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第五章 疑惑 = 希望 + 変貌
57.オモイキって
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明日は土曜日なのでダンジョンへは虹子も同行する日だ。昨日は一緒に行かれなかったので少し奥まで進もうなどと相談をしつつ四人で夕飯を食べていた。つまり虹子はうちに泊まる気満々である。
「それでね、私はさりげなく言ってみたのよ。
確か入学したばかりの頃はもっとおしゃれな感じだったよね? って。
そしたら高校の時の写真とか見せてくれてさ。
大学に入ってから知った白湯スープに入りたいから真面目な感じにイメチェンしたんだって」
「それを虹子はあっさりと信じたわけだ。
いくらなんでもちょっと驚きと言うか無防備すぎない?
だいたいうちのパーティーに入りたいってところからして怪しいって感じないとね。
ウチは虹子やおにいみたいに素直じゃないから信じられないよ」
「俺は信じていいと思うけど、紗由が嫌がるなら指導担当は降りるつもりだよ。
今後の付き合いかたを変えて距離を置くとかまではしないけどさ。
それに産業スパイとかなら寮住まいするわけないし、容姿だって入学前から準備するだろ」
「それはおにいの言う通りだと思うけどねぇ。
じゃあ虹子はそれでいいのかってことよ。
自分とトマトとどっちがかわいいか言える?」
結局こっち方面の話になってしまうのか。そう思いながら虹子に目をやると、なにも言えずにうつむいたままだ。理恵だけがやたら緊迫感漂うこの場で一人ニコニコとオムライスを食べている。俺はこんな空気が嫌なので仕方なく助け舟を出した。
「まあその話はもういいじゃんか。
美菜実さんの指導担当は外してもらうから紗由が関わることはもうないよ。
虹子は同期生としてこれからも仲良く出来るんだろ?
俺に言わせりゃどっちもカワイイと思うぞ?」
「そんなカワイイなんて…… 照れちゃうよ」
「ちょっと虹子? お世辞って言葉知らないの?
そんな一言だけで機嫌よくしてどうするのよ。
ちょろい、ちょろすぎー」
「ちょっと、言い方!
俺は別にお世辞言ってるわけじゃないからな」
明らかな取り繕いに我ながら恥ずかしくなるが、これですべてが丸く収まるなら少しくらい恥をかいたって構わない。こんな安直な方法でも虹子だけならこれでうまく行くはずだったのに、そんなことさせてなるものかと紗由が台無しにしてくれている。さらに、思ってもいなかったことを言うのだった。
「わかったよおにい、そんなにかわいいなら家に連れてきなよね。
実際に面接してまともな人材かどうかを判断してあげる。
ウチの目に叶ったら『白湯スープ』への加入を認めてあげてもいいよ」
「ええっー!? 俺はそこまで考えてないぞ?
パーティー加入させるつもりはないし、決めるのは指導をするかどうかだけ。
それも紗由がオペやりたくなければ他の指導担当を手配してもらうって言ったろ?」
「それじゃウチの目が曇ってるって思われてるみたいでヤなの!
自分で判断しないとずっとしこりが残るかもしれないじゃん」
「まあ紗由がそうしたいなら構わないけど……
あんまり無理はするなよ?
追加メンバーなんて必要ないって言っちゃえばその通りなんだからな?
能力的にも俺とやや被ってるしさ」
「あ、リク、紗由ちゃん、そう言えば言い忘れてた!
美菜実ちゃんがうちのパーティーを選んだ理由を聞いてたんだ。
その能力被りが関係しててさ、お手本にしたいんだって」
「俺のことを? 美菜実さんはちゃんとした道場で教わってたはずだぞ?
能力の活かし方ならまあなんとかできるかもしれないけどさぁ。
あの瞬発力拡張はすごいし、まだまだ強くなれそうだな」
「それじゃ月曜に寮へ泊った時に伝えておこうか。
火曜日の講義が終わった後に来ればいいんだよね?
