは辛い事も何もかも忘れられると熱く語っていたのだ。
また、食糧難が解決したわけではなく、モンスターを失った者達も相当数存在する事から、バランタイン王国への出稼ぎにと向かう一団をグラーヴジーが率いてジャダルラックへと向かっている。
現地で冒険者にモンスターを捕獲してもらう必要があるのだが、復興が進められているジャダルラック領であれば移動手段の高速化は大きな助けとなるはずだ。
領主であるセヴェリンも喜んで協力してくれるだろう。
それでもまだ出稼ぎに向かいたいという者も多く、今後はジャダルラックから招いた来賓客に同行し、グラーヴジーの部下らが率いて王都への派遣も検討中との事。
しかしこのままではルーヴェべデルの人民が大幅に失われてしまう事になりかねないのだが、開拓や畜産を進める為にバランタイン側からも派遣される事となっており、少ない土地で細々と暮らしていた者達のうち希望した者が派遣対象となるらしい。
モンスターを使役する獣王国ともなれば、農業での力仕事にも確実な作業をこなす事ができる為、新たな土地の開拓でも上手くいく可能性も高いだろう。
また、ルーヴェべデルの属国となっているグラニエにもバランタイン王国の技術や人々が流れ込み、新たに開拓が進められる事にもなっている。
グラニエもルーヴェべデルと同じくテイマーの多い国であり、こちらからもバランタイン王国に出稼ぎに行く者達を募ったらしい。
バランタイン国王に近しい存在である聖銀に説明する必要があるだろうという事でいろいろと聞かされることにはなったのだが、サーヴァの聖銀入りもウルの黒夜叉入りも国王は快く了承してくれた。
そしてこの二人はバランタイン聖王国の最高戦力を補助する重要な役割とし、特殊ランクの0級を与えられる事になった。
国のお抱えという立ち位置にはないのだが、バランタイン王国の実績にルーヴェべデルの力も加わっているとなれば、周辺国からの見方も変わるだろうという裏の事情もあったりする。
何はともあれこうしてサーヴァとウルの自由が約束され、聖銀やディーノと共に出発する事ができるようになった。
「ディーノもモンスターの捕獲手伝うよな。っつか手伝え」
「はあ?兄貴が自分で捕まえてやるって言ってたけど!?」
「おいディーノよぉ。お前にとってモンスター図鑑ってのはどんなもんなんだ?」
「図鑑?ガキの頃からの宝物だけど」
「そんなお前の宝物を買ってやったのはどこの誰だ?長い事大事にしてる宝物だぞ?」
「なんだよ。今更代金支払えって事かよ。結構小さい事言うな……ほい。これで足りるだろ」
「違えよ!代金なんてどうでもいいんだそんなもん!むしろいくらでも買ってやるわ!誠意だよ誠意!今新しく俺達の仲間になったサーヴァがこれから大事にしていく宝物を獲りに行く。そんならお前も手伝うのが筋ってもんじゃねーのか?」
「んー、よくわからん理屈でオレを同行させようと……まあいいけど。でもオレ必要なくね?」
「いやー、思ったより面倒くせーもん欲しがるもんでよぉ。お前の力が必要そうなんだよ」
「オレの力ね……それ空飛ぶやつって事?」
「はい正解!俺ら飛べねーもん」
「ゴメンなディーノ。俺も空飛びたくてさ」
サーヴァのしょうもない理由で空飛ぶモンスターを捕獲する事になったようだが、聖銀には空を飛ぶ事のできる者は一人もいない。
ランドの弓矢で攻撃する事もできるにはできるのだが、矢の届かない高さまで飛ばれては戦いようがないのだ。
思い返せば昨日の夜にはゲルマニュートが空を飛ぶ気持ちよさやら世界の広さやらと熱く語っていたが、それに影響されたせいかレオパードなどの戦闘系モンスターよりも空飛ぶモンスターに興味を示したようだ。
そして酒場のテーブルに広げた図鑑で様々なモンスターを見ていたが、その中からザックがいくつか居場所の知っているモンスターをピックアップ。
朝方にこれがいいと指し示したのが【フレースヴェルグ】という巨鳥だったとの事。
「伝説級の魔鳥だよな……そんなのテイムできるもんなのか?」
フレースヴェルグはマルドゥク程とはならないものの、討伐の記録がない魔鳥という事で伝説級という扱いだ。
翼を広げれば家数軒を包み込める程の大きさとなり、獲物とした巨大なモンスターをも掴んで飛べる飛行能力ともなれば人間を運ぶくらい容易い事だろう。
「できるといいな。しっかり躾ければいけると思う」
「おおぅ……自信あるわけじゃないのか。でも場所わかるのか?」
「知ってるぜ。ジャダルラックからだと馬車で十日はかかるだろうけど、マルドゥクなら丸一日とかかんねーんじゃね?」
馬車で十日となればかなりの距離がありそうだがマルドゥクの足なら確かに一日で辿り着けると思われる。
ディーノの知らない遠方ともなれば、その土地ならではの料理や酒もあり気にならなくはない。
それでも活動開始の遅い聖銀のせいで、今から向かったとしても今日中に辿り着くことは不可能だ。
一度王都に戻って、いや、ラフロイグで魔鋼武器の進捗状況を確認してからフレースヴェルグ捕獲に向かうべきか。
完成していればこの捕獲の旅でその性能を確かめる事もできるし、完成していなくともやはりどこまで作業が進んでいるのかも気になるところ。
ウルもエルヴェーラに会いたいと思っているはずだ。
「じゃあ行くか。行く前に国王様に挨拶してからな」
「おう、助かるぜ。行った先じゃ飯代はだしてやるからよ」
安い報酬ではあるが美味い飯に美味い酒、見慣れぬ土地には興味がある為ディーノも行くのはまんざらでもない。
とりあえずは王宮で挨拶を済ませたら出発する事とする。
この日も国王は王宮にはおらず、訓練場として整備された広場でライカン化しての訓練を行っていた。
ここ数日はルーヴェべデル獣王国も大きく変化しており、バランタイン王国との国交を結ぶ為に様々な取り決めがあると同時に、力量差を痛感した事で獣人部隊を結成して、まずは色相竜にも備えられるようにと訓練の日々も続いている。
六代目と七代目の国王は歳はとっているものの獣人化した事で肉体が強化され、若い者とそれ程変わらない動きができるとこの訓練にも積極的に取り組んでいるそうだ。
国王も同じくして訓練に参加しているのだが、政務やら何やらで忙しいにも関わらず自分の休息時間を削ってまで努力する姿は、他の獣人達の士気を高めているとの事。
そして肉体としては最も強いと考えられるゲルマニュートは徹底的に絞られているらしい。
昨日の酒の席でも国王が厳しいと嘆いていたものの、現実逃避とばかりに空を飛び始めてからは辛い事も何もかも忘れられると熱く語っていたのだ。
また、食糧難が解決したわけではなく、モンスターを失った者達も相当数存在する事から、バランタイン王国への出稼ぎにと向かう一団をグラーヴジーが率いてジャダルラックへと向かっている。
現地で冒険者にモンスターを捕獲してもらう必要があるのだが、復興が進められているジャダルラック領であれば移動手段の高速化は大きな助けとなるはずだ。
領主であるセヴェリンも喜んで協力してくれるだろう。
それでもまだ出稼ぎに向かいたいという者も多く、今後はジャダルラックから招いた来賓客に同行し、グラーヴジーの部下らが率いて王都への派遣も検討中との事。
しかしこのままではルーヴェべデルの人民が大幅に失われてしまう事になりかねないのだが、開拓や畜産を進める為にバランタイン側からも派遣される事となっており、少ない土地で細々と暮らしていた者達のうち希望した者が派遣対象となるらしい。
モンスターを使役する獣王国ともなれば、農業での力仕事にも確実な作業をこなす事ができる為、新たな土地の開拓でも上手くいく可能性も高いだろう。
また、ルーヴェべデルの属国となっているグラニエにもバランタイン王国の技術や人々が流れ込み、新たに開拓が進められる事にもなっている。
グラニエもルーヴェべデルと同じくテイマーの多い国であり、こちらからもバランタイン王国に出稼ぎに行く者達を募ったらしい。
バランタイン国王に近しい存在である聖銀に説明する必要があるだろうという事でいろいろと聞かされることにはなったのだが、サーヴァの聖銀入りもウルの黒夜叉入りも国王は快く了承してくれた。
そしてこの二人はバランタイン聖王国の最高戦力を補助する重要な役割とし、特殊ランクの0級を与えられる事になった。
国のお抱えという立ち位置にはないのだが、バランタイン王国の実績にルーヴェべデルの力も加わっているとなれば、周辺国からの見方も変わるだろうという裏の事情もあったりする。
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