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第四章 出戻り貴族
29.いざ王都へ
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あくる日私のところへ隣国の王都から手紙が届いた。もちろん先日話したことの続きだ。馬車の中で使者へ託したアーマドリウス家への注文はほぼすべてが受け入れられた。つまりルルリラという人物を売り渡した対価に貰い受けるものが決まったと言うことになる。
「ポポ、内容はどんなだ?
騙されたりひどい目にあったりしなそうか?」
「そうね、おおむね問題ないかしら。
予定通りグランは私の配下の貴族になるんだからね」
「へいへい、わかりやしたよ閣下」
と言うわけであらかじめ決まっていた領地以外にも伯爵の地位を貰えることになった。お金を含む資産も相当量が約束されたのでしばらくは利益度外視で行動していても問題なさそうだ。ただすべてが通ったわけではなく、グランの子爵は却下され男爵どまりだったのは残念である。
まあ配下の貴族の爵位に関しては飾りみたいなものだし問題はない。それよりも元からいた貴族たちを全員引き取って貰えたのが何より喜ばしかった。これで信頼できない配下に寝首をかかれる心配もないし、思い入れもないの人たちの面倒を見る必要もない。
代わりにアーマドリウス家からルモンドを貰い受けることは承知してもらえたし、村二つに鉱山ひとつという領地の規模から言っても直属に二人の男爵、その下に騎士団や兵卒を従えてもらえれば十分だ。
任命式はゲストを入れて大々的にやる物ではなく形式上仕方なくする物らしいので、ハマルカイトのバカ皇子にも顔をあわせないで済むことを期待している。
私が正式にルルリラ・シル・アーマドリウスという身分を取り上げられ別の人間になってから、代わりにあのイリアがルルリラに成り代わってハマルカイトと婚姻するはずだ。つまりまだ城にはいないはずなのでこの先一生会わずに済むと言うことだ。
イリアは通行人Aや生徒Bなんて役ではなく、私がはじめてもらった名前付きの役柄だったのにまさかこんな巡りあわせになるだなんて思いもしなかった。もはや恨んでも仕方ないのでとにかく二度と会うことがないようにと願うのみである。
一緒に頼んでおいたドレスと礼服も届いたことだしあとは任命式当日を待つばかりだ。王都まで行かないといけないのが面倒だが、国王から任命される必要があるのだから仕方がない。
平民が一代貴族の爵位を貰うことは珍しくないが、世襲もなしに爵位を賜り永続貴族の仲間入りをするなんて過去に例はないらしい。そのためあの辺境の貴族が国を裏切り大ごとになる前に未然に防いだ立場として貴族になり領地を引き継ぐと言う名目だと聞いた。
結局私が生きていることを知り身分を取り上げる方法を考え、税をちょろまかしていた貴族を利用して口止めしつつ身分の剥奪をすることにしたと言うところか。別に放っておかれたとしてもわざわざしゃべることは無かったと思うが、辺境近辺から急に王族の嫁が偽貴族だと噂が立つのも困るのだろう。
それから数日が経ち私とグラン、それに護衛として数人の仲間が連れだって王都へ向かう日がやってきた。道中が安全とは限らないし王都や城へ入ってもどこから狙われるかわからない。私たちは十分に注意するようあらかじめ話し合っていた。
「二人とも道中の見張りお願いするわよ?
それにしてもどこから見ても騎士には見えないわね。
領地へ入って落ち着いたらちゃんとそれらしい衣類と武器を揃えてあげるから我慢してね」
「へいお嬢、じゃなかった閣下!
俺たちが貴族の仲間入りかあ、驚いちゃうな」
「うんうん兄貴の言う通り、まったく驚いちゃうよ。
俺は羽のついた帽子が欲しいなあ」
「おめえら何言ってやがんだ、騎士は貴族じゃねえぞ?
それにポポの配下の前にお前らは俺の部下だ」
「まあなんでもいいさ、運送の仕事も飽きて来たところだしな。
グランの兄貴に言われてた通りそこらの街で貧乏小僧を拾ってた甲斐があったってもんだ」
「じゃあもうちゃんと引き継ぎはできそうなのね?
騎士と言っても当面仕事は無いから運送屋さん続けてもいいのよ?」
実際に騎士の出番が来るような物騒なことはないほうがいい。普段は領内の警備や村の治安維持くらいしかやることがないからきっと暇を持て余すだろう。
「まあガキどもにはゆっくりと教え込んでいきやすよ。
村からも幾人か働きに来たいってやつもいるしね」
「そうだわ、お屋敷に住み込みで働いてくれる人も探さないと。
娼館の女性が四名来てくれるけど料理できる人が欲しいのよ」
「それなら村長の妹がいいんじゃねえかな。
旦那が流行り病で死んじまって今は村長夫婦の家に居候してるってからな。
通りがかりに話しつけてきますわ」
「きっと一人じゃ足りないわ。
お屋敷にはグランやルモンドたちとその配下が数名でしょ。
メイドさんたちにもちろん私もいるんだから二、三人いた方がいいわね」
「かしこまりやした、ってこういうのはグランの兄貴が決めるんじゃねえのか?
