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本編
第一話 お疲れ様です。片山です。
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彼は今、自分のものではない肉体で戦っている。
暗闇の中に立っていた。
いつからここにいたのか、ここがどこなのか彼は知らない。
自分の状態を素早く認識しようとする。
手には棒状のものを持っているようだ。
身に付けているのは金属? 鎧だろうか?
暗闇なので視覚が利かないが、鼻を衝く濃い鉄の匂いは血の匂いに違いない。
前方の空間から押されるような気迫を感じる。敵。
命のやり取り。その現場、当事者であることを彼は感覚で理解した。
ここで怯んでは死ぬ。彼の直感がそう告げた。
敵の気配は闇に溶け込み、次の動作は読めない。
息を殺し、敵の気配を探る。
微かな音。
左側の暗がりだ。
瞬間。空間が飛び出してきたように感じた。圧倒的な迫力。
咄嗟に振り向く回転の重心移動を棒状のものに乗せて「それ」に叩きつけた。
カッターでポリ樹脂をカットするような、切り食い込む手ごたえ。これは剣だと認識する。
手にしたものが剣と理解した以上、自然と体は動かせる。
気配の方向に正対し、彼は再度「それ」に上段からの面を打った。
五〇センチ程度食い込んだ手ごたえの後に突如抵抗がなくなる。何を斬ったのかは分からないが、斬り抜いた手ごたえを感じた次の瞬間、生暖かい液体が体に降り注ぐ。
足元に何かが倒れる振動を感じた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
時刻は午前六時の少し前だ。
目の奥はいまだに熱い感覚が残る。彼にとっては懐かしい感覚だった。
彼の名前は片山サトシ。
グローバルシステムズ株式会社というコンピュータシステムの開発会社に勤務し、職責はマネージャーだ。
大学卒業後から一人暮らしを始めて、今年で十三年目になる。
結婚はまだしていない。
昨今、晩婚化が進んでいるためか、親も結婚についての話は特にすることは無い。
彼の父親は自由奔放な性格で、そもそもそんなことを気にするタイプではないし、母親はそんな父親に心底惚れ込んでいるので異を唱えることもない。
もっとも。結婚のことを考えるよりも先にまずはその相手を探さなくてはならないのだが、彼にはめぼしい相手が今のところいなかった。
多くの成人男性にとって、出会いというものには高いハードルがある。
小学校、中学校、高校、大学と、女性は男性と同じくらいの数がいる。
社会にいったん出ると、男と同じはずだけいた女性は姿をくらまし、気が付いたら職場は男ばかり。女子社員の数は絶対的に少ない。
女性は希少種なのだ。
そのことに気付く時にはもう出会いはない。
出遅れ。
間違いなく、彼は結婚という人生の節目を迎えるタイミングに出遅れた。
晩婚化という世間の潮流に自分を誤魔化しているが……しかしこれは出遅れと認識するのが妥当だ。
サトシは結婚について考察することを止めた。この話には救いがない。
次の関心事にサトシの意識は移っている。
それは早朝に体験した暗闇での戦闘。
彼は、それが夢ではないと言い切る根拠がある。
サトシには双子の兄がいる。名前はタケル。顔は瓜二つだが、性格は少々異なる。
サトシを一言で表すとすれば「内向的」。
タケルを一言で表すなら「外向的」な人間だ。
タケルは興味さえあれば何にでも首を突っ込むタイプで、自信家で負けず嫌い。
学力はサトシ同様に高いが、思い付きで大学を中退して流浪の旅に出かけた。
十年。タケルが流浪の旅に出てからの期間だ。便りは全くなかった。
普通に考えて、生きているのか死んでいるのか判別のつかない状態ではあるが、サトシとその家族はタケルが生きていることを認識していた。
それはサトシとタケルの間に「特別な関係」があるからだ。
「特別な関係」ごく一部の人間しか知らない秘密。
サトシとタケルは時々、意識が入れ替わるのだ。
その現象は、二人が子どもの頃からだった。
短い時は数分間、長い時は数日に渡って二人の意識が入れ替わる。
物心ついた時からの現象なので、二人はその現象を不思議には思っておらず、家族以外の周囲の人間に気付かれることもなく子供時代を過ごした。
だた彼らの両親は子供の頃から精神科に兄弟を通わせていた。
この現象は大人になるにつれ頻度が減ってきており、ここ数年は発生していなかった。
それがさっき久々に入れ替わりが発生したのだ。
タケルの事を気に掛けながらサトシは出社の準備をする。
サトシ自身にも自分の人生があり、仕事は片づけないといけない。
再び時計を見る。午前六時を少し過ぎたところだ。
コーヒーメーカーをセットする。使う豆は職場近くの喫茶店でいつも買っているお気に入りだ。
熱めのシャワーを浴びて目を覚まし、裸のままコーヒーを胃に流し込む。
