31 / 76
第四章 出戻り貴族
31.帰還
しおりを挟む
「いやあ、初めて見たけど国王ってあんな弱そうな奴だったのか。
あれで良く国を治めていられるもんだな」
「そりゃもうかなりのお年だもの。
だいたいいくら強くたって騎士団がまとまってかかったらひとたまりもないわ。
結局は知力とカリスマ性なのよ」
「かり? すま?」
「えっとね、人間的な魅力とかってことよ。
この人へついていきたい、信頼できるって思わせる力ね」
実際のところはよく知らないが、今はおじいちゃんになってしまった国王だって昔は武術の腕も達者で強いリーダーシップで国や民を率いてきたと聞いている。それが今となっては権力から引き摺り下ろされることに怯える老人に成り下がっているように見えた。
きっと今の不安だって皇子たちが頼りなく期待外れなのが元だろう。しかしそれは出来のいい子供たちに恵まれなかったのではなく、そんな風にしか育てられなかった自分たちのせいだ。
バカ皇子たちと横暴な貴族たちが勝手放題で民を苦しめていることを知らないはずもないのに放置しているのだから国王とて同罪である。
「ってことはグランの兄貴みたいなもんかあ。
腕っぷしだけなら兄貴以上のやつだっているけどそれだけじゃ頭は張れないもんな」
「凹ちゃんよくわかってるじゃないの。
全員集めたらグランなんて一捻りだろうけどそんなことはしないものね。
結局のところそう言うことなのよ。
もしかしたら損得勘定が混じっているかもしれなくても、ね」
「なんだか褒められてるんだからおだてられてるんだかわからねえな。
仲間を食わせるために結構頑張ってきたつもりなのによ」
「だから国王も頑張ってきたんじゃないかしら?
今はそう見えないとしてもね。
まあその前から王族はいたから先代先々代、もっと前からの威光だけかもしれないけど」
「だが先の戦争でいくつもの村が焼かれたし犠牲者も相当出たぜ。
五十年以上続いていた平和を破ったのが現国王だからな。
ま、ポポが生まれる前のことだけどよ」
「それは歴史で習ったから何となくは知っているわ。
でも実害に会った人たちのことは何も知らないの、ごめんなさい」
「なにも謝ることはねえさ。
この国だって周辺国に押さえつけられてやりようもなかったんだろう。
ただその時に一部の貴族が暴走してやり過ぎただけさ」
記憶の中にある習った歴史では、北と南の両国が結託し物流を遮ったんだとか。それを打破するために武力行使し北とは和解、南には領地割譲で手を打ってもらったというものだ。
しかしその割譲された南の貴族が反乱、暴徒化して周囲の村を襲ったと言うのはグランに聞くまで知らなかった。結局南の国とは内戦のようになり関係した貴族たちは全て滅ぼされ現在に至る。その戦乱で発生した多くの難民や孤児の中にいたのがグランたちなのだった。
「あんまり話し込んでいると護衛に聞かれてしまうからやめましょ。
こんな事なら嫌味なんて言わなければ良かったわ」
「でも俺たちだけでこんな大量のお宝運んで襲われたら面倒だしな。
屋敷まで行けば仲間たちと合流できるからそれまでの辛抱さ」
王城では長居する理由もなく叙爵の儀と任命式が終わり後は帰るだけだったのだが、手土産と言うか約束の品と言うか、とにかく大量の金品を持たされてしまったのだ。
ルモンドたちも一緒に辺境へ引き上げるので運搬の人手は足りていたが、私はつい厭味ったらしく帰り道にまた襲われるかもしれないなんて言ってしまったのだ。
さすがに往復両方で客人が襲われでもしたら王族や近隣貴族のメンツは丸つぶれだし、なにより私たちに弱みを握られると考えたのだろう。王国筆頭貴族であるエラソ公爵が直属の騎士団一個小隊を護衛につけると言いだしたのだった。
そんな経緯も有りぞろぞろと大勢での帰還となったわけだ。だが心配は杞憂で襲撃はなく私たちは無事に自分たちの領地へ入り屋敷へ帰ることが出来た。
「騎士団長さん、ここまでご苦労様でした。
とっても心強くて助かりましたよ」
「これはお褒めの言葉、恐縮でございます。
伯爵様の配下にはとても及ばない我々でしたが微力でも役に立てたなら幸いです」
「あらお世辞がお上手なのね。
帰り道遠くて大変でしょうけどお気をつけて」
こうして騎士団はまた王都へ向かってぞろぞろと帰っていった。入れ替わりで私たちの仲間、いやこれからは騎士団と呼ぶべきだろう。間違っても元盗賊だとか鉱山人足だなんて呼ばせやしない。
「お嬢、おかえりなさい。
遠かったから疲れたでしょう。
教わってたとおり大工の野郎に作らせておいたからすぐ入れやすぜ」
「出来ているのね! ありがとう!
