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過去
授業
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実那先生に出された数式を解いて
問題用紙を渡す。
「数学は得意?」
丸つけをしながら実那先生は聞いてくる。
「あぁ、まぁ
自分が分かれば楽しいです。」
「なるほど。
じゃあ英語とか国語は?」
正直英語も嫌いなわけではなかった。
俺が嫌いなのは勉強そのもの。
理解するまでの過程が嫌いなのだ。
「別に、英語も分かれば楽しいし。」
今まで母さんは俺に勉強をさせようと色々と試行錯誤してきた。
それでも勉強という行為が続かなかったのは、教えてくれる人との相性もあるのだろう。
苦手教科がある訳じゃない。
勉強も言われればやる。
でも成績は伸び悩む。
大体の先生という立場の人は俺にこう言う。
「君が理解しようとしないから。」
「やれば出来るのに、なんでやらないんだ。」
勉強そのものが嫌いというのは理解されにくいらしかった。
「じゃあ幸音くんは勉強が苦手なんだね。」
「ぇ?」
驚きで出た声は声とは言えないほど
か細い声だった。
「あれ?違った?
幸音くん苦手な教科もないし、
数式も言ったら解いてくれた。
数式解いてる時楽しそうだったから、
理解するまでの過程が苦手なのかなぁ
なんて、思ったんだけど...」
「ぁ、いや、違いません...」
初めてだった。
俺をちゃんと知ってくれた。
否定せずに受け入れてくれた。
「実那先生。」
「ん?どうしたの?」
実那先生は問題用紙を準備していて
こちらを向いてはいない。
「俺、今年受験なんですよ。
大学受験まで、死ぬほど勉強します。」
「じゃあ僕もたっくさん
過程を教えなきゃだね。」
「....はい。よろしくお願いします。」
まだまだガキの俺は、
本当に伝えたいことを伝えられず
気づくと大学受験までの日数は
残りわずかとなっていた。
問題用紙を渡す。
「数学は得意?」
丸つけをしながら実那先生は聞いてくる。
「あぁ、まぁ
自分が分かれば楽しいです。」
「なるほど。
じゃあ英語とか国語は?」
正直英語も嫌いなわけではなかった。
俺が嫌いなのは勉強そのもの。
理解するまでの過程が嫌いなのだ。
「別に、英語も分かれば楽しいし。」
今まで母さんは俺に勉強をさせようと色々と試行錯誤してきた。
それでも勉強という行為が続かなかったのは、教えてくれる人との相性もあるのだろう。
苦手教科がある訳じゃない。
勉強も言われればやる。
でも成績は伸び悩む。
大体の先生という立場の人は俺にこう言う。
「君が理解しようとしないから。」
「やれば出来るのに、なんでやらないんだ。」
勉強そのものが嫌いというのは理解されにくいらしかった。
「じゃあ幸音くんは勉強が苦手なんだね。」
「ぇ?」
驚きで出た声は声とは言えないほど
か細い声だった。
「あれ?違った?
幸音くん苦手な教科もないし、
数式も言ったら解いてくれた。
数式解いてる時楽しそうだったから、
理解するまでの過程が苦手なのかなぁ
なんて、思ったんだけど...」
「ぁ、いや、違いません...」
初めてだった。
俺をちゃんと知ってくれた。
否定せずに受け入れてくれた。
「実那先生。」
「ん?どうしたの?」
実那先生は問題用紙を準備していて
こちらを向いてはいない。
「俺、今年受験なんですよ。
大学受験まで、死ぬほど勉強します。」
「じゃあ僕もたっくさん
過程を教えなきゃだね。」
「....はい。よろしくお願いします。」
まだまだガキの俺は、
本当に伝えたいことを伝えられず
気づくと大学受験までの日数は
残りわずかとなっていた。
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