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39.一緒に練習しよう!
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「おはようレティシア、蒼玉」
「おはようございます孔雀様」
「…おはようございます」
挨拶を返してくれた!
すっっっっごく嫌そうな顔なのが泣けるけど。
「今日は魔術の授業がありますわね…」
「苦手?」
「えぇ…魔力量は普通なのですが、どうもコントロールがうまくいかなくて」
「そっかぁ。でも今日は座学なんじゃないかな?初っ端から実技するかなぁ」
「だといいのですが…」
「そ、蒼玉は魔術はどう?」
「どう、とは?」
「えぇと、レティシア嬢みたいに苦手な部分とかあったりするのかなって」
「そこまで苦手意識はないですね」
「そ、そうかぁ…」
はい、会話しゅーーーーりょーーーー。
もうこっち見てくれないしぃ。レティシアと目が合ってお互いに苦笑する。
なんでそんな態度なの?って聞きたいけど、さすがに聞けない。
喧嘩売ってると思われるのも嫌だし。
レティシアは本人が言うように魔力量は貴族らしく申し分はないんだけど、繊細なコントロールが苦手で細かい調整が必要な時は前世ではよく暴発させていた。
そのせいでヒナに攻撃したと勘違いされた場面があったことを思い出した。
「もし良かったら教えようか?」
「え?!孔雀様は魔術がお得意なんですの?」
「うーん…すごく上手い訳じゃないけどまぁ、コントロールに関してはそこそこは出来ると思うよ」
「是非!!!!」
「レティ…」
「なぁに?そんな目で見ても教えてもらうわよ!私のコントロールが下手なのは蒼玉が一番知っているでしょう?」
「そうだけど…孔雀様、先生でもあるまいし簡単に人に教えるなどと言うのはあまり感心しませんね」
「うっ…ごめんなさい。そうだね。だけど…一緒に練習するのはいいだろう?」
「ぐっ…」
言葉に詰まった蒼玉を見たレティシアが嬉しそうにしている。
レティシアも結構、表情が豊かじゃないか。
こんなに表情がコロコロ変わる子だったっけ?それとも前世ではほとんどまともにコミュニケーションを取っていなかったから、彼女のそんな一面を見ることが出来なかっただけ?
「こほんっ」
可愛らしい咳払いが聞こえて振り向くとやはり紅玉が立っていた。
お兄ちゃんは可愛い紅玉の声をしっかりと覚えているのだ!
今日も可愛いねぇ、紅玉は。
「おはよう、紅玉…様」
つい呼び捨てにしようとして紅玉の横に侍っている昨日の奴にギロリと睨まれて、慌てて敬称をつけた。
昨日の今日で取り巻きが増えたねぇ~。さすが紅玉だねぇ。
「べ、別に呼び捨てで構いませんよ?」
「い、いや、それはちゃんとしないとね」
紅玉が不満そうに口を尖らしたが、周りの視線を受けてハッとした顔をした後、慌てて元の表情に戻した。…ん?あれ?
紅玉は拗ねると口を尖らす癖がある。可愛いくって、尖らすたびに唇をつついて楽しんだものだ。つつくと恥ずかしそうな顔をした後、俺に抱きついて顔を隠すんだよなー。あの頃はまだ身長差があって俺の腰ぐらいに顔があった。
抱きついてきてお腹に顔を隠すのが可愛かったなぁ。
「おはようございます孔雀様」
「…おはようございます」
挨拶を返してくれた!
すっっっっごく嫌そうな顔なのが泣けるけど。
「今日は魔術の授業がありますわね…」
「苦手?」
「えぇ…魔力量は普通なのですが、どうもコントロールがうまくいかなくて」
「そっかぁ。でも今日は座学なんじゃないかな?初っ端から実技するかなぁ」
「だといいのですが…」
「そ、蒼玉は魔術はどう?」
「どう、とは?」
「えぇと、レティシア嬢みたいに苦手な部分とかあったりするのかなって」
「そこまで苦手意識はないですね」
「そ、そうかぁ…」
はい、会話しゅーーーーりょーーーー。
もうこっち見てくれないしぃ。レティシアと目が合ってお互いに苦笑する。
なんでそんな態度なの?って聞きたいけど、さすがに聞けない。
喧嘩売ってると思われるのも嫌だし。
レティシアは本人が言うように魔力量は貴族らしく申し分はないんだけど、繊細なコントロールが苦手で細かい調整が必要な時は前世ではよく暴発させていた。
そのせいでヒナに攻撃したと勘違いされた場面があったことを思い出した。
「もし良かったら教えようか?」
「え?!孔雀様は魔術がお得意なんですの?」
「うーん…すごく上手い訳じゃないけどまぁ、コントロールに関してはそこそこは出来ると思うよ」
「是非!!!!」
「レティ…」
「なぁに?そんな目で見ても教えてもらうわよ!私のコントロールが下手なのは蒼玉が一番知っているでしょう?」
「そうだけど…孔雀様、先生でもあるまいし簡単に人に教えるなどと言うのはあまり感心しませんね」
「うっ…ごめんなさい。そうだね。だけど…一緒に練習するのはいいだろう?」
「ぐっ…」
言葉に詰まった蒼玉を見たレティシアが嬉しそうにしている。
レティシアも結構、表情が豊かじゃないか。
こんなに表情がコロコロ変わる子だったっけ?それとも前世ではほとんどまともにコミュニケーションを取っていなかったから、彼女のそんな一面を見ることが出来なかっただけ?
「こほんっ」
可愛らしい咳払いが聞こえて振り向くとやはり紅玉が立っていた。
お兄ちゃんは可愛い紅玉の声をしっかりと覚えているのだ!
今日も可愛いねぇ、紅玉は。
「おはよう、紅玉…様」
つい呼び捨てにしようとして紅玉の横に侍っている昨日の奴にギロリと睨まれて、慌てて敬称をつけた。
昨日の今日で取り巻きが増えたねぇ~。さすが紅玉だねぇ。
「べ、別に呼び捨てで構いませんよ?」
「い、いや、それはちゃんとしないとね」
紅玉が不満そうに口を尖らしたが、周りの視線を受けてハッとした顔をした後、慌てて元の表情に戻した。…ん?あれ?
紅玉は拗ねると口を尖らす癖がある。可愛いくって、尖らすたびに唇をつついて楽しんだものだ。つつくと恥ずかしそうな顔をした後、俺に抱きついて顔を隠すんだよなー。あの頃はまだ身長差があって俺の腰ぐらいに顔があった。
抱きついてきてお腹に顔を隠すのが可愛かったなぁ。
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