11 / 39
第一章 始まり
11話 状況の確認
しおりを挟む
またまた別視点です。
※※※※※※※※※
手当てを終え、ケイオスが部屋を出るとそこにはカレンが立っていた。顔を見るなりカレンが淑女の礼を取り頭を下げる。
「フォーニック嬢」
「ブルネーシア様、王子殿下のご指示により参りました。以後のシアリィルド様のお世話は、私にお任せください」
「・・・そうですか。わかりました。では、隊長をお願いします」
「かしこまりました。では、失礼致します」
頭を上げるとカレンはケイオスの横をすり抜け部屋へと入る。
ジークランスの命令ならば、ケイオスも従う他ない。カレンはジークランスの乳姉弟ということから、信用もできる存在だ。任せるのが一番だろう。
ならば、ケイオスがやるべきことは後始末だ。隊長であるシアリィルドの代わりに、現状の把握をしなければならない。戻ってきた部下たちから話を聞かなくては。シアリィルドの部屋へ一礼すると、ケイオスはその場を離れた。
応接室に向かえば、疲れて座り込んだ者や手当てを受けている者、手当てをしている者がいる。顔を見れば部隊の全員がここに集まっていることがわかった。大きな負傷は見受けられない。
「皆さん、ご苦労様でした」
「ケイオス殿」
「副隊長っ」
声を掛ければ此方を見る。手当てをしている者もその手を止めてしまっていた。
「手当てが先です。気にせず続けなさい」
「は、はい」
「それと、カルフィー卿。立たなくて結構です。そのままで」
「・・・はい」
エルゼフィドは呼ばれたことに対して、反射的に立ち上がったがケイオスがそれを制す。
「報告をお願いします」
「・・・はっ」
エルゼフィドを初めとして、一体何があったのかわからずに、シアリィルドに指示されるまま門へと向かった。門の騒がしさから、何かが起こっていることを知り、外へと出たのだ。そこには、魔物に教われている馬車があり、叫び逃げている人たちがいた。シアリィルドが魔法を使い、襲われている現場へと一足先に向かい、エルゼフィドらは走ってその場に駆けつけた。
たどり着いた先で見たのは、負傷しているシアリィルドと呆然としている少女。更に馬車の方には魔物が押し寄せてきており、その正体がレッドウルフだった。後は、レッドウルフを殲滅し、馬車を含め襲われていた者たちを警護隊へ任せ、撤退してきた。
これが、エルゼフィドからの詳細な報告だった。
「その馬車の荷は?」
「恐らくは、奴隷かと。少年少女ばかりでしたし、その服装もあまり良い状態とは言えませんでした」
「なるほど・・・回り道をするのではなく、最短で街に向かうために森を抜けた。そう考えるのが妥当ですが・・・」
むしろそれ以外には考えられない。奴隷を売買すること自体は珍しいことではなく、今までも同じように行き来したことがあるのかもしれない。その辺りの調査は街の警護隊へ任せるとして、問題はレッドウルフだ。
「レッドウルフがあの森に出ることは確認されていません」
「は、はい。で、ですが紛れもなくあれはレッドウルフでした」
「別に疑っているわけではありませんよ。まぁ、どちらにしても隊長が遅れをとるような相手ではありませんが・・・状況から聞くに、その少女を助けるためには仕方なかったのかもしれませんが・・・」
仕方ない。その場で見捨てることは選択肢にないのだ。だが、シアリィルドが負傷しては本末転倒も良いところだ。ケイオスならば、見捨てる選択肢を取る。奴隷少女とシアリィルド。傷つくのなら迷うことなく、シアリィルドを選ぶ。
それが出来ないシアリィルドだからこそ、ケイオスはここにいる。
「ふ、副隊長・・・あの、隊長は」
その瞬間、室内が沈黙に染まった。誰もが気にしていることだからだろう。ケイオスは眼鏡の縁を上げた。
「・・・予断は許されません。今は、あの方の生命力を信じ、祈るしかないでしょう」
「・・・」
聞いた本人、そして聞いていた部下たちも何も言わなかった。いや、言えなかったのかもしれない。
軍人である以上は、怪我をすることは当たり前であり、時にはそれが命に関わることもなくはない。それでも、ここまで雰囲気が重くなるのはシアリィルドが部隊の中で最年少であるからか。それとも、貴族の中でも上位である公爵家の人間だからか。恐らくはその両方だろう。
「こういうことがあった以上、殿下も直ぐに帰還するはずです。森周辺を通る際は、警戒を強める必要がありそうですね」
再び魔物が現れることは十分に考えられる。もう少し街の近くにも寄ってくることもだ。ならば、ジークランスを速めに王都へ戻した方がいい。シアリィルドの容態もある。ジークランスも否とは言わないはずだ。
身体を休め、今回護衛に回ったルドルフ班を中心に、帰路の対策を整える。出来れば明日の日中には出たいところだが・・・。
**************
コンコン。
「入るぞ」
ジークランスが部屋の中に入れば、ベッドの横の椅子にカレンが座っていた。その手にはタオルがある。
「殿下」
「様子はどうだ?」
カレンに問いかけつつも、その視線はシアリィルドに向けられていた。汗で張り付いた前髪。その奥にある橙色の瞳は見ることは出来ない。苦しげに潜めている眉と、荒い呼吸。何よりも、目の前が現実であることを示していた。
「・・・熱が高く下がる様子はありません。傷によるものでしょうから、鎮痛剤も意識がなければ使えませんし」
「ただ、見守るしかできない、か」
「はい・・・」
いくつか怪我に対処する薬は持ってきている。だが、どれも本人が口にする必要があり、意識が戻らなければ使えなかった。意識さえ戻れば、薬を飲むことができる。
「シア、聞こえるか?シア!」
ベッドの傍で声をかけるものの、反応はない。聞こえるのは、息遣いだけだ。
「カレン・・・シアは移動させても大丈夫だと思うか?」
「・・・わかりません」
「そう、か」
カレンとて侍女に過ぎない。専門的な知識は持たず、ただ世話をすることしかできないのだ。ジークランスに対して、助言をするような知識も立場もない。ジークランスがただ同意を求めているだけだとわかっていても、同意することはできなかった。
「・・・カレン、伝令を飛ばす。明日の朝一で城に戻る。母上に、シアリィルドの治療を依頼してくれ」
「承知しました。直ぐに」
「頼む」
カレンは急ぎ、部屋を出ていく。残されたジークランスは、ベッドの横にある椅子へと座った。
「待っていろ・・・シア」
ジークランスは、負傷していないシアリィルドの右手をそっと握り、持ち上げると己の額に当てる。シアリィルドの手は体温が高く、自分の額がやけに冷たく感じた。
ジークランスは、その日のうちに翌朝王都へ帰還することを伝え、準備を行った。視察の日程を繰り上げることになるが、コラールの街にとって今回の件はただ事ではない。視察の中止は、致し方ないことだ。
今後、住人の安全も考えて、今回の件はランドルフ公からも改めて国に報告を上げることになった。しばらくは、森への出入りを禁ずることとし、王都方面に向かう場合は徒歩以外の手段で向かう場合を除いて街の外へ出ることも禁ずる触れを出すことになる。街の混乱は必至だ。そのため、ジークランスは朝一番に街を出発することとした。
※※※※※※※※※
手当てを終え、ケイオスが部屋を出るとそこにはカレンが立っていた。顔を見るなりカレンが淑女の礼を取り頭を下げる。
「フォーニック嬢」
「ブルネーシア様、王子殿下のご指示により参りました。以後のシアリィルド様のお世話は、私にお任せください」
「・・・そうですか。わかりました。では、隊長をお願いします」
「かしこまりました。では、失礼致します」
頭を上げるとカレンはケイオスの横をすり抜け部屋へと入る。
ジークランスの命令ならば、ケイオスも従う他ない。カレンはジークランスの乳姉弟ということから、信用もできる存在だ。任せるのが一番だろう。
ならば、ケイオスがやるべきことは後始末だ。隊長であるシアリィルドの代わりに、現状の把握をしなければならない。戻ってきた部下たちから話を聞かなくては。シアリィルドの部屋へ一礼すると、ケイオスはその場を離れた。
応接室に向かえば、疲れて座り込んだ者や手当てを受けている者、手当てをしている者がいる。顔を見れば部隊の全員がここに集まっていることがわかった。大きな負傷は見受けられない。
「皆さん、ご苦労様でした」
「ケイオス殿」
「副隊長っ」
声を掛ければ此方を見る。手当てをしている者もその手を止めてしまっていた。
「手当てが先です。気にせず続けなさい」
「は、はい」
「それと、カルフィー卿。立たなくて結構です。そのままで」
「・・・はい」
エルゼフィドは呼ばれたことに対して、反射的に立ち上がったがケイオスがそれを制す。
「報告をお願いします」
「・・・はっ」
エルゼフィドを初めとして、一体何があったのかわからずに、シアリィルドに指示されるまま門へと向かった。門の騒がしさから、何かが起こっていることを知り、外へと出たのだ。そこには、魔物に教われている馬車があり、叫び逃げている人たちがいた。シアリィルドが魔法を使い、襲われている現場へと一足先に向かい、エルゼフィドらは走ってその場に駆けつけた。
たどり着いた先で見たのは、負傷しているシアリィルドと呆然としている少女。更に馬車の方には魔物が押し寄せてきており、その正体がレッドウルフだった。後は、レッドウルフを殲滅し、馬車を含め襲われていた者たちを警護隊へ任せ、撤退してきた。
これが、エルゼフィドからの詳細な報告だった。
「その馬車の荷は?」
「恐らくは、奴隷かと。少年少女ばかりでしたし、その服装もあまり良い状態とは言えませんでした」
「なるほど・・・回り道をするのではなく、最短で街に向かうために森を抜けた。そう考えるのが妥当ですが・・・」
むしろそれ以外には考えられない。奴隷を売買すること自体は珍しいことではなく、今までも同じように行き来したことがあるのかもしれない。その辺りの調査は街の警護隊へ任せるとして、問題はレッドウルフだ。
「レッドウルフがあの森に出ることは確認されていません」
「は、はい。で、ですが紛れもなくあれはレッドウルフでした」
「別に疑っているわけではありませんよ。まぁ、どちらにしても隊長が遅れをとるような相手ではありませんが・・・状況から聞くに、その少女を助けるためには仕方なかったのかもしれませんが・・・」
仕方ない。その場で見捨てることは選択肢にないのだ。だが、シアリィルドが負傷しては本末転倒も良いところだ。ケイオスならば、見捨てる選択肢を取る。奴隷少女とシアリィルド。傷つくのなら迷うことなく、シアリィルドを選ぶ。
それが出来ないシアリィルドだからこそ、ケイオスはここにいる。
「ふ、副隊長・・・あの、隊長は」
その瞬間、室内が沈黙に染まった。誰もが気にしていることだからだろう。ケイオスは眼鏡の縁を上げた。
「・・・予断は許されません。今は、あの方の生命力を信じ、祈るしかないでしょう」
「・・・」
聞いた本人、そして聞いていた部下たちも何も言わなかった。いや、言えなかったのかもしれない。
軍人である以上は、怪我をすることは当たり前であり、時にはそれが命に関わることもなくはない。それでも、ここまで雰囲気が重くなるのはシアリィルドが部隊の中で最年少であるからか。それとも、貴族の中でも上位である公爵家の人間だからか。恐らくはその両方だろう。
「こういうことがあった以上、殿下も直ぐに帰還するはずです。森周辺を通る際は、警戒を強める必要がありそうですね」
再び魔物が現れることは十分に考えられる。もう少し街の近くにも寄ってくることもだ。ならば、ジークランスを速めに王都へ戻した方がいい。シアリィルドの容態もある。ジークランスも否とは言わないはずだ。
身体を休め、今回護衛に回ったルドルフ班を中心に、帰路の対策を整える。出来れば明日の日中には出たいところだが・・・。
**************
コンコン。
「入るぞ」
ジークランスが部屋の中に入れば、ベッドの横の椅子にカレンが座っていた。その手にはタオルがある。
「殿下」
「様子はどうだ?」
カレンに問いかけつつも、その視線はシアリィルドに向けられていた。汗で張り付いた前髪。その奥にある橙色の瞳は見ることは出来ない。苦しげに潜めている眉と、荒い呼吸。何よりも、目の前が現実であることを示していた。
「・・・熱が高く下がる様子はありません。傷によるものでしょうから、鎮痛剤も意識がなければ使えませんし」
「ただ、見守るしかできない、か」
「はい・・・」
いくつか怪我に対処する薬は持ってきている。だが、どれも本人が口にする必要があり、意識が戻らなければ使えなかった。意識さえ戻れば、薬を飲むことができる。
「シア、聞こえるか?シア!」
ベッドの傍で声をかけるものの、反応はない。聞こえるのは、息遣いだけだ。
「カレン・・・シアは移動させても大丈夫だと思うか?」
「・・・わかりません」
「そう、か」
カレンとて侍女に過ぎない。専門的な知識は持たず、ただ世話をすることしかできないのだ。ジークランスに対して、助言をするような知識も立場もない。ジークランスがただ同意を求めているだけだとわかっていても、同意することはできなかった。
「・・・カレン、伝令を飛ばす。明日の朝一で城に戻る。母上に、シアリィルドの治療を依頼してくれ」
「承知しました。直ぐに」
「頼む」
カレンは急ぎ、部屋を出ていく。残されたジークランスは、ベッドの横にある椅子へと座った。
「待っていろ・・・シア」
ジークランスは、負傷していないシアリィルドの右手をそっと握り、持ち上げると己の額に当てる。シアリィルドの手は体温が高く、自分の額がやけに冷たく感じた。
ジークランスは、その日のうちに翌朝王都へ帰還することを伝え、準備を行った。視察の日程を繰り上げることになるが、コラールの街にとって今回の件はただ事ではない。視察の中止は、致し方ないことだ。
今後、住人の安全も考えて、今回の件はランドルフ公からも改めて国に報告を上げることになった。しばらくは、森への出入りを禁ずることとし、王都方面に向かう場合は徒歩以外の手段で向かう場合を除いて街の外へ出ることも禁ずる触れを出すことになる。街の混乱は必至だ。そのため、ジークランスは朝一番に街を出発することとした。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
食うために軍人になりました。
KBT
ファンタジー
ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。
しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。
このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。
そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。
父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。
それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。
両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。
軍と言っても、のどかな田舎の軍。
リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。
おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。
その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。
生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。
剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
生まれる世界を間違えた俺は女神様に異世界召喚されました【リメイク版】
雪乃カナ
ファンタジー
世界が退屈でしかなかった1人の少年〝稗月倖真〟──彼は生まれつきチート級の身体能力と力を持っていた。だが同時に生まれた現代世界ではその力を持て余す退屈な日々を送っていた。
そんなある日いつものように孤児院の自室で起床し「退屈だな」と、呟いたその瞬間、突如現れた〝光の渦〟に吸い込まれてしまう!
気づくと辺りは白く光る見た事の無い部屋に!?
するとそこに女神アルテナが現れて「取り敢えず異世界で魔王を倒してきてもらえませんか♪」と頼まれる。
だが、異世界に着くと前途多難なことばかり、思わず「おい、アルテナ、聞いてないぞ!」と、叫びたくなるような事態も発覚したり──
でも、何はともあれ、女神様に異世界召喚されることになり、生まれた世界では持て余したチート級の力を使い、異世界へと魔王を倒しに行く主人公の、異世界ファンタジー物語!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる