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本編
第三十九話 魔法国家ロスワ
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ロスワの首都グジン。
その都の中心にそびえる白く尖った巨塔。ロスワ中央評議会の建物だ。巨塔は下方からの光に照らされ夜空にまるで浮いているかのように立っている。
巨塔を中心として円形に黒と青を基調とした町が広がっている。建物はいずれも同じ大きさ、同じ三角屋根の二階建てだ。ドアは焼き目の入った木材で出来ており、これも全ての家が同じだ。
建物の間には新鮮な水が流れる側溝があり、道端には魔法の青い灯が足元を照らす。石畳の白い色が青い光を反射して道が浮き上がって見える。
町を歩く人々は皆同じ黒地に白い刺繍の入った服を着、同じ歩き方で道の左側によって歩く。平民に屋外での私語は許されてはいない。
厳密な身分制度のあるロスワでは民に居住地や住居、服装、動作を選択する権利はなく、そこに住むものの選択し得るすべてが中央評議会の意思で決まる。そのため、町はまるで舞台演劇の一シーンを切り取ったかのように整っている。
銀の装飾が施された深い青色の箱が、腰の高さに浮いて町の中を音もなく滑る。大きさは道の半分ほどだ。
この箱はロスワ中央評議会の輿だ。輿は中央の塔からへ町の東側、身分の高いものが住むエリアへと向かう。
「まさか魔砲台が陥落するとはな……」
輿の中で長く白い髭をたくわえた長身の男が呟いた。この男、名はタルフという。ロスワ中央評議会の議長であり、この国の最高権力者だ。
彼が「魔砲台」と呼んだのは首都グジンの郊外にある巨大魔法陣だ。国内の中級から上級の魔道士の多くが暮らしていた町でもある。その魔砲台がヌージィガ軍によって陥落したのは本日の昼過ぎの事になる。
魔砲台の陥落は主力兵器と主力部隊両方の喪失であり、ロスワ軍にとっては大打撃であった。
隣国ヌージィガとの戦争において、開戦当初ロスワはヌージィガ軍の攻撃可能範囲の大きく外側から一方的に攻撃しており、圧倒的に戦況優勢と思われていた。
魔砲台から日々届く戦果報告も評議会の面々にとっては退屈なものだった。下々の兵の生死など評議会にとってはどうでもよいことだったのだ。故に、魔砲台が観測した敵小規模部隊の接近も聞き流し、その小規模部隊によって首都郊外防衛隊が倒されたことも聞き流してしまったのだ。
評議会は慢心していた。
魔砲台が強力すぎたのだ。魔砲台が作られ、隣国からの侵攻が脅威でないと認識した時点からこの国は滅亡に向かっていたと言える。
戦況は魔砲台の陥落によってあっけなく逆転した。
国境線上に広がる荒野地帯に足止めされていたヌージィガ軍の主力部隊は一気にロスワ首都に向けて進軍したと考えられる。最も首都近くにいた部隊についてはその松明の明かりが中央評議会の塔から目視確認できた。明朝には首都に到達するだろう。
タルフの頭の中には、自分とその一族が逃げのびることしかない。
長く続いた身分制度は責任の意識を忘れさせていた。
◇
「イシュファラ、聞こえるか?」
タケルは宙に向かって声をかけた。話の相手ははるか彼方にいる紅月隊八番隊隊長のイシュファラだ。イシュファラは音を操る能力を持っている。
――はい、聞こえます。王様。
イシュファラの声がタケルの耳に直接響く。
その声は落ち着いた女性のようにも聞こえるが、この声がイシュファラの本当の声である確証はない。
イシュファラの能力は「任意の音を聞き、任意の音を伝える」能力であるからだ。
今聞こえている声は、彼女……あるいは彼の「聞かせたい」声であって、それは肉声ではない。
サトシであれば、声の主の性別や容姿などよりも会話の中身を重要視するだろう。だが、タケルは違う。
タケルは相手の容姿、考え方、性別、そういったものを重要視する。つまりは「腹を割って話せるかどうか?」を気にするタイプだ。
「敵首都を攻めるんで、我軍の本隊と合流したい。いつごろ到着可能になる?」
――最も近い部隊で日の出後、最も遠い部隊で明日の昼ごろに合流可能かと思います。
「わかった。じゃぁそれまで砲台の町の跡地にいるから、全軍そこに集めてくれ」
――承知しました。
至って事務的なイシュファラの言葉にタケルは少し苛ついた。
彼は少々短気なところがある。
◇
タルフを乗せた輿は彼の自宅へと着いた。
自宅の外壁には大きな紋章の刺繍が掲げられている。丁字杖に二重魔法陣。クルト家の紋章だ。
ロスワはかつて王国であった。
軍部による王族、貴族を皆殺しにするというクーデターによって現在の議会制度が生まれた。
もっとも「議会制」とはいっても、国政は議論によって動くのではなく、世襲制の身分制度のもとで動いている。
支配層の首がすげ変わっただけで、王国時代と基本的な国のありようには変わりはなかった。
クルト家はその身分制度の中でトップに君臨する名家だ。
「父上、おかえりなさいませ」
帰宅したタルフを三人の娘たちが迎える。彼女たちも名家の地を引く優れた魔法の才能を持っている。
特に長女カムュはロスワ内でも屈指の補助系魔法の使い手で、身体能力向上魔法、防壁魔法を得意とする。戦場に立った経験こそないが、間違いなく敵にとっての脅威となり得る存在だ。
次女オキァ、三女リグゥもそれぞれ攻撃系、回復系の上位魔法の使い手である。
「お前たち、すぐに旅支度をするのだ」
タルフは家中に命令した。普段であれば物静かでゆったりとした家長である。その家長が焦る様子は家中の者たちに尋常ではない出来事が起こったことを理解させた。
召使たちが急ぎクルト家家人の支度を整える。
「旅……と仰られても、何処へ向かうのですか?」
長女カムュが珍しく父親に質問をした。
「隣国……軍事国家ギガンだ」
「ギガン……」
三姉妹たちの表情が曇る。ロスワと隣国ギガンは表立った戦争状態ではないが、地方では領土争いの小競り合いが発生している関係だ。それにギガンの兵士たちは粗暴であると聞かされていたからだ。
とはいえ、家長であるタルフの決定に口出しは許されない。娘たちは行く末に不安を感じながらも、有事に備えこしらえた美しい鎧を身にまとった。
上空に浮かぶ二つの月の片方が西に沈み、太陽の気配が地平線を際立たせる頃にタルフたちは自宅を出発した。
◇
日が昇る。
ヌージィガ軍は砲台の町の跡地に集結を始めていた。タケルは砲台の最上部からその様子を確認する。
「……約五千といった所か……」
誰に向けるでも無くタケルは人数の目算を呟く。
「すぐにでも出発したい。そんな感じだな」
後ろからソウコウが声をかけながら歩いてきた。タケルは下方から目を逸らさない。
「いぃや……これで十分なのかどうかイマイチ測りかねてる」
「ほぉ、意外だな」
からかいでは無く、ソウコウは本当に意外に感じた。敵の主力部隊が展開していたであろう「砲台の町」をわずか三〇〇名ほどで攻略した王の言葉とは思えなかった。
「ロスワの主部隊はおそらくもういないが……何を気にしている?」
「……わかんねぇ。ただ……不安を感じてる」
「直感か。サトシにはないアンタらしい理由だ」
◇
タルフとその娘たちを乗せた大きな輿は東方……隣国ギガンへ向けて移動していた。
輿が突然動きを止めた。
「何だ? なぜ停まるか?」
タルフは苛立ち、輿の四隅を支える御者を怒鳴る。
しかし、御者から返事は無かった。
タルフは輿から出、御者に詰め寄り、そのローブを剥いだ。
ローブを剥いだ下に在るはずの肉体は、透き通った塊になっている。
「これは…………!」
氷だ。御者の肉体は氷の塊になっていた。
「ンフフ おどろいているようだな タルフ」
タルフの右の耳元で囁くような声がした。声の方向を振り向くと、そこには真っ白な肌をした人に似た何かがいた。
それは人より一回り大きな体で、大きな目と大きく開いた口が印象的な生き物だった。
タルフはそれを見るのは初めてであったが、それが何者なのかは昔話で知っていた。
「……国神、氷業神魔……実在したのか……」
氷業神魔は長い手でタルフの肩を掴み、囁いた。
「逃げるな 汝が 逃げれば ロスワの 負けだ」
「しかし……我軍の主力部隊は壊滅、この戦はもはや……」
「ンフフ ならば 力を 貸してやろう」
光が輿を包んだ。
その都の中心にそびえる白く尖った巨塔。ロスワ中央評議会の建物だ。巨塔は下方からの光に照らされ夜空にまるで浮いているかのように立っている。
巨塔を中心として円形に黒と青を基調とした町が広がっている。建物はいずれも同じ大きさ、同じ三角屋根の二階建てだ。ドアは焼き目の入った木材で出来ており、これも全ての家が同じだ。
建物の間には新鮮な水が流れる側溝があり、道端には魔法の青い灯が足元を照らす。石畳の白い色が青い光を反射して道が浮き上がって見える。
町を歩く人々は皆同じ黒地に白い刺繍の入った服を着、同じ歩き方で道の左側によって歩く。平民に屋外での私語は許されてはいない。
厳密な身分制度のあるロスワでは民に居住地や住居、服装、動作を選択する権利はなく、そこに住むものの選択し得るすべてが中央評議会の意思で決まる。そのため、町はまるで舞台演劇の一シーンを切り取ったかのように整っている。
銀の装飾が施された深い青色の箱が、腰の高さに浮いて町の中を音もなく滑る。大きさは道の半分ほどだ。
この箱はロスワ中央評議会の輿だ。輿は中央の塔からへ町の東側、身分の高いものが住むエリアへと向かう。
「まさか魔砲台が陥落するとはな……」
輿の中で長く白い髭をたくわえた長身の男が呟いた。この男、名はタルフという。ロスワ中央評議会の議長であり、この国の最高権力者だ。
彼が「魔砲台」と呼んだのは首都グジンの郊外にある巨大魔法陣だ。国内の中級から上級の魔道士の多くが暮らしていた町でもある。その魔砲台がヌージィガ軍によって陥落したのは本日の昼過ぎの事になる。
魔砲台の陥落は主力兵器と主力部隊両方の喪失であり、ロスワ軍にとっては大打撃であった。
隣国ヌージィガとの戦争において、開戦当初ロスワはヌージィガ軍の攻撃可能範囲の大きく外側から一方的に攻撃しており、圧倒的に戦況優勢と思われていた。
魔砲台から日々届く戦果報告も評議会の面々にとっては退屈なものだった。下々の兵の生死など評議会にとってはどうでもよいことだったのだ。故に、魔砲台が観測した敵小規模部隊の接近も聞き流し、その小規模部隊によって首都郊外防衛隊が倒されたことも聞き流してしまったのだ。
評議会は慢心していた。
魔砲台が強力すぎたのだ。魔砲台が作られ、隣国からの侵攻が脅威でないと認識した時点からこの国は滅亡に向かっていたと言える。
戦況は魔砲台の陥落によってあっけなく逆転した。
国境線上に広がる荒野地帯に足止めされていたヌージィガ軍の主力部隊は一気にロスワ首都に向けて進軍したと考えられる。最も首都近くにいた部隊についてはその松明の明かりが中央評議会の塔から目視確認できた。明朝には首都に到達するだろう。
タルフの頭の中には、自分とその一族が逃げのびることしかない。
長く続いた身分制度は責任の意識を忘れさせていた。
◇
「イシュファラ、聞こえるか?」
タケルは宙に向かって声をかけた。話の相手ははるか彼方にいる紅月隊八番隊隊長のイシュファラだ。イシュファラは音を操る能力を持っている。
――はい、聞こえます。王様。
イシュファラの声がタケルの耳に直接響く。
その声は落ち着いた女性のようにも聞こえるが、この声がイシュファラの本当の声である確証はない。
イシュファラの能力は「任意の音を聞き、任意の音を伝える」能力であるからだ。
今聞こえている声は、彼女……あるいは彼の「聞かせたい」声であって、それは肉声ではない。
サトシであれば、声の主の性別や容姿などよりも会話の中身を重要視するだろう。だが、タケルは違う。
タケルは相手の容姿、考え方、性別、そういったものを重要視する。つまりは「腹を割って話せるかどうか?」を気にするタイプだ。
「敵首都を攻めるんで、我軍の本隊と合流したい。いつごろ到着可能になる?」
――最も近い部隊で日の出後、最も遠い部隊で明日の昼ごろに合流可能かと思います。
「わかった。じゃぁそれまで砲台の町の跡地にいるから、全軍そこに集めてくれ」
――承知しました。
至って事務的なイシュファラの言葉にタケルは少し苛ついた。
彼は少々短気なところがある。
◇
タルフを乗せた輿は彼の自宅へと着いた。
自宅の外壁には大きな紋章の刺繍が掲げられている。丁字杖に二重魔法陣。クルト家の紋章だ。
ロスワはかつて王国であった。
軍部による王族、貴族を皆殺しにするというクーデターによって現在の議会制度が生まれた。
もっとも「議会制」とはいっても、国政は議論によって動くのではなく、世襲制の身分制度のもとで動いている。
支配層の首がすげ変わっただけで、王国時代と基本的な国のありようには変わりはなかった。
クルト家はその身分制度の中でトップに君臨する名家だ。
「父上、おかえりなさいませ」
帰宅したタルフを三人の娘たちが迎える。彼女たちも名家の地を引く優れた魔法の才能を持っている。
特に長女カムュはロスワ内でも屈指の補助系魔法の使い手で、身体能力向上魔法、防壁魔法を得意とする。戦場に立った経験こそないが、間違いなく敵にとっての脅威となり得る存在だ。
次女オキァ、三女リグゥもそれぞれ攻撃系、回復系の上位魔法の使い手である。
「お前たち、すぐに旅支度をするのだ」
タルフは家中に命令した。普段であれば物静かでゆったりとした家長である。その家長が焦る様子は家中の者たちに尋常ではない出来事が起こったことを理解させた。
召使たちが急ぎクルト家家人の支度を整える。
「旅……と仰られても、何処へ向かうのですか?」
長女カムュが珍しく父親に質問をした。
「隣国……軍事国家ギガンだ」
「ギガン……」
三姉妹たちの表情が曇る。ロスワと隣国ギガンは表立った戦争状態ではないが、地方では領土争いの小競り合いが発生している関係だ。それにギガンの兵士たちは粗暴であると聞かされていたからだ。
とはいえ、家長であるタルフの決定に口出しは許されない。娘たちは行く末に不安を感じながらも、有事に備えこしらえた美しい鎧を身にまとった。
上空に浮かぶ二つの月の片方が西に沈み、太陽の気配が地平線を際立たせる頃にタルフたちは自宅を出発した。
◇
日が昇る。
ヌージィガ軍は砲台の町の跡地に集結を始めていた。タケルは砲台の最上部からその様子を確認する。
「……約五千といった所か……」
誰に向けるでも無くタケルは人数の目算を呟く。
「すぐにでも出発したい。そんな感じだな」
後ろからソウコウが声をかけながら歩いてきた。タケルは下方から目を逸らさない。
「いぃや……これで十分なのかどうかイマイチ測りかねてる」
「ほぉ、意外だな」
からかいでは無く、ソウコウは本当に意外に感じた。敵の主力部隊が展開していたであろう「砲台の町」をわずか三〇〇名ほどで攻略した王の言葉とは思えなかった。
「ロスワの主部隊はおそらくもういないが……何を気にしている?」
「……わかんねぇ。ただ……不安を感じてる」
「直感か。サトシにはないアンタらしい理由だ」
◇
タルフとその娘たちを乗せた大きな輿は東方……隣国ギガンへ向けて移動していた。
輿が突然動きを止めた。
「何だ? なぜ停まるか?」
タルフは苛立ち、輿の四隅を支える御者を怒鳴る。
しかし、御者から返事は無かった。
タルフは輿から出、御者に詰め寄り、そのローブを剥いだ。
ローブを剥いだ下に在るはずの肉体は、透き通った塊になっている。
「これは…………!」
氷だ。御者の肉体は氷の塊になっていた。
「ンフフ おどろいているようだな タルフ」
タルフの右の耳元で囁くような声がした。声の方向を振り向くと、そこには真っ白な肌をした人に似た何かがいた。
それは人より一回り大きな体で、大きな目と大きく開いた口が印象的な生き物だった。
タルフはそれを見るのは初めてであったが、それが何者なのかは昔話で知っていた。
「……国神、氷業神魔……実在したのか……」
氷業神魔は長い手でタルフの肩を掴み、囁いた。
「逃げるな 汝が 逃げれば ロスワの 負けだ」
「しかし……我軍の主力部隊は壊滅、この戦はもはや……」
「ンフフ ならば 力を 貸してやろう」
光が輿を包んだ。
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