22 / 63
第二章 戸惑いの異世界
22.一般人になりたい
しおりを挟む
どっと疲れた僕は、先ほどの軽い足取りを失ったままで観光案内所へとたどり着いた。丁度客足が途切れらところのようでマイは椅子に座って一息入れている
「こんにちはマイさん、お疲れさま。
これ差し入れです、売れ行き良かったので味も大丈夫なはず」
「あら雷人様、ごきげんよう。
これは昨日おっしゃっていたエビの料理ですか?
衣をつけて揚げているなんて手が込んでいますね。
それではいただきます」
塩味しかついていないと言ったから安心だったのか、何のためらいもなく口へ運んでくれた。しばらくすると目を丸くして見開き感想を聞かせてくれた。
「すごくおいしいですね。
エビが柔らかいし衣はサクサク!
衣は小麦粉を溶いたものでしょうか」
「そうだと思う、半分出来合いなので同じ物はもう作れないんだけど……
あと少しだけ未調理分が残っているので気に入ったならまた持ってきますね。
それで今日は少し相談があるんです」
僕は麺のことと校長達からの扱いについて相談した。もちろんマイにも、もっと気楽に接してほしいことを伝えたが返答はあまり芳しいものではなかった。
「お気持ちはわかります、でもいきなりは難しいでしょう。
私の一族をはじめ、村の一部の者は約七百年の間お待ちしていたのです。
ここも今でこそ観光案内所としていますが、元々は違う目的で作られました。
ダイキ様のお蔭で神々の争いが終焉したものの、天神信仰者を滅ぼそうと言う勢力もいました。
それを止めるために、なぜ人はいがみ合うのかという根本からを学ぶ場所だったのです」
「それがなんで観光案内所に?
ああでも歴史館もあるからそっちでは学べるのか」
「はい、その通りです。
世界から天神の加護が無くなり、天神信仰は名前だけのものとなりました。
ですので信仰者はどんどん減っていったのです。
それでもまだ西側には少数の街や村が残っていますけどね。
追いやられた天神信仰者たちは当然我々を恨んでいるでしょう。
ですが、魔神信仰者が迫害をしないようダイキ様の正しいお考えを広める必要があります。
そのため観光案内所を併設して世界中から来訪者を集め、歴史を学んでもらっているのです」
「それと僕たちの関係性がいまいちわかりませんね。
マイさんは爺ちゃんの養子の家系って聞いたからまだなんとかわかるけど。
村長さんは代々村長の家系でしたっけ?
代々の校長達もなにか役目があったんですか?」
「それぞれ私の先祖と同じように村を興した者の末裔ですね。
最初から学校と孤児院、工房はありました。
それまでは子供へ一括した教育を施すと言う概念自体なくダイキ様が作られたのです。
ちなみにコ村は魔道具発祥の地で、工房は今も研究の最先端なのですよ。
ダイキ様は元々現在の公民館にお住まいでしたが、巡礼者が多すぎたので丘の上に移りました。
ですから初期村民にとって、コ村はダイキ様からお預かりしているものなのです」
「そっかぁ、そういう事情があるから領主扱いだとか敬意を持たれ過ぎてしまうのか。
それでも僕は普通に接してほしい、例え演技でもいいからさ。
マイさんは頭良さそうだから、なにか上手い落としどころを見つけてもらいたいんだよね」
「私はどなたに対してもこんな口調ですからあまり問題は無さそうですね。
村長はともかく問題になるのはマサタカさんとカナエさんでしょう。
教育者が他の生徒とあからさまな差をつけることは確かに好ましくありません。
そう言い聞かせて割り切ってもらうしかないでしょうね。
工房長は口の悪い人なので逆にもっと気を使ってもらいたいくらいです。
孤児院の先生方は私と似たようなもの、歴史館は私の身内ですので言い聞かせておきます」
「ありがとう、とても助かるよ。
みんながロミさんとかジンタさんみたいだと助かるんだけどな」
「ロミさん、ジュース売りの女性ですね……
ジンタさんは確か木の実を売っている、宿屋のナミエさんのご主人ですね」
「知ってる人?
あの人たちはごく普通の村の人って思えばいいのかな?」
「そうですね、彼らは何代か前に移住してきた方たちですね。
ダイキ様を直接知らない村民たちは小村様一族への執着はそれほどないでしょう。
移住者や普通の若い世代にとっては神々の争いは神話扱いですから」
七百年前と言ったら戦国時代くらいになるのか? 確かに現実味を持てなくて当然だし、いっそそれくらいの扱いにしてもらった方がありがたい。だが長年待ち続けていたと言われると、簡単に切り替えることも難しいのだろうと理解はできる。まったく爺ちゃんは、僕たちのことをとんでもない爆弾扱いにしてくれちゃったもんだ。
「じゃあこの生麺の調査もお願いします。
もし宿屋で扱うなら全部お譲りするって伝えてね。
それともう一つ聞きたいことがあってね、村人の名前って大体みんなこんな感じ?
行って通じるかわからないけど、どの人も日本人っぽい、向こうの世界っぽいんだよね」
「ああ、それはですね、歴史館で同じ物が読めるのですけど――」
マイが出して来たのは一冊の本だった。表紙には『コ村人名参考名集 編纂 コムラ・イチロウ』と書かれている。もしかしてこれはマイさんの祖先が書いたものだろうか。
「編纂者はお察しの通り私の先祖で、ダイキ様に救われたコ村最初の村人の一人です。
イチロウはダイキ様がこちらの世界で名づけた最初の孤児でした。
それからは孤児を拾うたびに名前を付けて行ったのです。
やがてその子らが成長し子を持つと当然のように名を付けてくださいました。
その名を集めてまとめたのがこの本なのです」
「えっと…… それからずっとこの本に載ってる名前しか付けてないなんてことないよね?
何人分くらい掲載されているのか知らないけど被っちゃって仕方ないでしょ」
「そうですね、結構同じ名の者も多いですよ。
そう言う時は地区名を付けて呼んだりします、北五番のタロウ、とか。
ダイキ様が名づけたもののほかに、似た語感の名が候補としても載っております。
別に決まりはありませんが、村で産まれた者たちはほぼすべてこの本から名づけられています。
他の村や街とは語感が明らかに異なるのも特徴ですね」
「よーくわかりました、大体のことは爺ちゃんのせいってことですね。
でも僕の知らない祖父の一面が知れてなんだか嬉しい、かな」
「そうそう、もしかしてと思って見直したんですけどね。
この本には『ライト』と『マコ』『マコト』は載っていないのです。
やはりお孫さんは特別だったんだなって感動してしまいました」
それを聞いたら余計に嬉しさと恥ずかしさが溢れ出て来て、僕は赤くなってそうな顔を隠すように観光案内所を後にした。
「こんにちはマイさん、お疲れさま。
これ差し入れです、売れ行き良かったので味も大丈夫なはず」
「あら雷人様、ごきげんよう。
これは昨日おっしゃっていたエビの料理ですか?
衣をつけて揚げているなんて手が込んでいますね。
それではいただきます」
塩味しかついていないと言ったから安心だったのか、何のためらいもなく口へ運んでくれた。しばらくすると目を丸くして見開き感想を聞かせてくれた。
「すごくおいしいですね。
エビが柔らかいし衣はサクサク!
衣は小麦粉を溶いたものでしょうか」
「そうだと思う、半分出来合いなので同じ物はもう作れないんだけど……
あと少しだけ未調理分が残っているので気に入ったならまた持ってきますね。
それで今日は少し相談があるんです」
僕は麺のことと校長達からの扱いについて相談した。もちろんマイにも、もっと気楽に接してほしいことを伝えたが返答はあまり芳しいものではなかった。
「お気持ちはわかります、でもいきなりは難しいでしょう。
私の一族をはじめ、村の一部の者は約七百年の間お待ちしていたのです。
ここも今でこそ観光案内所としていますが、元々は違う目的で作られました。
ダイキ様のお蔭で神々の争いが終焉したものの、天神信仰者を滅ぼそうと言う勢力もいました。
それを止めるために、なぜ人はいがみ合うのかという根本からを学ぶ場所だったのです」
「それがなんで観光案内所に?
ああでも歴史館もあるからそっちでは学べるのか」
「はい、その通りです。
世界から天神の加護が無くなり、天神信仰は名前だけのものとなりました。
ですので信仰者はどんどん減っていったのです。
それでもまだ西側には少数の街や村が残っていますけどね。
追いやられた天神信仰者たちは当然我々を恨んでいるでしょう。
ですが、魔神信仰者が迫害をしないようダイキ様の正しいお考えを広める必要があります。
そのため観光案内所を併設して世界中から来訪者を集め、歴史を学んでもらっているのです」
「それと僕たちの関係性がいまいちわかりませんね。
マイさんは爺ちゃんの養子の家系って聞いたからまだなんとかわかるけど。
村長さんは代々村長の家系でしたっけ?
代々の校長達もなにか役目があったんですか?」
「それぞれ私の先祖と同じように村を興した者の末裔ですね。
最初から学校と孤児院、工房はありました。
それまでは子供へ一括した教育を施すと言う概念自体なくダイキ様が作られたのです。
ちなみにコ村は魔道具発祥の地で、工房は今も研究の最先端なのですよ。
ダイキ様は元々現在の公民館にお住まいでしたが、巡礼者が多すぎたので丘の上に移りました。
ですから初期村民にとって、コ村はダイキ様からお預かりしているものなのです」
「そっかぁ、そういう事情があるから領主扱いだとか敬意を持たれ過ぎてしまうのか。
それでも僕は普通に接してほしい、例え演技でもいいからさ。
マイさんは頭良さそうだから、なにか上手い落としどころを見つけてもらいたいんだよね」
「私はどなたに対してもこんな口調ですからあまり問題は無さそうですね。
村長はともかく問題になるのはマサタカさんとカナエさんでしょう。
教育者が他の生徒とあからさまな差をつけることは確かに好ましくありません。
そう言い聞かせて割り切ってもらうしかないでしょうね。
工房長は口の悪い人なので逆にもっと気を使ってもらいたいくらいです。
孤児院の先生方は私と似たようなもの、歴史館は私の身内ですので言い聞かせておきます」
「ありがとう、とても助かるよ。
みんながロミさんとかジンタさんみたいだと助かるんだけどな」
「ロミさん、ジュース売りの女性ですね……
ジンタさんは確か木の実を売っている、宿屋のナミエさんのご主人ですね」
「知ってる人?
あの人たちはごく普通の村の人って思えばいいのかな?」
「そうですね、彼らは何代か前に移住してきた方たちですね。
ダイキ様を直接知らない村民たちは小村様一族への執着はそれほどないでしょう。
移住者や普通の若い世代にとっては神々の争いは神話扱いですから」
七百年前と言ったら戦国時代くらいになるのか? 確かに現実味を持てなくて当然だし、いっそそれくらいの扱いにしてもらった方がありがたい。だが長年待ち続けていたと言われると、簡単に切り替えることも難しいのだろうと理解はできる。まったく爺ちゃんは、僕たちのことをとんでもない爆弾扱いにしてくれちゃったもんだ。
「じゃあこの生麺の調査もお願いします。
もし宿屋で扱うなら全部お譲りするって伝えてね。
それともう一つ聞きたいことがあってね、村人の名前って大体みんなこんな感じ?
行って通じるかわからないけど、どの人も日本人っぽい、向こうの世界っぽいんだよね」
「ああ、それはですね、歴史館で同じ物が読めるのですけど――」
マイが出して来たのは一冊の本だった。表紙には『コ村人名参考名集 編纂 コムラ・イチロウ』と書かれている。もしかしてこれはマイさんの祖先が書いたものだろうか。
「編纂者はお察しの通り私の先祖で、ダイキ様に救われたコ村最初の村人の一人です。
イチロウはダイキ様がこちらの世界で名づけた最初の孤児でした。
それからは孤児を拾うたびに名前を付けて行ったのです。
やがてその子らが成長し子を持つと当然のように名を付けてくださいました。
その名を集めてまとめたのがこの本なのです」
「えっと…… それからずっとこの本に載ってる名前しか付けてないなんてことないよね?
何人分くらい掲載されているのか知らないけど被っちゃって仕方ないでしょ」
「そうですね、結構同じ名の者も多いですよ。
そう言う時は地区名を付けて呼んだりします、北五番のタロウ、とか。
ダイキ様が名づけたもののほかに、似た語感の名が候補としても載っております。
別に決まりはありませんが、村で産まれた者たちはほぼすべてこの本から名づけられています。
他の村や街とは語感が明らかに異なるのも特徴ですね」
「よーくわかりました、大体のことは爺ちゃんのせいってことですね。
でも僕の知らない祖父の一面が知れてなんだか嬉しい、かな」
「そうそう、もしかしてと思って見直したんですけどね。
この本には『ライト』と『マコ』『マコト』は載っていないのです。
やはりお孫さんは特別だったんだなって感動してしまいました」
それを聞いたら余計に嬉しさと恥ずかしさが溢れ出て来て、僕は赤くなってそうな顔を隠すように観光案内所を後にした。
27
お気に入りに追加
1,731
あなたにおすすめの小説

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる