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第九章 浮遊霊たちは袂を別つ
105.絶望
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大矢紀夫は絶望していた。まさかそんなことが…… とても信じられないし信じたくない、そんな表情で駅のホームに一人、もう数日ほど佇んでいた。地元を離れ、電車が空いている時をねらって乗り継ぎを重ねてほぼ丸一日かけてこの街まで来たというのになにもいいことがなかった。
紀夫が死んでしまってから数日のうちに家を去ってしまった母、それを追いかけようともしていない父、その両方に憤りや寂しさを感じながらも、何もできない幽霊として過ごす日々。
生前、何があってもなるべく明るく普通に振る舞ってきたが、別に何とも思っていない、何も感じていなかったわけではない。落ち込んで悩んで、時には怒りの感情だってあったのだ。そして今は晴れない霧の中にいるようなすっきりしない感情が消えずにいた。
だからこそ、その感情を何とかしようと思って母の実家があるこの街までやってきたのだ。しかしそれは逆効果だった。
◇◇◇
母の実家にはもう高齢となった祖父が住んでいるだけだ。一緒に住んでいた祖母は数年前に亡くなっている。
その家へは年に数度は来ていたので別に難しい道のりではない。しかし満員電車に乗ることはは考えていたよりも大変で、人の波が押して引いてとなる度に、紀夫は車外に出されてしまい一向に進むことができなかった。
「やれやれ、都会に住む人たちは毎日こんなことしてんのかぁ。
こんなに何回も乗り降りするより空いてる電車待った方がよさそうだなぁ」
紀夫は思わず独り言をこぼす。田舎育ちにとって都会の通勤ラッシュは異次元のものであることは間違いなく、今や生き急ぐことも必要ない紀夫は、駅のホームの一番端にしゃがみ込んで空いている時間帯になるのを待っていた。
数時間はそうしていただろう。次々に現れて電車に飲まれていく人人人。見ているだけで酔ってしまいまそうだ、そんなことを考えつつそれでも何とか母の実家までたどり着いた。
母と祖父は特別変わった生活をしているわけではなく、ただ時間が流れる日々を生きている、そんな印象だ。体の自由が効きにくくなっている祖父の世話はしているが、そこまで大変と言うほどでもなく、今まで専業主婦としてやって来たよりも楽だろう。それに忙しく口うるさい父もおらず、自由な時間も多そうである。
紀夫が実家へついてから数日、母は買い物くらいにしか出かけることはなかった。何の楽しみもやりがいもない、かといってごろごろしているわけでもなく、誰も使っていない部屋を含めて毎日家中の掃除をしたり、シーツにアイロンがけをしたり、庭や玄関先の掃き掃除をしたりしていた。
母はこんな人だっただろうか。確かに物静かではあったけれど、一人だとこんなものなのか、紀夫はてきぱきと家事だけをこなすその姿に何となく違和感を感じていた。
一週間ほど同じような生活が続いて、いい加減紀夫にも飽きが来た頃一人の来客があった。それは全然知らない女性で、歳は母と同じくらいだろうか。こじんまりとして高級そうな白い箱をもって玄関先に現れたその女性は、ごく自然な笑顔で母に声をかける。
「久しぶりね、こっちへ帰って来たって聞いてはいたのだけどなかなか来られなくてね」
「朋、よく来てくれたわね。やることのない毎日って意外に疲れるわ」
母の顔はほころんでおり、それは紀夫がこの家に居ついてから初めての笑顔だった。笑顔になったせいか、ようやく生きている人間に見えるようになった母は、朋と呼んだその女性を客間へ招き入れた後コーヒーを淹れて戻っていた。
「突然来てしまってごめんなさいね。これ、商店街の角にあった本屋さん覚えてるでしょ?そこが店じまいした後にお孫さんが始めたケーキ屋さんで買ってきたの」
「もちろん覚えてるわ。あの幽霊みたいな暗いおじさんのところね」
「そうそう、中学の頃は怖くて仕方なかったわよ。でも息子さんが後を継いだ後はお店の雰囲気も明るくなったのよ」
「へえ、それなのに閉めてしまったの?」
「ええ、駅が改装になって駅ビルになった時に大手の書店が入ってきたせいじゃないかしら?他にも何件か閉めてしまったお店があったわ」
紀夫の興味をまったく惹かないつまらない話が続いている。久しぶりの地元なのでつもる話もあるといったところか。ケーキを食べ終わり、コーヒーもおかわりをして、それでも昔話のような会話を続けていた二人だったが、いい加減疲れたのか会話が一瞬途切れた。
その沈黙はほんの数秒だったかもしれないし、数分だったかもしれない。でもその後に続いた会話を聴いていたら、紀夫も途中から寝転がっているわけにいかなくなった。
