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第六章 未知の洞窟と新たなる冒険編
113.小さな泉
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トラックたちと別れて右の道へ入ったミーヤたちは、またしばらく一本道を進んでいた。道は登ったり下ったりしていたためすでに深度の感覚は失われている。作図スキルでの地図作成は平面しかわからないので高低差は判断不能なのだ。
いつの間にかチカマとヴィッキーは水飴を舐めているし、レナージュも飽きてきたのか、たまに後ろからあくびをする声が聞こえてくる。
「ちょっと? もう少し警戒心を持った方がいいんじゃなくて?
あなた達たるんでるわよ」
「そう言われても何の気配もないし、面白いものも見当たらないしねえ。
いきなり目の前に鉱石でも見れば目の色輝いちゃうんだけどさ」
「私はきれいな石がいいわね。
ねえ知ってる?
世の中には赤くて透明なのとか水よりも濃い緑色の石とかあるのよ?」
まだ見たことはないが宝石の類もあるようだ。話からするとルビーやターコイズだろうか。それがどのくらい貴重なのかはわからないが、マーケットでも見かけないのだからそれなりに高価なのかもしれない。
「ミーヤさま、行き止まりが近いよ。
でもちょっとだけ広くなってるみたい」
「うーん、確かに面白みも旨みもなさそうねえ。
とりあえず行き止まりまでは行きましょうか」
「あーあ、欲をかいて来てみたけど失敗だったかもねえ。
これほどなにもないところなんて初めてよ」
どうにも足取りが重くなってしまう。未知なるところを進むことは楽しいかも、なんて思っていたのは始めだけで、やっぱり何かしらの見返りがないとそうそうやる気を保てないものなのである。その時、行き止まりと言っていた道の先からなにやら音が聞こえてきた。心なしか気温も下がっているし、何かありそうな気配だ。
「なにか聞こえるわ。
これって水の流れる音かしら?」
「なにも聞こえないわよ?
距離的にまだミーヤしか聞こえないんじゃない?
でも本当に水の音なの?」
「まだなんとも言えないけど、どこかから流れ込んでいる様な音に聞こえるわね。
それにほんの少しだけど涼しくなってきてるでしょ?」
「うーん、獣人の感覚には遠く及ばないからねえ。
まああと少しだし、行ってみればわかるでしょ」
立ち止まって聞き耳を立てていた一行がまた歩き出ししばらくすると、ヴィッキーが歩きながら確かに水の音が聞こえてくると言ってきた。やっぱり聞き間違いではなかったとレナージュへ向って振り返ったミーヤは視界に違和感を感じて立ち止まる。
「レナージュ! 後ろ! 避けて!!」
そこにはいつの間にか忍び寄ってきた何者かが、今まさに襲いかかろうと剣を振り被っていた。振り返りながら初太刀をとっさにかわしたレナージュだが、体勢が悪く二撃目をかわせそうにない。ミーヤは一気に走り寄り、襲撃者の腹へ渾身の一撃をお見舞いした。
激しく悶絶しながら地面を転がっている黒装束の賊は、持っている剣の刀身まで黒く染められていることから考えるにおそらくは暗殺者なのだろう。もしかしたら盗賊団の生き残りかもしれない。一応注意深く近づいてみたがすでに気絶している様子だ。その隙に急いで縛り上げて頭巾を取った。するとどうやらチカマには見覚えがあるらしく、盗賊団の生き残りで間違いなさそうだ。
と言うことは、この先にある水辺か何かには守りたい何かがあると言う証明とも考えられる。レナージュも同じことを考えたようで、これ以上ないくらいに瞳が輝いていた。ついさっき死んでいたかもしれないと言うのに現金なことだ。
ただ、賊が他にもいる可能性もあるし、油断はしないようにと四人は気を引き締めなおした。チカマには念のため作図を中止させて探索で警戒してもらうことにする。万全でなくとも出来ることはすべきとの判断だった。
捕らえた賊は面倒でも連れて歩くしかない。仕方なく気絶したまま引きずりながら進んでいくと、そこには通路よりも少し広い程度の空間が有り中央には小さな泉があった。先ほど聞こえた水の流れる音は、この泉に流れ込んでいるごく小さな沢を流れる音だったようだ。地下水脈と言うほどの水量はないがどこか外部から流れて来ているのは間違いない。
ただ水質はわからないので干し肉を投げ入れてみた。すると洞窟内の壁面を流れていた酸性の液体とは違ってごく普通の水のようだ。飲めるかどうかまではわからないが、見た目はとてもきれいである。
「ちょっと誰か飲んでみなさいよ。
もし毒が入ってたら私が解毒してあげるから安心しなさい」
ヴィッキーが唐突にすごいことを言い始めた。もし即死性だったらどうするつもりなのか。百歩譲ってミーヤだったら生き返れるが、他の二人だったらそのまま今生の別れになってしまう。
「何言ってるのよ!
一口で死んでしまったらどうするつもりよ!」
「ああ、そう言うこともあるわね。
じゃあこの男に飲ませましょうよ。
それならもしもの時も安心ね」
それも大概ひどい話だが、今はその話に乗ることにしてしまった。しかし誰かが飲ませて死んでしまったら、飲ませた人が殺人者になる可能性もあるので、自発的に飲んでもらう必要がある。
「とりあえず起こしましょうか。
ちょっとアンタ! 起きなさい!」
レナージュは、先ほど自分が狙われた恨みを晴らすかのように頬をはたいている。それでもまったく目覚めない黒装束の男の顔は見る見るうちに腫れあがり、見るも無残な姿に変わっていった。
そんな時、突然男の顔へ水がかけられた。ビックリして振り向くと、チカマがコップを片手にニコニコと笑っている。
「え!? チカマ? その水はどこから出て来たの?
まさかそこから汲んできたわけじゃないよね?」
「うん、ちゃんとそっちから汲んだよ」
そう言って指さしたのは、水が蓄えられた泉ではなく、流れ込んでいる沢だった。
「チカマ…… それ同じことだから……」
「ええ? そうなの?
ボク泉の水が飲めるのかって言ってるのかと思ったから」
「そうよ、その泉の水がどこから来ているかわかる?
今水を汲んだ沢から流れて来ているでしょ?
だから同じ水ってことになるのよ」
「ああ、そういうことね。
ちょっと失敗しちゃった、えへ」
その愛嬌のある返事にミーヤは感情を抑えきれず久しぶりに抱きしめていい子いい子してしまった。レナージュの呆れ顔が目に入ったがそんなことはどうでもいい。
「まあこれで即死性の毒でないことはわかったわね。
じゃあ私が飲んでみるからもしもの時は頼むわよ?」
「ちょっと待ってよ!
量の問題ってこともあるかもしれないし、そもそも飲む必要あるのかしら?」
「そうね、言われてみたら別に飲み水に困ってるわけじゃないわ。
もしかしてヴィッキーったら喉が渇いてるの?」
何も考えてなかったが、飲み水くらい自分で用意していて水筒でも持っているのかと思い込んでいたのだ。ミーヤとレナージュは召喚術で自給できるし、チカマへはミーヤがコップに入れてあげていた。しかしビッキーが飲んでいるところは一度も見かけていない。
「ええ、喉カラカラよ。
あなた達は飲まず食わずで平気なわけ?」
「ま、まあ、ちょこちょこ飲んでたし……
まさか用意してないなんて知らなかったのよ、ごめんね」
「はあ、もっと早く言っておけばよかったわ。
普段出掛ける時は日帰りだから小さい水袋しか持ってないのよね」
チカマからコップを受け取って、ミーヤが注いだ水を一息に飲みほしたヴィッキーは照れくさそうに弁解していた。ヴィッキーの水筒へはレナージュが水を一杯にして手渡した。
「水なんていくらでも出せるからいつでも言ってね。
他に欲しいものはあるかしら?
干し肉でも食べる? 果物もあるわよ」
「じゃあ果物貰おうかしら。
甘いもの好きなのよねえ」
「それじゃ少し休憩にしましょ。
あの男が目を覚ましたら軽く尋問でもするとしてさ」
全員でレナージュの意見に賛成し、四人は洞窟内でのおやつタイムを始めたのだった。
いつの間にかチカマとヴィッキーは水飴を舐めているし、レナージュも飽きてきたのか、たまに後ろからあくびをする声が聞こえてくる。
「ちょっと? もう少し警戒心を持った方がいいんじゃなくて?
あなた達たるんでるわよ」
「そう言われても何の気配もないし、面白いものも見当たらないしねえ。
いきなり目の前に鉱石でも見れば目の色輝いちゃうんだけどさ」
「私はきれいな石がいいわね。
ねえ知ってる?
世の中には赤くて透明なのとか水よりも濃い緑色の石とかあるのよ?」
まだ見たことはないが宝石の類もあるようだ。話からするとルビーやターコイズだろうか。それがどのくらい貴重なのかはわからないが、マーケットでも見かけないのだからそれなりに高価なのかもしれない。
「ミーヤさま、行き止まりが近いよ。
でもちょっとだけ広くなってるみたい」
「うーん、確かに面白みも旨みもなさそうねえ。
とりあえず行き止まりまでは行きましょうか」
「あーあ、欲をかいて来てみたけど失敗だったかもねえ。
これほどなにもないところなんて初めてよ」
どうにも足取りが重くなってしまう。未知なるところを進むことは楽しいかも、なんて思っていたのは始めだけで、やっぱり何かしらの見返りがないとそうそうやる気を保てないものなのである。その時、行き止まりと言っていた道の先からなにやら音が聞こえてきた。心なしか気温も下がっているし、何かありそうな気配だ。
「なにか聞こえるわ。
これって水の流れる音かしら?」
「なにも聞こえないわよ?
距離的にまだミーヤしか聞こえないんじゃない?
でも本当に水の音なの?」
「まだなんとも言えないけど、どこかから流れ込んでいる様な音に聞こえるわね。
それにほんの少しだけど涼しくなってきてるでしょ?」
「うーん、獣人の感覚には遠く及ばないからねえ。
まああと少しだし、行ってみればわかるでしょ」
立ち止まって聞き耳を立てていた一行がまた歩き出ししばらくすると、ヴィッキーが歩きながら確かに水の音が聞こえてくると言ってきた。やっぱり聞き間違いではなかったとレナージュへ向って振り返ったミーヤは視界に違和感を感じて立ち止まる。
「レナージュ! 後ろ! 避けて!!」
そこにはいつの間にか忍び寄ってきた何者かが、今まさに襲いかかろうと剣を振り被っていた。振り返りながら初太刀をとっさにかわしたレナージュだが、体勢が悪く二撃目をかわせそうにない。ミーヤは一気に走り寄り、襲撃者の腹へ渾身の一撃をお見舞いした。
激しく悶絶しながら地面を転がっている黒装束の賊は、持っている剣の刀身まで黒く染められていることから考えるにおそらくは暗殺者なのだろう。もしかしたら盗賊団の生き残りかもしれない。一応注意深く近づいてみたがすでに気絶している様子だ。その隙に急いで縛り上げて頭巾を取った。するとどうやらチカマには見覚えがあるらしく、盗賊団の生き残りで間違いなさそうだ。
と言うことは、この先にある水辺か何かには守りたい何かがあると言う証明とも考えられる。レナージュも同じことを考えたようで、これ以上ないくらいに瞳が輝いていた。ついさっき死んでいたかもしれないと言うのに現金なことだ。
ただ、賊が他にもいる可能性もあるし、油断はしないようにと四人は気を引き締めなおした。チカマには念のため作図を中止させて探索で警戒してもらうことにする。万全でなくとも出来ることはすべきとの判断だった。
捕らえた賊は面倒でも連れて歩くしかない。仕方なく気絶したまま引きずりながら進んでいくと、そこには通路よりも少し広い程度の空間が有り中央には小さな泉があった。先ほど聞こえた水の流れる音は、この泉に流れ込んでいるごく小さな沢を流れる音だったようだ。地下水脈と言うほどの水量はないがどこか外部から流れて来ているのは間違いない。
ただ水質はわからないので干し肉を投げ入れてみた。すると洞窟内の壁面を流れていた酸性の液体とは違ってごく普通の水のようだ。飲めるかどうかまではわからないが、見た目はとてもきれいである。
「ちょっと誰か飲んでみなさいよ。
もし毒が入ってたら私が解毒してあげるから安心しなさい」
ヴィッキーが唐突にすごいことを言い始めた。もし即死性だったらどうするつもりなのか。百歩譲ってミーヤだったら生き返れるが、他の二人だったらそのまま今生の別れになってしまう。
「何言ってるのよ!
一口で死んでしまったらどうするつもりよ!」
「ああ、そう言うこともあるわね。
じゃあこの男に飲ませましょうよ。
それならもしもの時も安心ね」
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「とりあえず起こしましょうか。
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そんな時、突然男の顔へ水がかけられた。ビックリして振り向くと、チカマがコップを片手にニコニコと笑っている。
「え!? チカマ? その水はどこから出て来たの?
まさかそこから汲んできたわけじゃないよね?」
「うん、ちゃんとそっちから汲んだよ」
そう言って指さしたのは、水が蓄えられた泉ではなく、流れ込んでいる沢だった。
「チカマ…… それ同じことだから……」
「ええ? そうなの?
ボク泉の水が飲めるのかって言ってるのかと思ったから」
「そうよ、その泉の水がどこから来ているかわかる?
今水を汲んだ沢から流れて来ているでしょ?
だから同じ水ってことになるのよ」
「ああ、そういうことね。
ちょっと失敗しちゃった、えへ」
その愛嬌のある返事にミーヤは感情を抑えきれず久しぶりに抱きしめていい子いい子してしまった。レナージュの呆れ顔が目に入ったがそんなことはどうでもいい。
「まあこれで即死性の毒でないことはわかったわね。
じゃあ私が飲んでみるからもしもの時は頼むわよ?」
「ちょっと待ってよ!
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「そうね、言われてみたら別に飲み水に困ってるわけじゃないわ。
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何も考えてなかったが、飲み水くらい自分で用意していて水筒でも持っているのかと思い込んでいたのだ。ミーヤとレナージュは召喚術で自給できるし、チカマへはミーヤがコップに入れてあげていた。しかしビッキーが飲んでいるところは一度も見かけていない。
「ええ、喉カラカラよ。
あなた達は飲まず食わずで平気なわけ?」
「ま、まあ、ちょこちょこ飲んでたし……
まさか用意してないなんて知らなかったのよ、ごめんね」
「はあ、もっと早く言っておけばよかったわ。
普段出掛ける時は日帰りだから小さい水袋しか持ってないのよね」
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「水なんていくらでも出せるからいつでも言ってね。
他に欲しいものはあるかしら?
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