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第2章 フェルミ通商条約機構の一員として
第27話 パシィの悲劇
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惑星パシィのフェルミ通商条約機構加盟記念式典が行われることになった。
プレアデスはその警備のため、会場である人工惑星ムーハ2号球の衛生軌道上で待機している。
警備には各文明の主力艦隊が動員されており、さながら軍事パレードのようだ。
「あれはギガン軍装甲空母隊! こっちにはオリク軍高速戦艦隊ですよ! すごい!」
ウサは各軍の主力艦隊に大興奮して跳び跳ねている。
「これは壮観じゃのう」
アルデも感嘆の声をあげた。
辺りには数百もの艦船が犇めいているのだ、無理もない。
「それだけ敵にとっては好機と言うことか」
サトシは気を抜かない。手厚い警備は激しい戦闘を想定しているからだ。
「奴が来るかもしれないな」
「奴」とはジェミ軍事同盟のエースパイロット「白炎のコボル」のことだ。
◇
その頃、ムーハ2号球から半日の距離では、ジェミ軍事同盟の大部隊が重巡洋艦「パール」を旗艦とし展開していた。パールの艦内には15体の人型兵器が直立している。
「お前ら! 今日の式典、敵は各文明の主要艦隊が揃う。これこそ我が軍人型兵器隊の活躍を世に知らしめる好機だ!」
パールの艦長ボロンが兵を焚き付ける。
兵士たちは腕を振り上げそれに応える。
「ガイナには礼をいわねぇとな、資源不足の中これだけの兵器を用意してくれたんだからな」
ボロンは並ぶ部隊長たちの顔を見渡し、今日の戦いにおける準備の功労者を探した。
しかし、いくら探しても目当ての顔は見当たらない。
「ガイナがいないようだが……」
そこへ伝令がやって来てひざまづいて告げた。
「ボロン様、ガイナ様より通信が入っております」
「繋げてくれ」
ボロンは嫌な予感がした。
役割上、勘は鋭い。その予感が外れた事はなかった。
自室に戻り通信機を起動する。
通信機からガイナの声が聞こえる。
時々ノイズが混じるのは、ガイナの居場所が相当遠くだからだろう。
「ボロン、パシィのフェルミ加盟は我々にとって痛手だった」
「そうだな、同感だ」
確かに、傍受不可能な高機能通信が敵に付いた今、ジェミは情報戦において圧倒的に不利な立場にある。
「パシィを放っておくと、必ず脅威となる『赤い月』と同じようにな」
「それも同感だ」
「パシィという脅威をこの宇宙から排除する必要がある」
「それは分かっている。でも軍属ではない民間人は殺せねぇ」
「建前上はな。しかし、俺たちはやってきただろう?」
一瞬の沈黙が流れる。
「昔はな……今はもう許されないことだ」
「その通りだ。だから一部隊長が暴走したことにすれば良い」
「ガイナ、お前何を……?」
「これより我が隊は独自の判断により行動する」
「お前どこにいる?」
「惑星パシィ上空だ」
「ガイナ、ダメだ。退け」
ガイナは軽く笑って言った。
「英雄であるあんたらに汚れ役はやらせられんだろう? ボロン、コボル、俺はあんたらに賭けてるんだ」
そう言うとガイナは一方的に通信を切った。
ボロンは自室にコボルを呼び、命令を下した。
「……コボル。できる限り損失を出さずに戦闘を長引かせろ。できるな?」
「あぁ。分かった」
そしてボロンは通信機で惑星パシィ方面の部隊に指示を出す。
「パシィ方面隊に通信! ガイナ隊が独断行動をとっている。阻止しろ、抵抗する場合は……撃墜せよ」
「了解しました」
◇
式典が始まった。
フェルミ各国の要人が一同に集まっている。
警戒は最高レベルだ。
そんな中、ジェミの艦隊はやって来た。
旗艦はパールだ。
「きたか、コボル……」
ソウコウが敵を睨む。
プレアデス作戦室に緊張が走る。
「コボルは俺が相手をする。サトシ、艦を頼む」
ソウコウはロボ格納庫へ行ってしまった。
「嫌ァァァっ!!」
突如ユウナが虚空を見つめて叫んだ。
「ユウナどうした?」
「パシィの空に……敵の艦隊が……」
「サーシャ! 惑星パシィに全速航行でどれくらいかかる!?」
「最高速度で3日間はかかります」
「間に合わない! ユウナ、パシィ近辺の船に救援依頼を!」
「キャァァァァ!」
ユウナは倒れ、弓なりになって痙攣する。
口からは泡を吹き失禁している。
「熱いよぉ……痛いよぉ……」
虚ろな目でうわ言のように呟くユウナ。
「ダメじゃ! 話せる状態にない!」
パシィには意識を共有できるからこそ争いがなかった。
精神を共有できるがゆえにパシィの民を襲う痛み。
他者の死の苦しみさえも彼女たちは共有してしまうのだ。
実際、その時パシィでは過去経験したことのない規模での爆撃が行われていた。
超高高度からの大都市に対する爆撃は億単位の死を生み出す。その恐怖が、痛みが、熱さが、死の苦しみがすべてのパシィ人に共有されているのだ。
「ようこそ!パシィ!」と書かれた横断幕の下で悶え苦しむパシィの大使。
各文明の大使が取り囲むが何もできない。
「燃えよパシィ。この喜びの日に絶望を」
ガイナは燃えるパシィを眺めながら呟いた。
そのガイナが乗る艦をジェミの戦艦が砲撃する。
◇
ムーハ2号球の衛生軌道上ではフェルミの警備隊とジェミの艦隊が激しい戦闘を繰り広げていた。
ジェミが戦線に投入した人型兵器、量産型ディアマンドは次々にフェルミの艦を沈めてゆく。
アイラ、西野、吉川も艦外で戦闘している。
敵艦を沈め、量産型ディアマンドも3機撃墜した。
その中でソウコウはコボルを追っていた。
「コボル! 逃げるのかっ!」
ソウコウの機体マイアから電撃魔法が放たれる。
コボルはそれを避けつつ、ソウコウに銃撃する。
一進一退の攻防だったが、両者決め手に欠けた。
ボロンのもとにガイナ討伐完了の知らせが届く。
「よし、戦果は十分だ。退くぞ!」
ジェミ軍は一斉に退却した。
◇
パールの艦内では、ガイナ配下の処分について部下が指示を仰いでいた。
「ガイナは反逆者です、奴の国に報復は?」
「必要ない。今回の行動は奴の独断だ」
「では、生き残りの処遇は?」
「ガイナ艦隊で奴の行動に参加しなかった者は不問とする。また、ガイナが研究していた人型兵器の研究は俺の指揮の下、継続するものとする」
◇
ガイナによるパシィ爆撃は一部隊長の反乱ということで、ジェミ首脳部は「不幸な事故」として処分した。
今回の爆撃により、パシィ本国では約2億人が犠牲となり、他にも爆撃による直接被害以外に精神汚染で多数のパシィ人が死んだ。
この日の出来事は「パシィの悲劇」として語られることとなる。
プレアデスはその警備のため、会場である人工惑星ムーハ2号球の衛生軌道上で待機している。
警備には各文明の主力艦隊が動員されており、さながら軍事パレードのようだ。
「あれはギガン軍装甲空母隊! こっちにはオリク軍高速戦艦隊ですよ! すごい!」
ウサは各軍の主力艦隊に大興奮して跳び跳ねている。
「これは壮観じゃのう」
アルデも感嘆の声をあげた。
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「それだけ敵にとっては好機と言うことか」
サトシは気を抜かない。手厚い警備は激しい戦闘を想定しているからだ。
「奴が来るかもしれないな」
「奴」とはジェミ軍事同盟のエースパイロット「白炎のコボル」のことだ。
◇
その頃、ムーハ2号球から半日の距離では、ジェミ軍事同盟の大部隊が重巡洋艦「パール」を旗艦とし展開していた。パールの艦内には15体の人型兵器が直立している。
「お前ら! 今日の式典、敵は各文明の主要艦隊が揃う。これこそ我が軍人型兵器隊の活躍を世に知らしめる好機だ!」
パールの艦長ボロンが兵を焚き付ける。
兵士たちは腕を振り上げそれに応える。
「ガイナには礼をいわねぇとな、資源不足の中これだけの兵器を用意してくれたんだからな」
ボロンは並ぶ部隊長たちの顔を見渡し、今日の戦いにおける準備の功労者を探した。
しかし、いくら探しても目当ての顔は見当たらない。
「ガイナがいないようだが……」
そこへ伝令がやって来てひざまづいて告げた。
「ボロン様、ガイナ様より通信が入っております」
「繋げてくれ」
ボロンは嫌な予感がした。
役割上、勘は鋭い。その予感が外れた事はなかった。
自室に戻り通信機を起動する。
通信機からガイナの声が聞こえる。
時々ノイズが混じるのは、ガイナの居場所が相当遠くだからだろう。
「ボロン、パシィのフェルミ加盟は我々にとって痛手だった」
「そうだな、同感だ」
確かに、傍受不可能な高機能通信が敵に付いた今、ジェミは情報戦において圧倒的に不利な立場にある。
「パシィを放っておくと、必ず脅威となる『赤い月』と同じようにな」
「それも同感だ」
「パシィという脅威をこの宇宙から排除する必要がある」
「それは分かっている。でも軍属ではない民間人は殺せねぇ」
「建前上はな。しかし、俺たちはやってきただろう?」
一瞬の沈黙が流れる。
「昔はな……今はもう許されないことだ」
「その通りだ。だから一部隊長が暴走したことにすれば良い」
「ガイナ、お前何を……?」
「これより我が隊は独自の判断により行動する」
「お前どこにいる?」
「惑星パシィ上空だ」
「ガイナ、ダメだ。退け」
ガイナは軽く笑って言った。
「英雄であるあんたらに汚れ役はやらせられんだろう? ボロン、コボル、俺はあんたらに賭けてるんだ」
そう言うとガイナは一方的に通信を切った。
ボロンは自室にコボルを呼び、命令を下した。
「……コボル。できる限り損失を出さずに戦闘を長引かせろ。できるな?」
「あぁ。分かった」
そしてボロンは通信機で惑星パシィ方面の部隊に指示を出す。
「パシィ方面隊に通信! ガイナ隊が独断行動をとっている。阻止しろ、抵抗する場合は……撃墜せよ」
「了解しました」
◇
式典が始まった。
フェルミ各国の要人が一同に集まっている。
警戒は最高レベルだ。
そんな中、ジェミの艦隊はやって来た。
旗艦はパールだ。
「きたか、コボル……」
ソウコウが敵を睨む。
プレアデス作戦室に緊張が走る。
「コボルは俺が相手をする。サトシ、艦を頼む」
ソウコウはロボ格納庫へ行ってしまった。
「嫌ァァァっ!!」
突如ユウナが虚空を見つめて叫んだ。
「ユウナどうした?」
「パシィの空に……敵の艦隊が……」
「サーシャ! 惑星パシィに全速航行でどれくらいかかる!?」
「最高速度で3日間はかかります」
「間に合わない! ユウナ、パシィ近辺の船に救援依頼を!」
「キャァァァァ!」
ユウナは倒れ、弓なりになって痙攣する。
口からは泡を吹き失禁している。
「熱いよぉ……痛いよぉ……」
虚ろな目でうわ言のように呟くユウナ。
「ダメじゃ! 話せる状態にない!」
パシィには意識を共有できるからこそ争いがなかった。
精神を共有できるがゆえにパシィの民を襲う痛み。
他者の死の苦しみさえも彼女たちは共有してしまうのだ。
実際、その時パシィでは過去経験したことのない規模での爆撃が行われていた。
超高高度からの大都市に対する爆撃は億単位の死を生み出す。その恐怖が、痛みが、熱さが、死の苦しみがすべてのパシィ人に共有されているのだ。
「ようこそ!パシィ!」と書かれた横断幕の下で悶え苦しむパシィの大使。
各文明の大使が取り囲むが何もできない。
「燃えよパシィ。この喜びの日に絶望を」
ガイナは燃えるパシィを眺めながら呟いた。
そのガイナが乗る艦をジェミの戦艦が砲撃する。
◇
ムーハ2号球の衛生軌道上ではフェルミの警備隊とジェミの艦隊が激しい戦闘を繰り広げていた。
ジェミが戦線に投入した人型兵器、量産型ディアマンドは次々にフェルミの艦を沈めてゆく。
アイラ、西野、吉川も艦外で戦闘している。
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その中でソウコウはコボルを追っていた。
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コボルはそれを避けつつ、ソウコウに銃撃する。
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ボロンのもとにガイナ討伐完了の知らせが届く。
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◇
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