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第3章 フェルミとの決別
第37話 吉川の復活
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青い月の警備体制は予想していたよりも貧弱なものだった。
想定通り敵の数は多かったが、その大半が階級の低い兵士であり、ソウコウらの初日の戦果は、敵死傷者数十八万人に上った。
ソウコウらの初日の活躍は瞬く間に青い月全体にニュースとして広がり、民衆も反フェルミの戦いに参加した。
青い月の王、セーヤは民衆の先頭に立ちフェルミ軍と戦った。
彼自身、高位の奇跡魔法の魔導士であるとともに一流の剣士でもあった。
結果、反乱戦開始からたったの四日間でフェルミ軍は撤退を余儀なくされる。
◇
青い月王宮――。
「ソウコウさん、サトシさん、アルデさん、ご無沙汰しています」
セーヤはソウコウたちを自ら笑顔で迎えた。
「セーヤ、元気そうで何よりだぜ」
「セーヤ!」
クローディアがセーヤに駆け寄る。
「姉さん! 無事じゃったんじゃね!」
「セーヤこそ。無事でえかったよ」
姉弟は固く抱き合い再開を喜んだ。
「ところでセーヤ、フェルミの常駐部隊は倒したが、これから増援部隊が来ることが考えられる」
「大丈夫です。姉さんの幻楼があれば敵など恐れる事もありません」
「奇跡魔法の秘術、幻楼か。あれには俺たちも手が出せないくらいだからな」
「ほうよ! ウチの幻楼の前には敵はないけぇ」
そう答えるとクローディアは力こぶを作って見せた。
「ところでセーヤ、相談があるんだが……」
「プレアデスの停泊地はこの星のプラットフォームを自由に使用していただいて結構です。それから、この星の各種施設も使用していただいて構いません」
「話が分かる! ありがたい」
「貴方たちだけに辛い思いをさせる訳にもいきませんから」
「ありがとう、セーヤ」
ソウコウとセーヤはガッチリと握手をした。
◇
プレアデスは青い月のプラットフォームに停泊した。
青い月は古代においてヌージィガからの星間移民で作られた文明のなかでは最も古い歴史を持ち、他の月(赤い月、白い月)やヌージィガが星内で勢力争いする中で失ってしまった古代の知識が今なお残る。
古代の知識の代表とも言えるのが「古代魔法」と呼ばれる魔法群だ。
古代魔法とは、事象の確率を操作する奇跡魔法、時の流れに抗う時魔法、命の炎を操る命魔法、あらゆる物体や空間を汚染する毒魔法、気象に関わり大きな効果をうむ天魔法の五属を指す。
「片山さん、ちょっと休暇をもらいます」
西野はサトシに休暇を願い出た。
サトシは驚いた。
まさかこの世界に来てまで休暇に申請が必要だとは思っていなかったし、そもそも休暇を取ったところで所縁となる場所もない世界だ。だから、サトシはつい尋ねた。
「何で休暇が必要なんだ?」
西野は一瞬目をそらす。本当に一瞬の出来事だった。西野自身意識しなかった。だが、サトシの直感はその視線の動きから相手の考えを感じ取った。
この直感と洞察力はサトシの強みだ。
「古代魔法について調べにいくのか?」
今度は西野が驚いた。どこまで見透かされたのかは判らなかったが、心の中を覗かれているように感じた。
西野は正直に話すことにした。
「吉川を生き返らせようと思います」
「どうやって?蘇生魔法でも蘇生可能時間を過ぎていて無理だったのに」
「ベリアルさんから命魔法であれば可能であろうと聞きました」
「命魔法……」
サトシも名前以外は知らない魔法だ。
「わかった、やってみろ」
◇
セーヤからの紹介を受けて、命魔法の高位魔導士のもとを訪れた西野とベリアル。
魔導士が語りかける。
「命とは流転する水が如し。汝何故此処に来た?」
「生き返らせたい人がいるんです」
「生き返らせたい……か。して、体は?」
「おぅ、今出してやる」
ベリアルは西野に手を伸ばした。西野はその手に吉川の遺骨を渡す。
遺骨を持ったベリアルは、意識の中で吉川の姿を強く思い出し、魔力を練り上げる。すると、遺骨から肉が生え、繋がる骨が生えてゆき、みるみる内に吉川の形を成した。
「ほう、これは見事な人体組成」
「おうよ、魔王様直々の組成だ。百年は持つぜ」
「この体に命を吹き込めば良いのだな?」
「はい、お願いします」
魔導士は吉川の肉体に小さな声で何かを囁く。すると、吉川は目をゆっくりと開いた。
「……吉川……」
西野は吉川の顔に手を触れる。その顔は温かい。血が巡っている。
次の瞬間、西野の手に激痛が走った。吉川が西野に噛みついたのだ。
「うわっ! 何すんだ!」
驚いて手を乱暴に振り放す。今起こったことの理由を求め、魔道士の顔を見る。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」
「あん? どういう意味だ?」
ベリアルが魔道士の胸倉を掴む。
「古い器に新しい命の炎を灯したのだ。この命は赤子のようなもの」
「俺が望んだのは、こういうものじゃない!」
「では、どうする? この命、摘むというのか?」
「いや……それは……」
西野は口ごもる。どうすればよいのか判らない。
「まぁ、しゃぁねぇな。燃やすか?」
ベリアルの手のひらに炎が生まれる。
「いや、待ってください……待ってください……」
「ってもなぁ、どうすんだよ。コレ」
ベリアルは呆れている。
西野は悩んだ末、この「吉川のような何か」を艦に持ち帰ることとした。
◇
青い月宿泊先――。
「西野、命を生み出した責任は重いぞ。お前はこの吉川を見捨ててはいけない」
サトシが説教する。そこへベリアルが割って入る。
「まぁいいじゃねぇか。知能に問題があるなら俺が魔法で知性を与えてやるよ」
そういうとベリアルは光の玉を生み出す。光の玉は吉川の頭に吸い込まれて消える。
「俺……吉川……ぷれあですノ戦士……敵……皆殺シ……」
「ほら、喋れるようになっただろ。ちなみにサービスとして不死化の術もかけといた」
ベリアルは自信満々だ。一方で一同は唖然としている。
「「「全然違うじゃねぇか!!」」」
ともあれ、以前とは違う形ではあるが吉川は復活したのだった。
想定通り敵の数は多かったが、その大半が階級の低い兵士であり、ソウコウらの初日の戦果は、敵死傷者数十八万人に上った。
ソウコウらの初日の活躍は瞬く間に青い月全体にニュースとして広がり、民衆も反フェルミの戦いに参加した。
青い月の王、セーヤは民衆の先頭に立ちフェルミ軍と戦った。
彼自身、高位の奇跡魔法の魔導士であるとともに一流の剣士でもあった。
結果、反乱戦開始からたったの四日間でフェルミ軍は撤退を余儀なくされる。
◇
青い月王宮――。
「ソウコウさん、サトシさん、アルデさん、ご無沙汰しています」
セーヤはソウコウたちを自ら笑顔で迎えた。
「セーヤ、元気そうで何よりだぜ」
「セーヤ!」
クローディアがセーヤに駆け寄る。
「姉さん! 無事じゃったんじゃね!」
「セーヤこそ。無事でえかったよ」
姉弟は固く抱き合い再開を喜んだ。
「ところでセーヤ、フェルミの常駐部隊は倒したが、これから増援部隊が来ることが考えられる」
「大丈夫です。姉さんの幻楼があれば敵など恐れる事もありません」
「奇跡魔法の秘術、幻楼か。あれには俺たちも手が出せないくらいだからな」
「ほうよ! ウチの幻楼の前には敵はないけぇ」
そう答えるとクローディアは力こぶを作って見せた。
「ところでセーヤ、相談があるんだが……」
「プレアデスの停泊地はこの星のプラットフォームを自由に使用していただいて結構です。それから、この星の各種施設も使用していただいて構いません」
「話が分かる! ありがたい」
「貴方たちだけに辛い思いをさせる訳にもいきませんから」
「ありがとう、セーヤ」
ソウコウとセーヤはガッチリと握手をした。
◇
プレアデスは青い月のプラットフォームに停泊した。
青い月は古代においてヌージィガからの星間移民で作られた文明のなかでは最も古い歴史を持ち、他の月(赤い月、白い月)やヌージィガが星内で勢力争いする中で失ってしまった古代の知識が今なお残る。
古代の知識の代表とも言えるのが「古代魔法」と呼ばれる魔法群だ。
古代魔法とは、事象の確率を操作する奇跡魔法、時の流れに抗う時魔法、命の炎を操る命魔法、あらゆる物体や空間を汚染する毒魔法、気象に関わり大きな効果をうむ天魔法の五属を指す。
「片山さん、ちょっと休暇をもらいます」
西野はサトシに休暇を願い出た。
サトシは驚いた。
まさかこの世界に来てまで休暇に申請が必要だとは思っていなかったし、そもそも休暇を取ったところで所縁となる場所もない世界だ。だから、サトシはつい尋ねた。
「何で休暇が必要なんだ?」
西野は一瞬目をそらす。本当に一瞬の出来事だった。西野自身意識しなかった。だが、サトシの直感はその視線の動きから相手の考えを感じ取った。
この直感と洞察力はサトシの強みだ。
「古代魔法について調べにいくのか?」
今度は西野が驚いた。どこまで見透かされたのかは判らなかったが、心の中を覗かれているように感じた。
西野は正直に話すことにした。
「吉川を生き返らせようと思います」
「どうやって?蘇生魔法でも蘇生可能時間を過ぎていて無理だったのに」
「ベリアルさんから命魔法であれば可能であろうと聞きました」
「命魔法……」
サトシも名前以外は知らない魔法だ。
「わかった、やってみろ」
◇
セーヤからの紹介を受けて、命魔法の高位魔導士のもとを訪れた西野とベリアル。
魔導士が語りかける。
「命とは流転する水が如し。汝何故此処に来た?」
「生き返らせたい人がいるんです」
「生き返らせたい……か。して、体は?」
「おぅ、今出してやる」
ベリアルは西野に手を伸ばした。西野はその手に吉川の遺骨を渡す。
遺骨を持ったベリアルは、意識の中で吉川の姿を強く思い出し、魔力を練り上げる。すると、遺骨から肉が生え、繋がる骨が生えてゆき、みるみる内に吉川の形を成した。
「ほう、これは見事な人体組成」
「おうよ、魔王様直々の組成だ。百年は持つぜ」
「この体に命を吹き込めば良いのだな?」
「はい、お願いします」
魔導士は吉川の肉体に小さな声で何かを囁く。すると、吉川は目をゆっくりと開いた。
「……吉川……」
西野は吉川の顔に手を触れる。その顔は温かい。血が巡っている。
次の瞬間、西野の手に激痛が走った。吉川が西野に噛みついたのだ。
「うわっ! 何すんだ!」
驚いて手を乱暴に振り放す。今起こったことの理由を求め、魔道士の顔を見る。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」
「あん? どういう意味だ?」
ベリアルが魔道士の胸倉を掴む。
「古い器に新しい命の炎を灯したのだ。この命は赤子のようなもの」
「俺が望んだのは、こういうものじゃない!」
「では、どうする? この命、摘むというのか?」
「いや……それは……」
西野は口ごもる。どうすればよいのか判らない。
「まぁ、しゃぁねぇな。燃やすか?」
ベリアルの手のひらに炎が生まれる。
「いや、待ってください……待ってください……」
「ってもなぁ、どうすんだよ。コレ」
ベリアルは呆れている。
西野は悩んだ末、この「吉川のような何か」を艦に持ち帰ることとした。
◇
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「西野、命を生み出した責任は重いぞ。お前はこの吉川を見捨ててはいけない」
サトシが説教する。そこへベリアルが割って入る。
「まぁいいじゃねぇか。知能に問題があるなら俺が魔法で知性を与えてやるよ」
そういうとベリアルは光の玉を生み出す。光の玉は吉川の頭に吸い込まれて消える。
「俺……吉川……ぷれあですノ戦士……敵……皆殺シ……」
「ほら、喋れるようになっただろ。ちなみにサービスとして不死化の術もかけといた」
ベリアルは自信満々だ。一方で一同は唖然としている。
「「「全然違うじゃねぇか!!」」」
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