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第五章 戦いの日々
45.いざ開戦
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王都から戻った二日後、トーラス卿からの特使がやってきた。使者から書状を受け取った私はその場で開封し中身を確認する。そこにはまあ勝手で一方的な文言が記されていた。
「使者の方、ご苦労様でした。
いま返答を書きますので別室でお待ちなさい。
用意出来たら声をかけるわ」
謁見の間から使者を追い払ってからグランとルモンドへ手紙を見せた。
「なんだこりゃ、結局王命もなく監査役でもないのに調査させろって?
随分一方的な通達だな」
「レン様、これは挑発で間違いありませんな。
おそらくやつは隣国の貴族が手を引いたことに気づいていません。
王命の無い書状など何の効力もありませんし迎え討ちましょう」
「二人が賛成してくれるなら私も異論はないわ。
念のためダリルへ連絡し傍観するよう伝えておいて。
でも裏を突かれる可能性もあるし、東と西の村の警備は怠らないこと」
「鉱山の住人はすでに引き上げて湖の集落へ集めてある。
まずは監査を受け入れる名目で鉱山へ誘導しないか?
あそこへ追いこめば他へ被害が出ることもないだろう」
「わかったわ、それで行きましょう。
ルモンドは使者の後をつけて部隊の規模を確認してちょうだい。
本当に監査だけならそのまま帰してあげましょう。
背後に部隊が来ていたなら背後から奇襲できるよう準備してね」
相談の結果がまとまったので返答を書いて使者へ渡した。トーラス卿が次に打ってくる手は監査隊と侵攻軍の二段構えのはずだ。こちらへ到着するまで三日はかかるだろう。私は準備をするため作業服に着替えて湖のある山へ向かった。
予想通り三日目の朝、監査役と称して騎馬隊がやってきた。どう見ても完全武装で怪しさ満点だ。これで監査だと言うのは無理があると誰も思わなかったのだろうか。
事前に示し合わせていた通り、ルモンドの偵察隊は後方から進軍してくる本隊を確認したと連絡をくれた。これで隣国の部隊が来なければ予定通りである。
「ポポよお、たった今ボッコ副団長に監査隊を迎えに行かせたぞ。
あいつらが鉱山へ入ったら入り口を崩落させて閉じ込めるからな。
その頃には本隊が見えるところまで来てるだろうよ」
「わかったわ、合図があったら取り掛かるわね。
今回は私も覚悟を決めたわ」
「本当にいいんだな、まだ止められるぞ」
「ううん、私だけ逃げるなんてできないもの。
みんなのためではあるけれど自分のためでもあるんだから気にしないで」
私は決意を固めるように拳を握りしめる。そして全員へ向かって声を上げた。
「みんな集まってくれてありがとう。
これからきっと戦闘になるわ。
もし危なくなったら絶対に逃げてちょうだいね。
相手を傷つけることが目的じゃないし、もちろんあなた達が傷つく必要もない。
出来るだけ食い止めるけどもしここまで敵が来てしまったら戦えない人たちを逃がしてほしい。
そしてみんなも一緒に逃げるのよ。
生きていればそれだけで勝ったのと同じなんだからね。
くれぐれも私をかばうなんてことは考えないで」
そう言ってから真後ろに生えている大木を雑草のごとく引き抜いた。そんな馬鹿げた光景を初めて見た住人もいただろう。歓声とどよめきと戸惑いが混ざり合った何とも言えない空気が当たりを包み込む。
「いいか、伯爵はこの中の誰よりも強ええ。
だから助けるなんて生意気なことを考えないでいい。
今の光景でそれは理解できただろう。
もしもの時には遠慮なんていらねえ、自分と家族と隣人のために生き延びてくれ」
ほどなくして先行隊である監査員がやってきた。予定通りボッコ隊の後について鉱山へ入る。十二名の部隊員がすべて入ったところで入り口へ大岩を落とし出口を封鎖した。
「トーラス卿の先行隊だな。
そのままじっとしていてくれりゃ危害は加えねえ。
ただし下手な動きをするようなら雨のように矢を降らせるからそのつもりでな。
わかったら馬から降りて武装解除するんだ」
グランの呼びかけに戸惑いながらも全員が大人しく馬から降りて武具を投げ捨てた。やけに素直で気味が悪いくらいだ。なにか作戦でもあるのだろうか。その時先行隊の隊長と思われる騎士が叫んだ。
「我々は戦闘をするつもりはない。
もし監査を受け入れるならそれを実施し戻る予定だ。
しかし抵抗するなら後方から来ている部隊が貴公らを殲滅するだろう」
「ちなみに数はどれくらいなんだ?
場合によっちゃ降伏してもいいかもしれん」
「総勢二千の大部隊だ、大人しく降伏しろ。
アローフィールズ卿の騎士団は総数百程度であると調べはついている」
確かにその通りだ。しかもその数の中には村の自警団も含まれている。純粋に戦闘が出来るのはルモンドの騎士団十六名とグランの配下で元盗賊の四十名弱、それに引き取った騎士たち数名と言ったところだ。
「ねえあなたたちは騎士なんでしょう?
その二千名の兵たちも全員騎士や兵士なのかしら?
それとも領内の農民も混ざっているの?
無理やり連れてきた人たちにひどいことはしたくないのよね」
「そのお姿、アローフィールズ伯爵閣下とお見受けいたします。
確かに我が領では徴兵をしておりますゆえ農民も混じっております。
しかし訓練はしておりますので戦力外ではございませぬ。
失礼ながら閣下はまだ幼い、降伏していただけませんか?」
「残念ながらこんな理不尽な戦いで降伏するわけにはいかないわ。
あなた達のことは逃がしてあげるから本隊へ戻って伝えてちょうだい。
もちろんトーラス卿が降伏すると言うなら受け入れるわ」
そう声をかけてから鉱山の岩肌に縄梯子をおろし一人で降りて行った。眼下では先行隊の数名がバカにしたように笑っているし、後ろではグランがため息をついてあきれている。
敵兵士の目の前に一人でやってきた少女伯爵という光景に戸惑っている騎馬隊を横目に、崩落した出入り口まで進み深呼吸をする。そして目の前の岩に手を掛けてから力を込めて押し出すと積み重なった岩が大きな音を立てながら向こう側へ転がっていった。
「さ、これで通れるでしょ。
くれぐれも徴兵した農民たちを先頭にしないと誓って?
本当は私、誰のことも傷つけたくないのよ」
「は、はあ、今一体何が起こったと言うのか……
それでは失礼する……」
「ほら、忘れものよ。
いらないなら貰ってしまうけど?」
私は先ほど投げ捨てられた剣を一本拾うと目の前でぐにゃぐにゃに曲げて見せた。それはまるで鉋屑(かんなくず)のように丸まった金属の塊である。
先行隊隊長へゆっくりと近づいて渦巻状になった剣を手渡すと、部下たちは真っ先に逃げ出していった。さすがに隊長は肝が据わっているのか逃げ出すことはなく、小声でかたじけないと言い残して本隊へと帰っていった。
「これでもまだ進んでくる様なら仕方ないわね。
見世物みたいになっちゃってまったく気分が良くないわ」
山の上に戻ると陣を築いている本隊と、そこへ戻っていく騎馬が見える。それから数十分鞍経っただろうか。どうやらこちらの意図がうまいこと伝わったようで、敵陣から逃げ出す兵が現れた。
「思ったよりも残ってるな。
騎士や兵士がどれくらいいるのか聞いておけばよかったぜ。
一発ぶちかましてみるか?」
「そうね、まだ落としていない岩があるからそれでいいわ。
小さ目で迫力には欠けるけどまあ十分でしょ」
グランの許可が出たので私は遠慮なく手近の岩を持ち上げて敵陣めがけて放り投げた。小さ目とは言っても人の背丈よりは大きいので遠目からでも脅威は伝わるだろう。
高く投げ出した岩は整列しているトーラス軍のはるか手前に落下した。まだかなりの距離が有り表情もわからないくらいだが、背丈よりも大きな岩が遠くから飛んできたことで逃げ惑う人たちが見える。
脅しは相当効いたようだがそれでもまだ全員帰るわけではなく、私はトーラス卿の強欲さにあきれるばかりだった。
「使者の方、ご苦労様でした。
いま返答を書きますので別室でお待ちなさい。
用意出来たら声をかけるわ」
謁見の間から使者を追い払ってからグランとルモンドへ手紙を見せた。
「なんだこりゃ、結局王命もなく監査役でもないのに調査させろって?
随分一方的な通達だな」
「レン様、これは挑発で間違いありませんな。
おそらくやつは隣国の貴族が手を引いたことに気づいていません。
王命の無い書状など何の効力もありませんし迎え討ちましょう」
「二人が賛成してくれるなら私も異論はないわ。
念のためダリルへ連絡し傍観するよう伝えておいて。
でも裏を突かれる可能性もあるし、東と西の村の警備は怠らないこと」
「鉱山の住人はすでに引き上げて湖の集落へ集めてある。
まずは監査を受け入れる名目で鉱山へ誘導しないか?
あそこへ追いこめば他へ被害が出ることもないだろう」
「わかったわ、それで行きましょう。
ルモンドは使者の後をつけて部隊の規模を確認してちょうだい。
本当に監査だけならそのまま帰してあげましょう。
背後に部隊が来ていたなら背後から奇襲できるよう準備してね」
相談の結果がまとまったので返答を書いて使者へ渡した。トーラス卿が次に打ってくる手は監査隊と侵攻軍の二段構えのはずだ。こちらへ到着するまで三日はかかるだろう。私は準備をするため作業服に着替えて湖のある山へ向かった。
予想通り三日目の朝、監査役と称して騎馬隊がやってきた。どう見ても完全武装で怪しさ満点だ。これで監査だと言うのは無理があると誰も思わなかったのだろうか。
事前に示し合わせていた通り、ルモンドの偵察隊は後方から進軍してくる本隊を確認したと連絡をくれた。これで隣国の部隊が来なければ予定通りである。
「ポポよお、たった今ボッコ副団長に監査隊を迎えに行かせたぞ。
あいつらが鉱山へ入ったら入り口を崩落させて閉じ込めるからな。
その頃には本隊が見えるところまで来てるだろうよ」
「わかったわ、合図があったら取り掛かるわね。
今回は私も覚悟を決めたわ」
「本当にいいんだな、まだ止められるぞ」
「ううん、私だけ逃げるなんてできないもの。
みんなのためではあるけれど自分のためでもあるんだから気にしないで」
私は決意を固めるように拳を握りしめる。そして全員へ向かって声を上げた。
「みんな集まってくれてありがとう。
これからきっと戦闘になるわ。
もし危なくなったら絶対に逃げてちょうだいね。
相手を傷つけることが目的じゃないし、もちろんあなた達が傷つく必要もない。
出来るだけ食い止めるけどもしここまで敵が来てしまったら戦えない人たちを逃がしてほしい。
そしてみんなも一緒に逃げるのよ。
生きていればそれだけで勝ったのと同じなんだからね。
くれぐれも私をかばうなんてことは考えないで」
そう言ってから真後ろに生えている大木を雑草のごとく引き抜いた。そんな馬鹿げた光景を初めて見た住人もいただろう。歓声とどよめきと戸惑いが混ざり合った何とも言えない空気が当たりを包み込む。
「いいか、伯爵はこの中の誰よりも強ええ。
だから助けるなんて生意気なことを考えないでいい。
今の光景でそれは理解できただろう。
もしもの時には遠慮なんていらねえ、自分と家族と隣人のために生き延びてくれ」
ほどなくして先行隊である監査員がやってきた。予定通りボッコ隊の後について鉱山へ入る。十二名の部隊員がすべて入ったところで入り口へ大岩を落とし出口を封鎖した。
「トーラス卿の先行隊だな。
そのままじっとしていてくれりゃ危害は加えねえ。
ただし下手な動きをするようなら雨のように矢を降らせるからそのつもりでな。
わかったら馬から降りて武装解除するんだ」
グランの呼びかけに戸惑いながらも全員が大人しく馬から降りて武具を投げ捨てた。やけに素直で気味が悪いくらいだ。なにか作戦でもあるのだろうか。その時先行隊の隊長と思われる騎士が叫んだ。
「我々は戦闘をするつもりはない。
もし監査を受け入れるならそれを実施し戻る予定だ。
しかし抵抗するなら後方から来ている部隊が貴公らを殲滅するだろう」
「ちなみに数はどれくらいなんだ?
場合によっちゃ降伏してもいいかもしれん」
「総勢二千の大部隊だ、大人しく降伏しろ。
アローフィールズ卿の騎士団は総数百程度であると調べはついている」
確かにその通りだ。しかもその数の中には村の自警団も含まれている。純粋に戦闘が出来るのはルモンドの騎士団十六名とグランの配下で元盗賊の四十名弱、それに引き取った騎士たち数名と言ったところだ。
「ねえあなたたちは騎士なんでしょう?
その二千名の兵たちも全員騎士や兵士なのかしら?
それとも領内の農民も混ざっているの?
無理やり連れてきた人たちにひどいことはしたくないのよね」
「そのお姿、アローフィールズ伯爵閣下とお見受けいたします。
確かに我が領では徴兵をしておりますゆえ農民も混じっております。
しかし訓練はしておりますので戦力外ではございませぬ。
失礼ながら閣下はまだ幼い、降伏していただけませんか?」
「残念ながらこんな理不尽な戦いで降伏するわけにはいかないわ。
あなた達のことは逃がしてあげるから本隊へ戻って伝えてちょうだい。
もちろんトーラス卿が降伏すると言うなら受け入れるわ」
そう声をかけてから鉱山の岩肌に縄梯子をおろし一人で降りて行った。眼下では先行隊の数名がバカにしたように笑っているし、後ろではグランがため息をついてあきれている。
敵兵士の目の前に一人でやってきた少女伯爵という光景に戸惑っている騎馬隊を横目に、崩落した出入り口まで進み深呼吸をする。そして目の前の岩に手を掛けてから力を込めて押し出すと積み重なった岩が大きな音を立てながら向こう側へ転がっていった。
「さ、これで通れるでしょ。
くれぐれも徴兵した農民たちを先頭にしないと誓って?
本当は私、誰のことも傷つけたくないのよ」
「は、はあ、今一体何が起こったと言うのか……
それでは失礼する……」
「ほら、忘れものよ。
いらないなら貰ってしまうけど?」
私は先ほど投げ捨てられた剣を一本拾うと目の前でぐにゃぐにゃに曲げて見せた。それはまるで鉋屑(かんなくず)のように丸まった金属の塊である。
先行隊隊長へゆっくりと近づいて渦巻状になった剣を手渡すと、部下たちは真っ先に逃げ出していった。さすがに隊長は肝が据わっているのか逃げ出すことはなく、小声でかたじけないと言い残して本隊へと帰っていった。
「これでもまだ進んでくる様なら仕方ないわね。
見世物みたいになっちゃってまったく気分が良くないわ」
山の上に戻ると陣を築いている本隊と、そこへ戻っていく騎馬が見える。それから数十分鞍経っただろうか。どうやらこちらの意図がうまいこと伝わったようで、敵陣から逃げ出す兵が現れた。
「思ったよりも残ってるな。
騎士や兵士がどれくらいいるのか聞いておけばよかったぜ。
一発ぶちかましてみるか?」
「そうね、まだ落としていない岩があるからそれでいいわ。
小さ目で迫力には欠けるけどまあ十分でしょ」
グランの許可が出たので私は遠慮なく手近の岩を持ち上げて敵陣めがけて放り投げた。小さ目とは言っても人の背丈よりは大きいので遠目からでも脅威は伝わるだろう。
高く投げ出した岩は整列しているトーラス軍のはるか手前に落下した。まだかなりの距離が有り表情もわからないくらいだが、背丈よりも大きな岩が遠くから飛んできたことで逃げ惑う人たちが見える。
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