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第一章 序章
1.学園入学
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うーん、いくらなんでもこの出費は痛かった。しかしこれが声優となってから初めて名前付きの役を貰えた作品なのだからプレイしないわけにはいかない。ええと、本体が六万円、VRHMDが四万円、ゲームが八千八百円か……
でもお姫様体験ゲームがVRである必要はあるのか? 大体こういうのはMMOのように大人数で遊んだり一人称でドンパチするゲーム用だと思っていた。まあでも? 以前から興味はあったから思い切って買ってみたけど、それでもやっぱり高すぎる。しばらくはもやしと豆腐で乗り切るしかない。
文句ばかり言っていても仕方ない。今日はバイトもないしまずはプレイしてみることにしよう。最近は携帯ゲームくらいしかやっていなかったのでTVへ繋げるゲーム機は久し振りだ。それにしても本体の大きさには驚いた。ちょっとした家具と言ったら大げさだけど、TVの横に気軽における大きさではない。
結局一時間ほど格闘し、なんとか設置することが出来た。それでもVRHMDがコードレスなのでゲームを始めてしまえば快適そうだ。それではさっそくVRゴーグルを被ってゲーム開始といこう!
おおお、耳元で荘厳な音楽が鳴り始めて気分がアガってくる。オープニングは串田メリル氏による美麗グラフィック、ナレーションは太塚昭夫氏の渋い声ですでに卒倒しそうになる。そしてタイトルが表れた、が――
『Road to Princess ~学園は逆ハーレム!?~』
あれ? 台本にはこんなサブタイトルついて無かった気がするけど…… しかも逆ハーレムってどういうことなの!? まあタイトルがなんであれ出演依頼を断るわけではなかったので構わないが。
気を取り直してゲームスタートだ。この際タイトルなんてどうでもいい。ゲーム自体の目的もどうでも良く、自分が担当した子とどうやって出会うのかを確認するのが最重要イベントなのだ。
一瞬の暗転の後、私はなにやら豪華な門の前に立っているようだった。一人称視点なので自分がどのような背格好なのかさっぱりわからない。そう思いながら下を向いて手のひらを眺めてみると、まるでそこに自分の手があるように見えて驚きだ。
指を動かしてグーパーグーパーとすると画面の中でもちゃんと動いているのには驚いた。そして足元でドサッと言う音がした。VRの世界にいて没入感が強いからか、それともVRゴーグルの音響がいいのかわからないが、きちんと足元で音が鳴ったように聞こえてまた驚いた。
「ルルー、カバンを落としてしまうなんて君らしくないね。
さすがに初日で緊張しているのかい?」
背後から小石川様のお声が聞こえて飛び上がるほど驚いた。耳元をくすぐるような甘い声、今男性声優の中で一二を争う人気の声優様だ。もちろん私も大ファンで、そのためにスマホゲームに初めて課金してしまったことを思い出す。
振り返るとフリフリのシャツにキラキラの制服、なのか? まるでコスプレイヤーのようなベタな衣装に身を包んだ男性が立っていた。確かこの人は主人公の婚約者、ハマルカイト王子のはずだ。
私は声をかけてくれた王子へ返事をしようとドギマギしてしまい「は、はい」と返事をするのが精いっぱいだった。しかし無情にも画面上には選択肢が表示されており、私が返した言葉は王子へ伝わるはずのないただの独り言だと教えてくれる。
「そんなことわかってるわよ、まったく。
えーなになに、三択から選ぶわけね」
『>> 手が滑っただけよ、ボーっとしてないで早く拾ってくださる?
あなたが拾ってくれるか試しただけよ
急に声をかけたから落としたんじゃないの』
なんだかひどい台詞ばかりだ。この主人公は貴族の娘と言う設定のはずだけど、育ちはあまり良くないのだろうか。とりあえず一番マシだと思われる真ん中を選んでみた。
『ポポポポポポッポポポポポ ポポポポポポポ』
うーん、主人公には声がついていないらしく、王子への返答はポポポポと言うだけで寂しい。こうなったら練習だと思って自分でアフレコしながら進めるのも悪くない。カバンを拾ってもらった後に校門を通って校舎へ入り、ようやく教室までやってきたがすでに大分疲れてしまった。
なんせ耳元でトップ声優が囁いてくれるのだからたまったものじゃない。これがASMRというやつなのかも知れないが、立っているのが辛くなるくらいに力が抜けてくる。
「はあ…… さすが人気ナンバーワンと言われる方ね。
ちょっと休憩しないと身が持たないわ」
ベッドへコントローラーを放り投げVRゴーグルを外してから冷蔵庫へ向かった。中にはペットボトルの水と…… 迷った末缶ビールを手に取り半分ほど飲んでからまたゲームへ戻った。
「さて続きっと、教室でなにかあるのかな。
入学式とかはないわけ?」
どうせ誰も聞いていないので堂々と独り言を言いながらVRの世界へ戻ってみると、何やら騒ぎが起きていた。中断している間も時間が進むなんてひどい作りだ、なんて思いながら良く見てみると――
『ルルー、ルルー、大丈夫かい?
目を覚ましたんだね。
君は急に床へ飛び込んで倒れてしまったんだよ?
一体どうしたと言うんだい?』
「ああごめんなさい。
停止をしないままでコントローラーを投げてVRゴーグルを外してしまったのよ。
だからこんな騒ぎになってしまったのね」
だからいくらここでしゃべったって王子たちには伝わらない。今度は選択肢がなく、画面の中の私はポポポポと言い訳をするだけだった。
『ちょっと躓いただけ。
みっともないから大げさに騒がないでよ』
『それならいいのだけど、今朝から様子がおかしいからね。
足元がおぼつかないと言うのか、地に足がついていないというのか……
もしかして学園生活の始まりが楽しみで眠れなかったのかい?』
『>> ふざけたこと言わないで。そんな子供じゃないわ!
何を言ってるのよ。子供みたいにはしゃいでいたのはあなたでしょ!
そうね、あなたよりも素敵な男性がいるかもしれないから楽しみよ』
これまたひどい三択が現れた。三番目なんて特にひどい。主人公のルルリラは王子の婚約者と言う立場なのに他に素敵な男性がいるかもだなんて言っていいのだろうか。それにどうにも生意気で、いいとこのお嬢様と言う感じでもない。
結局他のセリフよりも興味を引いたので、一番ひどいと思われる三番目を選択してみた。するとコントローラーがブルッと震えて手を握られたことがわかる。そして顔がめちゃくちゃ近くまで接近して来るではないか。まさかこんなところでキ、キスでもするつもりなのか!? というか睫毛なっが!
『おやおや、これは手厳しい。
僕はルルーだけを愛しているのだから、君も僕だけを照らしておくれ』
まさに歯の浮くようなセリフだが、小石川様の甘い声でささやかれると嫌だなんてとても言えそうにない。私はまたもや独り言で返事をしていた。
「はい、もうあなただけを愛します。
他の男のことなんていいません!」
その時、名もなき生徒が叫ぶ声が聞こえた。
『おーい、先生が来るぞ』
めっちゃ棒読みで聞いている方が恥ずかしくなるほどだ。きっと彼もまだ新人で大した役が貰えるレベルではないのだろう。私もいくつか通行人Aや生徒Bをやったからわかるが、諦めなければチャンスがやってくる、かもしれない。
私は自分の通って来た道のりを、見知らぬ声優の卵へ重ねあわせていた。
でもお姫様体験ゲームがVRである必要はあるのか? 大体こういうのはMMOのように大人数で遊んだり一人称でドンパチするゲーム用だと思っていた。まあでも? 以前から興味はあったから思い切って買ってみたけど、それでもやっぱり高すぎる。しばらくはもやしと豆腐で乗り切るしかない。
文句ばかり言っていても仕方ない。今日はバイトもないしまずはプレイしてみることにしよう。最近は携帯ゲームくらいしかやっていなかったのでTVへ繋げるゲーム機は久し振りだ。それにしても本体の大きさには驚いた。ちょっとした家具と言ったら大げさだけど、TVの横に気軽における大きさではない。
結局一時間ほど格闘し、なんとか設置することが出来た。それでもVRHMDがコードレスなのでゲームを始めてしまえば快適そうだ。それではさっそくVRゴーグルを被ってゲーム開始といこう!
おおお、耳元で荘厳な音楽が鳴り始めて気分がアガってくる。オープニングは串田メリル氏による美麗グラフィック、ナレーションは太塚昭夫氏の渋い声ですでに卒倒しそうになる。そしてタイトルが表れた、が――
『Road to Princess ~学園は逆ハーレム!?~』
あれ? 台本にはこんなサブタイトルついて無かった気がするけど…… しかも逆ハーレムってどういうことなの!? まあタイトルがなんであれ出演依頼を断るわけではなかったので構わないが。
気を取り直してゲームスタートだ。この際タイトルなんてどうでもいい。ゲーム自体の目的もどうでも良く、自分が担当した子とどうやって出会うのかを確認するのが最重要イベントなのだ。
一瞬の暗転の後、私はなにやら豪華な門の前に立っているようだった。一人称視点なので自分がどのような背格好なのかさっぱりわからない。そう思いながら下を向いて手のひらを眺めてみると、まるでそこに自分の手があるように見えて驚きだ。
指を動かしてグーパーグーパーとすると画面の中でもちゃんと動いているのには驚いた。そして足元でドサッと言う音がした。VRの世界にいて没入感が強いからか、それともVRゴーグルの音響がいいのかわからないが、きちんと足元で音が鳴ったように聞こえてまた驚いた。
「ルルー、カバンを落としてしまうなんて君らしくないね。
さすがに初日で緊張しているのかい?」
背後から小石川様のお声が聞こえて飛び上がるほど驚いた。耳元をくすぐるような甘い声、今男性声優の中で一二を争う人気の声優様だ。もちろん私も大ファンで、そのためにスマホゲームに初めて課金してしまったことを思い出す。
振り返るとフリフリのシャツにキラキラの制服、なのか? まるでコスプレイヤーのようなベタな衣装に身を包んだ男性が立っていた。確かこの人は主人公の婚約者、ハマルカイト王子のはずだ。
私は声をかけてくれた王子へ返事をしようとドギマギしてしまい「は、はい」と返事をするのが精いっぱいだった。しかし無情にも画面上には選択肢が表示されており、私が返した言葉は王子へ伝わるはずのないただの独り言だと教えてくれる。
「そんなことわかってるわよ、まったく。
えーなになに、三択から選ぶわけね」
『>> 手が滑っただけよ、ボーっとしてないで早く拾ってくださる?
