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113 ルーヴェべデルへ
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ルーヴェべデルに出発する日の朝。
ギルドで三人の使者と合流したディーノとウル。
表向きは使者三人となっているが、外交官の【グレゴリオ】子爵と付き人の二人となる為、ルーヴェべデルへの使者は実質一人と言っていいだろう。
それでも付き人二人も普段からグレゴリオの仕事の補助をしているとの事で、外交に関する知識は驚く程に高い。
「これが噂に聞くマルドゥクですか……これ程までに巨大な生物を単独のパーティーで討伐、いや、捕獲したとは驚きましたな。その勇姿をこの旅の道中でお聞かせ願いたいものです」
「お話するのは構わないんですけど道中ではたぶん無理ですよ?まともに会話なんてできないと思うんで」
「それは残念ですね。では途中の宿でお聞かせ願いましょう」
「……んん、まあ、そうですね」
少し歯切れの悪い回答をするディーノは、マルドゥクによる移動ではこの日のうちのルーヴェべデルまで到着してしまうのではないかと思った為だ。
ウルもマルドゥクの速度であれば、休憩なしで日暮れ前には余裕で着けるだろうと予想している。
マルドゥクの荷台にルーヴェべデルへの貢物や酒、個人の荷物を積み込み、準備が整ったところで仲間に挨拶しようと歩み寄る。
「ディーノ。浮気は絶対にしないでね!」
「ああ、わかった。けどオレどんだけ信用ないんだ?」
「ヴィタとか……美人に弱いでしょ」
「否定、はできないけどオレにはアリスがいるし大丈夫だ。安心してくれ。それよりアリスだって気を付けろよ。男は大概美人に弱いんだからな」
「否定してほしかったのに……私は大丈夫よ。変な男が寄って来たら焼き切ってやるから」
アリスはいったいどこを焼き切るつもりでいるのだろうか。
そんな状況になる事自体が問題なのだが、武器を持たないとしてもウィザードは魔法で対処できる為酔い潰れたりしない限りはなんとかなるだろう。
酒を飲み過ぎないようにも注意しておいた。
「じゃあブレイブも竜種討伐の旅に出るんだ。死なないよう気を付けて戦えよ。アリスとフィオレもあいつら頼むな」
「任せて」と笑顔を向ける黒夜叉の二人は、竜種の中でも最上位に位置する色相竜との戦闘経験もある為それ程不安もなさそうだ。
「お前こそ気を付けて行けよ。ルーヴェべデルが戦争するつもりでいるんなら相当な戦力を集めてるはずだからな。喧嘩売るような真似だけは絶対すんなよ?」
「マリオじゃないんだから大丈夫でしょー。ま、最悪はディーノだけなら逃げられるだろうけどね」
ここ最近ではディーノに対する想いに整理がついたのか、ソーニャも以前と変わらない接し方に戻っている。
とはいえ恋愛を別としても好意がある事から抱き着こうとはしたりもするのだが。
「ディーノはルーヴェべデルをしっかりと満喫して来て。二、三年は戻って来なくても大丈夫だから」
「何言ってんだレナ。お前がフィオレと一緒にいたいだけだろ」
ディーノがルーヴェべデルから戻って来たらまたフィオレとは別行動になってしまうレナータとしては、しばらく竜種討伐の旅を続けたい。
長期間他国に滞在してくれればレナータとしては都合がいいのだろう。
「ディーノ。いい土産話を期待してる。帰って来たらまた飲みに行こうか」
「おう。やっぱジェラルドが一番まともだよな。お前らの竜種討伐の話も楽しみにしてる。最強の盾として頑張れよな」
ジェラルドと拳を打ち付け合うディーノはやはり彼の性癖を知らない。
一番異常な男はいい顔を見せてディーノと頷き合うが、ブレイブのメンバーはそれを白い目で見つめていた。
ディーノ達を乗せたマルドゥクが立ち上がり、多くの人々に見送られながらルーヴェべデルへと出発する。
マルドゥクが走り進むのはやはりジャダルラック領方面であり、馬車で約五日間の距離をおよそ四の半時程という短時間で走破した事に誰もが驚きを隠せない。
途中で発見した巨獣系モンスターを戦闘訓練ついでに捕食させ、マルドゥクの腹も満たした上でのこの時間だ。
戦闘と食事の時間を合わせて二の時程と考えれば、休憩時間を取り過ぎではないかとも思ってしまうものの、いずれどこかでマルドゥクの腹を満たす必要があった為都合が良かったと言える。
