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異世界創造

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 神は言った

『光あれ!』

 すると光が生まれ、その対極には闇が生まれた。神は次に大地を作り、その他もろもろを作った。大地には草木が芽吹き、風が吹き、雲が生まれ雨が降った。

 やがて命あるものを作られ、最後に自分に模した『人間』を作った。

『汝、お前の名はアダム、これからはそう名乗るがよい』

 神はそれを男と定義しアダムと言う名を与えた。それを聞いたアダムは神へ尋ねた。

「神よ、私にアダムと言う名を下さったこと、感謝いたします。ただ私はこの名を誰に名乗れば良いのでしょうか」

 思いがけぬアダムの言葉に神はしばし悩み、そして答えを出した。そうだ一人ではあまりにもかわいそうだ。他の種と同じように女を作り共に過ごせるようにしよう。さすれば社会性も生まれひきこもることもないだろう。

  神はアダムの肋骨を一本抜き取り、そこから女を作った。

『女よ、汝の名はイヴ、これからはそう名乗りアダムと共に暮らすが良い』

「偉大なる神よ、ありがとうございます。神より賜ったこの身体、この命、大切にいたします」

『そう畏まる必要はなく、今後について心配する必要もない。神の国は永遠である。汝らが神との約束を守る限り、その命は永遠なのだから』

 傍らで聞いていたアダムは再び神へ尋ねた。

「この美しい女、イヴは私にとってどんな意味を持つのでしょうか。野の花蝶、草木や風景と同じように、その美しさを眺める物なのでしょうか」

 神は答えた。

『アダムよ、それでは今よりこの女、イヴをお前の婚約者としよう。神への務めを立派に果たし、自分が一人前だと思える時が来たら夫婦となるが良い』

「神よ、ありがとうございます。もう一つだけお聞き届けください。肋骨が片側だけ少なくなってしまい真っ直ぐ歩けなくなりました。どうか戻していただくか、もう片方も取り払っていただけないでしょうか」

『確かにその通りだ、その願い叶えよう』

 神はもう片方の肋骨を抜き取り、また女を作った。

『女よ、汝の名はルル、これからはそう名乗るがよい』

「神を、私を想像してくださりありがとうございます。私はいったい何をして、どうやって生きて行けばいいのでしょう」

『お前には自由を与える。たった一つだけ約束を守り、この神の国で暮らすが良い』

 こうして神の国でアダムとイヴとルルの生活が始まった。
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