今さっき偉そうなこと言ってたばっかなのに頼りねえなあ」
「なんだその言いぐさは!
俺はだな、異論がないから口を出さなかっただけだ。
それだけだ!」
グランは周囲に気を配っていて緊張している様子だ。こちらの話は大して重要な事でもないしあまり聞いてなかったのだろう。
「ねえグラン、あなたの配下は何人くらいになるのかしら。
領内の巡回や自治警備の人員を考えると十人以上は必要だと思うわ。
村に詰所を作って半分はそこへ、もう半分は屋敷で寝泊まりしてもらおうと思うの。
もちろん公平に交代制でね」
「そうだなあ、村の治安は悪くねえが喧嘩とかまああるしな。
農地の巡回に屋敷の警備も必要だろ?
運送屋から六人、娼館から三人だとちと足らんな」
「運送屋へ街の人を雇い入れたら?
仲間を全員引き揚げてくればあと六人で十五人になるわ」
「街議会で相談してみるか。
でも別の国の貴族になるなんて言っちまって平気かねえ」
「元々国を渡って移住したのはどういう経緯だったの?
その時にはなにも言われなかったのかしら」
私は今になってなにも知らなかったことに気が付いた。いつの間にか流れで宿屋経営をすることになったが、そもそもなんでそうなったんだろうか。
「ああ、あれはな、議会の偉い人に金積んだんだよ。
宿をやるのが条件だったから安くしてもらったがそれでも例の身代金を大分使ったぜ」
「どっちの国の人もお金には目がないってとこね。
今どれくらい残ってるの? 全部クラリスへあげてしまっていいわよ」
「大分稼いだからほぼ元通りだぜ?
なんと言っても人助けは金になるからなあ。
宿屋は売り上げでトントンってとこだし、運送屋はこいつらが飲みまくるからよ」
「そりゃひでえよ! ちゃんと給金貰ってるから自腹で飲んでるっつーの。
お嬢? 運送屋はちゃんと儲かってるからな?」
凸凹コンビはグランへ抗議をしながら私へ説明を始める。でもそんなこと言われなくてもちゃんとやっているのは知っている。もちろん信じていると言うと二人とも安心したように笑顔になった。
「これから引き継ぎで一時的に人が多くなるでしょ?
でもみんなきちんと賃金を貰うのよ?
お金の管理はクラリスへ任せることにしてうまいことやってもらいましょ。
大工業も一緒にするんだし運送が加わっても平気よ」
「また知らねえとこでクラリスに押し付けてよお。
あとで聞いたら腰抜かしちまうぞ?」
「その時はディックスが支えてくれるんだから平気に決まってるわ。
グランに振られてしまった私とは違うんだもの」
そういうとグランは「ちっ藪蛇だったぜ」と舌打ちをしてからバツが悪そうに顔をそらすのだった。
「ポポ、内容はどんなだ?
騙されたりひどい目にあったりしなそうか?」
「そうね、おおむね問題ないかしら。
予定通りグランは私の配下の貴族になるんだからね」
「へいへい、わかりやしたよ閣下」
と言うわけであらかじめ決まっていた領地以外にも伯爵の地位を貰えることになった。お金を含む資産も相当量が約束されたのでしばらくは利益度外視で行動していても問題なさそうだ。ただすべてが通ったわけではなく、グランの子爵は却下され男爵どまりだったのは残念である。
まあ配下の貴族の爵位に関しては飾りみたいなものだし問題はない。それよりも元からいた貴族たちを全員引き取って貰えたのが何より喜ばしかった。これで信頼できない配下に寝首をかかれる心配もないし、思い入れもないの人たちの面倒を見る必要もない。
代わりにアーマドリウス家からルモンドを貰い受けることは承知してもらえたし、村二つに鉱山ひとつという領地の規模から言っても直属に二人の男爵、その下に騎士団や兵卒を従えてもらえれば十分だ。
任命式はゲストを入れて大々的にやる物ではなく形式上仕方なくする物らしいので、ハマルカイトのバカ皇子にも顔をあわせないで済むことを期待している。
私が正式にルルリラ・シル・アーマドリウスという身分を取り上げられ別の人間になってから、代わりにあのイリアがルルリラに成り代わってハマルカイトと婚姻するはずだ。つまりまだ城にはいないはずなのでこの先一生会わずに済むと言うことだ。
イリアは通行人Aや生徒Bなんて役ではなく、私がはじめてもらった名前付きの役柄だったのにまさかこんな巡りあわせになるだなんて思いもしなかった。もはや恨んでも仕方ないのでとにかく二度と会うことがないようにと願うのみである。
一緒に頼んでおいたドレスと礼服も届いたことだしあとは任命式当日を待つばかりだ。王都まで行かないといけないのが面倒だが、国王から任命される必要があるのだから仕方がない。
平民が一代貴族の爵位を貰うことは珍しくないが、世襲もなしに爵位を賜り永続貴族の仲間入りをするなんて過去に例はないらしい。そのためあの辺境の貴族が国を裏切り大ごとになる前に未然に防いだ立場として貴族になり領地を引き継ぐと言う名目だと聞いた。
結局私が生きていることを知り身分を取り上げる方法を考え、税をちょろまかしていた貴族を利用して口止めしつつ身分の剥奪をすることにしたと言うところか。別に放っておかれたとしてもわざわざしゃべることは無かったと思うが、辺境近辺から急に王族の嫁が偽貴族だと噂が立つのも困るのだろう。
それから数日が経ち私とグラン、それに護衛として数人の仲間が連れだって王都へ向かう日がやってきた。道中が安全とは限らないし王都や城へ入ってもどこから狙われるかわからない。私たちは十分に注意するようあらかじめ話し合っていた。
「二人とも道中の見張りお願いするわよ?
それにしてもどこから見ても騎士には見えないわね。
領地へ入って落ち着いたらちゃんとそれらしい衣類と武器を揃えてあげるから我慢してね」
「へいお嬢、じゃなかった閣下!
俺たちが貴族の仲間入りかあ、驚いちゃうな」
「うんうん兄貴の言う通り、まったく驚いちゃうよ。
俺は羽のついた帽子が欲しいなあ」
「おめえら何言ってやがんだ、騎士は貴族じゃねえぞ?
それにポポの配下の前にお前らは俺の部下だ」
「まあなんでもいいさ、運送の仕事も飽きて来たところだしな。
グランの兄貴に言われてた通りそこらの街で貧乏小僧を拾ってた甲斐があったってもんだ」
「じゃあもうちゃんと引き継ぎはできそうなのね?
騎士と言っても当面仕事は無いから運送屋さん続けてもいいのよ?」
実際に騎士の出番が来るような物騒なことはないほうがいい。普段は領内の警備や村の治安維持くらいしかやることがないからきっと暇を持て余すだろう。
「まあガキどもにはゆっくりと教え込んでいきやすよ。
村からも幾人か働きに来たいってやつもいるしね」
「そうだわ、お屋敷に住み込みで働いてくれる人も探さないと。
娼館の女性が四名来てくれるけど料理できる人が欲しいのよ」
「それなら村長の妹がいいんじゃねえかな。
旦那が流行り病で死んじまって今は村長夫婦の家に居候してるってからな。
通りがかりに話しつけてきますわ」
「きっと一人じゃ足りないわ。
お屋敷にはグランやルモンドたちとその配下が数名でしょ。
メイドさんたちにもちろん私もいるんだから二、三人いた方がいいわね」
「かしこまりやした、ってこういうのはグランの兄貴が決めるんじゃねえのか?
今さっき偉そうなこと言ってたばっかなのに頼りねえなあ」
「なんだその言いぐさは!
俺はだな、異論がないから口を出さなかっただけだ。
それだけだ!」
グランは周囲に気を配っていて緊張している様子だ。こちらの話は大して重要な事でもないしあまり聞いてなかったのだろう。
「ねえグラン、あなたの配下は何人くらいになるのかしら。
領内の巡回や自治警備の人員を考えると十人以上は必要だと思うわ。
村に詰所を作って半分はそこへ、もう半分は屋敷で寝泊まりしてもらおうと思うの。
もちろん公平に交代制でね」
「そうだなあ、村の治安は悪くねえが喧嘩とかまああるしな。
農地の巡回に屋敷の警備も必要だろ?
運送屋から六人、娼館から三人だとちと足らんな」
「運送屋へ街の人を雇い入れたら?
仲間を全員引き揚げてくればあと六人で十五人になるわ」
「街議会で相談してみるか。
でも別の国の貴族になるなんて言っちまって平気かねえ」
「元々国を渡って移住したのはどういう経緯だったの?
その時にはなにも言われなかったのかしら」
私は今になってなにも知らなかったことに気が付いた。いつの間にか流れで宿屋経営をすることになったが、そもそもなんでそうなったんだろうか。
「ああ、あれはな、議会の偉い人に金積んだんだよ。
宿をやるのが条件だったから安くしてもらったがそれでも例の身代金を大分使ったぜ」
「どっちの国の人もお金には目がないってとこね。
今どれくらい残ってるの? 全部クラリスへあげてしまっていいわよ」
「大分稼いだからほぼ元通りだぜ?
なんと言っても人助けは金になるからなあ。
宿屋は売り上げでトントンってとこだし、運送屋はこいつらが飲みまくるからよ」
「そりゃひでえよ! ちゃんと給金貰ってるから自腹で飲んでるっつーの。
お嬢? 運送屋はちゃんと儲かってるからな?」
凸凹コンビはグランへ抗議をしながら私へ説明を始める。でもそんなこと言われなくてもちゃんとやっているのは知っている。もちろん信じていると言うと二人とも安心したように笑顔になった。
「これから引き継ぎで一時的に人が多くなるでしょ?
でもみんなきちんと賃金を貰うのよ?
お金の管理はクラリスへ任せることにしてうまいことやってもらいましょ。
大工業も一緒にするんだし運送が加わっても平気よ」
「また知らねえとこでクラリスに押し付けてよお。
あとで聞いたら腰抜かしちまうぞ?」
「その時はディックスが支えてくれるんだから平気に決まってるわ。
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