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提案
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ソウコウと合流した。
昨日の敵の攻撃で都の民の三分の一程度が犠牲になったと聞いた。
兵達は生き残った民を避難させるために総動員されている。
この兵達の中にも家族を失った者が大勢いるだろう。しかし彼らは不満を言うことなく任務についている。
ソウコウの特技のなせる技なのか、使命感なのかは判らない。
だが、その姿は胸を打つものがあった。
アルデは未だ戦える状態になかったので民と一緒に魔界に隠れているそうだ。
俺はキリクとの一件について報告をした。
「ベリアル並みの腕をもつマァルに、バランの攻撃が通用しないキリーク。さらにそいつら同等の未知の敵が二人......そいつらが同時にこの都を襲ってくるのか......厳しいな」
ソウコウは真剣な顔をしている。
伝令が入る。
「敵軍を確認!敵の戦力は約8万と想定されます」
「打って出るぞ!」
ソウコウは椅子を蹴とばして立ち上がった。
地平の彼方に敵影が見える。
ソウコウは叫んだ。勇者の特技【獅子吼】だ。
離れている相手にも声が届く。
「無駄に兵を失うのは両方にとって無駄なことだろう
どうだ、両軍の将で一騎打ちとしないか」
敵軍から一条の光が発せられた。こちらの提案に乗るという意思表示だろう。
半刻後、両軍の将は両陣の中心に集まった。
ヌージィガ軍を代表しソウコウ、サーシャ、ベリアル、そして俺がいる。
対する赤い月の代表は大鎌のマァル、鉄球のキリーク、それに白い鎧を着こんだ若者がいる。
白い鎧の若者が名乗りを上げる。
「四天王、神憑りのセーヤ。青い月の王子だ。僕たちの星のためにここで引いてもらうよ」
青い月は赤い月の支配下にある星だ。
「おい。一人足りねぇじゃねぇか」
ベリアルが敵の人数に欠員がいることを指摘した。
「もう一人は非戦闘要員なんでね。ここにはいやしないよ。それに、あんたらなんざ、あたしらだけで十分ってもんだよ」
キリークが不敵に笑う。
両国の命運を分ける決闘が始まった。
昨日の敵の攻撃で都の民の三分の一程度が犠牲になったと聞いた。
兵達は生き残った民を避難させるために総動員されている。
この兵達の中にも家族を失った者が大勢いるだろう。しかし彼らは不満を言うことなく任務についている。
ソウコウの特技のなせる技なのか、使命感なのかは判らない。
だが、その姿は胸を打つものがあった。
アルデは未だ戦える状態になかったので民と一緒に魔界に隠れているそうだ。
俺はキリクとの一件について報告をした。
「ベリアル並みの腕をもつマァルに、バランの攻撃が通用しないキリーク。さらにそいつら同等の未知の敵が二人......そいつらが同時にこの都を襲ってくるのか......厳しいな」
ソウコウは真剣な顔をしている。
伝令が入る。
「敵軍を確認!敵の戦力は約8万と想定されます」
「打って出るぞ!」
ソウコウは椅子を蹴とばして立ち上がった。
地平の彼方に敵影が見える。
ソウコウは叫んだ。勇者の特技【獅子吼】だ。
離れている相手にも声が届く。
「無駄に兵を失うのは両方にとって無駄なことだろう
どうだ、両軍の将で一騎打ちとしないか」
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半刻後、両軍の将は両陣の中心に集まった。
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対する赤い月の代表は大鎌のマァル、鉄球のキリーク、それに白い鎧を着こんだ若者がいる。
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「四天王、神憑りのセーヤ。青い月の王子だ。僕たちの星のためにここで引いてもらうよ」
青い月は赤い月の支配下にある星だ。
「おい。一人足りねぇじゃねぇか」
ベリアルが敵の人数に欠員がいることを指摘した。
「もう一人は非戦闘要員なんでね。ここにはいやしないよ。それに、あんたらなんざ、あたしらだけで十分ってもんだよ」
キリークが不敵に笑う。
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