「結局戻ってくることになってしまったわね。なんと言ったらいいか、色々な意味で心痛めていると思って心配しているのよ」
朋というその女性が言っている意味が初めはよくわからなかった。
「この十五年、いったいなんだったのかしらね。私は自分の選択が間違っていたとは思っていないけれど、なにかどこかでくるってしまったのかなとは感じているの。でも本当に後悔はしていないのよ」
「そうなのね、こんなことになって大丈夫かしらって思っていたけれど、後悔していないのなら一安心ね。十五年前も今回も、あなたには驚かされてばかりよ」
「若さもあったし、何より純粋だったのよ」
「そうよねえ、純粋じゃなかったら初婚で後妻になんか行かれないわよね。向こうには子供もいたわけだし、それがまさかこんなことになるなんて、お姉さんに続いて息子さんまで……聞いた私も心が痛いわ」
「姉さんのことは仕方ないわよ。父は医療ミスだなんだって言っていたけど、子供だけでも助かったのだからお医者様は最善を尽くしてくれたと思っているわ。子供を産むことは現代でも命がけということなのよ。結局私は生むことがなかったから本当のところはわからないけれどね」
「まあ確かに大変だったかな。二人目になると気は楽だったけど、それでも身体はしんどかったもの」
その後も母と朋の話は続いていたが、紀夫の耳には段々となにも聞こえなくなっていた。まさか、母は子供を産んだことがない? 父が紀夫を連れて再婚したという事実はにわかに信じられなかった。
今の今まで自分が母親だと信じて疑ったこともなかった女性は、実は母親ではなかった。十五年と言うことは紀夫が産まれてほどなくして再婚したということになる。
どうやら本当の母親は今目の前にいる義理の母の姉ということか。その母は紀夫を産むときになにかの原因で亡くなった。その後妹であった女性が母になったとは、こんなこと知りたくはなかった。
いつも明るく笑顔で、と言って育ててくれた母は、紀夫と父と本当の母と、そして自分に対して言い続けていた言葉だったのかもしれない。二人の話は昼に出前を取って食べ終わってもまだまだ続き、朋が帰宅したのは辺りが暗くなりはじめる夕方になってからだった。
「今度は私の方から遊びに行くわね。戻ってきてから初めて笑ったかもしれなくて、とても楽しかった。朋、ありがとう」
「何言ってるの、水臭い。文の気晴らしになるからじゃなく、私だって家にいるだけじゃ息がつまるのよ。旦那の両親がいい人なのがまだ救いだわ」
そんな会話をしながら玄関先へ洗った寿司桶を三つ重ねて置いた。その見送りの隙を見て紀夫は表に出る。その時、もうこの家に来ることは無いだろうと確信していた。
紀夫が死んでしまってから数日のうちに家を去ってしまった母、それを追いかけようともしていない父、その両方に憤りや寂しさを感じながらも、何もできない幽霊として過ごす日々。
生前、何があってもなるべく明るく普通に振る舞ってきたが、別に何とも思っていない、何も感じていなかったわけではない。落ち込んで悩んで、時には怒りの感情だってあったのだ。そして今は晴れない霧の中にいるようなすっきりしない感情が消えずにいた。
だからこそ、その感情を何とかしようと思って母の実家があるこの街までやってきたのだ。しかしそれは逆効果だった。
◇◇◇
母の実家にはもう高齢となった祖父が住んでいるだけだ。一緒に住んでいた祖母は数年前に亡くなっている。
その家へは年に数度は来ていたので別に難しい道のりではない。しかし満員電車に乗ることはは考えていたよりも大変で、人の波が押して引いてとなる度に、紀夫は車外に出されてしまい一向に進むことができなかった。
「やれやれ、都会に住む人たちは毎日こんなことしてんのかぁ。
こんなに何回も乗り降りするより空いてる電車待った方がよさそうだなぁ」
紀夫は思わず独り言をこぼす。田舎育ちにとって都会の通勤ラッシュは異次元のものであることは間違いなく、今や生き急ぐことも必要ない紀夫は、駅のホームの一番端にしゃがみ込んで空いている時間帯になるのを待っていた。
数時間はそうしていただろう。次々に現れて電車に飲まれていく人人人。見ているだけで酔ってしまいまそうだ、そんなことを考えつつそれでも何とか母の実家までたどり着いた。
母と祖父は特別変わった生活をしているわけではなく、ただ時間が流れる日々を生きている、そんな印象だ。体の自由が効きにくくなっている祖父の世話はしているが、そこまで大変と言うほどでもなく、今まで専業主婦としてやって来たよりも楽だろう。それに忙しく口うるさい父もおらず、自由な時間も多そうである。
紀夫が実家へついてから数日、母は買い物くらいにしか出かけることはなかった。何の楽しみもやりがいもない、かといってごろごろしているわけでもなく、誰も使っていない部屋を含めて毎日家中の掃除をしたり、シーツにアイロンがけをしたり、庭や玄関先の掃き掃除をしたりしていた。
母はこんな人だっただろうか。確かに物静かではあったけれど、一人だとこんなものなのか、紀夫はてきぱきと家事だけをこなすその姿に何となく違和感を感じていた。
一週間ほど同じような生活が続いて、いい加減紀夫にも飽きが来た頃一人の来客があった。それは全然知らない女性で、歳は母と同じくらいだろうか。こじんまりとして高級そうな白い箱をもって玄関先に現れたその女性は、ごく自然な笑顔で母に声をかける。
「久しぶりね、こっちへ帰って来たって聞いてはいたのだけどなかなか来られなくてね」
「朋、よく来てくれたわね。やることのない毎日って意外に疲れるわ」
母の顔はほころんでおり、それは紀夫がこの家に居ついてから初めての笑顔だった。笑顔になったせいか、ようやく生きている人間に見えるようになった母は、朋と呼んだその女性を客間へ招き入れた後コーヒーを淹れて戻っていた。
「突然来てしまってごめんなさいね。これ、商店街の角にあった本屋さん覚えてるでしょ?そこが店じまいした後にお孫さんが始めたケーキ屋さんで買ってきたの」
「もちろん覚えてるわ。あの幽霊みたいな暗いおじさんのところね」
「そうそう、中学の頃は怖くて仕方なかったわよ。でも息子さんが後を継いだ後はお店の雰囲気も明るくなったのよ」
「へえ、それなのに閉めてしまったの?」
「ええ、駅が改装になって駅ビルになった時に大手の書店が入ってきたせいじゃないかしら?他にも何件か閉めてしまったお店があったわ」
紀夫の興味をまったく惹かないつまらない話が続いている。久しぶりの地元なのでつもる話もあるといったところか。ケーキを食べ終わり、コーヒーもおかわりをして、それでも昔話のような会話を続けていた二人だったが、いい加減疲れたのか会話が一瞬途切れた。
その沈黙はほんの数秒だったかもしれないし、数分だったかもしれない。でもその後に続いた会話を聴いていたら、紀夫も途中から寝転がっているわけにいかなくなった。
「結局戻ってくることになってしまったわね。なんと言ったらいいか、色々な意味で心痛めていると思って心配しているのよ」
朋というその女性が言っている意味が初めはよくわからなかった。
「この十五年、いったいなんだったのかしらね。私は自分の選択が間違っていたとは思っていないけれど、なにかどこかでくるってしまったのかなとは感じているの。でも本当に後悔はしていないのよ」
「そうなのね、こんなことになって大丈夫かしらって思っていたけれど、後悔していないのなら一安心ね。十五年前も今回も、あなたには驚かされてばかりよ」
「若さもあったし、何より純粋だったのよ」
「そうよねえ、純粋じゃなかったら初婚で後妻になんか行かれないわよね。向こうには子供もいたわけだし、それがまさかこんなことになるなんて、お姉さんに続いて息子さんまで……聞いた私も心が痛いわ」
「姉さんのことは仕方ないわよ。父は医療ミスだなんだって言っていたけど、子供だけでも助かったのだからお医者様は最善を尽くしてくれたと思っているわ。子供を産むことは現代でも命がけということなのよ。結局私は生むことがなかったから本当のところはわからないけれどね」
「まあ確かに大変だったかな。二人目になると気は楽だったけど、それでも身体はしんどかったもの」
その後も母と朋の話は続いていたが、紀夫の耳には段々となにも聞こえなくなっていた。まさか、母は子供を産んだことがない? 父が紀夫を連れて再婚したという事実はにわかに信じられなかった。
今の今まで自分が母親だと信じて疑ったこともなかった女性は、実は母親ではなかった。十五年と言うことは紀夫が産まれてほどなくして再婚したということになる。
どうやら本当の母親は今目の前にいる義理の母の姉ということか。その母は紀夫を産むときになにかの原因で亡くなった。その後妹であった女性が母になったとは、こんなこと知りたくはなかった。
いつも明るく笑顔で、と言って育ててくれた母は、紀夫と父と本当の母と、そして自分に対して言い続けていた言葉だったのかもしれない。二人の話は昼に出前を取って食べ終わってもまだまだ続き、朋が帰宅したのは辺りが暗くなりはじめる夕方になってからだった。
「今度は私の方から遊びに行くわね。戻ってきてから初めて笑ったかもしれなくて、とても楽しかった。朋、ありがとう」
「何言ってるの、水臭い。文の気晴らしになるからじゃなく、私だって家にいるだけじゃ息がつまるのよ。旦那の両親がいい人なのがまだ救いだわ」
そんな会話をしながら玄関先へ洗った寿司桶を三つ重ねて置いた。その見送りの隙を見て紀夫は表に出る。その時、もうこの家に来ることは無いだろうと確信していた。
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