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第三章 異変 X 罠 + 新種
27.ニラミアイ
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昼飯をしっかりと食べてから機材を再確認し、俺はいつもと同じようにミニバイクでダンジョンへ向かった。今日は天候が悪く砂埃が酷い。ゴーグルだけじゃなくてマウスガードもしてくるべきだった。今から取り出そうにも、バックパックの中に砂が入るのも嫌なので我慢して道を急ぐことにする。
駐輪場にミニバイクを止めてから入り口に向かい前に立つと、自動的にライセンスカードを読み取ってくれゲートが開いた。ここまではいつもと同じで変わり映えのしない日常と言える。
しかし中へ入ってみると様子が少しおかしかった。
「これは何の騒ぎですか?
入り口でこんなに溜まってたら中に進めないんですけど……」
「君は探索隊、か? 我々は特殊捜査官だ。
午前中に報告があって、モンスターが大量発生して道を塞いでいるのだ。
とは言っても発生しているのは小さいネズミだがな」
「じゃあ脅威と言うより邪魔なだけってことですね。
それならさっさとやっつけちゃいましょうよ。
なんなら手伝いますから」
「そう言われても上からの指示待ちだ、待っててくれたまえ。
回収運搬業者が手配でき次第と言うことになるだろう。
かなりの数なので持って帰ることもできないだろうが放置するわけにもいかん」
今までこんな現象が起きたと聞いたこともないが、実際に起きているのだから待つしかない。こんな事態にあってみると、東京湾ダンジョンのようにエレベーターがあるダンジョンが羨ましく感じる。と言っても他の地方にあるダンジョンのことはよく知らないが。
こんな状況なので配信なんてやってる場合じゃないと思い、紗由へと連絡して状況を確認してもらう事にした。
『おにい、調べてみたけど、昨日の夜は普通だったみたい。
今日の朝一番に入った探索隊が異変に気が付いたらしいよ。
その時にはすでにネズミがいっぱいだったんだってさ』
「そいつらはいるだけで動かないのかな?
ネズミは普通止まってなんていないはずだし、少なくとも襲ってきそうなもんだけどな。
一体何が起きてるんだろう」
『それを調べるのは現場の探索隊の仕事でしょ。
トラブルも配信の醍醐味ってことでちゃんと映像撮ってきてよね』
「わかった、捜査官に交渉してみるよ。
どうせ片づける時には入るんだから映像は撮れると思うけど配信はダメかもな」
紗由との通信を終えた後、いぬのところへ確認に戻ると、ようやく運搬業者が来たところだった。と言うことはこれから討伐と片づけをすると言うことで、このペースじゃ今日はまともな探索なんて到底無理そうだ。
「それでは学生指導以外の探索隊はこちらへ来てくれまいか。
先に入ってネズミを掃討してもらいたい。
獲物は学生班が集めて運搬業者へ引き渡してくれ」
「ちなみにこれって特別報酬とか出ますかね?
なにもないならこんな細かい討伐やってらんないんですけど」
「君たち探索隊は我々に従っていればいいのだ。
報酬がどうとかそう言った俗的な話は追って大学から連絡があるはず。
今は目の前の問題解決に注力すべきではないか?」
どっかの探索者がもっともなことを言うと『いぬ』が反論を初めてやや険悪な雰囲気だ。はっきり言ってどちらの言い分もその通りだが、探索隊は便利屋でも捜査官の下部組織でもないのだ。今回の討伐に関してどこが主導しているのかわからないが、能技大から連絡が来ていないことも気になると言えば気になる。
こんなところでにらみ合ってないでさっさと探索へ向かいたいのに、どっちもこっちも困ったものである。
駐輪場にミニバイクを止めてから入り口に向かい前に立つと、自動的にライセンスカードを読み取ってくれゲートが開いた。ここまではいつもと同じで変わり映えのしない日常と言える。
しかし中へ入ってみると様子が少しおかしかった。
「これは何の騒ぎですか?
入り口でこんなに溜まってたら中に進めないんですけど……」
「君は探索隊、か? 我々は特殊捜査官だ。
午前中に報告があって、モンスターが大量発生して道を塞いでいるのだ。
とは言っても発生しているのは小さいネズミだがな」
「じゃあ脅威と言うより邪魔なだけってことですね。
それならさっさとやっつけちゃいましょうよ。
なんなら手伝いますから」
「そう言われても上からの指示待ちだ、待っててくれたまえ。
回収運搬業者が手配でき次第と言うことになるだろう。
かなりの数なので持って帰ることもできないだろうが放置するわけにもいかん」
今までこんな現象が起きたと聞いたこともないが、実際に起きているのだから待つしかない。こんな事態にあってみると、東京湾ダンジョンのようにエレベーターがあるダンジョンが羨ましく感じる。と言っても他の地方にあるダンジョンのことはよく知らないが。
こんな状況なので配信なんてやってる場合じゃないと思い、紗由へと連絡して状況を確認してもらう事にした。
『おにい、調べてみたけど、昨日の夜は普通だったみたい。
今日の朝一番に入った探索隊が異変に気が付いたらしいよ。
その時にはすでにネズミがいっぱいだったんだってさ』
「そいつらはいるだけで動かないのかな?
ネズミは普通止まってなんていないはずだし、少なくとも襲ってきそうなもんだけどな。
一体何が起きてるんだろう」
『それを調べるのは現場の探索隊の仕事でしょ。
トラブルも配信の醍醐味ってことでちゃんと映像撮ってきてよね』
「わかった、捜査官に交渉してみるよ。
どうせ片づける時には入るんだから映像は撮れると思うけど配信はダメかもな」
紗由との通信を終えた後、いぬのところへ確認に戻ると、ようやく運搬業者が来たところだった。と言うことはこれから討伐と片づけをすると言うことで、このペースじゃ今日はまともな探索なんて到底無理そうだ。
「それでは学生指導以外の探索隊はこちらへ来てくれまいか。
先に入ってネズミを掃討してもらいたい。
獲物は学生班が集めて運搬業者へ引き渡してくれ」
「ちなみにこれって特別報酬とか出ますかね?
なにもないならこんな細かい討伐やってらんないんですけど」
「君たち探索隊は我々に従っていればいいのだ。
報酬がどうとかそう言った俗的な話は追って大学から連絡があるはず。
今は目の前の問題解決に注力すべきではないか?」
どっかの探索者がもっともなことを言うと『いぬ』が反論を初めてやや険悪な雰囲気だ。はっきり言ってどちらの言い分もその通りだが、探索隊は便利屋でも捜査官の下部組織でもないのだ。今回の討伐に関してどこが主導しているのかわからないが、能技大から連絡が来ていないことも気になると言えば気になる。
こんなところでにらみ合ってないでさっさと探索へ向かいたいのに、どっちもこっちも困ったものである。
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