10 / 158
望みと契約、そして約束
しおりを挟む
シャワーから出るとキッチンには父さんともう一人がコーヒーを飲みながらバカ話をしていた。その相手は昨日の同僚さんだ。
「よお、カズ、おはよう。
昨日は悪かったな」
「いえいえ、こちらこそ父さんが連れまわしてしまって、奥さんに叱られたでしょう」
「そんなことないさ、うちのやつは優しいんだから。
だってさすがにまだ寒いからよ? ちゃんとお湯かけてくれたんだぜ」
「は、はあ……」
「おかげで朝からすっきりさ」
まったくこの体力お化けどもはどういう体をしているんだ。長く野球をやっていただけでこんなになってしまうのだろうか。
ちなみに父さんの同僚は江夏さんといって、同じく社会人野球の元チームメイトで高校からの同級生だ。ポジションはピッチャーで、僕が中学生の頃に秘伝の変化球を教えてくれた。その変化球とコントロールを武器に僕は中学時代、そして高校でもエースに登りつめることができたのだ。
「二人とももういい年なんだからあまり飲みすぎないでくださいね。
そろそろ行かないと会社に遅れますよ」
「お、そうだな。
じゃあ行ってくるよ、今日は早く帰ってくるわ」
「飲みすぎなければ好きにしていいよ。
ご飯代は母さんからもらってあるしね」
「じゃあ軽く、かーるくにして帰ってくるからよ」
「わかったよ、行ってらっしゃい」
父さん達が仕事へ向かうのを見送ってからコーヒーの後片付けをする。洗い物は帰ってきてからやればいいだろう。
僕は食器棚から一番大きなマグを取り出し、冷蔵庫の牛乳を八分目ほど入れた。それを電子レンジでぬるめに温め、きな粉をドサッと入れてかき混ぜてから一気に飲み干した。これとバナナを食べるのが毎日の朝食なのだ。
僕もそろそろ朝練へ向かわないといけないな。鞄にユニフォームや教科書、タオル等を詰め込んでから戸締りを確認する。
もし咲と付き合ったりしたら一緒に登校したりできるのかな。学校では仲良く登校してくる奴らもいる。これまでは何とも思わなかったけど今は少しだけうらやましく思う。
まあでも僕は朝の練習があるから登校が早いし、そもそも僕と咲は秘密の関係なのだから一緒に登校するなんて夢物語だろう。
一通り戸締りを確認した僕は鞄を肩にかけ玄関を開けた。
「おはよう、これから練習かしら? いつも早いのね」
僕は思わず後ずさりをし、無言で振り返り玄関に鍵をかけた。そして気を取り直して咲の方を向き直す。
「お、おはよう、びっくりさせないでくれよ。
なんで僕が家を出る時間がわかったのさ」
「言ったでしょう、キミのことは手に取るようにわかるのよ」
そんなことあるもんか。もしかしたら僕が出てくるのを待っていただけなんじゃないのか。でもそれじゃまるでストーカーだ。
「別に待ってたわけじゃないわよ。
キミが昨晩私と別れた後、とても強く私の事を考えて求めてくれたこともわかっているわ」
それを聞いた瞬間、僕は恥ずかしくて仕方がなく、また咲に対して悪いことをしたという気持ちでいてもたってもいられなくなった。
僕がうつむいて返事ができないでいると咲が続けて口を開いた。
「誰かを想う気持ちに恥ずかしいなんてないのよ。
キミの気持ちが伝わってきて、昨夜はとても気持ちよく眠ることができたわ」
「ぼ、僕もよく眠れたみたいで今日は調子がいいよ」
「随分朝早くからランニングかしら? 練習しているのね。
一緒に走っていたのはお父様かしら?」
「やっぱり見てたのか、あの時二階にいたのは君だったんだろ?」
「そうよ、こっちを見てほしいって想いを送ったら振り向いてくれたからうれしかったわ。
私たちの相性って抜群にいいのかもしれないわね」
「それはどういう意味?
