38 / 40
第2章 ダンジョン探索編
37話 神白の刀
しおりを挟む
実戦経験を積むために始めたゲームであるのに色々面倒なことになってきたな、
と思いながらドーラ工房に向かっていると
なんだ?複数人からの視線を感じるな・・・敵意はないが・・・
そうして歩いていると、
「あ、あの!」
「ん?」
「おい、バカ!やめろ!す、すいません」
男は謝りながら去っていった。
――マナー違反だぞ
そう言っているのが聞こえてきた。
リュウジンは何のことか分からずとりあえずドーラ工房に向けて歩き始めた。
視線に晒されながらも歩いているとドーラ工房に着いた。
中に入ると相変わらず誰もいなかった。
勝手に中に入っても良いのかと考えているとロゾーが奥から出てきた。
「久しいのリュウジンよ。今日はどうした?刀の手入れでもせがみに来たのか?」
そう言ってロゾーはニヤっと笑った。
「まずはこの前の刀の代金20万フーロだ」
そういって差し出した20万フーロを確認したロゾーは
「早かったのう。もう少しかかると思っておったぞ?」
「ああ、臨時収入があったのでな」
「それで刀はどうした?」
俺が刀を持っていないからか訝しげな目で俺を見てきた。
「折れた」
「何じゃと?!試作品とはいえ生半可なことで折れるはずなどないはずじゃぞ?何と戦った」
未熟者ならば刀の扱いを間違えて折ることもあるであろうが、リュウジンがそのようなことをするはずがないとロゾーは確信していた。
「悪いが詳しくは言えねぇんだ。だが、刃が通らん強敵と戦ってダメージを与えた代わりに俺の技に耐えきれんくて折れた」
「なるほどの~。お主の技か。それほど強いのか?」
「いや、本来なら刀が折れることはないが、今回はダメージが一切通らなかったから限界以上の力を出して刀に負荷がかかったみたいだ」
「なるほどのう。して、どうするのじゃ?」
「まずはこれを見てほしい」
リュウジンが取り出したのは第4騎にもらった剣だった。
――神白の刀――
詳細:『#$¥』が手ずから作った純白の刀。
この刀を見たものはあまりの美しさに目を奪われるであろう。
世界に3つしかないレジェンドクラスの武器であり、『意思ある武器』でもある神刀である。
使用者と共に成長していく。
段階:レベル1
効果:全パラメータ+100
・『神気吸収』
効果:周囲からエネルギーを吸収し自身のパラメーターに追加する
効果時間:3分
リキャストタイム:10分
備考:譲渡不可
――――――
「な・・・な・・・な、なんじゃあこりゃあああああああああ!!」
正直俺も初めて確認した時には目を疑ったからロゾーの反応はよくわかるし、俺はそれ以上に驚くことがあった。
――――――
リュウジンが初めて確認した時
「な、なんだこれは・・・。強すぎないかこれは・・・」
リュウジンが手に取って握ってみると
『起動。マスター認証完了。リュウジン様お初にお目にかかります』
「な、なんだ?!」
リュウジンは突然頭の中に流れてきた声にびっくりし戦闘体勢になった。
『私は『意思ある武器』の白と申します。どうぞ末長くよろしくお願いします』
―――――
リュウジンは突然の出来事に対応できず、とりあえず後回しにしたのである。
「こいつをどこで手に入れた!!なんてもんを持ってきやがる!こんなもん国宝レベルじゃねえか!!」
ロゾーはかなり興奮した様子で叫んでいた。
いちいち取り合ってたら埒があかないので話を続けた。
「ロゾーにやってもらいたいのは、それに匹敵するかもしくはそれよりも数段性能の低い武器を作ってもらいたい」
そういうとロゾーは一気に職人の顔に戻り
「まずこれに匹敵する武器なんぞ作れん。これは人種が作れるようなもんじゃないわい。何となくお前さんの事情が見えてきたわい」
「知ってるのか?」
直接聞くことはできないので、言外に匂わせるように言った。
「ああ、知っている。職業柄ギルドの幹部と話し合うこともあるのでな、何かあったときにすぐに対処できるように知らされているのじゃ。・・・なるほど。あれらが作ったものならこの出来も納得じゃわい。このレベルの武器は作れんが、ワシが作れる最高の刀を作ってやる!一応予算を聞いておくが、妥協しない場合にはそれを超えるやもしれんぞ?」
「予算は大体1億フーロだ。足りそうか?」
「足らんの。その倍はいるわい。まぁお前さんなら後払いで良いが・・・。とりあえず素材から集めなきゃならん。1ヶ月ほど時間をもらうぞ。それまでは前回見せたこの刀を予備にもっておれ。折れたとしても金は請求しないので遠慮なく使え」
そういって前回2000万フーロの刀だと紹介されたものを渡してきた。
「いいのか?」
「かまわん。本格的にお得意様になりそうだしのう。少しくらいのサービスはしてやる。とりあえず俺は今から作業に戻る!ひと月後にまた来い!」
ロゾーは自身の勘が間違っていなかったと思い、これからの一仕事を思い浮かべて上機嫌で作業場に戻って行ったのであった。
と思いながらドーラ工房に向かっていると
なんだ?複数人からの視線を感じるな・・・敵意はないが・・・
そうして歩いていると、
「あ、あの!」
「ん?」
「おい、バカ!やめろ!す、すいません」
男は謝りながら去っていった。
――マナー違反だぞ
そう言っているのが聞こえてきた。
リュウジンは何のことか分からずとりあえずドーラ工房に向けて歩き始めた。
視線に晒されながらも歩いているとドーラ工房に着いた。
中に入ると相変わらず誰もいなかった。
勝手に中に入っても良いのかと考えているとロゾーが奥から出てきた。
「久しいのリュウジンよ。今日はどうした?刀の手入れでもせがみに来たのか?」
そう言ってロゾーはニヤっと笑った。
「まずはこの前の刀の代金20万フーロだ」
そういって差し出した20万フーロを確認したロゾーは
「早かったのう。もう少しかかると思っておったぞ?」
「ああ、臨時収入があったのでな」
「それで刀はどうした?」
俺が刀を持っていないからか訝しげな目で俺を見てきた。
「折れた」
「何じゃと?!試作品とはいえ生半可なことで折れるはずなどないはずじゃぞ?何と戦った」
未熟者ならば刀の扱いを間違えて折ることもあるであろうが、リュウジンがそのようなことをするはずがないとロゾーは確信していた。
「悪いが詳しくは言えねぇんだ。だが、刃が通らん強敵と戦ってダメージを与えた代わりに俺の技に耐えきれんくて折れた」
「なるほどの~。お主の技か。それほど強いのか?」
「いや、本来なら刀が折れることはないが、今回はダメージが一切通らなかったから限界以上の力を出して刀に負荷がかかったみたいだ」
「なるほどのう。して、どうするのじゃ?」
「まずはこれを見てほしい」
リュウジンが取り出したのは第4騎にもらった剣だった。
――神白の刀――
詳細:『#$¥』が手ずから作った純白の刀。
この刀を見たものはあまりの美しさに目を奪われるであろう。
世界に3つしかないレジェンドクラスの武器であり、『意思ある武器』でもある神刀である。
使用者と共に成長していく。
段階:レベル1
効果:全パラメータ+100
・『神気吸収』
効果:周囲からエネルギーを吸収し自身のパラメーターに追加する
効果時間:3分
リキャストタイム:10分
備考:譲渡不可
――――――
「な・・・な・・・な、なんじゃあこりゃあああああああああ!!」
正直俺も初めて確認した時には目を疑ったからロゾーの反応はよくわかるし、俺はそれ以上に驚くことがあった。
――――――
リュウジンが初めて確認した時
「な、なんだこれは・・・。強すぎないかこれは・・・」
リュウジンが手に取って握ってみると
『起動。マスター認証完了。リュウジン様お初にお目にかかります』
「な、なんだ?!」
リュウジンは突然頭の中に流れてきた声にびっくりし戦闘体勢になった。
『私は『意思ある武器』の白と申します。どうぞ末長くよろしくお願いします』
―――――
リュウジンは突然の出来事に対応できず、とりあえず後回しにしたのである。
「こいつをどこで手に入れた!!なんてもんを持ってきやがる!こんなもん国宝レベルじゃねえか!!」
ロゾーはかなり興奮した様子で叫んでいた。
いちいち取り合ってたら埒があかないので話を続けた。
「ロゾーにやってもらいたいのは、それに匹敵するかもしくはそれよりも数段性能の低い武器を作ってもらいたい」
そういうとロゾーは一気に職人の顔に戻り
「まずこれに匹敵する武器なんぞ作れん。これは人種が作れるようなもんじゃないわい。何となくお前さんの事情が見えてきたわい」
「知ってるのか?」
直接聞くことはできないので、言外に匂わせるように言った。
「ああ、知っている。職業柄ギルドの幹部と話し合うこともあるのでな、何かあったときにすぐに対処できるように知らされているのじゃ。・・・なるほど。あれらが作ったものならこの出来も納得じゃわい。このレベルの武器は作れんが、ワシが作れる最高の刀を作ってやる!一応予算を聞いておくが、妥協しない場合にはそれを超えるやもしれんぞ?」
「予算は大体1億フーロだ。足りそうか?」
「足らんの。その倍はいるわい。まぁお前さんなら後払いで良いが・・・。とりあえず素材から集めなきゃならん。1ヶ月ほど時間をもらうぞ。それまでは前回見せたこの刀を予備にもっておれ。折れたとしても金は請求しないので遠慮なく使え」
そういって前回2000万フーロの刀だと紹介されたものを渡してきた。
「いいのか?」
「かまわん。本格的にお得意様になりそうだしのう。少しくらいのサービスはしてやる。とりあえず俺は今から作業に戻る!ひと月後にまた来い!」
ロゾーは自身の勘が間違っていなかったと思い、これからの一仕事を思い浮かべて上機嫌で作業場に戻って行ったのであった。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。
惑星保護区
ラムダムランプ
SF
この物語について
旧人類と別宇宙から来た種族との出来事にまつわる話です。
概要
かつて地球に住んでいた旧人類と別宇宙から来た種族がトラブルを引き起こし、その事が発端となり、地球が宇宙の中で【保護区】(地球で言う自然保護区)に制定され
制定後は、他の星の種族は勿論、あらゆる別宇宙の種族は地球や現人類に対し、安易に接触、交流、知能や技術供与する事を固く禁じられた。
現人類に対して、未だ地球以外の種族が接触して来ないのは、この為である。
初めて書きますので読みにくいと思いますが、何卒宜しくお願い致します。
❤️レムールアーナ人の遺産❤️
apusuking
SF
アランは、神代記の伝説〈宇宙が誕生してから40億年後に始めての知性体が誕生し、更に20億年の時を経てから知性体は宇宙に進出を始める。
神々の申し子で有るレムルアーナ人は、数億年を掛けて宇宙の至る所にレムルアーナ人の文明を築き上げて宇宙は人々で溢れ平和で共存共栄で発展を続ける。
時を経てレムルアーナ文明は予知せぬ謎の種族の襲来を受け、宇宙を二分する戦いとなる。戦争終焉頃にはレムルアーナ人は誕生星系を除いて衰退し滅亡するが、レムルアーナ人は後世の為に科学的資産と数々の奇跡的な遺産を残した。
レムールアーナ人に代わり3大種族が台頭して、やがてレムルアーナ人は伝説となり宇宙に蔓延する。
宇宙の彼方の隠蔽された星系に、レムルアーナ文明の輝かしい遺産が眠る。其の遺産を手にした者は宇宙を征するで有ろ。但し、辿り付くには3つの鍵と7つの試練を乗り越えねばならない。
3つの鍵は心の中に眠り、開けるには心の目を開いて真実を見よ。心の鍵は3つ有り、3つの鍵を開けて真実の鍵が開く〉を知り、其の神代記時代のレムールアーナ人が残した遺産を残した場所が暗示されていると悟るが、闇の勢力の陰謀に巻き込まれゴーストリアンが破壊さ
VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
強奪系触手おじさん
兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる