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第4話 Dパート~『求め』過ぎた結果~
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「はぁッ!」
来る。
横薙ぎに来ると直感した僕らはブースターを点火、後ろへ大きく後退しようとする。
そしてその動作のまま空へ飛びあがった瞬間……
グゴォオオオオオッ!!!
「ッ!?」
僕らの背面にあった山が、ハンマーによって大きく抉れた。
「な、なんて威力……ッ!」
「まだまだぁッ! 行け、ビットッ!」
瞬間、イザベラの『鋼衣』のスカート部から棒状のものが飛び出してくる。その先端がこちらを向くと、そこからビームが飛び出してきたッ!
「うわ、うわぁッ!」
突然飛び出してくる飛び道具に驚き、ブースターのコントロールが乱れる。僕はなんとか地面に着地するも、その瞬間を狙って今度はイザベラのハンマーがこちらへ襲いかかってくるッ!
「くぅう……ッ!」
シュダ……ッ!
ドゴォオオオオンッ!!!
間一髪。ハンマーが迫った瞬間前転したことにより、なんとか攻撃を回避することに成功する。
そしてそのまま跳ね起きをし、なんとか距離を取る僕らとイザベラ。その周囲には、まだイザベラの出した遠隔攻撃機のドローンが宙を舞っている。
「……強いッ」
僕は歯軋りをする。ハンマーとビームによる連携が高い。このまま防戦一方になるだけだ。どうにかこの状況を打開しないと……。
「――勇」
「なに、ハツネさん」
「まだ、やれますよね?」
その言葉に、強い”圧”を感じた。
彼女には、闘志が滾っている。それは彼女の星をバカにされたことによるものなのか、星を奪った皇帝とやらに対するものなのか、よくわからない。
けれど……彼女が怒っていることはわかった。
「うん、いけるよ……ちょっと油断してた。ゴメン」
「いえ、大丈夫です――これから挽回していただくなら」
そう言いあって、僕らは再び敵を見定める。
そうだ。油断してはいけない。僕らはもっと敵を倒さなきゃいけないんだ。こんなところで躓いてるわけにはいかない。
僕は、地面を強く踏みしめた。
ダッ!!!
「ッ! そっちから突っ込んでくるわけね。いい度胸だわ」
そう言った瞬間、イザベラもハンマーを構える。
こちらも爪を構えて敵へ突進しようとした瞬間……
……カチッ、ボッ!!!
「ッ!」
ブースターを、点火した。
「はぁッ!」
ズシャアァッ!!!
そしてそのまま、天高く舞い上がった。
「なッ!?」
イザベラが驚くのをよそに、僕らは背中の翼を大きく広げる。
レグルス・フィーネの状態では空へは飛べるが速度に難ががあったため戦闘には向いてなかった。
だが、テラレグルスへ合体することにより足にブースターが装備されるため、それを利用して高速移動が出来る。
つまり……敵のドローンと対等の機動力で、戦うことが出来るのだッ!!!
ビュビュゥ、ビュウビュウゥッ!
瞬間、ドローンから一斉にビームが射出される。それを僕らは高速飛行で回避、大きく旋回し、そのままビーム兵器の背面へと回り込むッ!
「シルバークロー……はぁッ!」
そして爪を振りかぶり、そのまま敵のドローンを一機破壊する。
「はぁッ、はぁッ!」
そしてそのまま二機目、三機目と墜としていく。どれもビームが掠るほどのギリギリであったが、ハツネさんが示してくれるルートのおかげでダメージを受けない道がしっかりとわかる。
僕はそれに向かって、全力で翼をはためかせたッ!
「これで、最後……はぁッ!」
そしてこちらへ向かい合うドローンがビームを発射する。その際のわずかな硬直、それを狙って僕らは一気にブースターを加速させるッ!
ブォォォォッ!!!
そして空気を翼で切りながら、最後のドローンと間合いを詰め……その擦れ違い際、ドラゴンアームの爪でドローンの鉄装甲を切り裂いたッ!
ドゴォォォンッ!
「ナイスです、勇ッ!」
ハツネさんの声と同時に起きる大きな爆発。それと同時に、辺りへ煙が広く蔓延する。
そしてその隙すら見逃さない。瞬間、僕らはその煙幕に紛れるように、イザベラと一気に距離を詰めるッ!
「ッ! しまっ……」
「今だッ! レグルス・スパイラアアアァァァルッ!!!」
そして、わずかな隙を狙い両掌を合わせ、高速回転させる。
その螺旋の豪転のまま、僕らは起死回生の一手を打つッ!
「……なんてね」
だが。
イザベラはまるでスケートジャンプをするように軽やかに攻撃を避ける。そしてそのまま身体を一回転、さっきまで自分の身体があった位置……つまり、レグルス・スパイラルが当たる位置に向かって、ハンマーを繰り出す。
それは完全に、こちらの攻撃を見切った動きだった。
ガシャアアアァンッ!!!
「ぐ……っ!!!」
攻撃は躱されたが、もう退くことはできない。
僕らはクォールハンマーに向かって、全力のレグルス・スパイラルを放っていたッ!
「うおぉおおおおおおッ!!!」
ガガッ、ガガガガッ!!!
だが、イザベラは涼しい顔をしていた。
「……なんだ、その程度なのね」
そして、軽くグッと足を踏み込むと……
ガッ、ガガガガ……ッ!!!
「なっ……!?」
こちらの攻撃が、押し戻されていった。
「少しはやるかと思ったけど……思ったより、全然弱っちいわね」
「くっ……ぐぅうう……ッ!!!」
押し返したい。けれど、押し返せない。
相手の圧力に負けて、どんどんこちらの攻撃が押されていっている。これは、まずい……ッ!
「ハ、ハツネさん、後退だ……ッ! 少し無理をしてでも、ここは退いて……」
「――うぉおおおおおおおおおッ!!!」
だが、ハツネさんは退かなかった。
既に押し戻されてる腕に無理やり力を入れ、敵に向かって回転する鋼爪を突きつけようとしている。
こちらでコントロールを取り戻そうとするも、ハツネさんの想いが強過ぎて管理権限を引き寄せられなかった。
「私は……負けるわけにはいかないッ!」
ギィンッ、ギィィインッ!!!
ドラゴンアームが軋みを上げる。相手の圧力に負け、装甲に歪みが出始めている。
「こんな奴らにぃ、負けるわけにはぁああ……ッ!」
ギィッ、ィィインッ!!!
ついに腕の骨格にまでダメージが行き始めている。マニュピュレータにひびが入り、ピストンが逆回転している。
「ぅぉおおおッ……おぉおおおおおッ!!!」
それでも、ハツネさんは止めなかった。
フレームごと歪もうと、腕部の装甲がボロボロになろうと。
ギィイッ、ィィイン……ッ!!!
……まるで、何かに取り憑かれたように。
「……飽きた」
ギシャァアアアンッ!!!
「あ――」
そして、ドラゴンアームはあっさりと壊れた。
まるで枯れ枝が折れるように、ポッキリと。
「これで終わりね」
「――ッ!」
そして……
ズガアァアアアアアアアアアァァァンッ!!!
僕は、意識を失うほどの衝撃を喰らった。
「……ぁっ」
どうやら、お腹に直接攻撃を喰らったようだ。
レグルス・フィーネのコックピットはちょうどその位置にあるから、つまり僕は相手の攻撃の衝撃をほぼ真正面から受けたことになる。
これは、まずい。
僕は幸いこれまで事故に遭ったことはない。けれど、トラックや電車と衝突した時よりもこの衝撃は大きいとすぐにわかった。
「……勇?」
「勇、どうしたのですか、早く起きて下さい。まだ敵はいるんですよ、あなたが動かないと私は……勇……勇、どうして返事をしてくれないのですか? ……ねぇ、なんで? どうして、勇、起きて、起きて下さい、勇……嘘でしょう? 嘘って言って、お願いだから、勇……、勇ッ!」
そしてコックピットの中に倒れ伏した僕は。
「………………勇ぅうううぅぅぅぅぅッッッ!!!」
ハツネさんの叫びを聞きながら……意識を失ってしまった。
来る。
横薙ぎに来ると直感した僕らはブースターを点火、後ろへ大きく後退しようとする。
そしてその動作のまま空へ飛びあがった瞬間……
グゴォオオオオオッ!!!
