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第三章 学校生活始めました
44.大樹の手記 八章(閑話)
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八.資源について その2
水資源について
トラスの南側にある海は海水であり、近隣では塩田による塩生産が盛んである。塩の需要は経口摂食をする種族を中心に高いため、主に西側の街や村へと出荷されている。先に記した西側の岩塩鉱山と共に西側南側では塩の流通が潤沢であることは、その地区を拠点とする種族の反映と無関係ではないだろう。
飲料用をはじめとする真水は全土に流れる無数の河川や湖水により困ることはない。気候的に大雨や台風もないため水害とも無縁であり、水車等を利用する動力源としても利用しやすい資源と言える。
森林資源について
東側には広大な平野部と共に深い森林も広がっており林業が盛んである。生産された木材は建物や水路の建築等幅広く用いられている。ほかにも燃料としての利用や接着性のある樹液を使った工芸品生産も行われている。
農作物について
地域によって偏りはあるが、農業自体は一般的に行われている。小麦や野菜類が中心で、食文化は無発酵の固いパンとオートミールが中心のようだ。麦の穂は圧縮して燃料にしたり建物の屋根に使われているのを確認した。
繊維を取り出す用途で、麻に似た植物を初めとしていくつかの種類が栽培されており、布や紙の材料として利用されている。その中には乾燥すると非常に固くなる樹液を持つ植物が有り、繊維と合わせて固めたFRPのような工法も確立されている。この材質はある程度の強度を持ちながら非常に軽く生産性も高いため、軽鎧や馬鎧など広く使われている。
またごく一部の地域では、依存性を持つ薬物の元となる植物も存在しているが、生産地や組織構成など詳細は不明である。
生物資源について
まずは水産資源だが、魚はどこでも良く取れるが小型種が多い。南の海には獰猛な海洋生物が生息しているため大規模漁業はあまり行われていないようだ。エビに近しい種の甲殻類も豊富だが、見た目は完全にザリガニである。
数m級の大型魚は未確認だが、海竜とも言える巨大なウミヘビであるシーサーペントや、巨大なタコであるクラーケンも食用となる。しかし捕らえる前にどれだけ犠牲が出るかわからないくらいの強力な魔物であるため、積極的に漁をすると言う対象ではない。
また河川や河口付近では貝類の採取も行われているようだ。貝料理を食す機会はこれまで恵まれていないが、貝殻を使った装飾品を見たことがある。河口付近と言えば、海藻のような植物も食用とされており、そのなかでも海ぶどうのような不思議な食感のものはなかなか癖になるような歯ごたえだった。
陸上生物の利用も一般的で、豚や牛に羊等の家畜を育てている集落もあるが、それは主に人間族である。他にも陸上性鳥類、いわゆるニワトリ類似のものだが、食肉も卵も豊富に流通していた。西側には草原が少ないため遊牧ではなく穀物飼料を用いての牧畜が一般的である。
もちろん野生生物を狩り、肉や毛皮などを利用することも一般的に行われている。他にも、荒野では良く見られるサンドワームと言う巨大な無脊椎動物も、食用として狩りの対象になっている。その他、地中や荒野に住まう生物としてはアースドラゴンや大サソリ、亀や蛇の仲間などが多い。
空を飛ぶ鳥類や中型までの爬虫類種も良く狩りの対象になる。鳥は食肉や羽の利用が盛んにされているし、中型のドラゴン近親種であるドレイクは肉だけでなくその鱗や牙、皮や尾根までもが良質で高級な素材となるからだ。それだけに乱獲をする人間族やエルフ族、ドワーフ族などは多い。
また、数はかなり少ないものの、巨大な魔獣の死骸が鉱山のように扱われることがある。もちろん採集できる資源はすべて討伐した者たちに権利はあるが、さまざまな理由で放棄されたり、自然死したものが発見されたりすることもある。その場合は基本的に早い者勝ちではあるが、他人との奪い合いはどうしても発生する。
その決着方法で殺し合いに発展することもあるが、投げナイフによる的当てや、魔封剣というじゃんけんで決められることも多い。ちなみにグーチョキパーはそれぞれ魔法、剣、盾と呼ばれている。
このように、動植物を自然の恵みとして享受することは地球と変わりなく行われていることがわかる。そして人間が娯楽として生き物を殺すところまでそっくり同じだ。元は一人の人間から始まったこの娯楽に人々は夢中になり、やがてその人間は英雄となり王となって国を築いた。その詳細についてはまた別に記すことにしよう。
水資源について
トラスの南側にある海は海水であり、近隣では塩田による塩生産が盛んである。塩の需要は経口摂食をする種族を中心に高いため、主に西側の街や村へと出荷されている。先に記した西側の岩塩鉱山と共に西側南側では塩の流通が潤沢であることは、その地区を拠点とする種族の反映と無関係ではないだろう。
飲料用をはじめとする真水は全土に流れる無数の河川や湖水により困ることはない。気候的に大雨や台風もないため水害とも無縁であり、水車等を利用する動力源としても利用しやすい資源と言える。
森林資源について
東側には広大な平野部と共に深い森林も広がっており林業が盛んである。生産された木材は建物や水路の建築等幅広く用いられている。ほかにも燃料としての利用や接着性のある樹液を使った工芸品生産も行われている。
農作物について
地域によって偏りはあるが、農業自体は一般的に行われている。小麦や野菜類が中心で、食文化は無発酵の固いパンとオートミールが中心のようだ。麦の穂は圧縮して燃料にしたり建物の屋根に使われているのを確認した。
繊維を取り出す用途で、麻に似た植物を初めとしていくつかの種類が栽培されており、布や紙の材料として利用されている。その中には乾燥すると非常に固くなる樹液を持つ植物が有り、繊維と合わせて固めたFRPのような工法も確立されている。この材質はある程度の強度を持ちながら非常に軽く生産性も高いため、軽鎧や馬鎧など広く使われている。
またごく一部の地域では、依存性を持つ薬物の元となる植物も存在しているが、生産地や組織構成など詳細は不明である。
生物資源について
まずは水産資源だが、魚はどこでも良く取れるが小型種が多い。南の海には獰猛な海洋生物が生息しているため大規模漁業はあまり行われていないようだ。エビに近しい種の甲殻類も豊富だが、見た目は完全にザリガニである。
数m級の大型魚は未確認だが、海竜とも言える巨大なウミヘビであるシーサーペントや、巨大なタコであるクラーケンも食用となる。しかし捕らえる前にどれだけ犠牲が出るかわからないくらいの強力な魔物であるため、積極的に漁をすると言う対象ではない。
また河川や河口付近では貝類の採取も行われているようだ。貝料理を食す機会はこれまで恵まれていないが、貝殻を使った装飾品を見たことがある。河口付近と言えば、海藻のような植物も食用とされており、そのなかでも海ぶどうのような不思議な食感のものはなかなか癖になるような歯ごたえだった。
陸上生物の利用も一般的で、豚や牛に羊等の家畜を育てている集落もあるが、それは主に人間族である。他にも陸上性鳥類、いわゆるニワトリ類似のものだが、食肉も卵も豊富に流通していた。西側には草原が少ないため遊牧ではなく穀物飼料を用いての牧畜が一般的である。
もちろん野生生物を狩り、肉や毛皮などを利用することも一般的に行われている。他にも、荒野では良く見られるサンドワームと言う巨大な無脊椎動物も、食用として狩りの対象になっている。その他、地中や荒野に住まう生物としてはアースドラゴンや大サソリ、亀や蛇の仲間などが多い。
空を飛ぶ鳥類や中型までの爬虫類種も良く狩りの対象になる。鳥は食肉や羽の利用が盛んにされているし、中型のドラゴン近親種であるドレイクは肉だけでなくその鱗や牙、皮や尾根までもが良質で高級な素材となるからだ。それだけに乱獲をする人間族やエルフ族、ドワーフ族などは多い。
また、数はかなり少ないものの、巨大な魔獣の死骸が鉱山のように扱われることがある。もちろん採集できる資源はすべて討伐した者たちに権利はあるが、さまざまな理由で放棄されたり、自然死したものが発見されたりすることもある。その場合は基本的に早い者勝ちではあるが、他人との奪い合いはどうしても発生する。
その決着方法で殺し合いに発展することもあるが、投げナイフによる的当てや、魔封剣というじゃんけんで決められることも多い。ちなみにグーチョキパーはそれぞれ魔法、剣、盾と呼ばれている。
このように、動植物を自然の恵みとして享受することは地球と変わりなく行われていることがわかる。そして人間が娯楽として生き物を殺すところまでそっくり同じだ。元は一人の人間から始まったこの娯楽に人々は夢中になり、やがてその人間は英雄となり王となって国を築いた。その詳細についてはまた別に記すことにしよう。
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