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第二章 信者獲得
078 移動手段
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瑞貴はスッキリしない気分のまま学校での数日を過ごして金曜日を迎えた。学校の帰りに采姫のところへ行くように言われていたが、前夜の確認連絡は済ませてある。
采姫から『準備は整っていますよ』と聞かされていたので問題はなく次の段階へ移行する。
「……それでは、これが行きの新幹線チケットと宿泊費になります」
「えっ!?宿泊費って、泊まることになるんですか?」
「念のためです。……明日中に八雲徹と会えるかは分からないので、瑞貴さんも準備しておいてください」
「でも、八雲徹さんって人を訪ねて東京まで行くんですよね?俺は何をすればいいんですか?」
「いいえ、瑞貴さんが訪ねるのではなくて、八雲徹がやって来るまで待つことになります。……場所はこの病院です」
そう言って采姫は病院の名前と住所の書かれたメモを瑞貴に手渡した。綺麗な文字で書かれているメモには、それ以外の情報は何もなかった。
「メモに書かれた病院に八雲徹が現れたら、話をしてください。瑞貴さんは八雲徹と話をするために行くのです」
「何を話せばいいんですか?」
「出会うことが出来れば自然と会話は生まれてきます。心配はいりませんよ」
「……話をするためって……、話すだけでいいんですか?他に目的はないんですか?」
「ありませんね。……本当に、ただ話をするだけでいいんです」
わざわざ東京まで行って、初対面の男と会話をするだけだった。それだけのために土日を過ごすことになるらしい。
それでも今日の采姫は、いつもより神妙な感じがしていた。瑞貴が八雲徹という人物に会うことに何の意味があるのか分からなかったが、心の準備が必要だと瑞貴は感じている。
「……この病院で待ってばいいんですか?……待ち合わせとかではないんですね」
「はい。瑞貴さんが見つけてください。写真などはありませんが瑞貴さんであれば八雲徹を見つけられるはずです」
「顔も分からない人を見つけられるんですか?」
「瑞貴さんであれば、大丈夫です。……それに、八雲徹も瑞貴さんに気が付いてくれるかもしれません」
「もしかして、土日の二日間だけで会えない可能性も……?」
「ありますね。八雲徹が病院に訪れるのは時の巡り合わせのようなものです。その時は、また別の日になるかもしれません」
「そこまでして話をするだけなんですね……。可能な範囲で、その人のことを教えてもらえませんか?」
「八雲徹、年齢は44歳。霊能力の強い家系に生れて霊媒師として生きている男。……以上になります」
姫和は自分の部屋から出てこない。ここ数日は晴天続きなので、部屋に封印をして籠っているというわけではなさそうだった。
瑞貴と会わないようにしているのかもしれないが、指示をした姫和が直接話をしてくれないことも瑞貴は不気味に感じている。
「俺が、その八雲徹さんと話をすることに意味があるんでしょうか?」
「無駄にはならないと思っています」
「……分かりました。とにかく行ってみます」
采姫は優しい顔で頷いていた。
「ところで、このチケット代や宿泊費って、どこか……」
質問をしていた瑞貴の口を采姫の指が封じてしまう。これ以上は聞いてはならないことだった。この部屋の家賃や生活費など、具体的に考え始めると恐ろしいことになりかねないので深く追及しない方が賢明である。
「瑞貴さん、天照大御神は貴方が八雲徹の話を聞くことに意味があると信じています。……変な表現になってるかもしれませんが、頑張ってくださいね」
帰ろうとして玄関で靴を履いていた瑞貴に采姫が声をかけた。
「はい、ありがとうございます」
天照大御神である姫和が意味があると思っている以上、瑞貴が断ることなど出来るはずもない。
それに今の瑞貴は会ってみたいと思っていた。会うことに意味がなかったとしても、神様や鬼までが八雲徹の名前や素性まで知っていることに興味があった。
――普通じゃないよな……。神媒師は神様の手助けをするために存在してるから知られてるかもしれないけど、八雲徹って人は違うんだ
采姫からは何も注意されることはなかったので、瑞貴が危険になることもないと考えていた。
――特殊な霊媒師って言ってたけど、どんな能力がある人なんだろう?
二日間の休日を無駄にする可能性もあるが、それだけの価値がある何かが得られるような気がしていた。
そして、瑞貴は一旦帰宅した後に大黒様の視察と合わせて鬼を訪ねることにした。
大黒様と一緒に歩いている時に、
「あっ!……大黒様!」
思わず声を上げて叫んでしまう。すっかり忘れてしまっていたが、東京に行くことになれば大黒様を置いていくことになる。
――新幹線で移動出来る動物用のバッグなんて持ってないし……。泊まることになるかもしれないのに大黒様を連れては動けない
これほどの移動を考えていなかったので、背負うタイプの物以外は準備していなかった。犬と一緒に泊まれる場所を探すことにも苦労するかもしれない。
「やっぱり、留守番してもらうしかないよな……」
そう思った途端、瑞貴は少しだけ不安になってしまう。
単なる旅行であれば一人でも不安はなかったが、神様の指示で行動するときに大黒様がいないことが不安だった。
「今回は仕方ないか」
前を歩く大黒様を見ながら瑞貴は呟いていた。
この二ヶ月間、ほとんど毎日を一緒に過ごしていたので一緒にいることを当たり前に感じてしまっていた。当たり前が当たり前ではなくなる不安といったところである。
「……わざわざ申し訳ありませんでした。今回は私の我儘を聞いていただき、感謝しております」
「そんな、いいですよ。先日は俺が助けられたんだから」
「そう言っていただけると助かります。瑞貴殿が会いに行くことを知らなければ良かったのですが、知ってしまえば是非私も会ってみたくなりまして」
「鬼の世界で、八雲徹って人は有名なんですか?」
「まぁ、有名と言えば有名ですね。……理由は会って話をすれば、お分かりいただけると思います」
「今回は、みんなが随分もったいぶるな……」
会って話をすれば分かると言われてしまえば、それ以上の質問は受付けてもらえなくなる。
「ただ……、今の瑞貴殿が……。いや、やめておきましょう」
鬼にしては珍しい態度だった。何かを話そうとして口籠ってしまう。
「あっ、俺の新幹線チケットしかなかったんですけど、どうすればいいんでしょうか?……受け取った時に確認し忘れちゃって、スイマセン」
「いいえ、構いません。私は新幹線など乗りません。あちらの神は、そのことを知った上でチケットを手配しているのでしょう」
「えっ!?それなら、どうやって移動するんですか?……あっ!」
瑞貴は自分で質問していながら答えを見つけてしまっていた。出張中だった父のもとへも鬼は現れている。
まさに『神出鬼没』だと冗談ぽく考えていたことを思い出していた。
「お気付きになられましたね」
「はい。……俺たちの感覚と同じに考えていたらダメでした」
「いえ、それでいいのですよ。貴方は」
意味ありげな言葉にも聞こえたが、そこは聞き流すことにした。質問したとしてもはぐらかされてしまうだけで明確な答えを与えてはもらえない。姫和や采姫も同じだが、瑞貴に考えることを求めているようだった。
「……ですから、そちらの神は明日の朝、私がお預かりして東京まで連れて行きます」
「そちらの神って、大黒様のことですか?」
「はい。私と一緒に動いてしまえば瑞貴殿の手間にはならないはずです。……目的の場所だけ教えていただければ、現地にて合流しましょう」
「あぁ、目的地はここなんですけど……」
瑞貴は采姫から受け取ったメモを鬼に見せた。鬼はチラリをみただけで『承知しました』と言ってメモを返してしまう。
「……やっぱり、すごいんですね」
瑞貴は溜息交じりに感嘆してしまう。
あんな一瞬見ただけで住所を記憶していたらしい。携帯で連絡を取り合うこともできないので、場所を間違えてしまえば合流できなくなるかもしれないのに余裕の態度だった。
「それにしても、そんな簡単に移動できるなんて羨ましいな」
「人非ざる者のみが許される道ですが、瑞貴殿も試してみますか?……瞬間移動とまではいきませんが、人間の常識は簡単に覆せる体験ができると思います」
「……まだ人間でいたいので、遠慮しておきます」
瑞貴が不安に感じていたことは一気に解消されたことになる。
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そう言って采姫は病院の名前と住所の書かれたメモを瑞貴に手渡した。綺麗な文字で書かれているメモには、それ以外の情報は何もなかった。
「メモに書かれた病院に八雲徹が現れたら、話をしてください。瑞貴さんは八雲徹と話をするために行くのです」
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「……話をするためって……、話すだけでいいんですか?他に目的はないんですか?」
「ありませんね。……本当に、ただ話をするだけでいいんです」
わざわざ東京まで行って、初対面の男と会話をするだけだった。それだけのために土日を過ごすことになるらしい。
それでも今日の采姫は、いつもより神妙な感じがしていた。瑞貴が八雲徹という人物に会うことに何の意味があるのか分からなかったが、心の準備が必要だと瑞貴は感じている。
「……この病院で待ってばいいんですか?……待ち合わせとかではないんですね」
「はい。瑞貴さんが見つけてください。写真などはありませんが瑞貴さんであれば八雲徹を見つけられるはずです」
「顔も分からない人を見つけられるんですか?」
「瑞貴さんであれば、大丈夫です。……それに、八雲徹も瑞貴さんに気が付いてくれるかもしれません」
「もしかして、土日の二日間だけで会えない可能性も……?」
「ありますね。八雲徹が病院に訪れるのは時の巡り合わせのようなものです。その時は、また別の日になるかもしれません」
「そこまでして話をするだけなんですね……。可能な範囲で、その人のことを教えてもらえませんか?」
「八雲徹、年齢は44歳。霊能力の強い家系に生れて霊媒師として生きている男。……以上になります」
姫和は自分の部屋から出てこない。ここ数日は晴天続きなので、部屋に封印をして籠っているというわけではなさそうだった。
瑞貴と会わないようにしているのかもしれないが、指示をした姫和が直接話をしてくれないことも瑞貴は不気味に感じている。
「俺が、その八雲徹さんと話をすることに意味があるんでしょうか?」
「無駄にはならないと思っています」
「……分かりました。とにかく行ってみます」
采姫は優しい顔で頷いていた。
「ところで、このチケット代や宿泊費って、どこか……」
質問をしていた瑞貴の口を采姫の指が封じてしまう。これ以上は聞いてはならないことだった。この部屋の家賃や生活費など、具体的に考え始めると恐ろしいことになりかねないので深く追及しない方が賢明である。
「瑞貴さん、天照大御神は貴方が八雲徹の話を聞くことに意味があると信じています。……変な表現になってるかもしれませんが、頑張ってくださいね」
帰ろうとして玄関で靴を履いていた瑞貴に采姫が声をかけた。
「はい、ありがとうございます」
天照大御神である姫和が意味があると思っている以上、瑞貴が断ることなど出来るはずもない。
それに今の瑞貴は会ってみたいと思っていた。会うことに意味がなかったとしても、神様や鬼までが八雲徹の名前や素性まで知っていることに興味があった。
――普通じゃないよな……。神媒師は神様の手助けをするために存在してるから知られてるかもしれないけど、八雲徹って人は違うんだ
采姫からは何も注意されることはなかったので、瑞貴が危険になることもないと考えていた。
――特殊な霊媒師って言ってたけど、どんな能力がある人なんだろう?
