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第二章
87.樹の周りはヤバ目のヤツばかり?
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奴のものが穴にぷちゅりと押し付けられて腰が快楽の期待で震えてまた泣きそうになる。
「うっわ……想像以上だ。入り口に押し付けただけなのにめちゃくちゃ気持ちいい。
姫ぇ…中に誘い込もうとどんどん食んでってるよぉ…やっば最高」
「おねが…お願い抜いて…」
「やーだよ。こればっかりは姫のお願いでも聞けないね———えぇっ、泣いてるの?」
「やだ、やだよぉ……ふえぇぇ」
「うわぁ!ごめん!ごめんね、姫」
「あうっ」
頭が入りかけていたちんこを引っこ抜いた牧が、ぎゅうぎゅうと抱きしめて謝りながら背中を撫でる。頭に頬を擦りつけたり、チュッチュッてするのやめろ。俺は怒っているんだぞ。
「泣いても止めないつもりだったんだけど、実際泣かれちゃうとダメだなぁ。あぁ……俺って好きな子に甘い男だなぁ」
「すっ、すきっ、ひっ、なら、そもそもっ、こんなっ、ひぐっ、ひろいこと、しなっ、しないらろっ!」
「泣きすぎて舌足らずなのもかぁわいいねぇ、姫♡」
「おま、え、ひっ、あらま、わるっ、ふっ、うぐっ」
「うん。俺、姫バカだから♡姫になら罵倒されてもいいよぉ」
ダメだこいつ、話通じない。てかもう放せこの野郎。
「牧、はなして」
「えぇぇぇ…もうしないからさ、抱きしめてていい?」
「やだ。もう、お前本当に嫌い」
「ぐふぅ…そう言われる事もシミュレートしてたけど、実際に言われると堪えるぅ!」
全然凹んでない声で言ってるんだが。反省ってものを知らんのか?てかマジで放しやがれ!!ぐいぐい体を押し返してもびくともしない。なんで?!背は高めだけど、そんなにガタイがいい方じゃないのにっ!同じ男として俺が凹むっっ!!
牧の腕の中でジタバタしていると、急に通りが騒がしくなった。
「樹っっっ!!!!」
「うっそでしょ。マジかよ」
通りから奥まった建物の裏に現れたのは雅樹と志木だった。
「てんめぇぇえ!ごらぁぁ!!!」
「いやいやいやいやいや、ちょ、タンマ!」
「誰が待つかクソ野郎がっ!」
「ひぃぃぃいいい!!!空気がブンッて言ったぁぁぁ!!」
志木が怒声を上げてこちらに走ってきたから、慌てた牧が俺から離れる。志木が繰り出す拳を器用にぎりぎり避けながら悲鳴を上げている。いいぞ、もっとやれ。
「樹っっ!!!」
「まさきぃぃいい」
雅樹が駆け寄って俺をぎゅうぎゅうに抱きしめてくれる。鼻腔に広がる雅樹の匂いを嗅いで安心して涙が滝のように出てきた。
「大丈夫?怖かったね———あの野郎」
俺の制服のズボンだけじゃなく下着まで脱げているのを目にして低い声で唸った。乱れた服を直してくれて、またぎゅうと抱きしめてくれる。
「まさき、まさき、まさきぃぃ…」
「1人にしてごめんね。もう大丈夫だからね」
「うん…うん…うん」
雅樹の胸に顔をうずめているうちに、どんどん落ち着いてきた。
「うぎゃんっ!!!」
「ちょこまか動くんじゃねぇよ、クソがっ!!大人しく殴られろ!」
「痛いいたいイタイ!その拳まともに受けたらシャレになんないってば!」
俺は武闘派じゃないんだよ~~!!って叫びながら逃げるけど、退路を断たれているから形勢は不利だ。いいぞ、志木!もっとやれ!
ドゴォ!
「あわわわわわわ。この、パワーゴリラッ!!」
「うっせぇ!」
間一髪牧が拳を避けて、当たり損ねた拳が壁のコンクリを砕いた。うわぉ…志木、手、大丈夫?パワーゴリラ…言い得て妙。
「せいっ!」
牧が助走を付けて壁を蹴って器用に上に上がって、建物の庇の上に登った…猿かよ。。
「いやぁ~…志木君、噂以上だね。パワーとスピード兼ね備えてるってどんだけよ。それまともに受けたらひ弱な俺は骨折れちゃうよ」
「そのつもりでやったからな」
「こっわ!!!はぁ、避けれて良かった。ちょっと頬かすっただけなのに切れちゃってるもん。これ、絶対青痣になるよぉ。漫画の主人公並みにすごいね…てか、なんでここが分かったの?」
———確かに。嬉しすぎて思い当たらなかったけど、なんで分かったんだ?
雅樹を見上げると、眉を八の字にして困ったように笑った。
「え゛…まさかだけど、姫に…」
「黙っとけ」
「わーぁ…篠田っちもこわーい」
牧のふざけた口調からは、焦りとか恐怖とか一切感じない。むしろ力抜ける。それは殺気立っていた志木も雅樹も同じようで、ため息をついて冷静になろうとしている。
俺は、2人のおかげで落ち着いた(絶対安全地帯に囲われているってのもある)
「牧、俺、今日の事許さないからな!」
「うん、ごめんね?それは本当にごめんなさい…でも、好きなのは本当で、姫の彼氏になりたいってのも本気だから、それだけは信じて?」
「知らないっ!!!それならそれで、誠意持って接してくれればちゃんと聞いたのに。でももう、当分は牧の顔見たくないし、声も聞きたくないからな!」
「ぐふぅ……容赦ないね、姫ぇ」
「「自業自得だろ」」
「うるさいな、彼氏ども!!」
あーぁ、って言いながら天を仰いだ牧だったけど、しばらくして俺をじっと見ながら言った。
「姫…小鳥遊 樹ちゃん、俺は諦めないからね。好きだよ———それにしても、今日は彼氏たちの執着度合いを目の当りにしたよ。俺に限らず、姫の周りはヤバ目の奴ばっかりかもね?まぁ、でも分からないでもないけどね。姫って受け入れちゃうもんね」
「お前は無理だからな」
「うん、うん———だから、長期戦でいく事にしたから!」
「だからぁ…はぁ」
「好きな物事に粘るのだけは得意よ?また、キスしようね!将来的にはエッチもね!」
「するかーーーーーー!!!!」
「あははははははは!!じゃね、姫、愛してるよ!」
ひょいひょいと屋根まで上がって向こう側に消えていく。あいつ、やっぱ猿じゃね?
「樹ちゃん!大丈夫だった?あぁぁぁ…瞼が腫れちゃって可哀想に……」
顔を手のひらで包み込んで、親指で優しく目元をなぞってくれる。自分の事のように痛い顔をしてくれて、ほわって心が温まる。
「助けに来てくれてありがとう。もう、ダメかと思った…」
「ごめんね、樹。怖かったよね」
「樹ちゃんごめんな」
「お前らが謝る事じゃないよ。逃げ切れなかった俺が悪い———同じ男なのに、全然力じゃ敵わなくて、悔しかった」
「樹……」
「樹ちゃん……」
「牧!てめぇ!!!!!!待てやぁ!樹はどこだこらぁぁぁ!!!」
「うひゃぁ!遅れてきたヒーーーローーー!!!!姫は向こうで待ってるよぉぉぉ!!!じゃあ、ばいばーーーい!!」
「てめぇ!覚えてろよ!!」
しんみりした空気を引き裂くように、通りの向こう側から牧と勝がぎゃいぎゃい叫ぶ声が聞こえてきて、噴き出してしまった。
「うっわ……想像以上だ。入り口に押し付けただけなのにめちゃくちゃ気持ちいい。
姫ぇ…中に誘い込もうとどんどん食んでってるよぉ…やっば最高」
「おねが…お願い抜いて…」
「やーだよ。こればっかりは姫のお願いでも聞けないね———えぇっ、泣いてるの?」
「やだ、やだよぉ……ふえぇぇ」
「うわぁ!ごめん!ごめんね、姫」
「あうっ」
頭が入りかけていたちんこを引っこ抜いた牧が、ぎゅうぎゅうと抱きしめて謝りながら背中を撫でる。頭に頬を擦りつけたり、チュッチュッてするのやめろ。俺は怒っているんだぞ。
「泣いても止めないつもりだったんだけど、実際泣かれちゃうとダメだなぁ。あぁ……俺って好きな子に甘い男だなぁ」
「すっ、すきっ、ひっ、なら、そもそもっ、こんなっ、ひぐっ、ひろいこと、しなっ、しないらろっ!」
「泣きすぎて舌足らずなのもかぁわいいねぇ、姫♡」
「おま、え、ひっ、あらま、わるっ、ふっ、うぐっ」
「うん。俺、姫バカだから♡姫になら罵倒されてもいいよぉ」
ダメだこいつ、話通じない。てかもう放せこの野郎。
「牧、はなして」
「えぇぇぇ…もうしないからさ、抱きしめてていい?」
「やだ。もう、お前本当に嫌い」
「ぐふぅ…そう言われる事もシミュレートしてたけど、実際に言われると堪えるぅ!」
全然凹んでない声で言ってるんだが。反省ってものを知らんのか?てかマジで放しやがれ!!ぐいぐい体を押し返してもびくともしない。なんで?!背は高めだけど、そんなにガタイがいい方じゃないのにっ!同じ男として俺が凹むっっ!!
牧の腕の中でジタバタしていると、急に通りが騒がしくなった。
「樹っっっ!!!!」
「うっそでしょ。マジかよ」
通りから奥まった建物の裏に現れたのは雅樹と志木だった。
「てんめぇぇえ!ごらぁぁ!!!」
「いやいやいやいやいや、ちょ、タンマ!」
「誰が待つかクソ野郎がっ!」
「ひぃぃぃいいい!!!空気がブンッて言ったぁぁぁ!!」
志木が怒声を上げてこちらに走ってきたから、慌てた牧が俺から離れる。志木が繰り出す拳を器用にぎりぎり避けながら悲鳴を上げている。いいぞ、もっとやれ。
「樹っっ!!!」
「まさきぃぃいい」
雅樹が駆け寄って俺をぎゅうぎゅうに抱きしめてくれる。鼻腔に広がる雅樹の匂いを嗅いで安心して涙が滝のように出てきた。
「大丈夫?怖かったね———あの野郎」
俺の制服のズボンだけじゃなく下着まで脱げているのを目にして低い声で唸った。乱れた服を直してくれて、またぎゅうと抱きしめてくれる。
「まさき、まさき、まさきぃぃ…」
「1人にしてごめんね。もう大丈夫だからね」
「うん…うん…うん」
雅樹の胸に顔をうずめているうちに、どんどん落ち着いてきた。
「うぎゃんっ!!!」
「ちょこまか動くんじゃねぇよ、クソがっ!!大人しく殴られろ!」
「痛いいたいイタイ!その拳まともに受けたらシャレになんないってば!」
俺は武闘派じゃないんだよ~~!!って叫びながら逃げるけど、退路を断たれているから形勢は不利だ。いいぞ、志木!もっとやれ!
ドゴォ!
「あわわわわわわ。この、パワーゴリラッ!!」
「うっせぇ!」
間一髪牧が拳を避けて、当たり損ねた拳が壁のコンクリを砕いた。うわぉ…志木、手、大丈夫?パワーゴリラ…言い得て妙。
「せいっ!」
牧が助走を付けて壁を蹴って器用に上に上がって、建物の庇の上に登った…猿かよ。。
「いやぁ~…志木君、噂以上だね。パワーとスピード兼ね備えてるってどんだけよ。それまともに受けたらひ弱な俺は骨折れちゃうよ」
「そのつもりでやったからな」
「こっわ!!!はぁ、避けれて良かった。ちょっと頬かすっただけなのに切れちゃってるもん。これ、絶対青痣になるよぉ。漫画の主人公並みにすごいね…てか、なんでここが分かったの?」
———確かに。嬉しすぎて思い当たらなかったけど、なんで分かったんだ?
雅樹を見上げると、眉を八の字にして困ったように笑った。
「え゛…まさかだけど、姫に…」
「黙っとけ」
「わーぁ…篠田っちもこわーい」
牧のふざけた口調からは、焦りとか恐怖とか一切感じない。むしろ力抜ける。それは殺気立っていた志木も雅樹も同じようで、ため息をついて冷静になろうとしている。
俺は、2人のおかげで落ち着いた(絶対安全地帯に囲われているってのもある)
「牧、俺、今日の事許さないからな!」
「うん、ごめんね?それは本当にごめんなさい…でも、好きなのは本当で、姫の彼氏になりたいってのも本気だから、それだけは信じて?」
「知らないっ!!!それならそれで、誠意持って接してくれればちゃんと聞いたのに。でももう、当分は牧の顔見たくないし、声も聞きたくないからな!」
「ぐふぅ……容赦ないね、姫ぇ」
「「自業自得だろ」」
「うるさいな、彼氏ども!!」
あーぁ、って言いながら天を仰いだ牧だったけど、しばらくして俺をじっと見ながら言った。
「姫…小鳥遊 樹ちゃん、俺は諦めないからね。好きだよ———それにしても、今日は彼氏たちの執着度合いを目の当りにしたよ。俺に限らず、姫の周りはヤバ目の奴ばっかりかもね?まぁ、でも分からないでもないけどね。姫って受け入れちゃうもんね」
「お前は無理だからな」
「うん、うん———だから、長期戦でいく事にしたから!」
「だからぁ…はぁ」
「好きな物事に粘るのだけは得意よ?また、キスしようね!将来的にはエッチもね!」
「するかーーーーーー!!!!」
「あははははははは!!じゃね、姫、愛してるよ!」
ひょいひょいと屋根まで上がって向こう側に消えていく。あいつ、やっぱ猿じゃね?
「樹ちゃん!大丈夫だった?あぁぁぁ…瞼が腫れちゃって可哀想に……」
顔を手のひらで包み込んで、親指で優しく目元をなぞってくれる。自分の事のように痛い顔をしてくれて、ほわって心が温まる。
「助けに来てくれてありがとう。もう、ダメかと思った…」
「ごめんね、樹。怖かったよね」
「樹ちゃんごめんな」
「お前らが謝る事じゃないよ。逃げ切れなかった俺が悪い———同じ男なのに、全然力じゃ敵わなくて、悔しかった」
「樹……」
「樹ちゃん……」
「牧!てめぇ!!!!!!待てやぁ!樹はどこだこらぁぁぁ!!!」
「うひゃぁ!遅れてきたヒーーーローーー!!!!姫は向こうで待ってるよぉぉぉ!!!じゃあ、ばいばーーーい!!」
「てめぇ!覚えてろよ!!」
しんみりした空気を引き裂くように、通りの向こう側から牧と勝がぎゃいぎゃい叫ぶ声が聞こえてきて、噴き出してしまった。
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