ジャダルラック領では伯爵邸に挨拶に向かったものの、ドルドレイク夫妻は建築家を要請しようと隣領へと出向いているとの事。
執事のエンリコから少し休んでいくよう声をかけられたが、この日のうちにルーヴェべデルまで移動したかったディーノは休まずに先に進む事にした。
ジャダルラック領からルーヴェべデル王国の西南に位置する【トリチナ】領跡地を見渡し、以前ディーノ達が倒した黄竜の被害にあった街だと聞けば竜害がどれ程恐ろしいものかを知る事となる。
ジャダルラック領のワルターキでは戦闘行為がほとんどなかった事から、ディーノ達が戦う前は壊滅状態という程酷い状態ではなかったが、ここトリチナでは建物全てが崩され、焼き焦がされた真っ黒な死の街が広がっている。
たった一体の竜種がわずか一日にして滅した街がこのトリチナなのだ。
もし世界規模の竜害が起これば、どの街でもトリチナと同じような末路を辿る事になる。
それを思えば絶対に今ここでバランタイン王国とルーヴェべデル王国とで戦争を起こすわけにはいかない。
そしてトリチナから山岳地帯を半時程走り抜けた先にあったのがルーヴェべデルの王都【べデル】に到着した。
時刻は夜の初時頃であり、日が沈む少し前には到着した事からジャダルラック領からおよそ五の時程でたどり着いた事になる。
巨獣を使役する者が多いルーヴェべデルとはいえ、それらを遥かに凌ぐ存在であるマルドゥクが現れた事により王都は騒然。
門の前には数え切れない程のモンスター群とそれを従える冒険者や兵士達。
ウルがパラサイトを解除すればルーヴェべデルの冒険者という事を知らせる事もできるが、解除したところを襲われてはマルドゥクに多くの傷を残してしまう可能性もある。
やむを得ずマルドゥクから飛び降りたディーノはモンスター群の前に出て声を上げる。
「オレはバランタイン聖王国からの使者、S級冒険者のディーノ=エイシスだ。今日はルーヴェべデル王国の0級冒険者であるウル=シュミットと共にバランタインの意思を伝えに来た。ルーヴェべデルの外交を担当する者と引き合わせてほしい」
おそらくはここに集まった者達に貴族階級の者は一人もいないだろう。
国の重鎮が来るとは考えにくいが、バランタインからの使者と名乗ればそれなりに位の高い者が現れるだろうとしばらく待つつもりで宣言した。
するとモンスター群を押し退けて前に出て来た巨獣の背に乗る老人。
「儂はべデルギルドマスター【ドロフェイ】。使者殿。我らが勇者、ウル=シュミットは背後の巨獣の中におるという事でよろしいですかな?」
年配の男が使者と名乗った自分に対し、丁寧な言葉遣いをすると少し考えを改めるディーノ。
「ええ、そうです。ティアマトは殺してしまったので、代わりにバランタインでも最強と語られていたマルドゥクに寄生してもらってます」
国の上層部はバランタイン聖王国と戦争をするつもりでいるとしても、国民がそれを知るとは限らない。
多くを語らずに簡潔に伝えようと、ティアマトを殺したからマルドゥクに寄生していると説明する。
さすがにこのディーノの発言に騒めきが起こり、ドロフェイの表情にも驚きが見てとれる。
ディーノの言い方から考えれば自分が殺したと言ったようにしか聞こえないのだが、ルーヴェべデルが多大な犠牲を払ったうえで捕獲に成功したティアマトを一人で殺したとは到底思えない。
バランタイン王国が討伐軍を率いて倒したのだろうと考える。
「なるほど。バランタインにもティアマトと戦えるだけの戦力はあると……素晴らしいですな。是非ともその戦いぶりをお聞かせ願いたいものです」
ドロフェイとしてはバランタイン王国の戦力や戦いぶりを知りたいと思っているのだが、ディーノとしては自分の戦闘を振り返るだけという少し認識に違いはあるのだが、お互い気付かずに話を進める。
「任務を終えた後であればいくらでもお話させて頂きます。それで……時間も時間ですし本日でなくても構いません。ギルドマスターの権限で外交官にお取り継ぎ願えませんか?」
「使者殿の到着を知って尚も野宿させたとあっては王国の恥。街へお入りくだされ。宿と食事を用意致します故。外交官、となれば【スチェパン】様ですかな、お取り継ぎ致しましょう」