二日間の休日を無駄にする可能性もあるが、それだけの価値がある何かが得られるような気がしていた。
そして、瑞貴は一旦帰宅した後に大黒様の視察と合わせて鬼を訪ねることにした。
大黒様と一緒に歩いている時に、
「あっ!……大黒様!」
思わず声を上げて叫んでしまう。すっかり忘れてしまっていたが、東京に行くことになれば大黒様を置いていくことになる。
――新幹線で移動出来る動物用のバッグなんて持ってないし……。泊まることになるかもしれないのに大黒様を連れては動けない
これほどの移動を考えていなかったので、背負うタイプの物以外は準備していなかった。犬と一緒に泊まれる場所を探すことにも苦労するかもしれない。
「やっぱり、留守番してもらうしかないよな……」
そう思った途端、瑞貴は少しだけ不安になってしまう。
単なる旅行であれば一人でも不安はなかったが、神様の指示で行動するときに大黒様がいないことが不安だった。
「今回は仕方ないか」
前を歩く大黒様を見ながら瑞貴は呟いていた。
この二ヶ月間、ほとんど毎日を一緒に過ごしていたので一緒にいることを当たり前に感じてしまっていた。当たり前が当たり前ではなくなる不安といったところである。
「……わざわざ申し訳ありませんでした。今回は私の我儘を聞いていただき、感謝しております」
「そんな、いいですよ。先日は俺が助けられたんだから」
「そう言っていただけると助かります。瑞貴殿が会いに行くことを知らなければ良かったのですが、知ってしまえば是非私も会ってみたくなりまして」
「鬼の世界で、八雲徹って人は有名なんですか?」
「まぁ、有名と言えば有名ですね。……理由は会って話をすれば、お分かりいただけると思います」
「今回は、みんなが随分もったいぶるな……」
会って話をすれば分かると言われてしまえば、それ以上の質問は受付けてもらえなくなる。
「ただ……、今の瑞貴殿が……。いや、やめておきましょう」
鬼にしては珍しい態度だった。何かを話そうとして口籠ってしまう。
「あっ、俺の新幹線チケットしかなかったんですけど、どうすればいいんでしょうか?……受け取った時に確認し忘れちゃって、スイマセン」
「いいえ、構いません。私は新幹線など乗りません。あちらの神は、そのことを知った上でチケットを手配しているのでしょう」
「えっ!?それなら、どうやって移動するんですか?……あっ!」
瑞貴は自分で質問していながら答えを見つけてしまっていた。出張中だった父のもとへも鬼は現れている。
まさに『神出鬼没』だと冗談ぽく考えていたことを思い出していた。
「お気付きになられましたね」
「はい。……俺たちの感覚と同じに考えていたらダメでした」
「いえ、それでいいのですよ。貴方は」
意味ありげな言葉にも聞こえたが、そこは聞き流すことにした。質問したとしてもはぐらかされてしまうだけで明確な答えを与えてはもらえない。姫和や采姫も同じだが、瑞貴に考えることを求めているようだった。
「……ですから、そちらの神は明日の朝、私がお預かりして東京まで連れて行きます」
「そちらの神って、大黒様のことですか?」
「はい。私と一緒に動いてしまえば瑞貴殿の手間にはならないはずです。……目的の場所だけ教えていただければ、現地にて合流しましょう」
「あぁ、目的地はここなんですけど……」
瑞貴は采姫から受け取ったメモを鬼に見せた。鬼はチラリをみただけで『承知しました』と言ってメモを返してしまう。
「……やっぱり、すごいんですね」
瑞貴は溜息交じりに感嘆してしまう。
あんな一瞬見ただけで住所を記憶していたらしい。携帯で連絡を取り合うこともできないので、場所を間違えてしまえば合流できなくなるかもしれないのに余裕の態度だった。
「それにしても、そんな簡単に移動できるなんて羨ましいな」
「人非ざる者のみが許される道ですが、瑞貴殿も試してみますか?……瞬間移動とまではいきませんが、人間の常識は簡単に覆せる体験ができると思います」
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