樹くんの甘い受難の日々

生梅

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第一章

6.俺は本当に学習能力のない男である

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「な、なんだよ…」

「そんなに警戒すんなよ。昔はよく3人で入ったろ?」

「入ったけど、あの時と今では状況が違うからな…」

「そうか。どうでもいいけどよ。

そうやって警戒している姿さぁ、子猫が精いっぱい威嚇しているみたいで可愛く見えちゃうからやめとけよ」

「うるせぇよ!バカ勝!!あと、雅樹!にこにこしてんなよ!なんか不穏だ!」

「失礼しちゃうなぁ」



怖い。

雅樹がにっこにこだ。

あの屈託が無さそうな笑顔の時は要注意だ。



「もう体洗ったの?」

「う、うん」

「なんだよー。久々に背中洗いたかったのにー。

いつもみたく、ズバーーッ!ゴリゴリーッ!と」

「馬鹿野郎。あれはどう考えても罰ゲームだろうが」

「でも、あれうけんじゃん。樹好きだったろ」

「確かに。あれは面白い」



3人でお風呂に入って背中お流ししますと誰かが言い出すと誰がやる側に回るかで争奪戦が起きるんだ。

ボディタオルで力いっぱい高速で背中をズバーッとやるか、必要以上にゴリゴリやるか。

その後に湯舟に浸かるとヒィヒィ言っているのをみてゲラゲラ笑うだけのなんの生産性もない遊びだ。



そんな風に思い出話をして警戒心が消えてしまった。

俺は本当に学習能力のない男である。







「んっ…んっんっ…やっ。痛い」

「ごめん。もっと優しくやるから」



雅樹がキスの雨を顔中に降らす。



「樹ぃ。ちゅーしよ」

「はっ…んっふぅ」



勝の舌が俺の口の中を優しくかき乱す。

俺、ただ今絶賛ケツ穴弄られ中。

椅子に座った勝にもたれかかる体勢でキスしながら、

俺のケツを雅樹がローションを使ってほぐしている。

最初は表面だけをゆっくりゆっくり愛撫されて、

それがじんわりと気持ちよくなってきた頃、



「ふふっ。可愛い。お尻の穴が時々パクッて開くようになったよ」



なんて羞恥プレイ以外の何物でもない発言を雅樹に言われて真っ赤になった俺に可愛い可愛いと2人があちこちにキスの嵐を降らせた。

それから俺のちんこを勝がしごいて、穴の浅い所だけを雅樹にじっくり弄られている。

正直、オナニーですらこんなに気持ち良くなった事はない。

ケツの穴なんて触った事ねぇし、考えた事もない。

あれは出す所であって入れる場所ではないからな。

なのに、段々とそこに快感らしきものが生まれているのが分かった。



「本当はここ、舐めたいんだけどさ。さすがにそれは樹も嫌でしょ?

だから次は奇麗に洗ってからしようね?」



雅樹がとんでもないサイコな事を言っているんだが、俺の脳は舐められる事を想像してぞくぞくとした快感が背中を這った。



「なに?想像して感じちゃったの?本当に可愛いなぁ。もう」

「雅樹…俺は理性がいつかはじけ飛ぶんじゃねーかと、ちょっと怖い」

「勝、気持ちは分かるが鋼の意志で持ち堪えろ。ゴールを焦るな」

「分かってる…分かってんだけど、樹の反応が想像以上すぎて…」

「まさりゅぅ~…もう、チューしない?」

「ほらぁぁああ!なんだよ!この可愛い生き物は!するする!するよ~!」



この時の自分の痴態を後で思い出して悶え苦しむという事を、今の俺はまだ知らない-------



「なぁ…その、前立腺っての?それは分かんのか?」

「今日はまだそこまで奥にはいかないよ。まずは入口辺りのマッサージで気持ち良さを感じてもらう事と、触られる事への拒否感をなくすためだからさ」

「な、なるほど…さすが雅樹」

「はっはっは。感謝しろよ。脳筋には無理ゲーだろ?」

「おう。ちんこギンギンにおっ立てながらも紳士なお前には脱帽だ!」

「ましゃき、ちんこつらい?」

「ん?ちょっとね…こんなに可愛い樹見てるとねぇ」



俺は、ちょっと困ったように笑う雅樹を見て、なんだ、その、何か返してやりてぇと思ったんだ。思ったんだけどよ…

まさか、自ら…



「んっ。は…ぁ。うまく出来るかわからないけど…がんばる。はむっ」



咥えたんだよ!雅樹のナニを!!!!!!!

バッカじゃねぇの!俺!!!!!

ケツから雅樹の指をにゅぽっと引き抜く瞬間に軽い喪失感と快感があって自分でも甘いため息が出たのが分かった。



「「たつきぃ?!」」

「しょっぱ。でっか」



そこからは俺の拙いフェラが始まった。同じものが付いてるからある程度大まかな気持ち良いポイントは分かってるつもりだし、こうやると気持ち良い(だろう)なと思う事を必死にやった。



雅樹はそんな拙いテクにちょっと苦笑しながらも、気持ち良いよと言ってくれて、優しくもっとこうして、こっちを…と指示を出し、上手く出来ると蕩けそうな笑顔で褒めてくれるから、頭がぶっ飛んでる俺は嬉しくなって懸命に頑張った。

あんなに頑張った授業はないんじゃないだろうか。

って、俺は何をやってんだ。



「んっ。そう。上手。イクよ?樹の可愛い口の中に出すからね?」



雅樹のちんこが一瞬大きく固く膨張したと思った次の瞬間、俺の口の中に青臭くて苦い物が断続的に流し込まれた。



「うっ…ぐえぇぇ。げほっ。にがっ!!!」

「あ~…さすがにまだゴックンは無理か」

「無理だ!こんなクソまじぃの!」

「くそっ。樹が不味さで正気を取り戻しやがった」



勝が後ろで悪態をついている。



「樹!ありがとう!めちゃくちゃ気持ち良かったし、可愛かったし、嬉しかった♡」

「お、おう」



俺なぜ照れるし。



「樹。可愛い♡」



そう言いながら俺にキスする雅樹。ベロチューして「くっさ!にっが!」と言いながらゲラゲラ笑っていた。

「俺も!」と参戦した勝も同じようにオエーッと言いながらゲラゲラ笑っている。





…なんだ、このカオスな状況は。

そして今さらながらに自分の痴態と所業を思い出して居たたまれなくなる。

どこかにぶつけたくともぶつける先がねぇ。



「樹。いいんだってば。気持ち良かったでしょ?それでいいんだよ」

「そうだぜ。気持ち良かったろ?俺のちんこは未だにギンギンでつらいけど、いいんだよ」

「お前のちんこ事情なんか知ったこっちゃねぇ!

普通に生きてたらフェラなんて一生経験しないだろうが。

俺は自分の中の何かが失われた気がするんだ…」

「何も失われてなんかないよ。経験がひとつ増えただけじゃん?」

「なんか素敵事のように言うてますけど、中身はひどいんやで?」

「樹はそれでいいんだ。何も考えなくてよし!そのままでいろ」

「うるせぇ!バカの申し子!もう風呂でる!体あらう!!」

「はいはーい。お手伝いしまーす♪」

「雅樹はもう俺に触るな!不埒なお手伝いしかしないだろうが!」



やいやい言いながら風呂に出てのぼせ気味な俺らは水分補給を勤しんだ。
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