でもその話し方は不合格ね。
これからは騎士団の一員なんだからもうちょっとビシッと頼むわ」
「へえ…… いや、はっ!
伯爵様、風呂のご用意出来てます」
「まあまあかしら。
明日からはルモンドのところから教育係を出してもらってお勉強会ね」
私の言葉を聞いて集まってくれていた数名がひいっと悲鳴に近い声を上げた。ちゃんとした貴族の教育を受けているのはルモンドとその配下だけなので仕方ないが、どこかで恥をかいて恥ずかしい思いをしてしまったらかわいそうだ。せめて言葉遣いだけでも早めに何とかしなければ。
「それでグラン? 騎士団長には誰を任命するの?
決まったらすぐにでも任命式をやるわよ。
形式とは言ってもちゃんとやってから王都へ申告しないといけないのよね」
「はっ! 騎士団長はこのデコール、副団長はボッコです。
配下には選りすぐり十名を用意しました。
今ここにいる五名と村の詰所の五名の交代制でございます」
「わかったわ、でももうちょっとマシな名前つけてあげられなかったの?
なんなら私が考え直してあげようか?」
すると凸兄貴が挙手をした。
「えっと伯爵様、これは本名ですぜ。
だからなんの問題もございやせん」
「ええっ!? 本当に!?
てっきりコンビで呼びやすいから凸凹なのかと思ってたわ」
「いや兄貴、じゃなくて男爵が縮めて呼ぶからそうなっただけで……
まあどっちでも呼びやすい方でいいですから」
「そうはいかないわよ。
お風呂のあと食事にしてそのあと任命式をやりましょう。
お酒も用意しちゃっていいから調理係へ使えておいてね」
「やった!
さすが伯爵様だ、話がわかる。
さっそくお願いしてこよう!」
凸兄貴あらためデコール騎士団長は、部下へ命ずるなんて不慣れで思い浮かばなかったのか屋敷の中へ向かって自ら走っていった。ほとんど全員がお酒好きなのは心配ではあるが楽しみの無い人生よりはマシだろう。
「それじゃ私たちも行きましょうか。
せっかく作ってくれたお風呂だからみんなで一緒に入る?」
「風呂って湯あみのことなんだろ?
仮にも伯爵でレディなんだからそんなこと言うもんじゃねえ」
「じゃあ調理場へ来てくれてる子にお願いするからいいわよ。
グランのへたれ! 代わりに厨房を手伝いに行ってちょうだい!」
私は捨て台詞を吐いてから自室へノシノシと歩いて行った。クラリスがいないから他に女の子もいないしちょっとつまらないのだ。結局恐縮しきりの調理場の子を無理やり引っ張っていって一緒にお風呂を楽しむことにした。
だがつまらないとかわがままを言っても仕方ない。私は今や伯爵家の当主になってしまったのだ。いくら屋敷の中が男だらけで華がなくても我慢するしかないのだろうか。なんてことを風呂へつかりながらしばし考えていた。
「ねえあなた、村から来てくれたのよね?
お名前もまだ聞いてなかったわね」
「はい、私はアキといいます。
背の高い騎士様がいらっしゃってお声掛けいただきました。
実は口減らしで売られる予定でしたのでお屋敷へお呼びいただいて感謝しています」
アキと名乗った少女はかなり緊張しているようで、風呂につかりながら正座をしている。まあ子供とは言え貴族と裸で一対一だしそれも仕方のないことだろう。
「村には他にも住み込みで来てくれる女の子はいるかしら。
事前に思いついたのが食事のことだけだったけど他にも身の回りのことをお願いしたいのよね」
「一昨年からの不作で困っている村人が結構います。
なのでお屋敷でのお勤めに来たい者はいると思います。
寝床があって食べるものがあるだけでとても有難く感謝の気持ちでいっぱいです」
「村はそんなに苦しいのね。
なんでそんなに不作になったかわかるかしら?」
「一昨年大量発生した害獣の駆除が追い付かなくなって不作になったんです。
それで税を払いきれなくなって働き手が鉱山へ連れていかれて……」
なんだ結局圧政の被害者ってことじゃないか。まったくこの領地を治めていた貴族はホント無能で頭にくる。裁きを受けさせて本当に良かった。
「希望者以外は鉱山から戻ってきたからきっと今年からは大丈夫よ。
明日にでも一緒に村へ行きましょ。
お友達がいたらここで働くよう誘って欲しいの。
私と同い年くらいなら十分よ」
「いいのですか!?
実は妹がいるんですけど痩せてしまって可愛そうで……」
「じゃあまず一人確保ね。
ご両親は寂しがらないかしら。
たまに遊びに来てもらえばいいかな」
「そんな何から何まで! ありがとうございます!」
アキは大げさにお礼を言うとボロボロと涙をこぼし泣き始めた。きっと今まで相当辛い思いをしてきたのだろう。まずは領内の村二つを豊かにして鉱山もなんとかしよう。
直近の目標が出来た私はアキとおしゃべりしながら超々久しぶりのお風呂を楽しんだのだった。
あれで良く国を治めていられるもんだな」
「そりゃもうかなりのお年だもの。
だいたいいくら強くたって騎士団がまとまってかかったらひとたまりもないわ。
結局は知力とカリスマ性なのよ」
「かり? すま?」
「えっとね、人間的な魅力とかってことよ。
この人へついていきたい、信頼できるって思わせる力ね」
実際のところはよく知らないが、今はおじいちゃんになってしまった国王だって昔は武術の腕も達者で強いリーダーシップで国や民を率いてきたと聞いている。それが今となっては権力から引き摺り下ろされることに怯える老人に成り下がっているように見えた。
きっと今の不安だって皇子たちが頼りなく期待外れなのが元だろう。しかしそれは出来のいい子供たちに恵まれなかったのではなく、そんな風にしか育てられなかった自分たちのせいだ。
バカ皇子たちと横暴な貴族たちが勝手放題で民を苦しめていることを知らないはずもないのに放置しているのだから国王とて同罪である。
「ってことはグランの兄貴みたいなもんかあ。
腕っぷしだけなら兄貴以上のやつだっているけどそれだけじゃ頭は張れないもんな」
「凹ちゃんよくわかってるじゃないの。
全員集めたらグランなんて一捻りだろうけどそんなことはしないものね。
結局のところそう言うことなのよ。
もしかしたら損得勘定が混じっているかもしれなくても、ね」
「なんだか褒められてるんだからおだてられてるんだかわからねえな。
仲間を食わせるために結構頑張ってきたつもりなのによ」
「だから国王も頑張ってきたんじゃないかしら?
