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重い空気に重い愛
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今日の練習は本当に疲れた。これは完全に気苦労による疲労だろう。いわゆる針の筵というやつを味わった僕は、シャワーを浴びながらがっくりと肩を落としていた。
美術部の見学には何の問題もなかったけど、時折感じる亜美の視線が気になってしまったのと、僕を見るだけじゃなく由布へ向かって敵意むき出しという空気がなにより重い。
結局それは考えすぎだったかもしれないけど、これが一週間続くのだからたまったもんじゃない。しかも明日には親も帰ってくるので咲との時間も減ってしまうのだ。
そうだ! 咲と言えばメールは見てくれただろうか。さっさとシャワーを終えてメールの確認をしないといけない。
「やっぱりさ、女子が大勢見ているってのはいいな。
いつもよりやる気が出てくるわ」
「そんなもんかね?
別にマルマンを見に来てるわけじゃねえんだぜ?」
「そんなのどうでもいいんだよ。
雰囲気ってのがあるじゃんか。
いくらマネージャーが入ったって言ってもよ、男臭いのにかわりはなかったからな」
まったく、チビベンに彼女ができたあたりから、丸山の彼女欲しい病はひどくなっているように感じる。かといって練習に手を抜いているわけでもないし調子を落とすわけでもないのはさすがだ。
人の心配よりも自分の方が危ういかもしれない。なんといっても寝ても覚めても咲の事ばかり考えているのだから。
「無駄口ばっか叩いてんなよ。
僕は先に出るよ」
「珍しく早く帰りたそうな雰囲気だな。
この後デートでもあるのか?」
木戸がドキッとするようなことを言って茶化してきた。しかし僕は平静を装いながら軽口で返す。
「ばーか、お前と一緒にするなよ。
ってこともないか。
ごっさん亭は相変わらず忙しいのか?」
「まあまあかな。
週末以外は満席になるってほどじゃないけど暇ではないな」
「体にだけは気を付けてくれよ。
木戸に限って、家の手伝いで疲れてどうにもならんってことはないと思うけどさ」
「まあな。
大会近くなったら手伝いには出ないさ。
別に俺がいなくても、親父と母ちゃんだけで店は回るんだから」
確かにそんなに広いわけでもない店で木戸までが手伝わないといけないことは無いのだろう。でも後を継ぐつもりみたいだから、修行を兼ねて手伝っていると前に言っていた。
「そうだ、言い忘れてたけどな。
明後日の水曜日は部活早じまいにするぞ。
カワの退院祝いをやろうぜ」
「お、そりゃいいね。
どこでやんの?」
「真弓ちゃんに相談して部室の使用許可取ったからさ。
練習早めに切り上げてから買い出しに行く感じだな」
僕たちはそんな会話をしながら部室へ戻った。そのことを、すでに着替え終わっているカワやハカセに木戸が伝えるとカワは申し訳なさそうに頭を掻いた。
「戦力にならねえのに申し訳ないな。
でもありがとうよ」
「無理せずにしっかり治せば甲子園には間に合うさ。
予選はベンチでのんびりしてりゃいいさ」
「おいおい、なんだか今年は強気だな。
確かにカズは良くなってるし一年生も悪くないと思うけどな。
慢心は禁物だぜ?」
まさにそれはカワの言う通りで、いくらチームの底上げが出来て調子が良かろうと相手がそれを上回ってこない保証はない。調子がいい時こそ気を引き締めないといけないのは木戸も承知だろうが、チームの士気を上げる意味ではビッグマウスも悪くはない。
「でもよく部室の使用許可が出たな。
文化祭の時くらいしか許してくれないと思ってたよ」
「それが笑っちゃうのよ。
真弓ちゃんがさ、副校長へ頼みに行ったら最初渋ったらしいんだけどな。
外ではめ外しすぎるより校内で監視つけておいた方が安心だって言って説得したらしいぜ」
「なるほどねえ。
さすが真弓先生は口がうまいな。
最近は朝も早くから来てるし、野球部の事を考えてくれてるんだろうな」
「そう、だな。
そうなのかな?」
珍しく木戸の歯切れが悪い。確かにもう遅刻できないからというだけかもしれないが、ちゃんと来ていることは評価していいんじゃないかと僕は思う。
「最近は毎日のように飲みに行ってないのか?