ドロフェイがディーノ達を通すよう指示を出すとモンスター群が左右に別れて道を開く。
ディーノはモンスター群にも恐れる事なく歩き進み、話が終わったかと立ち上がったマルドゥクもモンスター群を見下ろしながら街へと入って行く。
ギルドで三人の使者と合流したディーノとウル。
表向きは使者三人となっているが、外交官の【グレゴリオ】子爵と付き人の二人となる為、ルーヴェべデルへの使者は実質一人と言っていいだろう。
それでも付き人二人も普段からグレゴリオの仕事の補助をしているとの事で、外交に関する知識は驚く程に高い。
「これが噂に聞くマルドゥクですか……これ程までに巨大な生物を単独のパーティーで討伐、いや、捕獲したとは驚きましたな。その勇姿をこの旅の道中でお聞かせ願いたいものです」
「お話するのは構わないんですけど道中ではたぶん無理ですよ?まともに会話なんてできないと思うんで」
「それは残念ですね。では途中の宿でお聞かせ願いましょう」
「……んん、まあ、そうですね」
少し歯切れの悪い回答をするディーノは、マルドゥクによる移動ではこの日のうちのルーヴェべデルまで到着してしまうのではないかと思った為だ。
ウルもマルドゥクの速度であれば、休憩なしで日暮れ前には余裕で着けるだろうと予想している。
マルドゥクの荷台にルーヴェべデルへの貢物や酒、個人の荷物を積み込み、準備が整ったところで仲間に挨拶しようと歩み寄る。
「ディーノ。浮気は絶対にしないでね!」
「ああ、わかった。けどオレどんだけ信用ないんだ?」
「ヴィタとか……美人に弱いでしょ」
「否定、はできないけどオレにはアリスがいるし大丈夫だ。安心してくれ。それよりアリスだって気を付けろよ。男は大概美人に弱いんだからな」
「否定してほしかったのに……私は大丈夫よ。変な男が寄って来たら焼き切ってやるから」
アリスはいったいどこを焼き切るつもりでいるのだろうか。
そんな状況になる事自体が問題なのだが、武器を持たないとしてもウィザードは魔法で対処できる為酔い潰れたりしない限りはなんとかなるだろう。
酒を飲み過ぎないようにも注意しておいた。
「じゃあブレイブも竜種討伐の旅に出るんだ。死なないよう気を付けて戦えよ。アリスとフィオレもあいつら頼むな」
「任せて」と笑顔を向ける黒夜叉の二人は、竜種の中でも最上位に位置する色相竜との戦闘経験もある為それ程不安もなさそうだ。
「お前こそ気を付けて行けよ。ルーヴェべデルが戦争するつもりでいるんなら相当な戦力を集めてるはずだからな。喧嘩売るような真似だけは絶対すんなよ?」
「マリオじゃないんだから大丈夫でしょー。ま、最悪はディーノだけなら逃げられるだろうけどね」
ここ最近ではディーノに対する想いに整理がついたのか、ソーニャも以前と変わらない接し方に戻っている。
とはいえ恋愛を別としても好意がある事から抱き着こうとはしたりもするのだが。
「ディーノはルーヴェべデルをしっかりと満喫して来て。二、三年は戻って来なくても大丈夫だから」
「何言ってんだレナ。お前がフィオレと一緒にいたいだけだろ」
ディーノがルーヴェべデルから戻って来たらまたフィオレとは別行動になってしまうレナータとしては、しばらく竜種討伐の旅を続けたい。
長期間他国に滞在してくれればレナータとしては都合がいいのだろう。
「ディーノ。いい土産話を期待してる。帰って来たらまた飲みに行こうか」
「おう。やっぱジェラルドが一番まともだよな。お前らの竜種討伐の話も楽しみにしてる。最強の盾として頑張れよな」
ジェラルドと拳を打ち付け合うディーノはやはり彼の性癖を知らない。
一番異常な男はいい顔を見せてディーノと頷き合うが、ブレイブのメンバーはそれを白い目で見つめていた。
ディーノ達を乗せたマルドゥクが立ち上がり、多くの人々に見送られながらルーヴェべデルへと出発する。
マルドゥクが走り進むのはやはりジャダルラック領方面であり、馬車で約五日間の距離をおよそ四の半時程という短時間で走破した事に誰もが驚きを隠せない。
途中で発見した巨獣系モンスターを戦闘訓練ついでに捕食させ、マルドゥクの腹も満たした上でのこの時間だ。
戦闘と食事の時間を合わせて二の時程と考えれば、休憩時間を取り過ぎではないかとも思ってしまうものの、いずれどこかでマルドゥクの腹を満たす必要があった為都合が良かったと言える。
ジャダルラック領では伯爵邸に挨拶に向かったものの、ドルドレイク夫妻は建築家を要請しようと隣領へと出向いているとの事。
執事のエンリコから少し休んでいくよう声をかけられたが、この日のうちにルーヴェべデルまで移動したかったディーノは休まずに先に進む事にした。
ジャダルラック領からルーヴェべデル王国の西南に位置する【トリチナ】領跡地を見渡し、以前ディーノ達が倒した黄竜の被害にあった街だと聞けば竜害がどれ程恐ろしいものかを知る事となる。
ジャダルラック領のワルターキでは戦闘行為がほとんどなかった事から、ディーノ達が戦う前は壊滅状態という程酷い状態ではなかったが、ここトリチナでは建物全てが崩され、焼き焦がされた真っ黒な死の街が広がっている。
たった一体の竜種がわずか一日にして滅した街がこのトリチナなのだ。
もし世界規模の竜害が起これば、どの街でもトリチナと同じような末路を辿る事になる。
それを思えば絶対に今ここでバランタイン王国とルーヴェべデル王国とで戦争を起こすわけにはいかない。
そしてトリチナから山岳地帯を半時程走り抜けた先にあったのがルーヴェべデルの王都【べデル】に到着した。
時刻は夜の初時頃であり、日が沈む少し前には到着した事からジャダルラック領からおよそ五の時程でたどり着いた事になる。
巨獣を使役する者が多いルーヴェべデルとはいえ、それらを遥かに凌ぐ存在であるマルドゥクが現れた事により王都は騒然。
門の前には数え切れない程のモンスター群とそれを従える冒険者や兵士達。
ウルがパラサイトを解除すればルーヴェべデルの冒険者という事を知らせる事もできるが、解除したところを襲われてはマルドゥクに多くの傷を残してしまう可能性もある。
やむを得ずマルドゥクから飛び降りたディーノはモンスター群の前に出て声を上げる。
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おそらくはここに集まった者達に貴族階級の者は一人もいないだろう。
国の重鎮が来るとは考えにくいが、バランタインからの使者と名乗ればそれなりに位の高い者が現れるだろうとしばらく待つつもりで宣言した。
するとモンスター群を押し退けて前に出て来た巨獣の背に乗る老人。
「儂はべデルギルドマスター【ドロフェイ】。使者殿。我らが勇者、ウル=シュミットは背後の巨獣の中におるという事でよろしいですかな?」
年配の男が使者と名乗った自分に対し、丁寧な言葉遣いをすると少し考えを改めるディーノ。
「ええ、そうです。ティアマトは殺してしまったので、代わりにバランタインでも最強と語られていたマルドゥクに寄生してもらってます」
国の上層部はバランタイン聖王国と戦争をするつもりでいるとしても、国民がそれを知るとは限らない。
多くを語らずに簡潔に伝えようと、ティアマトを殺したからマルドゥクに寄生していると説明する。
さすがにこのディーノの発言に騒めきが起こり、ドロフェイの表情にも驚きが見てとれる。
ディーノの言い方から考えれば自分が殺したと言ったようにしか聞こえないのだが、ルーヴェべデルが多大な犠牲を払ったうえで捕獲に成功したティアマトを一人で殺したとは到底思えない。
バランタイン王国が討伐軍を率いて倒したのだろうと考える。
「なるほど。バランタインにもティアマトと戦えるだけの戦力はあると……素晴らしいですな。是非ともその戦いぶりをお聞かせ願いたいものです」
ドロフェイとしてはバランタイン王国の戦力や戦いぶりを知りたいと思っているのだが、ディーノとしては自分の戦闘を振り返るだけという少し認識に違いはあるのだが、お互い気付かずに話を進める。
「任務を終えた後であればいくらでもお話させて頂きます。それで……時間も時間ですし本日でなくても構いません。ギルドマスターの権限で外交官にお取り継ぎ願えませんか?」
「使者殿の到着を知って尚も野宿させたとあっては王国の恥。街へお入りくだされ。宿と食事を用意致します故。外交官、となれば【スチェパン】様ですかな、お取り継ぎ致しましょう」
ドロフェイがディーノ達を通すよう指示を出すとモンスター群が左右に別れて道を開く。
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