今はそう見えないとしてもね。
まあその前から王族はいたから先代先々代、もっと前からの威光だけかもしれないけど」
「だが先の戦争でいくつもの村が焼かれたし犠牲者も相当出たぜ。
五十年以上続いていた平和を破ったのが現国王だからな。
ま、ポポが生まれる前のことだけどよ」
「それは歴史で習ったから何となくは知っているわ。
でも実害に会った人たちのことは何も知らないの、ごめんなさい」
「なにも謝ることはねえさ。
この国だって周辺国に押さえつけられてやりようもなかったんだろう。
ただその時に一部の貴族が暴走してやり過ぎただけさ」
記憶の中にある習った歴史では、北と南の両国が結託し物流を遮ったんだとか。それを打破するために武力行使し北とは和解、南には領地割譲で手を打ってもらったというものだ。
しかしその割譲された南の貴族が反乱、暴徒化して周囲の村を襲ったと言うのはグランに聞くまで知らなかった。結局南の国とは内戦のようになり関係した貴族たちは全て滅ぼされ現在に至る。その戦乱で発生した多くの難民や孤児の中にいたのがグランたちなのだった。
「あんまり話し込んでいると護衛に聞かれてしまうからやめましょ。
こんな事なら嫌味なんて言わなければ良かったわ」
「でも俺たちだけでこんな大量のお宝運んで襲われたら面倒だしな。
屋敷まで行けば仲間たちと合流できるからそれまでの辛抱さ」
王城では長居する理由もなく叙爵の儀と任命式が終わり後は帰るだけだったのだが、手土産と言うか約束の品と言うか、とにかく大量の金品を持たされてしまったのだ。
ルモンドたちも一緒に辺境へ引き上げるので運搬の人手は足りていたが、私はつい厭味ったらしく帰り道にまた襲われるかもしれないなんて言ってしまったのだ。
さすがに往復両方で客人が襲われでもしたら王族や近隣貴族のメンツは丸つぶれだし、なにより私たちに弱みを握られると考えたのだろう。王国筆頭貴族であるエラソ公爵が直属の騎士団一個小隊を護衛につけると言いだしたのだった。
そんな経緯も有りぞろぞろと大勢での帰還となったわけだ。だが心配は杞憂で襲撃はなく私たちは無事に自分たちの領地へ入り屋敷へ帰ることが出来た。
「騎士団長さん、ここまでご苦労様でした。
とっても心強くて助かりましたよ」
「これはお褒めの言葉、恐縮でございます。
伯爵様の配下にはとても及ばない我々でしたが微力でも役に立てたなら幸いです」
「あらお世辞がお上手なのね。
帰り道遠くて大変でしょうけどお気をつけて」
こうして騎士団はまた王都へ向かってぞろぞろと帰っていった。入れ替わりで私たちの仲間、いやこれからは騎士団と呼ぶべきだろう。間違っても元盗賊だとか鉱山人足だなんて呼ばせやしない。
「お嬢、おかえりなさい。
遠かったから疲れたでしょう。
教わってたとおり大工の野郎に作らせておいたからすぐ入れやすぜ」
「出来ているのね! ありがとう!
でもその話し方は不合格ね。
これからは騎士団の一員なんだからもうちょっとビシッと頼むわ」
「へえ…… いや、はっ!
伯爵様、風呂のご用意出来てます」
「まあまあかしら。
明日からはルモンドのところから教育係を出してもらってお勉強会ね」
私の言葉を聞いて集まってくれていた数名がひいっと悲鳴に近い声を上げた。ちゃんとした貴族の教育を受けているのはルモンドとその配下だけなので仕方ないが、どこかで恥をかいて恥ずかしい思いをしてしまったらかわいそうだ。せめて言葉遣いだけでも早めに何とかしなければ。
「それでグラン? 騎士団長には誰を任命するの?
決まったらすぐにでも任命式をやるわよ。
形式とは言ってもちゃんとやってから王都へ申告しないといけないのよね」
「はっ! 騎士団長はこのデコール、副団長はボッコです。
配下には選りすぐり十名を用意しました。
今ここにいる五名と村の詰所の五名の交代制でございます」
「わかったわ、でももうちょっとマシな名前つけてあげられなかったの?
なんなら私が考え直してあげようか?」
すると凸兄貴が挙手をした。
「えっと伯爵様、これは本名ですぜ。
だからなんの問題もございやせん」
「ええっ!? 本当に!?