一時期はほぼ毎日閉店まで来てたんだろ?」
「そうだなあ、今は毎日ってことはないな。
大会の日に遅刻されても困るしよ」
木戸の一言に、聞いていた部員たちがそれもそうだと大笑いしながら部室を後にした。
なんだかんだ言って結局遅くなってしまった。談笑しながらも気が気じゃなかった咲からの返事、それをようやく確認しようとした僕の背後から突然声がかかった。
「せんぱい?
そんなに驚かなくてもいいじゃないですか……」
声の主は若菜亜美だった。
「もう全員帰ったと思ってたからさ。
急に後ろからだからびっくりしちゃったよ」
「鍵返しに行くんですよね?
私も一緒に行きます。
帰る方向一緒ですし」
「そうなの?
あれ? 防災公園の近くなら電車じゃないの?」
「ふふふ、今週は先輩と一緒に帰れそうだから歩きにしようかなって。
迷惑ですか?」
「迷惑ってこともないけどうちより先だと結構距離あるんじゃないの?
防災公園よりも手前?」
「いえ、防災公園の少し向こうです。
ちょっと遠いけど犬の散歩で歩くのには慣れてるから大丈夫です」
これは参った。うちの近くか、下手すれば家の前までついてきそうな勢いだ。何とか断らないといけないが、僕にきっぱりと断ることができるだろうか。
ほんの少し考えてから、僕はなるべく言葉を選んで優しく亜美へ話しかけた。もうあの時のように泣かれるのはまっぴらごめんなのだ。
「えっと、んとさ、今日は早く帰らないといけないんだよ。
出張言ってる親が荷物送ってくるって連絡が来ててね。
早く受け取りにいかないとならないんだ」
亜美の顔があからさまに不満そうに変わっていく。しかしここは心を鬼にして断らなければならない。僕は言葉を続けた。
「それにさ、練習終わってからだと周囲も暗いじゃない?
僕は練習も兼ねて走って帰ってるからきっとついてこられないよ。
あとね、誰かに見られて誤解を招くのも嫌なんだ」
よし、きっぱり言えた、言えたぞ。見られて困る誰かとはもちろん咲のことで、別に不特定多数と言うことではなかったがそこまで言う必要はないし……
「そんな……
私の存在が迷惑ってことですか?
ひどいです……」
僕は以前似たような場面に遭遇した記憶が頭の中を駆け巡る。そしてすぐにこの後の展開が浮かんできたが、それはもちろん悪い予感だった。
「いや、ちょっと落ち着いて……
迷惑とかそう言うことじゃなくってね。
心配していっているんだから、だから、まあ、おちつ……」
「先輩!」
「はい!」
突然亜美が上げた大声に僕は思わず直立不動となってしまった。ダメだ、これはこの間由布がそうしたのと同じで泣かれてしまう展開がやってくるのだろう。
しかし亜美は泣くことはなくうつむいた顔をゆっくりと上げた。そしてブレザーの内側にゆっくりと手を差し入れて何かを取り出そうとしている。
懐からゆっくりと引き出された手には何か光るものが握られている。僕は思わず生唾を飲み込んでしまった。
「先輩・・・・・・
一緒に帰ることさえできないなら……」
ちょっとまて! これってどういう状況なんだ!? 思考がついていかなくて頭の中が軽くパニック状態になっていく。
亜美はそんな僕の事を見ているのかどうかわからないまま右手を突き出してきた。もはやこれまでか、と身構えた僕の目に入ったのは銀色に光る包み紙のようなものだった。
「こ、これは…… なに?」
「クッキー……
焼いてきたので夕飯の後にでも食べてください。
これも迷惑ですか?」
「いや、だから迷惑とかじゃなくてね。
えっと…… ありがとう、いただいていくね」
「大丈夫です。
毒とか入ってませんから、ふふ……」
そんなこと疑っていたわけじゃないけど、改めて言われるとちょっと怖くなってくる。なんといか、亜美にはそういうおかしなことをしそうな雰囲気があると感じているのだ。
なんにせよ僕は亜美の誘いを断ることに成功して無事に帰路へついた。ようやく確認することができた咲からのメールは二通来ていて、夕飯に刺身があると送ったメールへの返事と、その後荷物を受け取ったというものだった。
咲がどうやって家への荷物を受け取ったのかはわからないが、冷蔵便で来たものを早めに受け取ってくれて助かった。
僕はお礼とこれから帰ることを送ってから小走りに駆けだす。その足取りは練習終了直後と違って軽やかで、それまでの気苦労なんてすべて吹き飛んで消えていた。
美術部の見学には何の問題もなかったけど、時折感じる亜美の視線が気になってしまったのと、僕を見るだけじゃなく由布へ向かって敵意むき出しという空気がなにより重い。
結局それは考えすぎだったかもしれないけど、これが一週間続くのだからたまったもんじゃない。しかも明日には親も帰ってくるので咲との時間も減ってしまうのだ。
そうだ! 咲と言えばメールは見てくれただろうか。さっさとシャワーを終えてメールの確認をしないといけない。
「やっぱりさ、女子が大勢見ているってのはいいな。
いつもよりやる気が出てくるわ」
「そんなもんかね?
