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第三章 宿屋経営と街での暮らし
23.気遣われた秘密
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前回とは違い、私は数日眠り込んだりすることなく目覚めた。というよりほとんど時間が経っていないようでベッドへ入った時と陽の高さがさほど変わらない。どうやら向こう側で私に話しかける人がいると意識を持って行かれてしまうようである。
それにしても矢田恋が、つまり本当の私が死んでしまったなんて…… それも約十日前だと言っていた。つまりは声が戻った時と言うことじゃないだろうか。確かあの時はゲーム一式を処分する話をしていて電源を切られてしまったんだった。
俊介が来た時には電源が入ってたらしいけどそれよりも、あの直後に私の声が戻ってきたと言うことは、恋が出掛けた直後に事故にあったのだろうか。そのおかげで奪われていた物が私に戻ってきたと考えられえそうだ。
悲しいけど戻れるかわからない状況からすると喜ばしいとも言え、少々複雑な気分である。しかも私が死んでしまったなんて信じられない。でも不思議と悲しさは少なかった。それはきっと今の私の精神はルルリラだからで、それほど仲良くない知り合いが亡くなったと言う程度の感情だった。
私はベッドへ腰かけながら考え込んでいた。このままルルリラとして生きていくしかないことは決定づけられた。いつまでこの世界が続くのかはわからないし、自分がここに居られるのがいつまでなのかもわからない。
わからないことだらけの私にできるのは今を精いっぱい生きることと、グランやクラリス、他のみんなを助け協力して楽しく暮らすことくらいだろう。よし、こうなったらすべてを打ち明けて行動に移すしかない。時間はきっと限られているのだから。
立ち上がり階段を下りて事務所へ向かった。今日は予約が一組のみで夜の到着予定だから時間の猶予はまだまだある。その間に話をしてしまおう。
「グラン、クラリス、今時間あるかしら」
事務所の扉を開けながら大き目の声を出してしまった。意識していなかったけど私はどうやらちょっと興奮しているようだ。
「なんだ、昼寝するんじゃなかったのか?
部屋へ行ったと思ったらすぐ戻ってきてよ。
予約のお客は晩の到着予定だぞ?」
「そうよ、いつも寝不足気味なんだから時間のある時に寝ておかないとね。
その間グランは私がしっかり働かせておくわ」
「ううん平気よ、眠かったわけじゃないの。
以前声が戻った時のようなことがあったから起きていられなかっただけなのよ。
グランには少し話したけどクラリスは何のことかわからないわよね」
私はそう切り出してから矢田恋とルルリラが入れ替わったことについて説明した。もちろん今度もゲームがどうこうは抜きだ。夢の中で出会って入れ替わったと言うことにしてある。クラリスは、もちろん信じがたいことではあるけど、私の異常な怪力や十二歳とは思えない思考や言動から考えると不思議な出来事があったとしてもおかしくはないと言ってくれた。
「それでね、さっきもまた意識の中に向こうの世界の人が入ってきたの。
でもそれは元の私ではなかった。
その人が言うには、元々の私が死んでしまったと言うのよ」
「ええっ!? ポポちゃん死んじゃったの?
じゃあ今ここにいるのは…… 誰?」
「私にもよくわからないわ。
でも矢田恋という元の私が死んだことで声が戻ってきたんだと思うの。
そしてこの先私がいつまでこうしていられるのかはわからない……」
「バカ言うな! 今こうしてここにいるんだから急に消えるとか死んじまうなんてことあるか!
もしそんなことが起きるなら声が戻るんじゃなくてその時に死んでるに決まってる。
そうさ、お前はまだまだ子供なんだからまだ何十年も生きるに決まってるんだ!」
考えてもいなかった、興奮したグランの言動に私は驚きを隠せず言葉が出なかった。まさかこんなに心配してくれるなんて思わなかったのでこみあげてくるものが有り涙がこぼれてしまう。
「ポポちゃん、私もグランに賛成だわ。
だからいなくなるとか死んじゃうとか言わないで」
そのクラリスの言葉に私はさらに涙を流しながら頷くのが精いっぱいだった。最後に何とか振り絞るように発した言葉はありがとうというお礼の言葉ただ一言だ。
しばらくして気持ちも落ち着いた私は肝心なことを言っていなかったことを思い出した。
「自分から消えるときか死ぬとかはもう言わないわ。
でもね、私もグランたちの力になりたいのよ。
宿屋経営にはまったく役に立たない怪力なんてものもあるんだしね」
「とは言っても当面何か手伝ってもらうようなことは何もないぜ?
宿屋の仕事を頑張ってくれて俺を自由にしてくれりゃそれで十分さ」
「今すぐの話じゃないのよ?
今進めている計画について、今後私も手伝いたいって言ってるの」
「こないだから探りを入れて来てるのはわかってるがそりゃ駄目だ。
ポポがバカつええのはわかってるから危険だからダメなんじゃねえ。
それでもこの計画にお前を入れることはできねえんだ」
「なんでなのよ! そこまで言うなら全て話してくれたっていいじゃない。
その上で私が判断するわよ!」
ずっと感じているのけ者感、悪気があるわけではないのはわかってる。それでもやっぱり今のままでは寂しい。どんなことでも受け入れる心構えはできているのだから信用して話してほしいのだ。
「クラリス、人が来ないよう部屋の外で見張っていてくれ。
ルルリラ、覚悟は出来てるか?
後悔してももうおせえからな」
グランが私のことを久しぶりにルルリラと呼び、その話の深刻さや重大さを感じとった。
「後悔なんてしないわ。
私にはこの場所以外に大切なものなんてもうないんだから」
「よし、お前の覚悟はわかった。
それじゃ心して聞いてくれ。
この街へ来てからずっと仲間を増やすよう動いているのはわかっているな?」
「ええ、さすがにそれくらい気が付いているわよ。
だからこうして聞いているんだもの」
「もちろんただ人数だけ集めてるわけじゃない。
そのための救出業だからな。
でよ、その甲斐あって街の有力者にも大分根回しが出来ているのさ。
こないだの件で腐った役人のあぶり出しも出来たしな」
「あら、瓢箪から駒ってやつね。
偶然なのか狙ってたのかは聞かないでおくわ」
「ひょ? たんか? こま?
まあいい、その人集めだがこの街だけじゃなく元いたあっちの国でも進めているんだ。
最初にお前と出会った村、あそこもな」
「あんなに怖がられていたのに良く何とかなったわね。
まさか力ずくじゃないでしょうね?」
「そんなことしねえよ!
あそこへ救出した連中の一部を移住させたのさ。
そんでちゃんと労働してもらってるからな。
鉱山での強制労働に比べりゃ飯がまともに食えるだけで喜んでるよ」
なるほど、依頼を受けた人たち以外にも大分助けているようだ。出かけている回数と連れ帰る人数に相当の開きがあるから失敗ばかりしてるのかと思っていた。
「そこまでは大体考えていた通りだわ。
でも私が知りたいのは何のためにそんあに人を集めているのかってことよ。
何となく察しはついているけど私がのけ者にされる理由がわからないの」
「のけ者だなんて言い方するなよ。
これでも気を使ってのことなんだぜ?
実はな、まだまだ先だが準備が整ったら打倒貴族の蜂起をするつもりなんだ。
だからよ……」
「なるほど、わかったわ。
貴族が相手だから当然私の実家も標的になる。
それで嫌な思いをするって考えてくれたんでしょ?
でもそんなの問題ないわよ、むしろ私があいつらを滅ぼしたいくらいだわ」
「へっ? それじゃあこのまま進めても構わないのか?