てっきりコンビで呼びやすいから凸凹なのかと思ってたわ」
「いや兄貴、じゃなくて男爵が縮めて呼ぶからそうなっただけで……
まあどっちでも呼びやすい方でいいですから」
「そうはいかないわよ。
お風呂のあと食事にしてそのあと任命式をやりましょう。
お酒も用意しちゃっていいから調理係へ使えておいてね」
「やった!
さすが伯爵様だ、話がわかる。
さっそくお願いしてこよう!」
凸兄貴あらためデコール騎士団長は、部下へ命ずるなんて不慣れで思い浮かばなかったのか屋敷の中へ向かって自ら走っていった。ほとんど全員がお酒好きなのは心配ではあるが楽しみの無い人生よりはマシだろう。
「それじゃ私たちも行きましょうか。
せっかく作ってくれたお風呂だからみんなで一緒に入る?」
「風呂って湯あみのことなんだろ?
仮にも伯爵でレディなんだからそんなこと言うもんじゃねえ」
「じゃあ調理場へ来てくれてる子にお願いするからいいわよ。
グランのへたれ! 代わりに厨房を手伝いに行ってちょうだい!」
私は捨て台詞を吐いてから自室へノシノシと歩いて行った。クラリスがいないから他に女の子もいないしちょっとつまらないのだ。結局恐縮しきりの調理場の子を無理やり引っ張っていって一緒にお風呂を楽しむことにした。
だがつまらないとかわがままを言っても仕方ない。私は今や伯爵家の当主になってしまったのだ。いくら屋敷の中が男だらけで華がなくても我慢するしかないのだろうか。なんてことを風呂へつかりながらしばし考えていた。
「ねえあなた、村から来てくれたのよね?
お名前もまだ聞いてなかったわね」
「はい、私はアキといいます。
背の高い騎士様がいらっしゃってお声掛けいただきました。
実は口減らしで売られる予定でしたのでお屋敷へお呼びいただいて感謝しています」
アキと名乗った少女はかなり緊張しているようで、風呂につかりながら正座をしている。まあ子供とは言え貴族と裸で一対一だしそれも仕方のないことだろう。
「村には他にも住み込みで来てくれる女の子はいるかしら。
事前に思いついたのが食事のことだけだったけど他にも身の回りのことをお願いしたいのよね」
「一昨年からの不作で困っている村人が結構います。
なのでお屋敷でのお勤めに来たい者はいると思います。
寝床があって食べるものがあるだけでとても有難く感謝の気持ちでいっぱいです」
「村はそんなに苦しいのね。
なんでそんなに不作になったかわかるかしら?」
「一昨年大量発生した害獣の駆除が追い付かなくなって不作になったんです。
それで税を払いきれなくなって働き手が鉱山へ連れていかれて……」
なんだ結局圧政の被害者ってことじゃないか。まったくこの領地を治めていた貴族はホント無能で頭にくる。裁きを受けさせて本当に良かった。
「希望者以外は鉱山から戻ってきたからきっと今年からは大丈夫よ。
明日にでも一緒に村へ行きましょ。
お友達がいたらここで働くよう誘って欲しいの。
私と同い年くらいなら十分よ」
「いいのですか!?
実は妹がいるんですけど痩せてしまって可愛そうで……」
「じゃあまず一人確保ね。
ご両親は寂しがらないかしら。
たまに遊びに来てもらえばいいかな」
「そんな何から何まで! ありがとうございます!」
アキは大げさにお礼を言うとボロボロと涙をこぼし泣き始めた。きっと今まで相当辛い思いをしてきたのだろう。まずは領内の村二つを豊かにして鉱山もなんとかしよう。
直近の目標が出来た私はアキとおしゃべりしながら超々久しぶりのお風呂を楽しんだのだった。
0
お気に入りに追加
459
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
死にかけて全部思い出しました!!
