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第一章 平凡兄 X 幼馴染 X 天才妹
8.おキラク
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どうやら今日は能技大の実習日だったらしく、入り口付近は混み合っていた。人が多いときは思うような探索が出来ず困ることが多いが、虹子のデビューにはちょうど良かったかもしれない。
「それじゃ六階層へ行ってみるか。
学生連れは五階層までらしいからちょうどいいんじゃないか?」
「う、うん、大丈夫かな、私……
何すればいいのかわからなくなってきちゃった」
「基本的な動作は周辺をゆっくり見て回ることだな。
何かあればディスプレイに表示されることもあるし、地上で紗由が気づくかもだしな。
落し物を探してるくらいの気分で構わないから焦らずにな」
「OK、やってみる」
まずは基本の探索と言うことで資源を探している体で六階層を歩き回ってみる。しかしここら辺はすでに枯渇するほど取りつくされているはずなので何も見つからないだろう。それでも少量の貴金属鉱石や宝石が見つかることもある。回りつくされた浅い階層なのに壁を壊して隠し通路を見つけたこともあった。
「磁力感知で鉄を含む鉱石を探して見るか。
大量の鉱脈は無理でも、まずはなにか見つける楽しさってのを知るのは悪くない。
将来的にもっと深部へ進んだ時にはきっと役立つはずだ。
まあこれは親父の受け売りなんだけどさ」
「最近はおじさんもおばさんも来てないの?
全然会わないよね」
「ビデオ通話はしょっちゅうしてるから必要ないって感じかな。
紗由も気にしてないみたいだし、会いたければ向こうに行けばいいしさ」
「そんなものなのかな。
うちはずっと親子一緒だから別に暮らすなんてピンと来ないよ。
リクたちはそれでも内側に住みたいんでしょ?」
「そうだな、危険区域内のほうが税金優遇されたり手当が多かったりするんだぜ。
家賃も電気代もタダで水だけ有料だな。
ダンジョンへも近いし空気が悪い以外はいいことづくめだよ」
「空気は外側もそんな良くないけどね。
生活費掛からないなら私も内側に住もうかなぁ。
学校の寮もタダなのかしら」
「そのはずだし飯もタダだったと思うぞ?
でも手当は出ないからどっちもどっちか。
ああ、でも風呂があるから虹子には寮が向いてるかもしれないな」
「お風呂入り放題なのは嬉しいわね。
リクの家にはお風呂ないじゃない」
「水道が通ってないからなぁ。
手洗いとか含めて全部パウダーソープと超音波クリーナーなんだよね。
それだけが少し不満だけど慣れれば気にならねえよ」
大抵の女子は風呂が好きだからきっと耐えられないだろうが、紗由は引き籠り体質で親元にいる時から風呂入れといつも叱られていたくらいだ。俺はシャワーくらい浴びたいけど無いものは仕方ないし、ダンジョン内に水が流れているポイントを通る時には軽く水浴びをしているからそれで十分だ。
いつの間にか気楽に会話をしながら探索が出来るくらいにリラックスした虹子は、いっぱしの探索者らしい生活はどんなものだろうかとか、寮生活は楽しそうだとかあれこれはしゃいでいる。それでも二人でしっかりと周囲を警戒しながらダンジョンを進んでいき、虹子初めての探索は何事もなく終えることが出来た。
「それじゃ六階層へ行ってみるか。
学生連れは五階層までらしいからちょうどいいんじゃないか?」
「う、うん、大丈夫かな、私……
何すればいいのかわからなくなってきちゃった」
「基本的な動作は周辺をゆっくり見て回ることだな。
何かあればディスプレイに表示されることもあるし、地上で紗由が気づくかもだしな。
落し物を探してるくらいの気分で構わないから焦らずにな」
「OK、やってみる」
まずは基本の探索と言うことで資源を探している体で六階層を歩き回ってみる。しかしここら辺はすでに枯渇するほど取りつくされているはずなので何も見つからないだろう。それでも少量の貴金属鉱石や宝石が見つかることもある。回りつくされた浅い階層なのに壁を壊して隠し通路を見つけたこともあった。
「磁力感知で鉄を含む鉱石を探して見るか。
大量の鉱脈は無理でも、まずはなにか見つける楽しさってのを知るのは悪くない。
将来的にもっと深部へ進んだ時にはきっと役立つはずだ。
まあこれは親父の受け売りなんだけどさ」
「最近はおじさんもおばさんも来てないの?
全然会わないよね」
「ビデオ通話はしょっちゅうしてるから必要ないって感じかな。
紗由も気にしてないみたいだし、会いたければ向こうに行けばいいしさ」
「そんなものなのかな。
うちはずっと親子一緒だから別に暮らすなんてピンと来ないよ。
リクたちはそれでも内側に住みたいんでしょ?」
「そうだな、危険区域内のほうが税金優遇されたり手当が多かったりするんだぜ。
家賃も電気代もタダで水だけ有料だな。
ダンジョンへも近いし空気が悪い以外はいいことづくめだよ」
「空気は外側もそんな良くないけどね。
生活費掛からないなら私も内側に住もうかなぁ。
学校の寮もタダなのかしら」
「そのはずだし飯もタダだったと思うぞ?
でも手当は出ないからどっちもどっちか。
ああ、でも風呂があるから虹子には寮が向いてるかもしれないな」
「お風呂入り放題なのは嬉しいわね。
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「水道が通ってないからなぁ。
手洗いとか含めて全部パウダーソープと超音波クリーナーなんだよね。
それだけが少し不満だけど慣れれば気にならねえよ」
大抵の女子は風呂が好きだからきっと耐えられないだろうが、紗由は引き籠り体質で親元にいる時から風呂入れといつも叱られていたくらいだ。俺はシャワーくらい浴びたいけど無いものは仕方ないし、ダンジョン内に水が流れているポイントを通る時には軽く水浴びをしているからそれで十分だ。
いつの間にか気楽に会話をしながら探索が出来るくらいにリラックスした虹子は、いっぱしの探索者らしい生活はどんなものだろうかとか、寮生活は楽しそうだとかあれこれはしゃいでいる。それでも二人でしっかりと周囲を警戒しながらダンジョンを進んでいき、虹子初めての探索は何事もなく終えることが出来た。
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