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10,皆の様子

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「ずーはーずーはーずーはーずーはー 」

俺は今走っている。
鼻が詰まっているので呼吸するのが余計に苦しい。

"ピッピー"

リアが笛?を吹く。

「もっとスピードあげてー!」

「はーい!」

引きこもりの俺には辛い。辛すぎる!
元バスケ部といえど、やはり体がなまってしまっている。

もうどれくらい走っただろうか。
視界が少し白い気がする。

"ピッピー!"

「はーい、お疲れ様です。休憩」

リアが冷たそうな飲み物を持っている。

「ありがとう。」

すぐに飲みきってしまった。

「はい!では次の練習!」

この日は体力づくり、筋トレで終った。
いつになったら剣をにぎらしてくれるのやら。

俺は練習を終え、リアと共に庭の反対側で魔法の練習をするあるまと桃華のもとへ向かった。

水の音。雷の音が聞こえる。それ以外、呪文を唱える声などは、一切聞こえない。
二人はよほど集中しているのか、俺とリアに気づいていない。
二人の邪魔をしてはいけないので、リアを残して俺は屋敷の中に戻った。




このころ。ミリアは。

「すー。」

大きく息を吸う。漆黒の扉の前で。
そのドアを開ける。
中は暗くてよく見えない。が、目線の先には輪のような物が浮かんでいるのはわかる。
ミリアは、そこをくぐった。
ここがどこに繋がっているのか。玲音達はまだ知らない。
暗い空間をどんどん落ちていく。
そこにあるのは町。
建物がたくさん並んでおり、にぎやかだ。

ミリアはある大きな建物の中に入った。
そこで受付らしき台のところにいる人にこう言った。

「ティアルド国。王、カトレア・ミリア。シエルグランプリに参加します。」

「目を見せて。」

ミリアはかがんで見せた。

「承認。」

ミリアは建物を出た。

ここはアシュタ国シエルグランプリ開催地。今、ここにいる人はほとんどがどこかの国の王。
この時期は、シエルグランプリ参加受付の時期なのだ。

ミリアは、受付を済ませると、屋敷へ戻った。


今から命の保証はない。
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