家具付
恋愛
本編完結しました。時折気が向いたら外伝が現れます。
森の中で怪物に襲われたその時、あたし……バーティミウスは思い出した。自分の前世を。そして気づいた。この世界が、前世で最後にプレイした乙女ゲームの世界だという事に。
自分はどうやらその乙女ゲームの中で一番嫌われ役の、主人公の双子の妹だ。それも王道ルートをたどっている現在、自分がこのまま怪物に殺されてしまうのだ。そんなのは絶対に嫌だ、まだ生きていたい。敵わない怪物に啖呵を切ったその時、救いの手は差し伸べられた。でも彼は、髭のおっさん、イケメンな乙女ゲームの攻略対象じゃなかった……。
王道ルート……つまりトゥルーエンドを捻じ曲げてしまった、死ぬはずだった少女の奮闘記、幕開け! ……たぶん。
【完結済】冷血公爵様の家で働くことになりまして~婚約破棄された侯爵令嬢ですが公爵様の侍女として働いています。なぜか溺愛され離してくれません~
北城らんまる
恋愛
**HOTランキング11位入り! ありがとうございます!**
「薄気味悪い魔女め。おまえの悪行をここにて読み上げ、断罪する」
侯爵令嬢であるレティシア・ランドハルスは、ある日、婚約者の男から魔女と断罪され、婚約破棄を言い渡される。父に勘当されたレティシアだったが、それは娘の幸せを考えて、あえてしたことだった。父の手紙に書かれていた住所に向かうと、そこはなんと冷血と知られるルヴォンヒルテ次期公爵のジルクスが一人で住んでいる別荘だった。
「あなたの侍女になります」
「本気か?」
匿ってもらうだけの女になりたくない。
レティシアはルヴォンヒルテ次期公爵の見習い侍女として、第二の人生を歩み始めた。
一方その頃、レティシアを魔女と断罪した元婚約者には、不穏な影が忍び寄っていた。
レティシアが作っていたお守りが、実は元婚約者の身を魔物から守っていたのだ。そんなことも知らない元婚約者には、どんどん不幸なことが起こり始め……。
※ざまぁ要素あり(主人公が何かをするわけではありません)
※設定はゆるふわ。
※3万文字で終わります
※全話投稿済です
申し訳ないけど、悪役令嬢から足を洗らわせてもらうよ!
甘寧
恋愛
この世界が小説の世界だと気づいたのは、5歳の頃だった。
その日、二つ年上の兄と水遊びをしていて、足を滑らせ溺れた。
その拍子に前世の記憶が凄まじい勢いで頭に入ってきた。
前世の私は東雲菜知という名の、極道だった。
父親の後を継ぎ、東雲組の頭として奮闘していたところ、組同士の抗争に巻き込まれ32年の生涯を終えた。
そしてここは、その当時読んでいた小説「愛は貴方のために~カナリヤが望む愛のカタチ~」の世界らしい。
組の頭が恋愛小説を読んでるなんてバレないよう、コソコソ隠れて読んだものだ。
この小説の中のミレーナは、とんだ悪役令嬢で学園に入学すると、皆に好かれているヒロインのカナリヤを妬み、とことん虐め、傷ものにさせようと刺客を送り込むなど、非道の限りを尽くし断罪され死刑にされる。
その悪役令嬢、ミレーナ・セルヴィロが今の私だ。
──カタギの人間に手を出しちゃ、いけないねぇ。
昔の記憶が戻った以上、原作のようにはさせない。
原作を無理やり変えるんだ、もしかしたらヒロインがハッピーエンドにならないかもしれない。
それでも、私は悪役令嬢から足を洗う。
小説家になろうでも連載してます。
※短編予定でしたが、長編に変更します。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
偽勇者扱いされて冤罪をかぶせられた俺は、ただひたすらに復讐を続ける
大沢 雅紀
ファンタジー
勇者の血を引きながら、戦闘力がないせいで偽勇者扱いされ、照明師として新たに召喚された勇者光司にこきつかわれていたライト。やっとの思いで魔王を倒し、国に凱旋したとき、身に覚えのない冤罪をかけられて奴隷に落とされてしまう。偽勇者として国中を引き回された後、故郷の村にもどされるが、そこには新たなダンジョンができていた……。勇者が魔王に転生するとき、すさまじい復讐の嵐が王国を襲う。魔王になってしまった勇者による復讐記
目次
連載中 全53話
2022年11月15日 08:51 更新
冤罪編
悪役令嬢より取り巻き令嬢の方が問題あると思います
蓮
恋愛
両親と死別し、孤児院暮らしの平民だったシャーリーはクリフォード男爵家の養女として引き取られた。丁度その頃市井では男爵家など貴族に引き取られた少女が王子や公爵令息など、高貴な身分の男性と恋に落ちて幸せになる小説が流行っていた。シャーリーは自分もそうなるのではないかとつい夢見てしまう。しかし、夜会でコンプトン侯爵令嬢ベアトリスと出会う。シャーリーはベアトリスにマナーや所作など色々と注意されてしまう。シャーリーは彼女を小説に出て来る悪役令嬢みたいだと思った。しかし、それが違うということにシャーリーはすぐに気付く。ベアトリスはシャーリーが嘲笑の的にならないようマナーや所作を教えてくれていたのだ。
(あれ? ベアトリス様って実はもしかして良い人?)