歯を磨き、髭を剃り、無香料の整髪剤で髪をバックにセットする。
一通りの準備が終わったらベランダでタバコを一本ふかす。
日々繰り返される朝のルーティン。いつも通りの時間にアパートを出る。
サトシの職場はアパート最寄り駅から急行で三駅のところにある。
会社に到着したのは午前七時三〇分。まだこの時間は出社している社員は少ない。
オフィスのドアを開けると、今年の新入社員「新田ユカ」がオフィスの掃除をしていた。
「片山さん、おはようございます!」
ユカは元気のいい挨拶をした。
サトシの顔がほころぶ。
「ああ。おはよう新田さん。今日も早いね」
普段愛想のよくないサトシも自然と挨拶を返す。
この業界、さっと挨拶できる人間はそう多くはない。
「まだまだヒヨッコなので。掃除くらいは頑張らないとです」
ユカは嫌味のない笑顔を見せる。
「そうか? 結構仕事でも助けられてるよ」
サトシは本音で答えた。
今の案件でユカは俺と組んで二人で仕事をしているが、物覚えがよいので助かっている。
ユカは今年入社したばかりの新人で、大学では教育学を専攻していた。
真面目な性格で、つとめて明るくふるまう様が初々しい。
女性社員には珍しく、スーツを着用しているところもサトシにとっては好印象だ。
ユカがフロアの塵を集めるためにしゃがむ。タイトなスカートから覗く太ももの奥の暗闇にサトシの視線はくぎ付けになる。が、何も見ていない風を装いつつ、自席でパソコンを起動する。
その時だった。
……目の奥が熱い。
サトシの視界は段々ぼやけて何色とも言えない色で塗りつぶされる。
体が浮き上がるような感覚に襲われる。
意識が遠のく。
サトシは遥か彼方に意識が引き寄せられるのを感じていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
やがてサトシの視界が明瞭を取り戻す。
頬をなでる乾いた風。膝に触れる瑞々しい緑。
気が付くと彼は広い草原に立っていた。
サトシの目の前には殺気を剥き出した男が三人。それぞれ手には大振りなナイフを持っている!
一方サトシの手には一振りの長剣。
咄嗟の状況ではあるが、サトシはすぐに飲み込んだ。
剣を正眼に構え敵の出方を待つ。
一人が大きく振りかぶって斬りかかる。サトシは引き籠手で相手の手を切り落とす。
男はバランスを崩して前に倒れる。
その様子を見た残りの二人は逃げ出した。
取り残された一人も手首を押さえて逃げ去る。
サトシは構えを解いて手にした剣を見た。
剣は深い青色の輝きを放っていた。
暗闇の中に立っていた。
いつからここにいたのか、ここがどこなのか彼は知らない。
自分の状態を素早く認識しようとする。
手には棒状のものを持っているようだ。
身に付けているのは金属? 鎧だろうか?
暗闇なので視覚が利かないが、鼻を衝く濃い鉄の匂いは血の匂いに違いない。
前方の空間から押されるような気迫を感じる。敵。
命のやり取り。その現場、当事者であることを彼は感覚で理解した。
ここで怯んでは死ぬ。彼の直感がそう告げた。
敵の気配は闇に溶け込み、次の動作は読めない。
息を殺し、敵の気配を探る。
微かな音。
左側の暗がりだ。
瞬間。空間が飛び出してきたように感じた。圧倒的な迫力。
咄嗟に振り向く回転の重心移動を棒状のものに乗せて「それ」に叩きつけた。
カッターでポリ樹脂をカットするような、切り食い込む手ごたえ。これは剣だと認識する。
手にしたものが剣と理解した以上、自然と体は動かせる。
気配の方向に正対し、彼は再度「それ」に上段からの面を打った。
五〇センチ程度食い込んだ手ごたえの後に突如抵抗がなくなる。何を斬ったのかは分からないが、斬り抜いた手ごたえを感じた次の瞬間、生暖かい液体が体に降り注ぐ。
足元に何かが倒れる振動を感じた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
時刻は午前六時の少し前だ。
目の奥はいまだに熱い感覚が残る。彼にとっては懐かしい感覚だった。
彼の名前は片山サトシ。
グローバルシステムズ株式会社というコンピュータシステムの開発会社に勤務し、職責はマネージャーだ。
大学卒業後から一人暮らしを始めて、今年で十三年目になる。
結婚はまだしていない。
昨今、晩婚化が進んでいるためか、親も結婚についての話は特にすることは無い。
彼の父親は自由奔放な性格で、そもそもそんなことを気にするタイプではないし、母親はそんな父親に心底惚れ込んでいるので異を唱えることもない。
もっとも。結婚のことを考えるよりも先にまずはその相手を探さなくてはならないのだが、彼にはめぼしい相手が今のところいなかった。
多くの成人男性にとって、出会いというものには高いハードルがある。
小学校、中学校、高校、大学と、女性は男性と同じくらいの数がいる。
社会にいったん出ると、男と同じはずだけいた女性は姿をくらまし、気が付いたら職場は男ばかり。女子社員の数は絶対的に少ない。
女性は希少種なのだ。
そのことに気付く時にはもう出会いはない。
出遅れ。
間違いなく、彼は結婚という人生の節目を迎えるタイミングに出遅れた。
晩婚化という世間の潮流に自分を誤魔化しているが……しかしこれは出遅れと認識するのが妥当だ。
サトシは結婚について考察することを止めた。この話には救いがない。
次の関心事にサトシの意識は移っている。
それは早朝に体験した暗闇での戦闘。
彼は、それが夢ではないと言い切る根拠がある。
サトシには双子の兄がいる。名前はタケル。顔は瓜二つだが、性格は少々異なる。
サトシを一言で表すとすれば「内向的」。
タケルを一言で表すなら「外向的」な人間だ。
タケルは興味さえあれば何にでも首を突っ込むタイプで、自信家で負けず嫌い。
学力はサトシ同様に高いが、思い付きで大学を中退して流浪の旅に出かけた。
十年。タケルが流浪の旅に出てからの期間だ。便りは全くなかった。
普通に考えて、生きているのか死んでいるのか判別のつかない状態ではあるが、サトシとその家族はタケルが生きていることを認識していた。
それはサトシとタケルの間に「特別な関係」があるからだ。
「特別な関係」ごく一部の人間しか知らない秘密。
サトシとタケルは時々、意識が入れ替わるのだ。
その現象は、二人が子どもの頃からだった。
短い時は数分間、長い時は数日に渡って二人の意識が入れ替わる。
物心ついた時からの現象なので、二人はその現象を不思議には思っておらず、家族以外の周囲の人間に気付かれることもなく子供時代を過ごした。
だた彼らの両親は子供の頃から精神科に兄弟を通わせていた。
この現象は大人になるにつれ頻度が減ってきており、ここ数年は発生していなかった。
それがさっき久々に入れ替わりが発生したのだ。
タケルの事を気に掛けながらサトシは出社の準備をする。
サトシ自身にも自分の人生があり、仕事は片づけないといけない。
再び時計を見る。午前六時を少し過ぎたところだ。
コーヒーメーカーをセットする。使う豆は職場近くの喫茶店でいつも買っているお気に入りだ。
熱めのシャワーを浴びて目を覚まし、裸のままコーヒーを胃に流し込む。
歯を磨き、髭を剃り、無香料の整髪剤で髪をバックにセットする。
一通りの準備が終わったらベランダでタバコを一本ふかす。
日々繰り返される朝のルーティン。いつも通りの時間にアパートを出る。
サトシの職場はアパート最寄り駅から急行で三駅のところにある。
会社に到着したのは午前七時三〇分。まだこの時間は出社している社員は少ない。
オフィスのドアを開けると、今年の新入社員「新田ユカ」がオフィスの掃除をしていた。
「片山さん、おはようございます!」
ユカは元気のいい挨拶をした。
サトシの顔がほころぶ。
「ああ。おはよう新田さん。今日も早いね」
普段愛想のよくないサトシも自然と挨拶を返す。
この業界、さっと挨拶できる人間はそう多くはない。
「まだまだヒヨッコなので。掃除くらいは頑張らないとです」
ユカは嫌味のない笑顔を見せる。
「そうか? 結構仕事でも助けられてるよ」
サトシは本音で答えた。
今の案件でユカは俺と組んで二人で仕事をしているが、物覚えがよいので助かっている。
ユカは今年入社したばかりの新人で、大学では教育学を専攻していた。
真面目な性格で、つとめて明るくふるまう様が初々しい。
女性社員には珍しく、スーツを着用しているところもサトシにとっては好印象だ。
ユカがフロアの塵を集めるためにしゃがむ。タイトなスカートから覗く太ももの奥の暗闇にサトシの視線はくぎ付けになる。が、何も見ていない風を装いつつ、自席でパソコンを起動する。
その時だった。
……目の奥が熱い。
サトシの視界は段々ぼやけて何色とも言えない色で塗りつぶされる。
体が浮き上がるような感覚に襲われる。
意識が遠のく。
サトシは遥か彼方に意識が引き寄せられるのを感じていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
やがてサトシの視界が明瞭を取り戻す。
頬をなでる乾いた風。膝に触れる瑞々しい緑。
気が付くと彼は広い草原に立っていた。
サトシの目の前には殺気を剥き出した男が三人。それぞれ手には大振りなナイフを持っている!
一方サトシの手には一振りの長剣。
咄嗟の状況ではあるが、サトシはすぐに飲み込んだ。
剣を正眼に構え敵の出方を待つ。
一人が大きく振りかぶって斬りかかる。サトシは引き籠手で相手の手を切り落とす。
男はバランスを崩して前に倒れる。
その様子を見た残りの二人は逃げ出した。
取り残された一人も手首を押さえて逃げ去る。
サトシは構えを解いて手にした剣を見た。
剣は深い青色の輝きを放っていた。
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