お前だけこっちの国のもっと栄えている都市へ移住させようかと思ってたんだが」
「そんなの絶対に嫌! 私はグランやみんなと一緒に居たい。
今度のけ者にしようとしたら一人で向こうの国を攻め落としに行くからね。
だからもう内緒ごとはしないで、お願い」
私は思わず恥ずかしいセリフを口走ってからグランの胸へ飛び込んでしまった。グランはそんな私を優しく受け止め頭を撫でてくれたのだった。
それにしても矢田恋が、つまり本当の私が死んでしまったなんて…… それも約十日前だと言っていた。つまりは声が戻った時と言うことじゃないだろうか。確かあの時はゲーム一式を処分する話をしていて電源を切られてしまったんだった。
俊介が来た時には電源が入ってたらしいけどそれよりも、あの直後に私の声が戻ってきたと言うことは、恋が出掛けた直後に事故にあったのだろうか。そのおかげで奪われていた物が私に戻ってきたと考えられえそうだ。
悲しいけど戻れるかわからない状況からすると喜ばしいとも言え、少々複雑な気分である。しかも私が死んでしまったなんて信じられない。でも不思議と悲しさは少なかった。それはきっと今の私の精神はルルリラだからで、それほど仲良くない知り合いが亡くなったと言う程度の感情だった。
私はベッドへ腰かけながら考え込んでいた。このままルルリラとして生きていくしかないことは決定づけられた。いつまでこの世界が続くのかはわからないし、自分がここに居られるのがいつまでなのかもわからない。
わからないことだらけの私にできるのは今を精いっぱい生きることと、グランやクラリス、他のみんなを助け協力して楽しく暮らすことくらいだろう。よし、こうなったらすべてを打ち明けて行動に移すしかない。時間はきっと限られているのだから。
立ち上がり階段を下りて事務所へ向かった。今日は予約が一組のみで夜の到着予定だから時間の猶予はまだまだある。その間に話をしてしまおう。
「グラン、クラリス、今時間あるかしら」
事務所の扉を開けながら大き目の声を出してしまった。意識していなかったけど私はどうやらちょっと興奮しているようだ。
「なんだ、昼寝するんじゃなかったのか?
部屋へ行ったと思ったらすぐ戻ってきてよ。
予約のお客は晩の到着予定だぞ?」
「そうよ、いつも寝不足気味なんだから時間のある時に寝ておかないとね。
その間グランは私がしっかり働かせておくわ」
「ううん平気よ、眠かったわけじゃないの。
以前声が戻った時のようなことがあったから起きていられなかっただけなのよ。
グランには少し話したけどクラリスは何のことかわからないわよね」
私はそう切り出してから矢田恋とルルリラが入れ替わったことについて説明した。もちろん今度もゲームがどうこうは抜きだ。夢の中で出会って入れ替わったと言うことにしてある。クラリスは、もちろん信じがたいことではあるけど、私の異常な怪力や十二歳とは思えない思考や言動から考えると不思議な出来事があったとしてもおかしくはないと言ってくれた。
「それでね、さっきもまた意識の中に向こうの世界の人が入ってきたの。
でもそれは元の私ではなかった。
その人が言うには、元々の私が死んでしまったと言うのよ」
「ええっ!? ポポちゃん死んじゃったの?
じゃあ今ここにいるのは…… 誰?」
「私にもよくわからないわ。
でも矢田恋という元の私が死んだことで声が戻ってきたんだと思うの。
そしてこの先私がいつまでこうしていられるのかはわからない……」
「バカ言うな! 今こうしてここにいるんだから急に消えるとか死んじまうなんてことあるか!
もしそんなことが起きるなら声が戻るんじゃなくてその時に死んでるに決まってる。
そうさ、お前はまだまだ子供なんだからまだ何十年も生きるに決まってるんだ!」
考えてもいなかった、興奮したグランの言動に私は驚きを隠せず言葉が出なかった。まさかこんなに心配してくれるなんて思わなかったのでこみあげてくるものが有り涙がこぼれてしまう。
「ポポちゃん、私もグランに賛成だわ。
だからいなくなるとか死んじゃうとか言わないで」
そのクラリスの言葉に私はさらに涙を流しながら頷くのが精いっぱいだった。最後に何とか振り絞るように発した言葉はありがとうというお礼の言葉ただ一言だ。
しばらくして気持ちも落ち着いた私は肝心なことを言っていなかったことを思い出した。
「自分から消えるときか死ぬとかはもう言わないわ。
でもね、私もグランたちの力になりたいのよ。
宿屋経営にはまったく役に立たない怪力なんてものもあるんだしね」
「とは言っても当面何か手伝ってもらうようなことは何もないぜ?
宿屋の仕事を頑張ってくれて俺を自由にしてくれりゃそれで十分さ」
「今すぐの話じゃないのよ?
今進めている計画について、今後私も手伝いたいって言ってるの」
「こないだから探りを入れて来てるのはわかってるがそりゃ駄目だ。
ポポがバカつええのはわかってるから危険だからダメなんじゃねえ。
それでもこの計画にお前を入れることはできねえんだ」
「なんでなのよ! そこまで言うなら全て話してくれたっていいじゃない。
その上で私が判断するわよ!」
ずっと感じているのけ者感、悪気があるわけではないのはわかってる。それでもやっぱり今のままでは寂しい。どんなことでも受け入れる心構えはできているのだから信用して話してほしいのだ。
「クラリス、人が来ないよう部屋の外で見張っていてくれ。
ルルリラ、覚悟は出来てるか?
後悔してももうおせえからな」
グランが私のことを久しぶりにルルリラと呼び、その話の深刻さや重大さを感じとった。
「後悔なんてしないわ。
私にはこの場所以外に大切なものなんてもうないんだから」
「よし、お前の覚悟はわかった。
それじゃ心して聞いてくれ。
この街へ来てからずっと仲間を増やすよう動いているのはわかっているな?」
「ええ、さすがにそれくらい気が付いているわよ。
だからこうして聞いているんだもの」
「もちろんただ人数だけ集めてるわけじゃない。
そのための救出業だからな。
でよ、その甲斐あって街の有力者にも大分根回しが出来ているのさ。
こないだの件で腐った役人のあぶり出しも出来たしな」
「あら、瓢箪から駒ってやつね。
偶然なのか狙ってたのかは聞かないでおくわ」
「ひょ? たんか? こま?
まあいい、その人集めだがこの街だけじゃなく元いたあっちの国でも進めているんだ。
最初にお前と出会った村、あそこもな」
「あんなに怖がられていたのに良く何とかなったわね。
まさか力ずくじゃないでしょうね?」
「そんなことしねえよ!
あそこへ救出した連中の一部を移住させたのさ。
そんでちゃんと労働してもらってるからな。
鉱山での強制労働に比べりゃ飯がまともに食えるだけで喜んでるよ」
なるほど、依頼を受けた人たち以外にも大分助けているようだ。出かけている回数と連れ帰る人数に相当の開きがあるから失敗ばかりしてるのかと思っていた。
「そこまでは大体考えていた通りだわ。
でも私が知りたいのは何のためにそんあに人を集めているのかってことよ。
何となく察しはついているけど私がのけ者にされる理由がわからないの」
「のけ者だなんて言い方するなよ。
これでも気を使ってのことなんだぜ?
実はな、まだまだ先だが準備が整ったら打倒貴族の蜂起をするつもりなんだ。
だからよ……」
「なるほど、わかったわ。
貴族が相手だから当然私の実家も標的になる。
それで嫌な思いをするって考えてくれたんでしょ?
でもそんなの問題ないわよ、むしろ私があいつらを滅ぼしたいくらいだわ」
「へっ? それじゃあこのまま進めても構わないのか?
お前だけこっちの国のもっと栄えている都市へ移住させようかと思ってたんだが」
「そんなの絶対に嫌! 私はグランやみんなと一緒に居たい。
今度のけ者にしようとしたら一人で向こうの国を攻め落としに行くからね。
だからもう内緒ごとはしないで、お願い」
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