樹くんの甘い受難の日々

生梅

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第一章

48.ストーカーアディーロ(番外編⑧)

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「小鳥遊君!!!!!!!!」

王城に戻ると、俺を見た美鈴が泣きながら走ってきた。

「良かった。良かったよぉ…何もされてない?」
「美鈴、無事だったからもう泣くなよ。アディーロ達がすぐに助けてくれたから大丈夫だよ。アディーロがくれたネックレス様様だ」
「渡しておいて良かった…」

そう。アディーロからもらったネックレス、実は石にGPS機能が付いている。
渡された時はストーカー?!と思ったけど、結果的に良かった。
首にかけられた時にその事を知らされたんだけど、つけたらアディーロしか外せないとうっとりとした顔で言われた。…ストーカーだな。
神子の力に反応して、それがビンビーンとアディーロに通知され続けるんだ。
なにそれこわい。
でもまぁ、結果オーライだ。付けててもいいかと思えた。
今はもうアディーロの執着もちょっと嬉しく感じてる俺は、同じくらいヤバいのかもしれない。


「あでぃー…すき。んっあっ…ちゅぱじゅる」
「タツキ…好きだ。愛している」

お互いの唾液を交換するねっとりしたキスで俺のちんこがギンギンに勃って、
鈴口から透明な液が絶え間なく流れている。

「ひゃぁぁん!」
「小鳥遊君…可愛い…きもち?じゅぞぞ」
「あっあっぁっ…みれいぃぃ やぁん!舌入れないで!」
「だぁめ。ここに舌をねじ込むと、小鳥遊君のお尻が僕の指を食い締めるんだ。
好きでしょ?ここも…」
「ああぁぁん!やぁぁ!!とんとんしちゃやぁ!」

美鈴が俺のをフェラしながらおまんこに指を突き入れて愛撫している。
同時に責められてそれだけでもヤバいのに、俺のイイトコロをトントンしたり
グリグリしたり責めまくるんだ。死ぬほど気持ちいい。頭が馬鹿になる。

「タツキ、口がさぼっているぞ?」
「んっごめんなはい…んぐ…ズボズボじゅるるっ んんん…」

アディーロのちんこを思いっきり頬張って、喉奥へと誘導する。
カリに舌を絡ませて頬をすぼめて吸い付いて、頭を前後に振りたくる。
喉奥を突かれると、咽頭がきゅううと締まってアディーロの亀頭を柔らかく締めた。
その刺激が気持ち良くて、微かなえずきと快感で涙が滲んだ。

「はぁ…タツキは淫乱だな。余のイチモツを咥えて快感を拾うなどと。
お前の淫乱さがたまらぬ。愛おしい」

そんな事を言われちゃうと、もっと頑張りたくなる。
アディーロを上目遣いで見上げると、綺麗なブルーグリーンの瞳をうっとりと蕩けさせて俺を見ていた。その目を見てまた感じてしまう。

「そろそろ、ミレイにも褒美をやらねばな…ミレイ、今日は余の後にタツキの膣を堪能するが良い」
「わぁ!本当ですか?嬉しい。うふふ。小鳥遊君、中にいっぱい出してあげるね?」

美鈴に耳元で囁かれてぶるりと腰が震えた。
俺はもう、中に出される事がたまらなく好きになっていた。

「あでぃー、もうちょうだい?あのね、おまんこの奥がさみしいの。
いっぱい、いっぱいちょう…ひゃああ!」
「タツキ、そう煽るでない。優しくしたいのに優しくできない。ふっ…う」

いきなり一気にねじ込まれて目がチカチカと火花が散った。
アディーロ腰と俺の尻が密着する。ぐいぐいと奥に入ってきて奥を遠慮なく突かれて俺はぴゅるぴゅると射精した。

「小鳥遊君トコロテンとか…胸アツ」

ガツガツと揺さぶられながらアディーロの必死さが伝わってきた。
俺が誘拐されている時、本当に生きた心地がしなかったんだろうなと。俺の存在を確かめるように貪られながらアディーロの孤独を垣間見た気がした。
(もし、3人がいなかったら俺はもしかしたら…)
多少の同情はあるかもしれない。俺をひたむきに求める男に完全に絆された自覚はあるが、それでもアディーロの荒い愛情は俺を確かに満たしてくれた。
そして、帰るという名目がある以上、アディーロにこれ以上惚れないようにブレーキをかけている自分に気づいた。

「あでぃー…あでぃぃ」
「タツキ…好きだ。タツキ。愛している」

お互いに縋るようなセックスをした。



◇◇◇◇◇◇

「ごめんんんん」
「ゆるさないっ!」
「ごめんてばぁぁああああ!!!」
「もうっ!仕方ないなぁ!」

美鈴がふふっと笑った。

「その代わり、小鳥遊君―――樹くんが回復したら僕に頂戴?」
「うぅぅ。。うん」
昨夜、アディーロの後に俺とする予定だったのに俺が気を失ってしまっておあずけを食ってしまった形になった美鈴に、目が覚めてからチクチクと言われてしまった。
申し訳ない…。

「ハジメテは樹くんの可愛い反応見ながらしたいから、意識のある時じゃないとね」
「う、うぅ。この、肉食男子!!」
「お褒めにあずかり光栄だね」

光輝く笑顔で言われた。眩しい…やっぱりギャップありすぎる。

「多分、それなりに満足させてあげられると思うよ?」
「いいから…そんな事いわなくていいから…」
「照れちゃってかーわい♡」

起きてても弄られるから、寝てしまえ!俺はふて寝した。


「タカナシ様、神子様…」
「はい?」

目を覚ましたら部屋に美鈴はいなくて、寝すぎてなまった体をほぐそうと、ぽてぽてと部屋の近くを散歩していたら神官に声をかけられた。

「神子様、召喚の間へ来て頂きたいのですが」
「何かあったんですか?」
「えぇ。神子様をお帰しする為の準備を」
「あぁ…そっか。ついに」

召喚の間へ向かいながら、一歩一歩が重くなっていくのが分かった。
胸が軋む。アディーロの笑顔、泣き顔、瞳を思い出す。
あいつ泣くだろうなぁ。…俺も、泣くだろうな。
部屋に入ると、そこにはクワトロがいた。

「ハゲオッサン…?」
「誰がハゲオッサンだ!失礼な奴だな」

俺を連れてきた神官が後ろで噴き出す声が聞こえた。

「まぁ、よい。お前はもう用済みだ。帰ってもらう」
「それ、はいいけど――美鈴は?美鈴も一緒だろ?」
「ミレイ様はこちらに残って頂く。あの方が真の神子だ。どういう手練手管を使ったのかは分からんが、陛下を誑し込んで…男娼はこれだから」
「お前、ほんっとに最初から最後まで失礼だな!つかなんでそんなに俺を嫌うの?」
「ハン!それすらも分からんとはな。ミレイ様とは聡明さでも天と地ほどの差があるの」
「それは認めるけど」
「あの方の美しさ、所作、聡明さ…どれをとっても素晴らしい。あの方以外に神子と呼べる人間などおらぬわ。召喚され、初めて見た時のあの衝撃たるや!!!
あの方の神気を私にも分けて頂きたいものだ」
「つまりは美鈴に一目ぼれしたって事だろ?」
「なっ!!!」
「まぁなー。美鈴って外見は超絶美少年?美少女?だもんな。分からんでもない」
「な、なんという事を言うのだ。ほ、ほほ惚れてるなどと!」
「えー?違うの?そうでしょ?なのに美鈴は俺にばっかりかまけてるから焼きもち妬いたって事でしょ。ハゲてるくせに拗らせてんなぁ!」
「ハゲは関係ないわ!」

ぶっふぉ!とまた後ろで噴き出している。あ。咳込んだ。

「帰るのはいいけどさ、美鈴も一緒だろ?神気は充分に満ちているから美鈴も帰れるはずだけど?」
「か、神子様はこれからも必要なのだ」
「それはお前らの都合であって、俺らには関係ない。それに俺らは協力したはずだ。美鈴が望むのであればいいけど、そうでないならそれは人1人の人生を蹂躙している事と変わりないぜ?神官がそれでいいのかよ」
「う…うるさい!うるさいうるさいうるさい!大体、お前は最初から気に入らなかったんだ!平凡な見た目なくせにミレイ様にも気に入られ、陛下の寵愛を受け。納得がいかん!
「ぇぇー…」

なにこの駄々っ子。全然可愛くないし。
駄々っ子して可愛いのはマクミラン王子であって、こいつではない。

「とにかくお前さえいなくなれば、事はうまく進むのだ!!」
「そんな単純な事じゃねーだろ!美鈴を帰せ!!」

キィィィーーーーンと高く、澄んだ音とともに俺の周りに光が溢れてきた。

「やはり、タカナシ様も神子様で間違いない…」

俺を連れてきた神官が呆然とした顔で呟いた声が聞こえた。

「美鈴!美鈴!アディーーーロォォォオオオ!!!」

まだ、アディーロにさよなら言ってない。
こんな不本意な別れ方は嫌だ!
アディーロ…アディーロ…好きだよ、アディーロ。

扉がバンと開いて、美鈴とアディーロ、宰相や騎士がなだれ込んできたのが光の向こうに微かに見えた。眩すぎて明瞭に見えない。

「アディーロ!美鈴!!」
「タツキ!!!」
「樹くんっ!!」

アディーロが必死の形相で手を伸ばしている。
俺も、アディーロに向かって伸ばした。
皆に取り押さえられているアディーロが見えた。
アディーロの綺麗なブルグリーンの瞳と目が合った。
その光景もどんどん霞んでいく。音もほとんど聞こえなくなってきた。
もう、言ってもいいかな。
多分、俺の声も聞こえないだろうし。

「アディーロ、大好き。愛してるよ」

セックスの時の熱に浮かされたような告白じゃなくて、素面の時に自分の気持ちをしっかりと伝えた事はなかった。
俺は帰る人間で、アディーロを置いていく人間だ。
本音をアディーロに渡して、残されたアディーロを思うと言えなかった。

一際眩い光に包まれて、何も考えられなくなった。
ふっと全ての景色と音が搔き消えた。
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