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第三章 戦乙女四重奏(ワルキューレ・カルテット)始動編
54.初レベルアップ!
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今朝も全員きっちり早起きだった。レナージュもイライザも酒を飲みすぎることなく、適度なところで切り上げている。さすがベテラン冒険者だ、心構えが違う。気のせいかいつもよりカッコよく見えてくるから不思議なものだ。
「ん? なあにミーヤ? どうかした?」
「レナージュおはよう、なんでもないわよ」
「さあ、チカマはこっちきて顔洗おうね」
レナージュと目が合った瞬間、ほんの少しだけときめいてしまった。普段ふざけてるのに急にカッコよくなるなんてズルい。チカマのために水を出しながら、またレナージュをチラリと見てしまうのだった。
その点イライザはあまり変わらない。もちろんきちんと自制し酒が残っていない状態できちんと起きてくるのは偉いと思う。でも大あくびをしながらお尻をボリボリ掻いている姿を見てもさすがにときめきなんて感じるはずがない。それよりもマルバスのことが心配になってしまうくらいだ。
朝は昨晩残った熊肉の煮込みを更に煮詰めて作ったソースを、パンにつけて食べてもらった。付け合わせは果物と羊の乳を混ぜて作ったスムージーだ。ここでもまた手動ミキサーが役に立った。これは完全に元が取れていると考えて間違いない。
「うわあ、これが昨日の残りものだなんて思えないわね。
凄く濃厚でおいしいわよ!
それにこのドリンクも喉越しが変わっていていいわあ」
「ミーヤさま、ドロドロジュースおかわり。
パンも欲しい」
「朝からこってりしたもの食べられるなんて嬉しいねえ。
このジュースも甘すぎなくてちょうどいいよ」
またもや高評価を貰って朝から嬉しいのはミーヤのほうである。それにしてもみんなの評価が高すぎて、なにか裏と言うか女神にイタズラでもされているのではないかと心配になる。そう言えば、豊穣の女神とは転生してから一度も会ってないし話もしていない。まあそれが当たり前なのかもしれないが、あれだけうるさく獣人を選べと迫った割に、その後あった出来事へのフォローが何もなかったことは少し不満である。
とは言え、ここまでの異世界生活はとても楽しく満足しているので、実際には感謝の気持ちは忘れていない。願わくば、この幸せがいつまでも続いてもらいたい。望む幸せのために何をすべきなのかはわからないけど、今のところ思いつくのはミーヤが強く賢くなり愛する者たちを守り、その生活を豊かにすることだ。
そのための一歩として、今ここで強くなろうとしているのだし、着実に成長していると感じている。よし、今日もがんばろう! そう思いながらチカマへおかわりを渡した。
本日も予定通り二合目の看板までやってきて、この付近で魔獣探しの散策をはじめた。チカマの探索スキルはまだまだ未熟で対象が何かまではわからないけど、事前に気配が分かるだけでも有用でありがたい。ミーヤも耳を澄ませ鼻を利かせているけども、風が木々を揺らすとそれ以外はなかなか聞こえないし、匂いが嗅ぎ取れるのは風上にいるものだけだ。
「芋虫、いた。
ミーヤさま倒す?」
「私はいいわ、チカマやっちゃっていいわよ」
どうしてもあのむにゅっとした感触は好きになれない。こういうとき武器で攻撃出来たら良かったと思わないわけではない。でもその次に小型のトカゲ魔獣を見つけた時には、うっぷんを晴らすかのように力いっぱい殴りつけた。
さらに散策を進め三合目の看板のところまで来た時、チカマの探索範囲に魔獣らしき気配との合図があった。上から来るとすれば三合目以上からなので今までよりも強いかもしれない。下からなら今は風上なのでミーヤが気づいていてもおかしくは無い。
すると坂の上から岩が転がってきた。大きさはそれほどでもないが、かなりの勢いなので避けなければ危なそうだ。
「チカマ、飛んで!」
合図を出した後、ミーヤも横へ避けて様子を確認する。その時イライザからの指示が聞こえた。
「あれは鎧鼠(アルマジロ)の魔獣だ!
気を付けろよ、めちゃくちゃ固いぞ!」
先ほどまで丸い球体だったものが、今は四足の獣として歩いている。歩みは遅いが敵意は満々で、当然のように目が赤く光っていた。上空へ飛び立っていたチカマが滑空で勢いをつけながら切りかかったが、短剣は鎧のような背中に跳ね返されてしまった。剣を跳ね返すなんてトンデモない固さだ。
こうなったらミーヤがやるしかない。一気に走り寄って掬い上げるように蹴り飛ばした。これで甲羅の無い腹側が丸見えだ! と思った瞬間、またもやくるりと丸くなり転がりだした。
たった今蹴られたことに腹を立てたのか、真っ直ぐミーヤへ向かってくる。剣をも跳ね返す甲羅だ、きっと殴っても効かないだろう。しかし避けても何も始まらない。どうすればいいのかと考えている間にも、鎧鼠はどんどん迫ってくる。
これならどうだ! と、とっさに思い浮かんだことを試すために、正面から向き合って体を低く構えた。勢いを増して転がってくるその球体へ向かってスキレットを投げつけた。狙いは地面だ!
するとスキレットで躓いた鎧鼠は、思い描いたようにはずんでミーヤの目の前でバウンドした。そこをすかさず空中へ蹴り飛ばす。その後すぐに飛び上がり追いかけ、高く舞い上がっていたボール状の物体を捕まえた。
そして、捕まえたその手を空中で思い切り振りかぶってから地面へ振り下ろすと、鎧鼠は地面へ叩きつけられてはじけ飛び、その場には魔鉱が残された。
『プププー プップー プッププー』
「えっ!? 何の音!?」
「ミーヤおめでとう、レベルアップしたわね。
二日目でレベル2になったんだから順調と言っていいんじゃない?」
スキレットを拾いながらレナージュが近寄ってきた。どうやら先ほどの音楽は、レベルアップを知らせる音だったらしい。こういうところの趣味が神様とはあわずいちいちイラッとくる。でもやっぱり嬉しいものなのでスマメを確認すると、確かにレベルが上がっており、次のレベルまでの経験値が表示されていた。もちろんステータスも上昇したような気がする。
「ホントだ! レベル2になったよ、私!
ありがとう、みんなのおかげだよ!」
「たかがレベル2になったくらいでお礼言われてもなあ。
どんどん行こうぜ、レベル5くらいまでは結構すぐ上がるからさ」
イライザはそう言ってるけどここまで来るのにざっと四カ月ほど、次はいつになるのだろうか。ところがそうでもないらしい。
「数字は適当だけどざっくりいうとさ、獣一匹を1とすると、魔獣なら10とか20になるのさ。
それプラス、戦闘でもスキルが上がって経験値も入るから上がり方は全然違うよ。
レベル5になると相手が強くないと上がらなくなってくるから大変だけどな」
「そうよ? 私が今レベル7だけど、レベル1で冒険者になってから5までが半年くらい。
それから6までが一年、7までがもう二年弱だったかな、それくらい大変なのよ」
「なんだか気が遠くなってきたわ……
でもまだ入り口なんだから頑張らないとだね!」
「ボクもー」
「そうだよね、一緒に頑張っていこうね!」
こうして初のレベルアップを果たしたミーヤは、この日も機嫌よく馬車へ戻っていった。
「ん? なあにミーヤ? どうかした?」
「レナージュおはよう、なんでもないわよ」
「さあ、チカマはこっちきて顔洗おうね」
レナージュと目が合った瞬間、ほんの少しだけときめいてしまった。普段ふざけてるのに急にカッコよくなるなんてズルい。チカマのために水を出しながら、またレナージュをチラリと見てしまうのだった。
その点イライザはあまり変わらない。もちろんきちんと自制し酒が残っていない状態できちんと起きてくるのは偉いと思う。でも大あくびをしながらお尻をボリボリ掻いている姿を見てもさすがにときめきなんて感じるはずがない。それよりもマルバスのことが心配になってしまうくらいだ。
朝は昨晩残った熊肉の煮込みを更に煮詰めて作ったソースを、パンにつけて食べてもらった。付け合わせは果物と羊の乳を混ぜて作ったスムージーだ。ここでもまた手動ミキサーが役に立った。これは完全に元が取れていると考えて間違いない。
「うわあ、これが昨日の残りものだなんて思えないわね。
凄く濃厚でおいしいわよ!
それにこのドリンクも喉越しが変わっていていいわあ」
「ミーヤさま、ドロドロジュースおかわり。
パンも欲しい」
「朝からこってりしたもの食べられるなんて嬉しいねえ。
このジュースも甘すぎなくてちょうどいいよ」
またもや高評価を貰って朝から嬉しいのはミーヤのほうである。それにしてもみんなの評価が高すぎて、なにか裏と言うか女神にイタズラでもされているのではないかと心配になる。そう言えば、豊穣の女神とは転生してから一度も会ってないし話もしていない。まあそれが当たり前なのかもしれないが、あれだけうるさく獣人を選べと迫った割に、その後あった出来事へのフォローが何もなかったことは少し不満である。
とは言え、ここまでの異世界生活はとても楽しく満足しているので、実際には感謝の気持ちは忘れていない。願わくば、この幸せがいつまでも続いてもらいたい。望む幸せのために何をすべきなのかはわからないけど、今のところ思いつくのはミーヤが強く賢くなり愛する者たちを守り、その生活を豊かにすることだ。
そのための一歩として、今ここで強くなろうとしているのだし、着実に成長していると感じている。よし、今日もがんばろう! そう思いながらチカマへおかわりを渡した。
本日も予定通り二合目の看板までやってきて、この付近で魔獣探しの散策をはじめた。チカマの探索スキルはまだまだ未熟で対象が何かまではわからないけど、事前に気配が分かるだけでも有用でありがたい。ミーヤも耳を澄ませ鼻を利かせているけども、風が木々を揺らすとそれ以外はなかなか聞こえないし、匂いが嗅ぎ取れるのは風上にいるものだけだ。
「芋虫、いた。
ミーヤさま倒す?」
「私はいいわ、チカマやっちゃっていいわよ」
どうしてもあのむにゅっとした感触は好きになれない。こういうとき武器で攻撃出来たら良かったと思わないわけではない。でもその次に小型のトカゲ魔獣を見つけた時には、うっぷんを晴らすかのように力いっぱい殴りつけた。
さらに散策を進め三合目の看板のところまで来た時、チカマの探索範囲に魔獣らしき気配との合図があった。上から来るとすれば三合目以上からなので今までよりも強いかもしれない。下からなら今は風上なのでミーヤが気づいていてもおかしくは無い。
すると坂の上から岩が転がってきた。大きさはそれほどでもないが、かなりの勢いなので避けなければ危なそうだ。
「チカマ、飛んで!」
合図を出した後、ミーヤも横へ避けて様子を確認する。その時イライザからの指示が聞こえた。
「あれは鎧鼠(アルマジロ)の魔獣だ!
気を付けろよ、めちゃくちゃ固いぞ!」
先ほどまで丸い球体だったものが、今は四足の獣として歩いている。歩みは遅いが敵意は満々で、当然のように目が赤く光っていた。上空へ飛び立っていたチカマが滑空で勢いをつけながら切りかかったが、短剣は鎧のような背中に跳ね返されてしまった。剣を跳ね返すなんてトンデモない固さだ。
こうなったらミーヤがやるしかない。一気に走り寄って掬い上げるように蹴り飛ばした。これで甲羅の無い腹側が丸見えだ! と思った瞬間、またもやくるりと丸くなり転がりだした。
たった今蹴られたことに腹を立てたのか、真っ直ぐミーヤへ向かってくる。剣をも跳ね返す甲羅だ、きっと殴っても効かないだろう。しかし避けても何も始まらない。どうすればいいのかと考えている間にも、鎧鼠はどんどん迫ってくる。
これならどうだ! と、とっさに思い浮かんだことを試すために、正面から向き合って体を低く構えた。勢いを増して転がってくるその球体へ向かってスキレットを投げつけた。狙いは地面だ!
するとスキレットで躓いた鎧鼠は、思い描いたようにはずんでミーヤの目の前でバウンドした。そこをすかさず空中へ蹴り飛ばす。その後すぐに飛び上がり追いかけ、高く舞い上がっていたボール状の物体を捕まえた。
そして、捕まえたその手を空中で思い切り振りかぶってから地面へ振り下ろすと、鎧鼠は地面へ叩きつけられてはじけ飛び、その場には魔鉱が残された。
『プププー プップー プッププー』
「えっ!? 何の音!?」
「ミーヤおめでとう、レベルアップしたわね。
二日目でレベル2になったんだから順調と言っていいんじゃない?」
スキレットを拾いながらレナージュが近寄ってきた。どうやら先ほどの音楽は、レベルアップを知らせる音だったらしい。こういうところの趣味が神様とはあわずいちいちイラッとくる。でもやっぱり嬉しいものなのでスマメを確認すると、確かにレベルが上がっており、次のレベルまでの経験値が表示されていた。もちろんステータスも上昇したような気がする。
「ホントだ! レベル2になったよ、私!
ありがとう、みんなのおかげだよ!」
「たかがレベル2になったくらいでお礼言われてもなあ。
どんどん行こうぜ、レベル5くらいまでは結構すぐ上がるからさ」
イライザはそう言ってるけどここまで来るのにざっと四カ月ほど、次はいつになるのだろうか。ところがそうでもないらしい。
「数字は適当だけどざっくりいうとさ、獣一匹を1とすると、魔獣なら10とか20になるのさ。
それプラス、戦闘でもスキルが上がって経験値も入るから上がり方は全然違うよ。
レベル5になると相手が強くないと上がらなくなってくるから大変だけどな」
「そうよ? 私が今レベル7だけど、レベル1で冒険者になってから5までが半年くらい。
それから6までが一年、7までがもう二年弱だったかな、それくらい大変なのよ」
「なんだか気が遠くなってきたわ……
でもまだ入り口なんだから頑張らないとだね!」
「ボクもー」
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