もうここまで来たら開き直って言ってしまうけど、僕は君が転校してきてから気になってるんだ。
今まではどんな女子から交際申し込まれても興味もわかなかったのに、君にはどうしても惹かれてしまうんだよ」
「ええ、知ってるわ。
だからこそ私はここに来たんですもの」
「昨日も言っていたけどそれって意味がわからないよ。
僕は君が転校してきた日に初めて会ったはずだし、君だって僕を初めて見たんだろう?」
「人間って頭が固いわよね、自分が見たものだけが実態であり真実であると思い込む。
でもね、精神のみが漂う世界ではそんなことないのよ」
「精神のみの世界ってなんだよ」
「キミが何かを望む、その想いが私に伝わった、そしてキミは私が望むものを与えてくれる。
その関係が可能だと感じたから私はキミの前に現れたというわけよ」
「意味が全然分からないよ。
まるでおとぎ話、ファンタジーの世界だ」
「ファンタジー、そうね、昔から人は空想し想像し夢を見てきたわ。
でも誰も何も体験していないところから何千年もの間、次から次へと空想のお話が作られ続いていくと思う?」
「それは…… 僕にはよくわからないな」
「誰かの実体験を元に伝聞伝承が受け継がれ、それを元にお話を膨らませ続け長い時間を経て現代にまで続いているもの、それをファンタジーと称しているのではないかしら」
どちらかというとオカルト的なものは一切興味がない僕には、咲の話が難しすぎてついていけない。結局何が言いたいのだろうか。
「僕の望みと君の望みが合致したというのはどういう意味?
一度も会ったことなかったのにそんなことが起こり得るわけがないじゃないか」
「うふふ、そうよね、不思議よね。
でもそれは事実であるし、必ずしも初めから見知った間柄である必要はないのよ」
僕の頭はパンク寸前だ。せっかく今日は調子がいいと感じているのにあれこれと邪念が入ってしまう。これじゃ練習の時にまた調子が悪くなってしまうんじゃないだろうか。
「早く行かないとまた遅刻してしまうわよ。
くれぐれも約束は守ってちょうだいね」
「あ、ああ、二つの、いや三つの約束だね。
そりゃ守るけど、だからと言って君の言いなりにはならないよ」
「ええ、構わないわ、でもキミは自ら私を求めることになるわ。
だって契約は交わしてしまったんですもの」
「契約? 約束じゃなくて?」
「そうよ、契約をしたからそれを続けるために約束を守る必要があるの。
守らなくても罰はないけど、キミの求めるものは遠のいていくことになるかもね」
「僕の求めるもの…… 何のこと?」
「さあ? 私はキミの望むものを与えるためのお手伝いしかできない。
それが何かを決めるのはキミ自身よ」
「僕自身が決めること……」
「少なくとも遅刻しないように学校へ一瞬でつく、なんてくだらない内容でないことは確かね」
しまった、すっかり話し込んでしまったせいで完全に遅刻だ。さすがに二日連続の遅刻は木戸にどやされるどころか、例の罰ゲームをすることになってしまう。
「よくわからないけど早く行かなくちゃ。
あの、その、まだ話し足りないんだけど……」
僕は今にも走り出しそうに足踏みしながら返事をした。
「そうね、私ももっとキミのことを知りたいわ。
また夜にでもお話ししましょう」
「そ、そうだね、学校では秘密だから夜しかないもんね」
「今日もお母様はご不在? もしそうなら私の家で一緒にご飯食べましょう。
私、料理はそこそこできるのよ」
「う、うん、考えておくよ。
じゃもう行くよ」
「行ってらっしゃい、私の愛しいキミ」
咲はそういって僕の頬に軽く触れる程度に唇を寄せた。
「よお、カズ、おはよう。
昨日は悪かったな」
「いえいえ、こちらこそ父さんが連れまわしてしまって、奥さんに叱られたでしょう」
「そんなことないさ、うちのやつは優しいんだから。
だってさすがにまだ寒いからよ? ちゃんとお湯かけてくれたんだぜ」
「は、はあ……」
「おかげで朝からすっきりさ」
まったくこの体力お化けどもはどういう体をしているんだ。長く野球をやっていただけでこんなになってしまうのだろうか。
ちなみに父さんの同僚は江夏さんといって、同じく社会人野球の元チームメイトで高校からの同級生だ。ポジションはピッチャーで、僕が中学生の頃に秘伝の変化球を教えてくれた。その変化球とコントロールを武器に僕は中学時代、そして高校でもエースに登りつめることができたのだ。
「二人とももういい年なんだからあまり飲みすぎないでくださいね。
そろそろ行かないと会社に遅れますよ」
「お、そうだな。
じゃあ行ってくるよ、今日は早く帰ってくるわ」
「飲みすぎなければ好きにしていいよ。
ご飯代は母さんからもらってあるしね」
「じゃあ軽く、かーるくにして帰ってくるからよ」
「わかったよ、行ってらっしゃい」
父さん達が仕事へ向かうのを見送ってからコーヒーの後片付けをする。洗い物は帰ってきてからやればいいだろう。
僕は食器棚から一番大きなマグを取り出し、冷蔵庫の牛乳を八分目ほど入れた。それを電子レンジでぬるめに温め、きな粉をドサッと入れてかき混ぜてから一気に飲み干した。これとバナナを食べるのが毎日の朝食なのだ。
僕もそろそろ朝練へ向かわないといけないな。鞄にユニフォームや教科書、タオル等を詰め込んでから戸締りを確認する。
もし咲と付き合ったりしたら一緒に登校したりできるのかな。学校では仲良く登校してくる奴らもいる。これまでは何とも思わなかったけど今は少しだけうらやましく思う。
まあでも僕は朝の練習があるから登校が早いし、そもそも僕と咲は秘密の関係なのだから一緒に登校するなんて夢物語だろう。
一通り戸締りを確認した僕は鞄を肩にかけ玄関を開けた。
「おはよう、これから練習かしら? いつも早いのね」
僕は思わず後ずさりをし、無言で振り返り玄関に鍵をかけた。そして気を取り直して咲の方を向き直す。
「お、おはよう、びっくりさせないでくれよ。
なんで僕が家を出る時間がわかったのさ」
「言ったでしょう、キミのことは手に取るようにわかるのよ」
そんなことあるもんか。もしかしたら僕が出てくるのを待っていただけなんじゃないのか。でもそれじゃまるでストーカーだ。
「別に待ってたわけじゃないわよ。
キミが昨晩私と別れた後、とても強く私の事を考えて求めてくれたこともわかっているわ」
それを聞いた瞬間、僕は恥ずかしくて仕方がなく、また咲に対して悪いことをしたという気持ちでいてもたってもいられなくなった。
僕がうつむいて返事ができないでいると咲が続けて口を開いた。
「誰かを想う気持ちに恥ずかしいなんてないのよ。
キミの気持ちが伝わってきて、昨夜はとても気持ちよく眠ることができたわ」
「ぼ、僕もよく眠れたみたいで今日は調子がいいよ」
「随分朝早くからランニングかしら? 練習しているのね。
一緒に走っていたのはお父様かしら?」
「やっぱり見てたのか、あの時二階にいたのは君だったんだろ?」
「そうよ、こっちを見てほしいって想いを送ったら振り向いてくれたからうれしかったわ。
私たちの相性って抜群にいいのかもしれないわね」
「それはどういう意味?
もうここまで来たら開き直って言ってしまうけど、僕は君が転校してきてから気になってるんだ。
今まではどんな女子から交際申し込まれても興味もわかなかったのに、君にはどうしても惹かれてしまうんだよ」
「ええ、知ってるわ。
だからこそ私はここに来たんですもの」
「昨日も言っていたけどそれって意味がわからないよ。
僕は君が転校してきた日に初めて会ったはずだし、君だって僕を初めて見たんだろう?」
「人間って頭が固いわよね、自分が見たものだけが実態であり真実であると思い込む。
でもね、精神のみが漂う世界ではそんなことないのよ」
「精神のみの世界ってなんだよ」
「キミが何かを望む、その想いが私に伝わった、そしてキミは私が望むものを与えてくれる。
その関係が可能だと感じたから私はキミの前に現れたというわけよ」
「意味が全然分からないよ。
まるでおとぎ話、ファンタジーの世界だ」
「ファンタジー、そうね、昔から人は空想し想像し夢を見てきたわ。
でも誰も何も体験していないところから何千年もの間、次から次へと空想のお話が作られ続いていくと思う?」
「それは…… 僕にはよくわからないな」
「誰かの実体験を元に伝聞伝承が受け継がれ、それを元にお話を膨らませ続け長い時間を経て現代にまで続いているもの、それをファンタジーと称しているのではないかしら」
どちらかというとオカルト的なものは一切興味がない僕には、咲の話が難しすぎてついていけない。結局何が言いたいのだろうか。
「僕の望みと君の望みが合致したというのはどういう意味?
