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お持ち帰り
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軽い食事を済ませたボクとルシータは、街の探索を再開させる。という訳で今度は、近くのショッピングモール周辺を説明しながら歩き回った。そして学校近くにあると言うルシータが住んでいるマンション周辺の探索が終わった辺りで、時刻は15時を回っていた。
因みにルシータは本当に3秒あれば何処でも寝むれるようで、ショッピングモール内にあった通路沿いにある椅子を見つけた時ボクの身体に寄り添う形で5分だけ仮眠を取っていた。
そして今も、公園のベンチでボクに寄り掛かるようにして隣で眠っている。因みに寝ている時ルシータに引っ付いちゃっている訳で、因みに柔らかな感触に良い香りがしている訳で、ちょっとだけ緊張しちゃっています。
……あっ、起きたみたい。
「……やっぱり、この夢を何度も見ている」
「ルシータ、つまり正夢になる夢を見ているって事? 」
「そうなるわけ、だね」
「どんな夢なの? 」
「どうやら私の家に、ツバサを招待している夢みたいなんだ。……と言う事で夢しるべに従って、ツバサを家に招待したいのだけれど、良いかな? 」
「ほんと!? 行きたい、見てみたい。ボク、ルシータのお部屋に興味がある。……と言うか、さっきから出ている夢しるべって何? 」
「夢しるべとは、見た夢に従って行動をする事を言うよ。道しるべの夢バージョン、だね」
「へぇー、なんだか面白い言葉だなー」
と言う事でボクは急遽ルシータの住まいにお邪魔する事になった。
因みにルシータが料理を振る舞ってくれるそうで、住まいに向かう途中に食材を購入していた。そうして買い物袋を手にしたボクは、学校近くの高級マンションの一室であるルシータの家へ上がり込んでいた。そして現在、通された部屋のソファーにチョコンと腰掛けている。
首を動かしてキョロキョロと辺りを見回す。
綺麗に片付いているなー。と言うか、必要最小限と言った感じで物が少ない。
それと室内は白を基調としていて、清潔感に溢れているなー。
うーん、ただ料理が出来るのを待つのはソワソワしちゃうよ。なにか手伝える事があるかもだから、ルシータがいる台所に行ってみよう。
するとボクに気が付いたエプロン姿のルシータが、ハテナ顔で小首を傾げる。
「なにかあったのかな? 」
「うんとね、なにかボクに出来る事はないかなと思って」
「そうだねー、そしたら洗い物をお願いしても良いかな」
「うん、任せて」
そうしてルシータが野菜を切ったり海老を剥いたりしている——揚げ物の用意している——隣で、ボクは洗い物をする事に。しかし洗い物はすぐに終わったため、ご飯の早炊きのセットをしたり食器や箸を並べたりもした。そうこうしていると、ルシータの料理が出来上がりテーブルの上に料理を乗せたお皿が並ぶ。
「簡単にパパッと作っちゃったけど、良かったら感想を聞かせてくれると嬉しいかな」
「うん、いただきます」
まずは揚げ物の定番、芋の天ぷらを頂くとしますか。ツユに浸して口へ運ぶ。
「うん、ちゃんと火が通っていて、サクサクして美味しいよ」
「本当! ありがとう」
そしてご飯のオカズとして海老の天ぷら、そしてシソの葉っぱやキノコの天ぷらを食したボクはお腹一杯になっていた。対面に座るルシータも、お腹一杯になったようでウツラウツラし出している。
とそこでまた眠るのかなーと思っていると、ルシータが微笑んだ気がした。
「ツバサ、リクエストしても良いかな? 」
「リクエスト? 」
「えっとね、もっと良く眠れると思うから、今からツバサを抱き枕みたいにして寝ても良いかな? 」
えっ、それって、……抱きついてくるって事? 外国の人ってそれぐらいのスキンシップは普通なのかな? 恥ずかしがっているボクがおかしいのかな?
そこでルシータが甘い声で問い掛けてくる。
「ダメ、かな? 」
答えに迷うボクが思わず黙ってしまっていると、ルシータが悲しそうな消え入りそうな声で言葉を紡ぐ。
「ダメなら諦めるけど」
「えっと、うん、……良いよ」
「ありがとう」
パァッと明るい笑顔になったルシータがソファから立ち上がると、ボクの隣へ移動してきた。そしてそのまま座ると、『ふわぁ~』と欠伸をしながらボクの身体に腕を回して抱きついてくる。
「ツバサ、暖かくて柔らかーい」
部屋にはテレビが無ければラジオも無いため、静寂に包まれている。そんな衣擦れの音さえ耳が拾ってしまいそうになる静けさの中で、ボクはドキドキしてしまっていて、心臓は結構大きな音を立ててしまっている。
こんなに密着してしまっているんだから、ルシータの顔がボクの胸の位置にあるから、ドキドキしているのがバレてしまうよ。
「ツバサ、これまでで一番ドキドキしている、かな」
バッ、バレている。しかも一番って、はっ、恥ずかしい。
「なぜ、こんなにドキドキしているのかな? 」
ううっ、ルシータを意識しているからだけど、そんな事本人を前にして言えないよ。
「ツバサ、もしかして良く見る夢って——」
そこでルシータがもったいぶるようにして、言葉を千切った。そのため視線をルシータの顔へ向けると、間近で見つめ合う形で視線が合う。そして——
「私とキスをしていたりするの、かな? 」
えっ? なぜそれを、なぜバレてしまったの?
◆ ◆ ◆
私の言葉を聞いたツバサが、目を見開いて口から声にならない声を漏らしている。
驚いている顔も可愛いなー。……沢山苛めたくなってしまうよ。それとこれからの事がスムーズに行くよう、本当の事を教えてあげよう、かな。
「実は見えていた夢が家に招待する夢って言っていたのは嘘。それで本当に見えていた夢は、私とツバサがキスをしている夢」
一種のパニック状態であろうツバサは、私の言葉を理解しようと耳を傾けているため無防備なままである。だから今がチャンス、かな。
「あっ」
抱きついたまま体重をかける事により、小柄なツバサの身体をソファに押し倒した。そして見下ろす形でツバサの顔を眺める。
ツバサは押しに弱いようで、流されるまま全てを受け入れてしまっている。それとも私だから受け入れてしまっているのかな? ……そうだと嬉しい、かな。
でも恥ずかしがっているツバサは本当に可愛い。だから気が付けば思わず頬っぺにキスをしてしまっていた。チュッチュッと何度も。
「ルシータ、ダメだよ。ボク達は女の子同士なんだから」
「そこは気にしなくて大丈夫、だよ」
だって私は半端者なのだから。女性ホルモンの方が多いみたいで身体付きは女性だけど、付いている物はどちらも付いている。こんな身体、気持ち悪がられるかな? でももう止まらないよ。
顔を寄せていくとツバサが瞳をギュッと閉じた。私もキスに集中するため、瞳を閉じる。そして私とツバサの唇が重なり合う。私はツバサの唇を味わうように、ゆっくり優しく時間をかけて唇を動かしていく。途中キスをしながらツバサを強く抱きしめると、ツバサも抱きしめ返してきた。
あぁ、そんな風に応えられたら、私のツバサを感じさせたい欲望の炎が、私の脆弱な理性を燃やしていってしまう。
……今までそう言う事に使った事がないけれど、このまま最後までしちゃおう、かな?
因みにルシータは本当に3秒あれば何処でも寝むれるようで、ショッピングモール内にあった通路沿いにある椅子を見つけた時ボクの身体に寄り添う形で5分だけ仮眠を取っていた。
そして今も、公園のベンチでボクに寄り掛かるようにして隣で眠っている。因みに寝ている時ルシータに引っ付いちゃっている訳で、因みに柔らかな感触に良い香りがしている訳で、ちょっとだけ緊張しちゃっています。
……あっ、起きたみたい。
「……やっぱり、この夢を何度も見ている」
「ルシータ、つまり正夢になる夢を見ているって事? 」
「そうなるわけ、だね」
「どんな夢なの? 」
「どうやら私の家に、ツバサを招待している夢みたいなんだ。……と言う事で夢しるべに従って、ツバサを家に招待したいのだけれど、良いかな? 」
「ほんと!? 行きたい、見てみたい。ボク、ルシータのお部屋に興味がある。……と言うか、さっきから出ている夢しるべって何? 」
「夢しるべとは、見た夢に従って行動をする事を言うよ。道しるべの夢バージョン、だね」
「へぇー、なんだか面白い言葉だなー」
と言う事でボクは急遽ルシータの住まいにお邪魔する事になった。
因みにルシータが料理を振る舞ってくれるそうで、住まいに向かう途中に食材を購入していた。そうして買い物袋を手にしたボクは、学校近くの高級マンションの一室であるルシータの家へ上がり込んでいた。そして現在、通された部屋のソファーにチョコンと腰掛けている。
首を動かしてキョロキョロと辺りを見回す。
綺麗に片付いているなー。と言うか、必要最小限と言った感じで物が少ない。
それと室内は白を基調としていて、清潔感に溢れているなー。
うーん、ただ料理が出来るのを待つのはソワソワしちゃうよ。なにか手伝える事があるかもだから、ルシータがいる台所に行ってみよう。
するとボクに気が付いたエプロン姿のルシータが、ハテナ顔で小首を傾げる。
「なにかあったのかな? 」
「うんとね、なにかボクに出来る事はないかなと思って」
「そうだねー、そしたら洗い物をお願いしても良いかな」
「うん、任せて」
そうしてルシータが野菜を切ったり海老を剥いたりしている——揚げ物の用意している——隣で、ボクは洗い物をする事に。しかし洗い物はすぐに終わったため、ご飯の早炊きのセットをしたり食器や箸を並べたりもした。そうこうしていると、ルシータの料理が出来上がりテーブルの上に料理を乗せたお皿が並ぶ。
「簡単にパパッと作っちゃったけど、良かったら感想を聞かせてくれると嬉しいかな」
「うん、いただきます」
まずは揚げ物の定番、芋の天ぷらを頂くとしますか。ツユに浸して口へ運ぶ。
「うん、ちゃんと火が通っていて、サクサクして美味しいよ」
「本当! ありがとう」
そしてご飯のオカズとして海老の天ぷら、そしてシソの葉っぱやキノコの天ぷらを食したボクはお腹一杯になっていた。対面に座るルシータも、お腹一杯になったようでウツラウツラし出している。
とそこでまた眠るのかなーと思っていると、ルシータが微笑んだ気がした。
「ツバサ、リクエストしても良いかな? 」
「リクエスト? 」
「えっとね、もっと良く眠れると思うから、今からツバサを抱き枕みたいにして寝ても良いかな? 」
えっ、それって、……抱きついてくるって事? 外国の人ってそれぐらいのスキンシップは普通なのかな? 恥ずかしがっているボクがおかしいのかな?
そこでルシータが甘い声で問い掛けてくる。
「ダメ、かな? 」
答えに迷うボクが思わず黙ってしまっていると、ルシータが悲しそうな消え入りそうな声で言葉を紡ぐ。
「ダメなら諦めるけど」
「えっと、うん、……良いよ」
「ありがとう」
パァッと明るい笑顔になったルシータがソファから立ち上がると、ボクの隣へ移動してきた。そしてそのまま座ると、『ふわぁ~』と欠伸をしながらボクの身体に腕を回して抱きついてくる。
「ツバサ、暖かくて柔らかーい」
部屋にはテレビが無ければラジオも無いため、静寂に包まれている。そんな衣擦れの音さえ耳が拾ってしまいそうになる静けさの中で、ボクはドキドキしてしまっていて、心臓は結構大きな音を立ててしまっている。
こんなに密着してしまっているんだから、ルシータの顔がボクの胸の位置にあるから、ドキドキしているのがバレてしまうよ。
「ツバサ、これまでで一番ドキドキしている、かな」
バッ、バレている。しかも一番って、はっ、恥ずかしい。
「なぜ、こんなにドキドキしているのかな? 」
ううっ、ルシータを意識しているからだけど、そんな事本人を前にして言えないよ。
「ツバサ、もしかして良く見る夢って——」
そこでルシータがもったいぶるようにして、言葉を千切った。そのため視線をルシータの顔へ向けると、間近で見つめ合う形で視線が合う。そして——
「私とキスをしていたりするの、かな? 」
えっ? なぜそれを、なぜバレてしまったの?
◆ ◆ ◆
私の言葉を聞いたツバサが、目を見開いて口から声にならない声を漏らしている。
驚いている顔も可愛いなー。……沢山苛めたくなってしまうよ。それとこれからの事がスムーズに行くよう、本当の事を教えてあげよう、かな。
「実は見えていた夢が家に招待する夢って言っていたのは嘘。それで本当に見えていた夢は、私とツバサがキスをしている夢」
一種のパニック状態であろうツバサは、私の言葉を理解しようと耳を傾けているため無防備なままである。だから今がチャンス、かな。
「あっ」
抱きついたまま体重をかける事により、小柄なツバサの身体をソファに押し倒した。そして見下ろす形でツバサの顔を眺める。
ツバサは押しに弱いようで、流されるまま全てを受け入れてしまっている。それとも私だから受け入れてしまっているのかな? ……そうだと嬉しい、かな。
でも恥ずかしがっているツバサは本当に可愛い。だから気が付けば思わず頬っぺにキスをしてしまっていた。チュッチュッと何度も。
「ルシータ、ダメだよ。ボク達は女の子同士なんだから」
「そこは気にしなくて大丈夫、だよ」
だって私は半端者なのだから。女性ホルモンの方が多いみたいで身体付きは女性だけど、付いている物はどちらも付いている。こんな身体、気持ち悪がられるかな? でももう止まらないよ。
顔を寄せていくとツバサが瞳をギュッと閉じた。私もキスに集中するため、瞳を閉じる。そして私とツバサの唇が重なり合う。私はツバサの唇を味わうように、ゆっくり優しく時間をかけて唇を動かしていく。途中キスをしながらツバサを強く抱きしめると、ツバサも抱きしめ返してきた。
あぁ、そんな風に応えられたら、私のツバサを感じさせたい欲望の炎が、私の脆弱な理性を燃やしていってしまう。
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