紗由ちゃん、本当にいいの?」
「そんなに心配はいらないよ。
家まで連れてくれば玄関先で済ますから問題なし」
直接会わないのにわざわざ呼びつけるのもどうかと思うが、それで気が済むなら協力してやりたいもんだ。とは言え、美菜実を連れてくるのは虹子の役目だが、今後の二人の関係性が悪化しないようなるべく穏便に済ませてもらいたい。そんないらぬ心配をしないといけないことに頭を悩ませるのだった。
「それでね、私はさりげなく言ってみたのよ。
確か入学したばかりの頃はもっとおしゃれな感じだったよね? って。
そしたら高校の時の写真とか見せてくれてさ。
大学に入ってから知った白湯スープに入りたいから真面目な感じにイメチェンしたんだって」
「それを虹子はあっさりと信じたわけだ。
いくらなんでもちょっと驚きと言うか無防備すぎない?
だいたいうちのパーティーに入りたいってところからして怪しいって感じないとね。
ウチは虹子やおにいみたいに素直じゃないから信じられないよ」
「俺は信じていいと思うけど、紗由が嫌がるなら指導担当は降りるつもりだよ。
今後の付き合いかたを変えて距離を置くとかまではしないけどさ。
それに産業スパイとかなら寮住まいするわけないし、容姿だって入学前から準備するだろ」
「それはおにいの言う通りだと思うけどねぇ。
じゃあ虹子はそれでいいのかってことよ。
自分とトマトとどっちがかわいいか言える?」
結局こっち方面の話になってしまうのか。そう思いながら虹子に目をやると、なにも言えずにうつむいたままだ。理恵だけがやたら緊迫感漂うこの場で一人ニコニコとオムライスを食べている。俺はこんな空気が嫌なので仕方なく助け舟を出した。
「まあその話はもういいじゃんか。
美菜実さんの指導担当は外してもらうから紗由が関わることはもうないよ。
虹子は同期生としてこれからも仲良く出来るんだろ?
俺に言わせりゃどっちもカワイイと思うぞ?」
「そんなカワイイなんて…… 照れちゃうよ」
「ちょっと虹子? お世辞って言葉知らないの?
そんな一言だけで機嫌よくしてどうするのよ。
ちょろい、ちょろすぎー」
「ちょっと、言い方!
俺は別にお世辞言ってるわけじゃないからな」
明らかな取り繕いに我ながら恥ずかしくなるが、これですべてが丸く収まるなら少しくらい恥をかいたって構わない。こんな安直な方法でも虹子だけならこれでうまく行くはずだったのに、そんなことさせてなるものかと紗由が台無しにしてくれている。さらに、思ってもいなかったことを言うのだった。
「わかったよおにい、そんなにかわいいなら家に連れてきなよね。
実際に面接してまともな人材かどうかを判断してあげる。
ウチの目に叶ったら『白湯スープ』への加入を認めてあげてもいいよ」
「ええっー!? 俺はそこまで考えてないぞ?
パーティー加入させるつもりはないし、決めるのは指導をするかどうかだけ。
それも紗由がオペやりたくなければ他の指導担当を手配してもらうって言ったろ?」
「それじゃウチの目が曇ってるって思われてるみたいでヤなの!
自分で判断しないとずっとしこりが残るかもしれないじゃん」
「まあ紗由がそうしたいなら構わないけど……
あんまり無理はするなよ?
追加メンバーなんて必要ないって言っちゃえばその通りなんだからな?
能力的にも俺とやや被ってるしさ」
「あ、リク、紗由ちゃん、そう言えば言い忘れてた!
美菜実ちゃんがうちのパーティーを選んだ理由を聞いてたんだ。
その能力被りが関係しててさ、お手本にしたいんだって」
「俺のことを? 美菜実さんはちゃんとした道場で教わってたはずだぞ?
能力の活かし方ならまあなんとかできるかもしれないけどさぁ。
あの瞬発力拡張はすごいし、まだまだ強くなれそうだな」
「それじゃ月曜に寮へ泊った時に伝えておこうか。
火曜日の講義が終わった後に来ればいいんだよね?
紗由ちゃん、本当にいいの?」
「そんなに心配はいらないよ。
家まで連れてくれば玄関先で済ますから問題なし」
直接会わないのにわざわざ呼びつけるのもどうかと思うが、それで気が済むなら協力してやりたいもんだ。とは言え、美菜実を連れてくるのは虹子の役目だが、今後の二人の関係性が悪化しないようなるべく穏便に済ませてもらいたい。そんないらぬ心配をしないといけないことに頭を悩ませるのだった。
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