一度も会ったことなかったのにそんなことが起こり得るわけがないじゃないか」
「うふふ、そうよね、不思議よね。
でもそれは事実であるし、必ずしも初めから見知った間柄である必要はないのよ」
僕の頭はパンク寸前だ。せっかく今日は調子がいいと感じているのにあれこれと邪念が入ってしまう。これじゃ練習の時にまた調子が悪くなってしまうんじゃないだろうか。
「早く行かないとまた遅刻してしまうわよ。
くれぐれも約束は守ってちょうだいね」
「あ、ああ、二つの、いや三つの約束だね。
そりゃ守るけど、だからと言って君の言いなりにはならないよ」
「ええ、構わないわ、でもキミは自ら私を求めることになるわ。
だって契約は交わしてしまったんですもの」
「契約? 約束じゃなくて?」
「そうよ、契約をしたからそれを続けるために約束を守る必要があるの。
守らなくても罰はないけど、キミの求めるものは遠のいていくことになるかもね」
「僕の求めるもの…… 何のこと?」
「さあ? 私はキミの望むものを与えるためのお手伝いしかできない。
それが何かを決めるのはキミ自身よ」
「僕自身が決めること……」
「少なくとも遅刻しないように学校へ一瞬でつく、なんてくだらない内容でないことは確かね」
しまった、すっかり話し込んでしまったせいで完全に遅刻だ。さすがに二日連続の遅刻は木戸にどやされるどころか、例の罰ゲームをすることになってしまう。
「よくわからないけど早く行かなくちゃ。
あの、その、まだ話し足りないんだけど……」
僕は今にも走り出しそうに足踏みしながら返事をした。
「そうね、私ももっとキミのことを知りたいわ。
また夜にでもお話ししましょう」
「そ、そうだね、学校では秘密だから夜しかないもんね」
「今日もお母様はご不在? もしそうなら私の家で一緒にご飯食べましょう。
私、料理はそこそこできるのよ」
「う、うん、考えておくよ。
じゃもう行くよ」
「行ってらっしゃい、私の愛しいキミ」
咲はそういって僕の頬に軽く触れる程度に唇を寄せた。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
ほつれ家族
陸沢宝史
青春
高校二年生の椎橋松貴はアルバイトをしていたその理由は姉の借金返済を手伝うためだった。ある日、松貴は同じ高校に通っている先輩の永松栗之と知り合い仲を深めていく。だが二人は家族関係で問題を抱えており、やがて問題は複雑化していく中自分の家族と向き合っていく。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
覚えたての催眠術で幼馴染(悔しいが美少女)の弱味を握ろうとしたら俺のことを好きだとカミングアウトされたのだが、この後どうしたらいい?
みずがめ
恋愛
覚えたての催眠術を幼馴染で試してみた。結果は大成功。催眠術にかかった幼馴染は俺の言うことをなんでも聞くようになった。
普段からわがままな幼馴染の従順な姿に、ある考えが思いつく。
「そうだ、弱味を聞き出そう」
弱点を知れば俺の前で好き勝手なことをされずに済む。催眠術の力で口を割らせようとしたのだが。
「あたしの好きな人は、マーくん……」
幼馴染がカミングアウトしたのは俺の名前だった。
よく見れば美少女となっていた幼馴染からの告白。俺は一体どうすればいいんだ?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
『俺アレルギー』の抗体は、俺のことが好きな人にしか現れない?学園のアイドルから、幼馴染までノーマスク。その意味を俺は知らない
七星点灯
青春
雨宮優(あまみや ゆう)は、世界でたった一つしかない奇病、『俺アレルギー』の根源となってしまった。
彼の周りにいる人間は、花粉症の様な症状に見舞われ、マスク無しではまともに会話できない。
しかし、マスクをつけずに彼とラクラク会話ができる女の子達がいる。幼馴染、クラスメイトのギャル、先輩などなど……。
彼女達はそう、彼のことが好きすぎて、身体が勝手に『俺アレルギー』の抗体を作ってしまったのだ!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
サクラブストーリー
桜庭かなめ
恋愛
高校1年生の速水大輝には、桜井文香という同い年の幼馴染の女の子がいる。美人でクールなので、高校では人気のある生徒だ。幼稚園のときからよく遊んだり、お互いの家に泊まったりする仲。大輝は小学生のときからずっと文香に好意を抱いている。
しかし、中学2年生のときに友人からかわれた際に放った言葉で文香を傷つけ、彼女とは疎遠になってしまう。高校生になった今、挨拶したり、軽く話したりするようになったが、かつてのような関係には戻れていなかった。
桜も咲く1年生の修了式の日、大輝は文香が親の転勤を理由に、翌日に自分の家に引っ越してくることを知る。そのことに驚く大輝だが、同居をきっかけに文香と仲直りし、恋人として付き合えるように頑張ろうと決意する。大好物を作ってくれたり、バイトから帰るとおかえりと言ってくれたりと、同居生活を送る中で文香との距離を少しずつ縮めていく。甘くて温かな春の同居&学園青春ラブストーリー。
※特別編7-球技大会と夏休みの始まり編-が完結しました!(2024.5.30)
※お気に入り登録や感想をお待ちしております。
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
どうしてもモテない俺に天使が降りてきた件について
塀流 通留
青春
ラブコメな青春に憧れる高校生――茂手太陽(もて たいよう)。
好きな女の子と過ごす楽しい青春を送るため、彼はひたすら努力を繰り返したのだが――モテなかった。
それはもうモテなかった。
何をどうやってもモテなかった。
呪われてるんじゃないかというくらいモテなかった。
そんな青春負け組説濃厚な彼の元に、ボクッ娘美少女天使が現れて――
モテない高校生とボクッ娘天使が送る青春ラブコメ……に見せかけた何か!?
最後の最後のどんでん返しであなたは知るだろう。
これはラブコメじゃない!――と
<追記>
本作品は私がデビュー前に書いた新人賞投稿策を改訂したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる