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第3.5話 Bパート~ストレッチオンリー~
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「さ、始めましょう」
「ダーリン、準備はいい?」
そうブルマ姿となった二人に言われた僕は、うつむきながら頷いた。
はぁ……ついにこの時が来たのか。そう肩を落としながら。
「うっし、じゃあ始めっぞ。じゃ、まずはストレッチからだな。二人一組に分かれっぞ。じゃ、ペアを作って……」
むにっ。
むにっ。
「ひょわぁっ!?」
瞬間、二人は僕の両脇に腕を絡ませてきた。
「勇、私としましょう。私たちは一心同体。ペアを組むのは当然です」
「あぁら、何を言ってるの。あたしとダーリンの関係に割り込むつもりなのかしら?」
「黙って下さい横恋慕。勝手に割り込んで来ないで下さい」
「よこ……っ、ふ、ふん、そんな無愛想な顔見せつけられてたら、勇だって気分が落ち込んじゃうわよ?」
「ぶ……っ!」
「痛い痛い痛いッ! ハツネさん、ちょっと痛いッ!」
ハツネさんって表情が乏しいことを気にしてたんだ。ちょっと意外。
そんなことを考えながら、僕はハツネさんの金属肌による万力を味わうこととなった。
「……あー、それじゃ勇は俺と組むか。男女だしそっちのがいいよな」
そのとき、副司令が助け船を出してくれた。あぁ、さすが副司令! 頼りになる男!
「副司令。それは今のジェンダー価値観に合っていません」
「そうよ。この男女平等の世に無粋なルールを押しつけないで」
「あ、じゃあ勝手にやって下さい」
副司令ぃいいいいいいッ!?
すまん勇、俺にはどうしようも出来ん……そんなアイコンタクトを送られ、僕は肩を落とす。
そして何故か、三人でのストレッチが始まったのだった。
「じゃあダーリン、あたしが背中から体を押すわね。ダーリンは体を倒すだけでいいから」
「勇は体をひたすら前に倒して下さい。後ろの女が体に触れるよりも前にこっちへ体を傾けて下さいね」
そう言ってリアナさんを後ろに、開脚した脚裏を合わせて股を広げたハツネさんを前にして開脚前屈ストレッチを始める。ハツネさんと手を握りあって……ストレッチが始まった。
「ぐっ、ぅうう……っ!」
……そして、終わった。
「ぐっ、うぅ……っ! い、勇、もう体を前に倒せないのですか?」
「うぁあ……っ! ごめん、無理ぃ……っ!」
長さにして、10cm。それで僕の前屈は終わってしまった。
最近忘れてたが、僕は肉体機能障害という病気を持っている。故にか体も非常に堅く、10代とは思えないほどの最低記録をたたき出すこともしばしばあったのだ。
そしてその無様さを、僕はリアナさんとハツネさんに見せつけてしまったのだった。
「ふむ……ちょっと体に力を入れ過ぎみたいね」
むにっ。
「ッ!!!」
瞬間、リアナさんが僕の背中に胸を押しつけてきた。
「リ、リアナさん、何を……!?」
「ダーリン、もっと力を抜いて……あたしの胸の感触を味わう余裕が出来るぐらい、ゆっくりと……」
そんなこと出来る余裕はありませんッ!
そう頭の中で叫んだ瞬間、今度はグイッ、と腕を前に引っ張られた。
「い、痛い痛い痛いッ! は、ハツネさん、痛いよッ!」
「駄目です勇ッ! こういうのは気合いです、気合いで乗り切るんですッ! さぁ、体を曲げて! そして背中の脂肪の塊から逃げるんですッ!」
いや、何か趣旨変わってない!?
けれどハツネさんの言い分にも一理ある。これはどうにか逃れないと大変なことになる……そう思った僕は、体を一生懸命前に倒す。
ムチィ……ッ
「ッ!」
そして次に目に映ったのは……太もも。
ハツネさんの太ももだった。
美しい。カモシカのように細くしなやかに脚線美を描き、それでいて女性らしい肉付きを備えている。正に芸術品とも言うべきハツネさんの脚が眼前に迫り……僕は反射的に背中をあげようとするッ!
「勇ッ! どうして逃げようとするのですかッ!」
「その太ももが顔の近くに迫ったからですッ!」
思わず意味のわからないことを叫びながら僕は顔ごと体を反らす。しかし瞬間、今度は背中に柔らかいものの感触がむにぃっ、と背中に広がる。
「ほぉうっ!」
「だぁめ、逃げないの……そんな奴より、あたしの胸の感触を味わった方がいいでしょう?」
よくないですッ!
その瞬間、僕はこの脚で作り出した菱形のフォーメーションの中に逃げ場がないことを悟った。
そして結局、堅い体を精一杯酷使しながらストレッチをしたのだった。
……え? これまだ身体測定始まってすらいないの?
「ダーリン、準備はいい?」
そうブルマ姿となった二人に言われた僕は、うつむきながら頷いた。
はぁ……ついにこの時が来たのか。そう肩を落としながら。
「うっし、じゃあ始めっぞ。じゃ、まずはストレッチからだな。二人一組に分かれっぞ。じゃ、ペアを作って……」
むにっ。
むにっ。
「ひょわぁっ!?」
瞬間、二人は僕の両脇に腕を絡ませてきた。
「勇、私としましょう。私たちは一心同体。ペアを組むのは当然です」
「あぁら、何を言ってるの。あたしとダーリンの関係に割り込むつもりなのかしら?」
「黙って下さい横恋慕。勝手に割り込んで来ないで下さい」
「よこ……っ、ふ、ふん、そんな無愛想な顔見せつけられてたら、勇だって気分が落ち込んじゃうわよ?」
「ぶ……っ!」
「痛い痛い痛いッ! ハツネさん、ちょっと痛いッ!」
ハツネさんって表情が乏しいことを気にしてたんだ。ちょっと意外。
そんなことを考えながら、僕はハツネさんの金属肌による万力を味わうこととなった。
「……あー、それじゃ勇は俺と組むか。男女だしそっちのがいいよな」
そのとき、副司令が助け船を出してくれた。あぁ、さすが副司令! 頼りになる男!
「副司令。それは今のジェンダー価値観に合っていません」
「そうよ。この男女平等の世に無粋なルールを押しつけないで」
「あ、じゃあ勝手にやって下さい」
副司令ぃいいいいいいッ!?
すまん勇、俺にはどうしようも出来ん……そんなアイコンタクトを送られ、僕は肩を落とす。
そして何故か、三人でのストレッチが始まったのだった。
「じゃあダーリン、あたしが背中から体を押すわね。ダーリンは体を倒すだけでいいから」
「勇は体をひたすら前に倒して下さい。後ろの女が体に触れるよりも前にこっちへ体を傾けて下さいね」
そう言ってリアナさんを後ろに、開脚した脚裏を合わせて股を広げたハツネさんを前にして開脚前屈ストレッチを始める。ハツネさんと手を握りあって……ストレッチが始まった。
「ぐっ、ぅうう……っ!」
……そして、終わった。
「ぐっ、うぅ……っ! い、勇、もう体を前に倒せないのですか?」
「うぁあ……っ! ごめん、無理ぃ……っ!」
長さにして、10cm。それで僕の前屈は終わってしまった。
最近忘れてたが、僕は肉体機能障害という病気を持っている。故にか体も非常に堅く、10代とは思えないほどの最低記録をたたき出すこともしばしばあったのだ。
そしてその無様さを、僕はリアナさんとハツネさんに見せつけてしまったのだった。
「ふむ……ちょっと体に力を入れ過ぎみたいね」
むにっ。
「ッ!!!」
瞬間、リアナさんが僕の背中に胸を押しつけてきた。
「リ、リアナさん、何を……!?」
「ダーリン、もっと力を抜いて……あたしの胸の感触を味わう余裕が出来るぐらい、ゆっくりと……」
そんなこと出来る余裕はありませんッ!
そう頭の中で叫んだ瞬間、今度はグイッ、と腕を前に引っ張られた。
「い、痛い痛い痛いッ! は、ハツネさん、痛いよッ!」
「駄目です勇ッ! こういうのは気合いです、気合いで乗り切るんですッ! さぁ、体を曲げて! そして背中の脂肪の塊から逃げるんですッ!」
いや、何か趣旨変わってない!?
けれどハツネさんの言い分にも一理ある。これはどうにか逃れないと大変なことになる……そう思った僕は、体を一生懸命前に倒す。
ムチィ……ッ
「ッ!」
そして次に目に映ったのは……太もも。
ハツネさんの太ももだった。
美しい。カモシカのように細くしなやかに脚線美を描き、それでいて女性らしい肉付きを備えている。正に芸術品とも言うべきハツネさんの脚が眼前に迫り……僕は反射的に背中をあげようとするッ!
「勇ッ! どうして逃げようとするのですかッ!」
「その太ももが顔の近くに迫ったからですッ!」
思わず意味のわからないことを叫びながら僕は顔ごと体を反らす。しかし瞬間、今度は背中に柔らかいものの感触がむにぃっ、と背中に広がる。
「ほぉうっ!」
「だぁめ、逃げないの……そんな奴より、あたしの胸の感触を味わった方がいいでしょう?」
よくないですッ!
その瞬間、僕はこの脚で作り出した菱形のフォーメーションの中に逃げ場がないことを悟った。
そして結局、堅い体を精一杯酷使しながらストレッチをしたのだった。
……え? これまだ身体測定始まってすらいないの?
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