零式

01

エピソード1

ー警視庁ー


「先程千条と火神を上芝邸に向かわせました。紀伊警視総監」



「零式…。この組織の歴史は長い。君達、条のつく一族が先代より守り抜いて来た日本になくてはならない組織だ。それは誰よりわかっているよね一条署長」



「はい。もちろんです」



「大丈夫なのかね。火神という男、条の一族とは何の関係もなければ警察官でもない。元自衛官だったか？君は頭が良くていい部下だってことは私がよく知っているがね。君が連れて来たんだろ？」



「大丈夫です、何かあれば全責任は私が負います。…ですが火神という男使い様によってはこれほど使い勝手の良い駒はありませんよ」



「…どういうことだ」




「条のつかない人間。だからです」




「面白い。引き続き報告を頼む」



「はい、失礼します」



ガチャ



「森君」



「はい、なにか」



「火神虎太郎という男の行動と身辺調査をしてくれ」



「かしこまりました」









紀伊宗雄(キイムネオ)
年齢：60歳
警視総監



森カナ江(モリカナエ)
年齢：26
秘書