3 / 40
3.愛が欲しい
しおりを挟む
夜の繁華街には様々なネオンが光る。派手な色の電球や看板が身勝手に光る様は、まるでぶちまけたビーズを掃いて集めたように規則性がなく騒々しい。
酔っぱらったおっさんたちが客を求める飲み屋の女の子に声をかけられ、ぼったくられるために連れられて行く。その女の子たちも、身体をはって稼いだ金を口八丁で中身の無い男達が集められたホストクラブへ突っ込むのだ。
あぶく銭で懐を膨らませたホスト達は、まともな金の使い方を学ばず裏カジノで金をまきあげられクスリに溺れ高い酒をぶちまける。こうして夜の世界に飲まれながら生き残った僅かな上澄みは、権力や得るため、見栄を張るために散在し、結局は散っていく。
そんな食物連鎖的な街には必ずある暗部、そこからも爪弾きにされるような人間も少なくない数存在する。今や一大勢力とも言える、スマホのマッチングアプリを使った野良売春婦たちもその一種である。
多数は金のため、生きるために体を売り、少しでも多くの金を得たいがために店舗や組織に属すことを嫌うのだ。だが中には人肌を求めて渡り歩く女がごく少数存在している。
コスプレなのか本物なのかわからないが、へそが見えそうな上着と下着が覗く程度に短すぎるスカートのセーラー服を来た道川美知子もその一人である。
彼女は誘われるがままに男とホテルへ行き、一晩の営みのあとまた去っていく。自分にはきっと運命の相手がいるのだと夢のようなことを口ずさむこともあるが、それはあくまで言い訳で、とにかく毎日人肌を求めていた。
「ねえ、みちみち、金払いのいい客いたら回してくれない?
あーしったら今月ピンチなのよ。
そんかわりにコレ分けてあげるからさ」
「えー、ウチは感度いいからそんなのいらないよ。
そう言えば、ついこないだ遊んでくれたオジサン良かったよ。
すっごく早くて楽だったのにさ、ちっちゃくてかわいいねって咥えたらさぁ。
なんかやけに喜んじゃって追加置いてってくれたの。
またねって言ってたけど、バーコードがキモかったから二度目は無いかな」
「そかー、あーしもバーコードはカンベンかなぁ。
でも一回だけなら我慢していいかも、早いのも魅力だし」
「麻美ちゃんは相変わらずホスト行ってるの?
ウチは興味ないけど好きな子多いもんね」
「なんつーかさ、わかってくれるっていうの?
さびしいのとかオトコほしいとかとはまた違うってトコわあーってくれんのよ。
帰りにハグしてもらうとまた行きたいって思っちゃう」
「そんなもんなんだねぇ。
入れてくれるお店があんまないからもうどうでもいいけどぉ。
やっぱり会ってすぐホテル行くのが面倒無くてウチはいいかな。
説教してくるオジサンとか笑えていやされるでしょ」
「それな! お前未成年とヤリながらなに言っちゃってんだって感じ?
あーしはちゃんとアド取ってあっからパクられた時ばれちゃうんだろうなぁ。
そーゆーとこまでみれたらもっと楽しいのにー」
「アヤが挙げられた時にさ、それまで何回も来てた人いなくなったりしたなぁ。
なにげにお客減って迷惑だから麻美ちゃんは気を付けてよね?
ウチは終わったら全部消してるんだよ?」
「へーマジメだねぇ。
あーしはもうすぐ十八だからダイジョブだよ。
成人年齢下げるとかマジ笑ったけど、大人扱いだと安く見られてメイワクぅ」
「そっかぁ、そうゆーのもあるんだ。
ウチはまだ先だからピンと来ないけどさ。
あっ、あそこにさっき言ったバーコードいるよ、呼んでこよっか?」
「じゃあ一緒に行っていい?
これで彼に会いに行けるー」
「ウチは別の人から連絡来てるからその後行っちゃうからね。
ちゃんと小さいのカワイイって褒めてあげなきゃダメだよ」
「うんうんーわあってるー」
こうしてこの日も少女たちはキャッキャウフフと騒ぎながら、安普請で汚いホテルが立ち並ぶ繁華街の裏通りへと消えて行った。
酔っぱらったおっさんたちが客を求める飲み屋の女の子に声をかけられ、ぼったくられるために連れられて行く。その女の子たちも、身体をはって稼いだ金を口八丁で中身の無い男達が集められたホストクラブへ突っ込むのだ。
あぶく銭で懐を膨らませたホスト達は、まともな金の使い方を学ばず裏カジノで金をまきあげられクスリに溺れ高い酒をぶちまける。こうして夜の世界に飲まれながら生き残った僅かな上澄みは、権力や得るため、見栄を張るために散在し、結局は散っていく。
そんな食物連鎖的な街には必ずある暗部、そこからも爪弾きにされるような人間も少なくない数存在する。今や一大勢力とも言える、スマホのマッチングアプリを使った野良売春婦たちもその一種である。
多数は金のため、生きるために体を売り、少しでも多くの金を得たいがために店舗や組織に属すことを嫌うのだ。だが中には人肌を求めて渡り歩く女がごく少数存在している。
コスプレなのか本物なのかわからないが、へそが見えそうな上着と下着が覗く程度に短すぎるスカートのセーラー服を来た道川美知子もその一人である。
彼女は誘われるがままに男とホテルへ行き、一晩の営みのあとまた去っていく。自分にはきっと運命の相手がいるのだと夢のようなことを口ずさむこともあるが、それはあくまで言い訳で、とにかく毎日人肌を求めていた。
「ねえ、みちみち、金払いのいい客いたら回してくれない?
あーしったら今月ピンチなのよ。
そんかわりにコレ分けてあげるからさ」
「えー、ウチは感度いいからそんなのいらないよ。
そう言えば、ついこないだ遊んでくれたオジサン良かったよ。
すっごく早くて楽だったのにさ、ちっちゃくてかわいいねって咥えたらさぁ。
なんかやけに喜んじゃって追加置いてってくれたの。
またねって言ってたけど、バーコードがキモかったから二度目は無いかな」
「そかー、あーしもバーコードはカンベンかなぁ。
でも一回だけなら我慢していいかも、早いのも魅力だし」
「麻美ちゃんは相変わらずホスト行ってるの?
ウチは興味ないけど好きな子多いもんね」
「なんつーかさ、わかってくれるっていうの?
さびしいのとかオトコほしいとかとはまた違うってトコわあーってくれんのよ。
帰りにハグしてもらうとまた行きたいって思っちゃう」
「そんなもんなんだねぇ。
入れてくれるお店があんまないからもうどうでもいいけどぉ。
やっぱり会ってすぐホテル行くのが面倒無くてウチはいいかな。
説教してくるオジサンとか笑えていやされるでしょ」
「それな! お前未成年とヤリながらなに言っちゃってんだって感じ?
あーしはちゃんとアド取ってあっからパクられた時ばれちゃうんだろうなぁ。
そーゆーとこまでみれたらもっと楽しいのにー」
「アヤが挙げられた時にさ、それまで何回も来てた人いなくなったりしたなぁ。
なにげにお客減って迷惑だから麻美ちゃんは気を付けてよね?
ウチは終わったら全部消してるんだよ?」
「へーマジメだねぇ。
あーしはもうすぐ十八だからダイジョブだよ。
成人年齢下げるとかマジ笑ったけど、大人扱いだと安く見られてメイワクぅ」
「そっかぁ、そうゆーのもあるんだ。
ウチはまだ先だからピンと来ないけどさ。
あっ、あそこにさっき言ったバーコードいるよ、呼んでこよっか?」
「じゃあ一緒に行っていい?
これで彼に会いに行けるー」
「ウチは別の人から連絡来てるからその後行っちゃうからね。
ちゃんと小さいのカワイイって褒めてあげなきゃダメだよ」
「うんうんーわあってるー」
こうしてこの日も少女たちはキャッキャウフフと騒ぎながら、安普請で汚いホテルが立ち並ぶ繁華街の裏通りへと消えて行った。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
女ハッカーのコードネームは @takashi
一宮 沙耶
大衆娯楽
男の子に、子宮と女性の生殖器を移植するとどうなるのか?
その後、かっこよく生きる女性ハッカーの物語です。
守護霊がよく喋るので、聞いてみてください。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
イケメンストーカーに目を付けられましたが全力で逃げます!
Karamimi
恋愛
中学卒業間近に、ラブレターを晒されるというトラウマ的出来事を経験した渚。
もう男なんて大っ嫌い!絶対彼氏なんか作らない!
そう決意したはずなのに。
学年一のイケメン、片岡隆太に告白される。
これはきっと何かの間違いだ…
そう思っていたのに…
どんどんストーカー化する隆太、周りもどんどん固められていき、追い詰められる渚!
この絶体絶命の自体に、渚は逃げ切れるのか!
Promise Ring
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
浅井夕海、OL。
下請け会社の社長、多賀谷さんを社長室に案内する際、ふたりっきりのエレベーターで突然、うなじにキスされました。
若くして独立し、業績も上々。
しかも独身でイケメン、そんな多賀谷社長が地味で無表情な私なんか相手にするはずなくて。
なのに次きたとき、やっぱりふたりっきりのエレベーターで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる