乙女ゲームの攻略対象者から悪役令息堕ちポジの俺は、魂の番と幸せになります

琉海

文字の大きさ
上 下
31 / 44

31.早速推しに敵認定されました…

しおりを挟む
「クラスメイトですし、一応兄上ですから敬語なんかいりませんよ」
「イエ、ソウイウワケニモイキマセンシィ…」

目が泳ぐぅ!久々だな、この感じ。
前世でもネチネチ、ネチネチと慇懃無礼にやられたもんだ。
前世と違うのは胸がズキズキすることですわ!
兄ちゃん打たれ弱いからお手柔らかにね…。

「そちらのレディを紹介してくれませんか?」
「あ、あぁ。こちらは隣国からの留学生でレティシアさんだよ」
「あなたが!初めまして。紅玉と申します。これからクラスメイトとしてよろしくお願いします」

紅玉の王子然としたキラキラスマイルが眩しい。王族として居丈高に振る舞うのではなく丁寧に接する紅玉を見て俺は胸がいっぱいになる。
立派になったねぇ…紅玉。お兄ちゃんは嬉しいよ。。

目の前でキラキラとした笑顔の二人が挨拶を交わすのをデレデレとして見守っていると横から冷たい視線が…ねぇ、蒼玉ってば俺に冷たくなぁい?!
いくら何でも敵認定はやいし俺に厳しすぎでしょ!

「では、これからクラスメイトとしてよろしく」
「えぇ、こちらこそ。殿下直々にありがたいお言葉を頂けて光栄ですわ」

推しを間近で感じられて幸せなんだか嫌われて悲しいんだか複雑な気持ちを感じつつ背筋にたらりと冷や汗をかいていると2人の挨拶が終わったようだった。

「兄上もよろしく。お互いに王族として恥ずかしい振る舞いをせぬよう、切磋琢磨しつつ学園生活を送りましょう」
「殿下!彼は元ですよ!殿下と一緒にしてはなりませんっ!」
「いいんだよ、これでも王族の血はしっかり流れているわけだし」
「まったく、殿下の寛容さには感服いたします!おいお前、殿下のお言葉に甘えて調子に乗るんじゃないぞ」
「あぁ、もちろん」

腹立つってよりもむしろ清々しいほどのバカっぷりに感心したから、心からの笑顔を向けてやった。てかお前、殿下のご学友とはいえ俺よりも爵位は下だかんな?
しかし俺はお子ちゃまには優しいのだ。
だがここで注意しないことで後々後悔するのはこいつだけどバカはほっとくに限る。

でも、こんなバカを紅玉の傍に侍らすのはお兄ちゃんとしてはちょっとなー…むむむ。
ちょっぴり心配で紅玉を見ると、なんでかこっちを無言でガン見している。
え?なに?怒ってる?怒ってるの??俺なんかしたっけか?

「ふふ。孔雀様も大変寛容ですこと」
「ほぇ?」
「いいえ。あ、そろそろ授業が始まりそうですわね」
「あ、そうだね。じゃあまたあとで」
「えぇ」
「……」

レティシアに謎なことを言われて混乱。
そして蒼玉ぅ…無言っすか。俺、悲しい。

「あれは相当ですわね…」
「相当とは?」
「蒼玉もまだまだねぇ。観察眼をしっかり磨きなさいな」
「むっ」
「ふふふ」

席に戻ったレティシア達がそんな会話をしていたとはつゆしらず、ズーンと凹んだ俺なのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜 ・話の流れが遅い ・作者が話の進行悩み過ぎてる

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた

マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。 主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。 しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。 平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。 タイトルを変えました。 前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。 急に変えてしまい、すみません。  

美しき父親の誘惑に、今宵も息子は抗えない

すいかちゃん
BL
大学生の数馬には、人には言えない秘密があった。それは、実の父親から身体の関係を強いられている事だ。次第に心まで父親に取り込まれそうになった数馬は、彼女を作り父親との関係にピリオドを打とうとする。だが、父の誘惑は止まる事はなかった。 実の親子による禁断の関係です。

処理中です...