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第2話Bパート~ラスタ・レルラ、集う~
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一方、都市部の一角。
薄暗い会議室の中に、4人の女性が座っていた。
「メイス、君の部隊の者が『鋼姫』に破れたらしいが?」
そう告げるのは、白衣を身に纏う女性。亜麻色の髪とスラリと伸びた体は、とても研究員という身分とは思えないほど妖艶なスタイルをしている。
「勘違いするな……あいつが勝手に宇宙船に忍び込んでただけだ。部隊に入れた覚えはない」
そう憮然と返す女性は、全身が見事に引き締まっており、筋肉と女性らしさのマリアージュを体現したかのような美しい肉体美を見せている。
「アンタ、真面目っぽそうなのに抜けてるわよね……」
「イザベラ、余計な口を利くなら斬るぞ?」
多少の怒りを込めたメイスの視線に、勝ち気な笑みを返すのはウェーブのかかった金髪を揺らす、イザベラと呼ばれた女性だ。
「あ~ら、やってみなさいよ。私のルーちゃんの餌食になるだけだけど」
「きゃは、そんな訛った腕で戦うのぉ? マジウケるんですけど♪」
「あぁ? 地雷系は黙りなさいよ。あんたから先に潰そうか?」
そしてそんなイザベラの鋭い視線を受け止めたのは、スマホを弄っている、フリフリの服に身を包んだ少女……リアナだった。
そんな4人で囲むテーブルで最初に話し始めた美女……ローラは小さく溜め息を吐いた。
「話を逸らすな……大事なのは、そのはぐれ者がついに『鋼姫』を見つけたということだ……しかも、王子付きでな」
「ホ~ントラッキーだよね~。これでメイスの処分はなしかぁ、つまんないなぁ」
「ふん……あんな役立たずでも使える時は来る者だな」
そう鼻を鳴らし冷然とメイスが言い放ったのを見て、ローラは態度を改める。
「さて、それでは本題だ。次は、誰が行く?」
「勿論決まってるわ、私の部隊よ」
「イザベラ。同じことを何度も言わせるな」
「同じこと? 何言ってんの。部下の管理も出来ないあんたには荷が重すぎるわよ」
「はいは~い、喧嘩なんかしてるこいつらよりもぉ、あたしの部隊が適任だと思いま~す♪」
「点数を稼ごうとしないで田舎者……そんな可愛コぶったって、元の芋臭さは消えないわよ?」
「……今なんつった、デブ」
「私のスタイルに嫉妬? いいわ、いくらでもなさい。そのために私の美しい体はあるんだから……」
そう睨み合い始める二人。一触即発の空気が流れた、その時……
「今回はメイスの部隊で行きます」
瞬間、巨大なモニターが光を放つ。
薄暗い会議室を照らすその光の方へ、全員が向き直る。
「議長……あなたは口出ししないルールじゃなかったの?」
「そ~そ~ズルいよ~」
画面に映る男へと全員が抗議の視線を送る。
それはこれまで会議を取り仕切っていた少女……ローラもだ。
「勘違いしないで、今回のはただの挽回のチャンスよ……部下の不始末、つけてくれるわね?」
「……勿論だ、議長どの」
その言葉に、議長は無言で頷く。
「では、決定です……必ず『鋼姫』を捕まえなさい。それが我らが皇帝陛下の御意思よ」
そして全員が椅子を下り、跪くような姿勢を取る。
「全ては、皇帝陛下のために」
「陛下のために」
そう全員が唱和した瞬間、メイスは自分の部隊の待機所へ戻っていた。
「……ケルタ。貴様の出番だ」
「ははぁ、メイス様、お任せあれ」
そして部隊の中でも痩せ細った一体が、恭しくメイスと呼ばれる女性に頭を下げる。
「で……どのようにして奴を呼び出します?」
「簡単だ……街を破壊しろ。それだけでいい」
「はっ、畏まりました……」
「あの愚か者の不始末、必ずお前がつけるのだぞ」
「はっ、必ずや、このケルタの手で『鋼姫』を仕留めてみます……では』
そう言って、今度はケルタと呼ばれた男が消えた。
鋼姫……ハツネを、始末するために。
薄暗い会議室の中に、4人の女性が座っていた。
「メイス、君の部隊の者が『鋼姫』に破れたらしいが?」
そう告げるのは、白衣を身に纏う女性。亜麻色の髪とスラリと伸びた体は、とても研究員という身分とは思えないほど妖艶なスタイルをしている。
「勘違いするな……あいつが勝手に宇宙船に忍び込んでただけだ。部隊に入れた覚えはない」
そう憮然と返す女性は、全身が見事に引き締まっており、筋肉と女性らしさのマリアージュを体現したかのような美しい肉体美を見せている。
「アンタ、真面目っぽそうなのに抜けてるわよね……」
「イザベラ、余計な口を利くなら斬るぞ?」
多少の怒りを込めたメイスの視線に、勝ち気な笑みを返すのはウェーブのかかった金髪を揺らす、イザベラと呼ばれた女性だ。
「あ~ら、やってみなさいよ。私のルーちゃんの餌食になるだけだけど」
「きゃは、そんな訛った腕で戦うのぉ? マジウケるんですけど♪」
「あぁ? 地雷系は黙りなさいよ。あんたから先に潰そうか?」
そしてそんなイザベラの鋭い視線を受け止めたのは、スマホを弄っている、フリフリの服に身を包んだ少女……リアナだった。
そんな4人で囲むテーブルで最初に話し始めた美女……ローラは小さく溜め息を吐いた。
「話を逸らすな……大事なのは、そのはぐれ者がついに『鋼姫』を見つけたということだ……しかも、王子付きでな」
「ホ~ントラッキーだよね~。これでメイスの処分はなしかぁ、つまんないなぁ」
「ふん……あんな役立たずでも使える時は来る者だな」
そう鼻を鳴らし冷然とメイスが言い放ったのを見て、ローラは態度を改める。
「さて、それでは本題だ。次は、誰が行く?」
「勿論決まってるわ、私の部隊よ」
「イザベラ。同じことを何度も言わせるな」
「同じこと? 何言ってんの。部下の管理も出来ないあんたには荷が重すぎるわよ」
「はいは~い、喧嘩なんかしてるこいつらよりもぉ、あたしの部隊が適任だと思いま~す♪」
「点数を稼ごうとしないで田舎者……そんな可愛コぶったって、元の芋臭さは消えないわよ?」
「……今なんつった、デブ」
「私のスタイルに嫉妬? いいわ、いくらでもなさい。そのために私の美しい体はあるんだから……」
そう睨み合い始める二人。一触即発の空気が流れた、その時……
「今回はメイスの部隊で行きます」
瞬間、巨大なモニターが光を放つ。
薄暗い会議室を照らすその光の方へ、全員が向き直る。
「議長……あなたは口出ししないルールじゃなかったの?」
「そ~そ~ズルいよ~」
画面に映る男へと全員が抗議の視線を送る。
それはこれまで会議を取り仕切っていた少女……ローラもだ。
「勘違いしないで、今回のはただの挽回のチャンスよ……部下の不始末、つけてくれるわね?」
「……勿論だ、議長どの」
その言葉に、議長は無言で頷く。
「では、決定です……必ず『鋼姫』を捕まえなさい。それが我らが皇帝陛下の御意思よ」
そして全員が椅子を下り、跪くような姿勢を取る。
「全ては、皇帝陛下のために」
「陛下のために」
そう全員が唱和した瞬間、メイスは自分の部隊の待機所へ戻っていた。
「……ケルタ。貴様の出番だ」
「ははぁ、メイス様、お任せあれ」
そして部隊の中でも痩せ細った一体が、恭しくメイスと呼ばれる女性に頭を下げる。
「で……どのようにして奴を呼び出します?」
「簡単だ……街を破壊しろ。それだけでいい」
「はっ、畏まりました……」
「あの愚か者の不始末、必ずお前がつけるのだぞ」
「はっ、必ずや、このケルタの手で『鋼姫』を仕留めてみます……では』
そう言って、今度はケルタと呼ばれた男が消えた。
鋼姫……ハツネを、始末するために。
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