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26 高級料理店【黄金の盃】
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ディーノのクエストにソーニャとアリスの同行が決まった為、とりあえずクエストを受注するべきだろう。
「じゃあエル。明日またクエスト行こうと思うんだけど、いいのあるか?」
「今日もディーノさん向けのはないですけど……複数体の討伐がいいですよね?だとすれば【リノタイガー】の討伐はいかがですか?依頼では五体の群れの討伐ですし回復薬の原料に今少し需要が高いです」
リノタイガーは頭部からツノを生やした肉食モンスターであり、ツノで突き殺した対象を引き裂いて食料とする危険な存在だ。
素早さを重視した進化を遂げた為か、体は大人の男程とやや小さめ。
似たようなツノを持つホーン系のモンスターとは性質が違い、肉感のあるツノに強化スキルを施し、硬度のあるツノを武器としている。
その為、討伐する事で柔らかくなるツノを採取して加工し、上級回復薬の原料として使われる。
「また速い奴だな。でもいいのか?一匹でもBB級なのが五匹ともなればAA級の扱いだろ」
「まだ発注されたばかりなんですけど、これは失敗する確率が高くて誰も受けたがらないと思うんですよね。ディーノさんなら余裕でしょうし、ギルド長も許可してくれますよ」
「じゃあよろしく」と受注するディーノ。
リノタイガー一体の討伐であればBB級クエストとなり、素早いとはいえ向かって来るタイガーを相手にする事になる為、他の冒険者パーティーでも討伐は可能だ。
しかし五体が相手ともなれば、必ず一人一人が一体以上を相手にする必要が出てくる為、全員が相当な実力を持ったパーティーでなくては対応が難しい。
これはディーノ個人に対するクエストとなるが、今回は同行する二人も危険に晒される事になる。
ソーニャはともかくとして、近距離戦の苦手なアリスではリノタイガー一体でさえも受け持つ事ができない。
「ディーノ。同行させてもらえるのは嬉しいんだけど私じゃ……」
困ったような表情をするアリスの手を指差すディーノ。
「それ、風の属性リングだろ?それで回避に専念すればいい」
B級ウィザードにまで上り詰めたアリスは、もう随分と前には貯めた金で風の属性リングを購入している。
これは手から火属性スキルを発動し、それを対象に飛ばす為に利用するのが目的だ。
「回避?私、後衛だしやった事ない」
やはり後衛職となれば回避を考える事がない。
前衛に守られながら、モンスターの隙を突いて攻撃魔法を放つのがウィザードなのだから。
「練習しながら行けばいいよ。風での回避ができればソーニャより簡単に避けられるし。ま、今日は宿に帰って……いや、少し親睦を深める為にご飯でも行くか」
「ラフロイグの美味しい店に行きたい!」
「そうだな。今日はソーニャも頑張ったしいい店連れてってやるよ」
「私も行きたーい」と言うエルヴェーラはまだ仕事中であり、ラフロイグの冒険者達にこれ以上睨まれたくもないディーノは手を振ってギルドを後にした。
ディーノが向かったラフロイグの料理店。
「いらっしゃいませ、ディーノ様。お連れの方々もようこそお出で下さいました。わたくし、【黄金の盃】オーナーシェフのグラツィアーノと申します。今日も腕によりを掛けさせて頂きます」
グラツィアーノは一礼し、ウェイターに飲み物を出すよう指示を出して調理場へと向かった。
ここはラフロイグでも指折りの有名店黄金の盃。
貴族や富豪の紹介がなければ店に入る事も許されないような格式の高い店であり、アリスもこれ程豪華な店に入った事はない。
ソーニャはザックに連れられて王都最大の高級店ゴッドファーザーに入った事はあるが、黄金の盃はラフロイグのゴッドファーザーと言える、商業都市最大の店だ。
しかし王都の中央区とは違い、商業都市にある為か、冒険者姿のディーノでも店内へと案内してもらえる。
ただし、正装でなければ個室のみとなるのだが。
「まずは乾杯。ソーニャの今日の頑張りにご褒美と……アリスには詫びの代わりだな」
「むぅ、ザックさんといいディーノといい、私達と住んでる世界が違うのか!同じ冒険者じゃないみたい!ふわぁ、美味しいっ」
「え、言われるまま着いて来て何これ……黄金の盃?ここって一般人が入れるの?え、え、私もしかして酔いすぎ?」
ほぼ酔いの覚めているアリスだが、まさかこんな高級店に連れて来られるとは思っていなかったのだろう。
動揺してグラスに注がれた果実酒を回し続けている。
しかし料理が並び始めて口に運べばその美味しさに手が止まらなくなり、緊張も解けて会話も弾む。
ソーニャの今日の戦いと今後の課題、エアレイドの応用などの話から、アリスのこれまでの冒険やここ最近のラフロイグの流行の話。
そしてアリスが最悪と感じたブレイブでのクエストの話が始まり、次第にソーニャのブレイブでの三月に話は流れ、あまりにも悲惨なソーニャの戦いにアリスは思わず抱き締めていた。
オリオンにいたディーノもそうだったのかもしれないが、思わず頭を抱えてしまう程だ。
ソーニャにあまりにも申し訳なく思い、「いつでも頼って来てもいい」と言ったものの、ソーニャ自身はブレイブを見返したい気持ちもあるそうだ。
「使えない」「役立たず」と罵られた事を思い出して拳を握り締め、ディーノに「強いな」と褒められると嬉しそうに顔を綻ばせた。
ソーニャとディーノのやり取りを見て、アリスは少し思うところがあった。
ラフロイグにいるディーノは誰も受け付けないとばかりにパーティーを断り続け、その目には冷たささえ感じていた。
自分が以前声を掛けた時もやはり冷たい雰囲気があり、誰も仲間と認めない、認めたくないと言わんばかりの距離を感じた。
しかし今、ディーノがソーニャに向ける目は優しく、仲間であると、その強さを認めていると、信頼していると、そんな雰囲気を感じ取れる。
ソロのS級冒険者であり、ギルド受付嬢からは絶対の信頼を得ているディーノ=エイシス。
そのディーノに認められているソーニャを羨ましく感じるアリスだった。
「じゃあエル。明日またクエスト行こうと思うんだけど、いいのあるか?」
「今日もディーノさん向けのはないですけど……複数体の討伐がいいですよね?だとすれば【リノタイガー】の討伐はいかがですか?依頼では五体の群れの討伐ですし回復薬の原料に今少し需要が高いです」
リノタイガーは頭部からツノを生やした肉食モンスターであり、ツノで突き殺した対象を引き裂いて食料とする危険な存在だ。
素早さを重視した進化を遂げた為か、体は大人の男程とやや小さめ。
似たようなツノを持つホーン系のモンスターとは性質が違い、肉感のあるツノに強化スキルを施し、硬度のあるツノを武器としている。
その為、討伐する事で柔らかくなるツノを採取して加工し、上級回復薬の原料として使われる。
「また速い奴だな。でもいいのか?一匹でもBB級なのが五匹ともなればAA級の扱いだろ」
「まだ発注されたばかりなんですけど、これは失敗する確率が高くて誰も受けたがらないと思うんですよね。ディーノさんなら余裕でしょうし、ギルド長も許可してくれますよ」
「じゃあよろしく」と受注するディーノ。
リノタイガー一体の討伐であればBB級クエストとなり、素早いとはいえ向かって来るタイガーを相手にする事になる為、他の冒険者パーティーでも討伐は可能だ。
しかし五体が相手ともなれば、必ず一人一人が一体以上を相手にする必要が出てくる為、全員が相当な実力を持ったパーティーでなくては対応が難しい。
これはディーノ個人に対するクエストとなるが、今回は同行する二人も危険に晒される事になる。
ソーニャはともかくとして、近距離戦の苦手なアリスではリノタイガー一体でさえも受け持つ事ができない。
「ディーノ。同行させてもらえるのは嬉しいんだけど私じゃ……」
困ったような表情をするアリスの手を指差すディーノ。
「それ、風の属性リングだろ?それで回避に専念すればいい」
B級ウィザードにまで上り詰めたアリスは、もう随分と前には貯めた金で風の属性リングを購入している。
これは手から火属性スキルを発動し、それを対象に飛ばす為に利用するのが目的だ。
「回避?私、後衛だしやった事ない」
やはり後衛職となれば回避を考える事がない。
前衛に守られながら、モンスターの隙を突いて攻撃魔法を放つのがウィザードなのだから。
「練習しながら行けばいいよ。風での回避ができればソーニャより簡単に避けられるし。ま、今日は宿に帰って……いや、少し親睦を深める為にご飯でも行くか」
「ラフロイグの美味しい店に行きたい!」
「そうだな。今日はソーニャも頑張ったしいい店連れてってやるよ」
「私も行きたーい」と言うエルヴェーラはまだ仕事中であり、ラフロイグの冒険者達にこれ以上睨まれたくもないディーノは手を振ってギルドを後にした。
ディーノが向かったラフロイグの料理店。
「いらっしゃいませ、ディーノ様。お連れの方々もようこそお出で下さいました。わたくし、【黄金の盃】オーナーシェフのグラツィアーノと申します。今日も腕によりを掛けさせて頂きます」
グラツィアーノは一礼し、ウェイターに飲み物を出すよう指示を出して調理場へと向かった。
ここはラフロイグでも指折りの有名店黄金の盃。
貴族や富豪の紹介がなければ店に入る事も許されないような格式の高い店であり、アリスもこれ程豪華な店に入った事はない。
ソーニャはザックに連れられて王都最大の高級店ゴッドファーザーに入った事はあるが、黄金の盃はラフロイグのゴッドファーザーと言える、商業都市最大の店だ。
しかし王都の中央区とは違い、商業都市にある為か、冒険者姿のディーノでも店内へと案内してもらえる。
ただし、正装でなければ個室のみとなるのだが。
「まずは乾杯。ソーニャの今日の頑張りにご褒美と……アリスには詫びの代わりだな」
「むぅ、ザックさんといいディーノといい、私達と住んでる世界が違うのか!同じ冒険者じゃないみたい!ふわぁ、美味しいっ」
「え、言われるまま着いて来て何これ……黄金の盃?ここって一般人が入れるの?え、え、私もしかして酔いすぎ?」
ほぼ酔いの覚めているアリスだが、まさかこんな高級店に連れて来られるとは思っていなかったのだろう。
動揺してグラスに注がれた果実酒を回し続けている。
しかし料理が並び始めて口に運べばその美味しさに手が止まらなくなり、緊張も解けて会話も弾む。
ソーニャの今日の戦いと今後の課題、エアレイドの応用などの話から、アリスのこれまでの冒険やここ最近のラフロイグの流行の話。
そしてアリスが最悪と感じたブレイブでのクエストの話が始まり、次第にソーニャのブレイブでの三月に話は流れ、あまりにも悲惨なソーニャの戦いにアリスは思わず抱き締めていた。
オリオンにいたディーノもそうだったのかもしれないが、思わず頭を抱えてしまう程だ。
ソーニャにあまりにも申し訳なく思い、「いつでも頼って来てもいい」と言ったものの、ソーニャ自身はブレイブを見返したい気持ちもあるそうだ。
「使えない」「役立たず」と罵られた事を思い出して拳を握り締め、ディーノに「強いな」と褒められると嬉しそうに顔を綻ばせた。
ソーニャとディーノのやり取りを見て、アリスは少し思うところがあった。
ラフロイグにいるディーノは誰も受け付けないとばかりにパーティーを断り続け、その目には冷たささえ感じていた。
自分が以前声を掛けた時もやはり冷たい雰囲気があり、誰も仲間と認めない、認めたくないと言わんばかりの距離を感じた。
しかし今、ディーノがソーニャに向ける目は優しく、仲間であると、その強さを認めていると、信頼していると、そんな雰囲気を感じ取れる。
ソロのS級冒険者であり、ギルド受付嬢からは絶対の信頼を得ているディーノ=エイシス。
そのディーノに認められているソーニャを羨ましく感じるアリスだった。
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