別にマルマンを見に来てるわけじゃねえんだぜ?」
「そんなのどうでもいいんだよ。
雰囲気ってのがあるじゃんか。
いくらマネージャーが入ったって言ってもよ、男臭いのにかわりはなかったからな」
まったく、チビベンに彼女ができたあたりから、丸山の彼女欲しい病はひどくなっているように感じる。かといって練習に手を抜いているわけでもないし調子を落とすわけでもないのはさすがだ。
人の心配よりも自分の方が危ういかもしれない。なんといっても寝ても覚めても咲の事ばかり考えているのだから。
「無駄口ばっか叩いてんなよ。
僕は先に出るよ」
「珍しく早く帰りたそうな雰囲気だな。
この後デートでもあるのか?」
木戸がドキッとするようなことを言って茶化してきた。しかし僕は平静を装いながら軽口で返す。
「ばーか、お前と一緒にするなよ。
ってこともないか。
ごっさん亭は相変わらず忙しいのか?」
「まあまあかな。
週末以外は満席になるってほどじゃないけど暇ではないな」
「体にだけは気を付けてくれよ。
木戸に限って、家の手伝いで疲れてどうにもならんってことはないと思うけどさ」
「まあな。
大会近くなったら手伝いには出ないさ。
別に俺がいなくても、親父と母ちゃんだけで店は回るんだから」
確かにそんなに広いわけでもない店で木戸までが手伝わないといけないことは無いのだろう。でも後を継ぐつもりみたいだから、修行を兼ねて手伝っていると前に言っていた。
「そうだ、言い忘れてたけどな。
明後日の水曜日は部活早じまいにするぞ。
カワの退院祝いをやろうぜ」
「お、そりゃいいね。
どこでやんの?」
「真弓ちゃんに相談して部室の使用許可取ったからさ。
練習早めに切り上げてから買い出しに行く感じだな」
僕たちはそんな会話をしながら部室へ戻った。そのことを、すでに着替え終わっているカワやハカセに木戸が伝えるとカワは申し訳なさそうに頭を掻いた。
「戦力にならねえのに申し訳ないな。
でもありがとうよ」
「無理せずにしっかり治せば甲子園には間に合うさ。
予選はベンチでのんびりしてりゃいいさ」
「おいおい、なんだか今年は強気だな。
確かにカズは良くなってるし一年生も悪くないと思うけどな。
慢心は禁物だぜ?」
まさにそれはカワの言う通りで、いくらチームの底上げが出来て調子が良かろうと相手がそれを上回ってこない保証はない。調子がいい時こそ気を引き締めないといけないのは木戸も承知だろうが、チームの士気を上げる意味ではビッグマウスも悪くはない。
「でもよく部室の使用許可が出たな。
文化祭の時くらいしか許してくれないと思ってたよ」
「それが笑っちゃうのよ。
真弓ちゃんがさ、副校長へ頼みに行ったら最初渋ったらしいんだけどな。
外ではめ外しすぎるより校内で監視つけておいた方が安心だって言って説得したらしいぜ」
「なるほどねえ。
さすが真弓先生は口がうまいな。
最近は朝も早くから来てるし、野球部の事を考えてくれてるんだろうな」
「そう、だな。
そうなのかな?」
珍しく木戸の歯切れが悪い。確かにもう遅刻できないからというだけかもしれないが、ちゃんと来ていることは評価していいんじゃないかと僕は思う。
「最近は毎日のように飲みに行ってないのか?
一時期はほぼ毎日閉店まで来てたんだろ?」
「そうだなあ、今は毎日ってことはないな。
大会の日に遅刻されても困るしよ」
木戸の一言に、聞いていた部員たちがそれもそうだと大笑いしながら部室を後にした。
なんだかんだ言って結局遅くなってしまった。談笑しながらも気が気じゃなかった咲からの返事、それをようやく確認しようとした僕の背後から突然声がかかった。
「せんぱい?
そんなに驚かなくてもいいじゃないですか……」
声の主は若菜亜美だった。
「もう全員帰ったと思ってたからさ。
急に後ろからだからびっくりしちゃったよ」
「鍵返しに行くんですよね?
私も一緒に行きます。
帰る方向一緒ですし」
「そうなの?
あれ? 防災公園の近くなら電車じゃないの?」
「ふふふ、今週は先輩と一緒に帰れそうだから歩きにしようかなって。
迷惑ですか?」
「迷惑ってこともないけどうちより先だと結構距離あるんじゃないの?
防災公園よりも手前?」
「いえ、防災公園の少し向こうです。
ちょっと遠いけど犬の散歩で歩くのには慣れてるから大丈夫です」
これは参った。うちの近くか、下手すれば家の前までついてきそうな勢いだ。何とか断らないといけないが、僕にきっぱりと断ることができるだろうか。
ほんの少し考えてから、僕はなるべく言葉を選んで優しく亜美へ話しかけた。もうあの時のように泣かれるのはまっぴらごめんなのだ。
「えっと、んとさ、今日は早く帰らないといけないんだよ。
出張言ってる親が荷物送ってくるって連絡が来ててね。
早く受け取りにいかないとならないんだ」
亜美の顔があからさまに不満そうに変わっていく。しかしここは心を鬼にして断らなければならない。僕は言葉を続けた。
「それにさ、練習終わってからだと周囲も暗いじゃない?
僕は練習も兼ねて走って帰ってるからきっとついてこられないよ。
あとね、誰かに見られて誤解を招くのも嫌なんだ」
よし、きっぱり言えた、言えたぞ。見られて困る誰かとはもちろん咲のことで、別に不特定多数と言うことではなかったがそこまで言う必要はないし……
「そんな……
私の存在が迷惑ってことですか?
ひどいです……」
僕は以前似たような場面に遭遇した記憶が頭の中を駆け巡る。そしてすぐにこの後の展開が浮かんできたが、それはもちろん悪い予感だった。
「いや、ちょっと落ち着いて……
迷惑とかそう言うことじゃなくってね。
心配していっているんだから、だから、まあ、おちつ……」
「先輩!」
「はい!」
突然亜美が上げた大声に僕は思わず直立不動となってしまった。ダメだ、これはこの間由布がそうしたのと同じで泣かれてしまう展開がやってくるのだろう。
しかし亜美は泣くことはなくうつむいた顔をゆっくりと上げた。そしてブレザーの内側にゆっくりと手を差し入れて何かを取り出そうとしている。
懐からゆっくりと引き出された手には何か光るものが握られている。僕は思わず生唾を飲み込んでしまった。
「先輩・・・・・・
一緒に帰ることさえできないなら……」
ちょっとまて! これってどういう状況なんだ!? 思考がついていかなくて頭の中が軽くパニック状態になっていく。
亜美はそんな僕の事を見ているのかどうかわからないまま右手を突き出してきた。もはやこれまでか、と身構えた僕の目に入ったのは銀色に光る包み紙のようなものだった。
「こ、これは…… なに?」
「クッキー……
焼いてきたので夕飯の後にでも食べてください。
これも迷惑ですか?」
「いや、だから迷惑とかじゃなくてね。
えっと…… ありがとう、いただいていくね」
「大丈夫です。
毒とか入ってませんから、ふふ……」
そんなこと疑っていたわけじゃないけど、改めて言われるとちょっと怖くなってくる。なんといか、亜美にはそういうおかしなことをしそうな雰囲気があると感じているのだ。
なんにせよ僕は亜美の誘いを断ることに成功して無事に帰路へついた。ようやく確認することができた咲からのメールは二通来ていて、夕飯に刺身があると送ったメールへの返事と、その後荷物を受け取ったというものだった。
咲がどうやって家への荷物を受け取ったのかはわからないが、冷蔵便で来たものを早めに受け取ってくれて助かった。
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<追記>
本作品は私がデビュー前に書いた新人賞投稿策を改訂したものです。
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