シャーリーはそう思い、ベアトリスと交流を深めることにしてみた。
しかしそんな中、シャーリーはあるベアトリスの取り巻きであるチェスター伯爵令嬢カレンからネチネチと嫌味を言われるようになる。カレンは平民だったシャーリーを気に入らないらしい。更に、他の令嬢への嫌がらせの罪をベアトリスに着せて彼女を社交界から追放しようともしていた。彼女はベアトリスも気に入らないらしい。それに気付いたシャーリーは怒り狂う。
「私に色々良くしてくださったベアトリス様に冤罪をかけようとするなんて許せない!」
シャーリーは仲良くなったテヴァルー子爵令息ヴィンセント、ベアトリスの婚約者であるモールバラ公爵令息アイザック、ベアトリスの弟であるキースと共に、ベアトリスを救う計画を立て始めた。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
ジャンルは恋愛メインではありませんが、アルファポリスでは当てはまるジャンルが恋愛しかありませんでした。
転生不憫令嬢は自重しない~愛を知らない令嬢の異世界生活
リョンコ
恋愛
シュタイザー侯爵家の長女『ストロベリー・ディ・シュタイザー』の人生は幼少期から波乱万丈であった。
銀髪&碧眼色の父、金髪&翠眼色の母、両親の色彩を受け継いだ、金髪&碧眼色の実兄。
そんな侯爵家に産まれた待望の長女は、ミルキーピンクの髪の毛にパープルゴールドの眼。
両親どちらにもない色彩だった為、母は不貞を疑われるのを恐れ、産まれたばかりの娘を敷地内の旧侯爵邸へ隔離し、下働きメイドの娘(ハニーブロンドヘア&ヘーゼルアイ)を実娘として育てる事にした。
一方、本当の実娘『ストロベリー』は、産まれたばかりなのに泣きもせず、暴れたりもせず、無表情で一点を見詰めたまま微動だにしなかった……。
そんな赤ん坊の胸中は(クッソババアだな。あれが実母とかやばくね?パパンは何処よ?家庭を顧みないダメ親父か?ヘイゴッド、転生先が悪魔の住処ってこれ如何に?私に恨みでもあるんですか!?)だった。
そして泣きもせず、暴れたりもせず、ずっと無表情だった『ストロベリー』の第一声は、「おぎゃー」でも「うにゃー」でもなく、「くっそはりゃへった……」だった。
その声は、空が茜色に染まってきた頃に薄暗い部屋の中で静かに木霊した……。
※この小説は剣と魔法の世界&乙女ゲームを模した世界なので、バトル有り恋愛有りのファンタジー小説になります。
※ギリギリR15を攻めます。
※残酷描写有りなので苦手な方は注意して下さい。
※主人公は気が強く喧嘩っ早いし口が悪いです。
※色々な加護持ちだけど、平凡なチートです。
※他転生者も登場します。
※毎日1話ずつ更新する予定です。ゆるゆると進みます。
皆様のお気に入り登録やエールをお待ちしております。
※なろう小説でも掲載しています☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる