樹くんの甘い受難の日々

琉海

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第二章

81.ヤンで全力でデレる男たち

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「なるほどね……」

心なしか雅樹の目が怖い。なんとなーく圧も感じる。

「た、大我には悪い事したなって思ってる。男のちんこ咥えるなんてあり得ないよな」

次いで恋人でもないのに…と口から零れ落ちて、なんとなく胸がツキンとした。この間から時々起こるこの痛みとかモヤモヤはなんだろ。

「そうか。獅子尾には本当に悪い事したな。後で改めて俺もお礼言っとくわ。樹は俺の大切な恋人だからな」

そう勝が言ってくれて「うへへ…」とだらしない声が出てしまった。

「俺も。改めてちゃんと言うわ」
「そうだね。俺もそうしよう。樹は俺の大事な大事な未来の奥さんだからね」
「うぅぅぅ…」

雅樹には何度も「奥さん」って言われているけど慣れない。いや、すげぇ嬉しいけど照れてしまう。女扱いだよなとも思うけど、こいつらにならそれでも構わないと思ってしまうんだよな。不思議だ。恋人になる前までは「俺が女の子を幸せにする」って漠然とした理想像はあったんだけどな。

ちやほやされるのが好きなのかな————それに胡坐をかいて調子に乗らないように気を付けよう。こいつらに愛想を尽かされたら立ち直れない。

「樹ってば、顔が真っ赤だよ?照れてんの?俺の奥さん可愛い…」

雅樹にちゅっとキスされて、それが合図になって皆が俺の体をゆっくりと愛撫し始めた。



◇◇◇◇◇◇


「あっ…ふぅん…やぁ!きもち…んっんっ」

樹の甘い声が部屋に響く。時間をかけて開発してきた樹の体は、俺たちの愛撫に順応な姿に征服欲が満たされる。
もう、どこもかしこも性感帯じゃないかと思うくらい乱れる。
勝が樹の足を持ち上げて足の指をゆっくりと舐っている。最近気づいたんだけど、樹は足の指のまたを舐められるのに弱い。ひと際高い声が出る。
初めはくすぐたがっていたヶ所も慣れてくるうちに甘い声を上げるようになって、樹の可愛いちんこからはとろとろと先走りが流れ落ちるようになった。

俺らと比べて小ぶりで、可愛らしい色をした樹のものは、これからも本来の役目を果たす事はないんだろうなぁと思うとちょっとだけ罪悪感を感じる。
だけど、本来の役目を果たすという事は、俺の側から樹がいなくなるという事だから、申し訳ないがそれは絶対に受入れられない。

ごめんね、と思うと同時に自分の中の昏い独占欲が満たされるのを感じる。俺ってヤンデレだったんだなと苦笑せざるを得ない。
ごめんね樹。俺、多分一生お前を手放せそうにないよ。その代わり、大切にするから許してね?

勝と志木はどう思っているのか、これからどうするつもりなのか分からないけど多分———俺と一緒なんだろうなと思う。
正直、俺ら3人は女の子に困らない。そんな自負はある。そして、各々の持って生まれた能力は高めで、世間でいうスパダリってやつに該当するんだろうし、樹のためにもそうなるべく人生設計を立てている。

どろっどろに甘やかして依存させて閉じた世界に閉じ込めたいと思う事もあるし、そんな自分の欲求に引くけど、それをすると樹らしさを失う事は分かっているし、樹を尊重するとそれをしてはいけないと分かっているから、するつもりは今のところない。

ただ、無自覚に恋愛フラグを立てまくる樹を見てると俺の中のヤンデレが騒ぎ出す。
だから、最後の最後は分からないなと思ってしまうんだけど…。

獅子尾———あいつ、絶対樹に惚れてるだろ。樹、お前の言うとおりだよ。普通は何の感情も持ってない男のちんこ咥えるなんて絶対に無理だ。
手助ける事はあっても、あんな献身的に尽くすなんてあり得ない。恋愛の機微に壊滅的に疎い樹だから気づいてないだけ。本人も無意識に獅子尾に惹かれている事も。

「このまま気づかせないよ…」
「ましゃき…も、ちょうだい?」
「ん。おねだり上手になったね。いい子だね」

褒めると樹が嬉しそうにふわりと笑った。この、快楽に蕩けて幸せそうな顔なんて誰にも見せたくない。本当は2人にも見せたくないくらいだ。
ま、こいつらも同じ事思ってるんだろうけど。

中にゆっくりと挿し入ると、樹が可愛い声で啼く。体を繋げた初期の頃よりもどんどん感度が良くなって、今じゃ入れただけでイく事もある。
本当は獅子尾の事でお仕置きエッチにしようと思ってたけど、樹は被害者だ。薬まで盛られて、危うく強姦される所だった。最悪の状況を考えるとギリ、と奥歯が鳴った。あいつら絶対に許さない。

今回はとことん甘くあまく愛してあげよう。
樹の好きなところを亀頭で優しく擦ってあげると、ふるふるっと震えて俺のちんこをきゅうきゅうと締め付けて可愛い声で啼きながら達した。

「本当になんて可愛いんだろうね、樹は…」
「俺さ、樹がいってるとこ見るだけでいきそうになるんだけど…やばくね?」
「あ、それ分かるかも。俺がいかせてるわけでもないのに樹ちゃんが気持ち良さそうにいくと思わず引っ張られそうになる」
「樹が絶倫で良かったよ。俺たち3人についていけるからさ。だけどもっと体力つけてもらわないとね。もっと愛したいんだよね」
「雅樹…お前、えげつねぇな。ま、同意見だけどよ」
「俺も。ごめんねー、樹ちゃん。だけど頑張ってねー」

鬼畜3人に愛される樹が可哀想で、だけど愛しくて抱きしめながら中にたっぷりと出してあげた。

「今日は、中にいっぱい出してあげるね?きもちい?」
「ん…うん。きもちい。もっとなか、ほしい…」
「いい子。キスしよっか」

ちゅくちゅくと舌を絡ませながら腰をぐりぐりと押し付けて中を擦る。
普段はなるべくゴムをつけてセックスをするんだけど、時々生でして中に出してあげる。俺らの性癖に躾けられた樹の体は中に出されるだけで達するようになってしまった。
樹自身もドMなんだろう。俺らが中に出すと言うだけで期待で目が蕩ける。

「ほーんと、いい子。俺の奥さんにぴったりすぎて怖いくらい」
「ほんと…?おれ、雅樹の奥さんにむいてる?おれ、雅樹の奥さんになっていいの?」
「もちろんだよ。樹だけだよ、欲しいのは」
「えへへへ」

樹が蕩けた顔で頬を染めて嬉しそうに笑う。どろどろに理性が蕩けた樹は本音をぽろぽろこぼす。普段はどれだけ憎まれ口を叩いても、拒絶しても、本音では俺の事が大好きで奥さんになりたいと思っている。

「ごめんね…樹は旦那さんじゃなくて奥さんになっちゃうんだ。でも、もう離れられないからさ。愛してるよ」
「いい。おれ、奥さんがいい。おれも、あいしてる」

キスして抱きしめながらゆるく腰を揺らす。官能を刺激するものじゃなくて、愛情を伝えるために。それは樹にも伝わってぎゅうと抱きしめ返してくれる。

「俺、幸せだよ。一緒に幸せになろうね?」
「うん。なろーな」

世界一可愛くて愛おしくて、大切な未来の奥さんを抱きしめながら少しだけ、泣いた。



☆後書き☆
あれ…雅樹がヤンデレキャラ化している。。
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