あなたが拾ってくれるか試しただけよ
急に声をかけたから落としたんじゃないの』
なんだかひどい台詞ばかりだ。この主人公は貴族の娘と言う設定のはずだけど、育ちはあまり良くないのだろうか。とりあえず一番マシだと思われる真ん中を選んでみた。
『ポポポポポポッポポポポポ ポポポポポポポ』
うーん、主人公には声がついていないらしく、王子への返答はポポポポと言うだけで寂しい。こうなったら練習だと思って自分でアフレコしながら進めるのも悪くない。カバンを拾ってもらった後に校門を通って校舎へ入り、ようやく教室までやってきたがすでに大分疲れてしまった。
なんせ耳元でトップ声優が囁いてくれるのだからたまったものじゃない。これがASMRというやつなのかも知れないが、立っているのが辛くなるくらいに力が抜けてくる。
「はあ…… さすが人気ナンバーワンと言われる方ね。
ちょっと休憩しないと身が持たないわ」
ベッドへコントローラーを放り投げVRゴーグルを外してから冷蔵庫へ向かった。中にはペットボトルの水と…… 迷った末缶ビールを手に取り半分ほど飲んでからまたゲームへ戻った。
「さて続きっと、教室でなにかあるのかな。
入学式とかはないわけ?」
どうせ誰も聞いていないので堂々と独り言を言いながらVRの世界へ戻ってみると、何やら騒ぎが起きていた。中断している間も時間が進むなんてひどい作りだ、なんて思いながら良く見てみると――
『ルルー、ルルー、大丈夫かい?
目を覚ましたんだね。
君は急に床へ飛び込んで倒れてしまったんだよ?
一体どうしたと言うんだい?』
「ああごめんなさい。
停止をしないままでコントローラーを投げてVRゴーグルを外してしまったのよ。
だからこんな騒ぎになってしまったのね」
だからいくらここでしゃべったって王子たちには伝わらない。今度は選択肢がなく、画面の中の私はポポポポと言い訳をするだけだった。
『ちょっと躓いただけ。
みっともないから大げさに騒がないでよ』
『それならいいのだけど、今朝から様子がおかしいからね。
足元がおぼつかないと言うのか、地に足がついていないというのか……
もしかして学園生活の始まりが楽しみで眠れなかったのかい?』
『>> ふざけたこと言わないで。そんな子供じゃないわ!
何を言ってるのよ。子供みたいにはしゃいでいたのはあなたでしょ!
そうね、あなたよりも素敵な男性がいるかもしれないから楽しみよ』
これまたひどい三択が現れた。三番目なんて特にひどい。主人公のルルリラは王子の婚約者と言う立場なのに他に素敵な男性がいるかもだなんて言っていいのだろうか。それにどうにも生意気で、いいとこのお嬢様と言う感じでもない。
結局他のセリフよりも興味を引いたので、一番ひどいと思われる三番目を選択してみた。するとコントローラーがブルッと震えて手を握られたことがわかる。そして顔がめちゃくちゃ近くまで接近して来るではないか。まさかこんなところでキ、キスでもするつもりなのか!? というか睫毛なっが!
『おやおや、これは手厳しい。
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まさに歯の浮くようなセリフだが、小石川様の甘い声でささやかれると嫌だなんてとても言えそうにない。私はまたもや独り言で返事をしていた。
「はい、もうあなただけを愛します。
他の男のことなんていいません!」
その時、名もなき生徒が叫ぶ声が聞こえた。
『おーい、先生が来るぞ』
めっちゃ棒読みで聞いている方が恥ずかしくなるほどだ。きっと彼もまだ新人で大した役が貰えるレベルではないのだろう。私もいくつか通行人Aや生徒Bをやったからわかるが、諦めなければチャンスがやってくる、かもしれない。
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