「ッ!?」
僕らの背面にあった山が、ハンマーによって大きく抉れた。
「な、なんて威力……ッ!」
「まだまだぁッ! 行け、ビットッ!」
瞬間、イザベラの『鋼衣』のスカート部から棒状のものが飛び出してくる。その先端がこちらを向くと、そこからビームが飛び出してきたッ!
「うわ、うわぁッ!」
突然飛び出してくる飛び道具に驚き、ブースターのコントロールが乱れる。僕はなんとか地面に着地するも、その瞬間を狙って今度はイザベラのハンマーがこちらへ襲いかかってくるッ!
「くぅう……ッ!」
シュダ……ッ!
ドゴォオオオオンッ!!!
間一髪。ハンマーが迫った瞬間前転したことにより、なんとか攻撃を回避することに成功する。
そしてそのまま跳ね起きをし、なんとか距離を取る僕らとイザベラ。その周囲には、まだイザベラの出した遠隔攻撃機のドローンが宙を舞っている。
「……強いッ」
僕は歯軋りをする。ハンマーとビームによる連携が高い。このまま防戦一方になるだけだ。どうにかこの状況を打開しないと……。
「――勇」
「なに、ハツネさん」
「まだ、やれますよね?」
その言葉に、強い”圧”を感じた。
彼女には、闘志が滾っている。それは彼女の星をバカにされたことによるものなのか、星を奪った皇帝とやらに対するものなのか、よくわからない。
けれど……彼女が怒っていることはわかった。
「うん、いけるよ……ちょっと油断してた。ゴメン」
「いえ、大丈夫です――これから挽回していただくなら」
そう言いあって、僕らは再び敵を見定める。
そうだ。油断してはいけない。僕らはもっと敵を倒さなきゃいけないんだ。こんなところで躓いてるわけにはいかない。
僕は、地面を強く踏みしめた。
ダッ!!!
「ッ! そっちから突っ込んでくるわけね。いい度胸だわ」
そう言った瞬間、イザベラもハンマーを構える。
こちらも爪を構えて敵へ突進しようとした瞬間……
……カチッ、ボッ!!!
「ッ!」
ブースターを、点火した。
「はぁッ!」
ズシャアァッ!!!
そしてそのまま、天高く舞い上がった。
「なッ!?」
イザベラが驚くのをよそに、僕らは背中の翼を大きく広げる。
レグルス・フィーネの状態では空へは飛べるが速度に難ががあったため戦闘には向いてなかった。
だが、テラレグルスへ合体することにより足にブースターが装備されるため、それを利用して高速移動が出来る。
つまり……敵のドローンと対等の機動力で、戦うことが出来るのだッ!!!
ビュビュゥ、ビュウビュウゥッ!
瞬間、ドローンから一斉にビームが射出される。それを僕らは高速飛行で回避、大きく旋回し、そのままビーム兵器の背面へと回り込むッ!
「シルバークロー……はぁッ!」
そして爪を振りかぶり、そのまま敵のドローンを一機破壊する。
「はぁッ、はぁッ!」
そしてそのまま二機目、三機目と墜としていく。どれもビームが掠るほどのギリギリであったが、ハツネさんが示してくれるルートのおかげでダメージを受けない道がしっかりとわかる。
僕はそれに向かって、全力で翼をはためかせたッ!
「これで、最後……はぁッ!」
そしてこちらへ向かい合うドローンがビームを発射する。その際のわずかな硬直、それを狙って僕らは一気にブースターを加速させるッ!
ブォォォォッ!!!
そして空気を翼で切りながら、最後のドローンと間合いを詰め……その擦れ違い際、ドラゴンアームの爪でドローンの鉄装甲を切り裂いたッ!
ドゴォォォンッ!
「ナイスです、勇ッ!」
ハツネさんの声と同時に起きる大きな爆発。それと同時に、辺りへ煙が広く蔓延する。
そしてその隙すら見逃さない。瞬間、僕らはその煙幕に紛れるように、イザベラと一気に距離を詰めるッ!
「ッ! しまっ……」
「今だッ! レグルス・スパイラアアアァァァルッ!!!」
そして、わずかな隙を狙い両掌を合わせ、高速回転させる。
その螺旋の豪転のまま、僕らは起死回生の一手を打つッ!
「……なんてね」
だが。
イザベラはまるでスケートジャンプをするように軽やかに攻撃を避ける。そしてそのまま身体を一回転、さっきまで自分の身体があった位置……つまり、レグルス・スパイラルが当たる位置に向かって、ハンマーを繰り出す。
それは完全に、こちらの攻撃を見切った動きだった。
ガシャアアアァンッ!!!
「ぐ……っ!!!」
攻撃は躱されたが、もう退くことはできない。
僕らはクォールハンマーに向かって、全力のレグルス・スパイラルを放っていたッ!
「うおぉおおおおおおッ!!!」
ガガッ、ガガガガッ!!!
だが、イザベラは涼しい顔をしていた。
「……なんだ、その程度なのね」
そして、軽くグッと足を踏み込むと……
ガッ、ガガガガ……ッ!!!
「なっ……!?」
こちらの攻撃が、押し戻されていった。
「少しはやるかと思ったけど……思ったより、全然弱っちいわね」
「くっ……ぐぅうう……ッ!!!」
押し返したい。けれど、押し返せない。
相手の圧力に負けて、どんどんこちらの攻撃が押されていっている。これは、まずい……ッ!
「ハ、ハツネさん、後退だ……ッ! 少し無理をしてでも、ここは退いて……」
「――うぉおおおおおおおおおッ!!!」
だが、ハツネさんは退かなかった。
既に押し戻されてる腕に無理やり力を入れ、敵に向かって回転する鋼爪を突きつけようとしている。
こちらでコントロールを取り戻そうとするも、ハツネさんの想いが強過ぎて管理権限を引き寄せられなかった。
「私は……負けるわけにはいかないッ!」
ギィンッ、ギィィインッ!!!
ドラゴンアームが軋みを上げる。相手の圧力に負け、装甲に歪みが出始めている。
「こんな奴らにぃ、負けるわけにはぁああ……ッ!」
ギィッ、ィィインッ!!!
ついに腕の骨格にまでダメージが行き始めている。マニュピュレータにひびが入り、ピストンが逆回転している。
「ぅぉおおおッ……おぉおおおおおッ!!!」
それでも、ハツネさんは止めなかった。
フレームごと歪もうと、腕部の装甲がボロボロになろうと。
ギィイッ、ィィイン……ッ!!!
……まるで、何かに取り憑かれたように。
「……飽きた」
ギシャァアアアンッ!!!
「あ――」
そして、ドラゴンアームはあっさりと壊れた。
まるで枯れ枝が折れるように、ポッキリと。
「これで終わりね」
「――ッ!」
そして……
ズガアァアアアアアアアアアァァァンッ!!!
僕は、意識を失うほどの衝撃を喰らった。
「……ぁっ」
どうやら、お腹に直接攻撃を喰らったようだ。
レグルス・フィーネのコックピットはちょうどその位置にあるから、つまり僕は相手の攻撃の衝撃をほぼ真正面から受けたことになる。
これは、まずい。
僕は幸いこれまで事故に遭ったことはない。けれど、トラックや電車と衝突した時よりもこの衝撃は大きいとすぐにわかった。
「……勇?」
「勇、どうしたのですか、早く起きて下さい。まだ敵はいるんですよ、あなたが動かないと私は……勇……勇、どうして返事をしてくれないのですか? ……ねぇ、なんで? どうして、勇、起きて、起きて下さい、勇……嘘でしょう? 嘘って言って、お願いだから、勇……、勇ッ!」
そしてコックピットの中に倒れ伏した僕は。
「………………勇ぅうううぅぅぅぅぅッッッ!!!」
ハツネさんの叫びを聞きながら……意識を失ってしまった。
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