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第一章 初めての務め
038 誤算
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久しぶりに涙を流して泣いた瑞貴は早く顔を洗いたかったのだが、何故か大黒様の嫌がらせを受けてしまうことになる。
帰り道で明らかな遠回りをされてしまい家までの最短ルートを拒否されてしまった。最近の忙しさにかまけて視察活動が雑になっていることへの無言の抗議なのかもしれない。
――誰に会うわけでもないから大丈夫かな?
瑞貴の考え方は油断であり時として『フラグ』としての効果を発動する。
「わんっ!」
二人の前方を歩く女性に大黒様が珍しく吠えてしまい、振り返れば秋月穂香。
「えっ!?……あっ、あれ大黒様?」
瑞貴は秋月に出会ってしまった驚きと真っ先に名前を呼ばれたのが大黒様の方であったとこのショックで複雑な感情にさせられた。振り返った瞬間、秋月は瑞貴と目が合っていたはずなのに大黒様へのリアクションが先になっている。
「滝川君もお散歩中?」
秋月からすると散歩中なのは大黒様がメインで滝川君『も』になってしまう。でも、それが真実でもあり視察活動で瑞貴はオマケだった。。
「大黒様、久しぶりだね」
撫でられている大黒様は嬉しそうに見えていた。信長と話した後だったので瑞貴も少しだけ穏やかな気持ちにはなれている。
「秋月さんは散歩ってことはないよね?」
「ちょっと友達の家に本を借りに行ってたの」
「こんな早い時間から読書?」
「……料理。試験も終わったから気分転換のつもり」
秋月は持っていたバッグの中から料理本を取り出して瑞貴に見せてくれた。
漢字二文字の言葉が瑞貴の穏やかな気持ちを消し去り、厳しい現実を思い出させてしまう。
一つは、15日から29日までは両親出張による不在で食事に困ること。一つは、クリスマス・パーティーでのパンケーキのこと。
あと数日で、どうにかなるものだろうか悩まされる。
瑞貴は粉を混ぜて焼くだけで何とかなると思っているが急に不安になってきた。まず、お店で出されるような本物のパンケーキを瑞貴は食べたことがなかった。
味付け?トッピング?まだ何も情報を持っていない。
「どうしたの?何か暗い顔になってるよ?」
「あっ、ゴメン。何でもないんだ、大丈夫」
秋月が覗き込むようにして瑞貴の顔を見るので動揺が露骨に出てしまう。
「何かあるなら相談してほしい」
「あっ、うん。パンケーキ……」
咄嗟の反応で思わず瑞貴から単語だけが漏れて出てしまっていた。
「えっ?……パンケーキ?」
「……ゴメン、違うんだ。本当に何でもない」
「パンケーキが何!?」
そこまで言ったのなら最後まで話せと秋月から圧力がかかる。こんな時の美人が発する圧に瑞貴が勝つことなど出来るはずもなかった。
「あっ、フワフワのパンケーキって簡単に作れるものなのかな?って考えてたんだ」
「ホットケーキミックスとかで簡単にはできるけど、フワフワにするならメレンゲ入れたりして少し手間はかかるかな?ちょっと手間は必要だよ」
「……えっ?『メレンゲ』って何?」
「……卵白を泡立てた食材」
「卵をそのまま泡立てたらダメ?」
首を横に振っている秋月を見て、瑞貴は自分の認識の甘さを痛感した。両親不在の食事を全てパンケーキにして練習するくらいの覚悟が必要かもしれない。
「どんなパンケーキを作りたいの?」
「どんな、って……ちゃんと食べたことないから、詳しく分からないんだよな」
「えっ、食べたことないの?」
この後、前回同様に秋月の自宅まで送る行動を大黒様は迷わず選択する。
「大黒様って凄いね。ちゃんと道が分かってるみたい」
迷わず秋月のマンションに向かう大黒様を見て秋月は感心していた。
――はい、ちゃんと分かってるんです
瑞貴は心の中で答えたが、時々立ち止まって振る動作を繰り返す大黒様を不思議に思う。明らかに普段の視察では見せない動きをしていた。
「どうしてパンケーキなんて作りたいの?」
突然、話が戻ったことに瑞貴は驚いてしまう。
「あっ、食べさせてあげたい人たちがいるんだ。……その人たちが指定してるのが何故かパンケーキで」
いきなりの質問することで瑞貴が誤魔化すために思考する時間を与えない秋月の作戦かもしれない。元々、誤魔化しながら話すのが得意ではない瑞貴には有効な手段なっていた。
会話には脈絡を持たせず、少し黙って突然違う話をしたりする。瑞貴の意表を突いて頭の中を整理さえてくれない。
「この前、コンビニの前で待ってる時大黒様に不安を漏らしたから私を守ってくれてるのかも……」
「えっ?不安って何かあるの?」
「……最近、外で人の気配を感じることがあるの。だから、私も大黒様みたいなワンチャンがいてくれると心強いなって話してたの。そのことを覚えてくれてるのかな?」
「……それって、ストーカー?」
「そんなハッキリした感じじゃないんだけど、ちょっと怖い時があるの。……冬だと暗くなるのも早いから特に不安な感じがするし」
日が短くなっている時期は気持ちが落ち着かなくなる。『気のせい』である可能性もあるが、秋月に『ストーカー』はあり得ない話でもない。
そして、初めてマンションに秋月を送った後で瑞貴は嫌な感覚が残っていたことを思い出す。
――あの時の嫌な感覚って、それが原因か?それなら、あの時も近くにそいつが居たのか?……大黒様は気が付いてて秋月と一緒に帰ろうとしてる?
大黒様が積極的に秋月と一緒に歩いているのことも何かに気付いて守ろうとしているのかもしれないと瑞貴は考えた。
「美味しいパンケーキのお店知ってるよ。……フワフワのパンケーキのお店」
深刻な話から突然パンケーキに戻す秋月の会話に瑞貴はついていけていない。
「……えっ、どこにあるの?」
「場所を説明するのは難しいかも」
「近くにある?」
「近くだよ。説明できないから、明日、連れて行ってあげようか?」
「イメージしやすくなるから助かる」
ピタッと大黒様が歩くのを止めて、今回は瑞貴の顔をジッと見つめていた。
「どうしたんです?急に止まって、何かありましたか?…………。あっ!」
秋月の『ストーカー』を心配していたらパンケーキを一緒に食べに行くことになっていた。知らず知らずのうちに秋月のペースで話は進められていたらしい。
「歩いて行けるお店だけど、大黒様はお店に入れないから外で留守番だけど大丈夫だよね?」
そこから秋月の家まで瑞貴の記憶は曖昧になっていた。
翌日の日曜日、午前10時に秋月の家に迎えに行って本屋に寄ってからパンケーキのお店に行くことだけは覚えている。
折り紙の本を探したかった瑞貴が『本屋にも寄りたい』と漏らした結果生まれた予定ではある。秋月の家の前で予定を確認して連絡先を交換したことも間違いないが経緯を覚えていない。
別れた後に瑞貴は放心状態で再び動き出すまでに時間がかかってしまい、自分の身に何が起こったのか理解できていなかった。
「わんっ!」
大黒様の声で我に返ることが出来て冷静に状況判断をすることになるが、それでも数分前までの出来事が信じられないでいた。
突然に訪れた自分自身の『青春』展開に頭がついてきていない。
「それじゃぁ、帰りましょうか」
やっとのことで絞り出せた言葉はそれだけだったが、大黒様の様子は違っている。
前回、秋月のマンション前で取った行動と同じように来た道を戻ろうとした。
「……大黒様?……そっちだと、かなり遠回りになってしまうので、こっちです」
言葉に反応して瑞貴をジッと見つめるが、大黒様はその言葉を無視して違う方向に進み始めてしまう。
――もしかして……!?
大黒様の態度を見ていて瑞貴は秋月の話を思い出した。それは『ストーカー』の存在についてだった。
「……本当にいるんですか?」
舞い上がっていた感覚は一瞬で消え去り、一気に緊張感が高まる。大黒様が分かり易く行動で示してくれているのであれば間違いなく何かがあるはずだった。
帰り道で明らかな遠回りをされてしまい家までの最短ルートを拒否されてしまった。最近の忙しさにかまけて視察活動が雑になっていることへの無言の抗議なのかもしれない。
――誰に会うわけでもないから大丈夫かな?
瑞貴の考え方は油断であり時として『フラグ』としての効果を発動する。
「わんっ!」
二人の前方を歩く女性に大黒様が珍しく吠えてしまい、振り返れば秋月穂香。
「えっ!?……あっ、あれ大黒様?」
瑞貴は秋月に出会ってしまった驚きと真っ先に名前を呼ばれたのが大黒様の方であったとこのショックで複雑な感情にさせられた。振り返った瞬間、秋月は瑞貴と目が合っていたはずなのに大黒様へのリアクションが先になっている。
「滝川君もお散歩中?」
秋月からすると散歩中なのは大黒様がメインで滝川君『も』になってしまう。でも、それが真実でもあり視察活動で瑞貴はオマケだった。。
「大黒様、久しぶりだね」
撫でられている大黒様は嬉しそうに見えていた。信長と話した後だったので瑞貴も少しだけ穏やかな気持ちにはなれている。
「秋月さんは散歩ってことはないよね?」
「ちょっと友達の家に本を借りに行ってたの」
「こんな早い時間から読書?」
「……料理。試験も終わったから気分転換のつもり」
秋月は持っていたバッグの中から料理本を取り出して瑞貴に見せてくれた。
漢字二文字の言葉が瑞貴の穏やかな気持ちを消し去り、厳しい現実を思い出させてしまう。
一つは、15日から29日までは両親出張による不在で食事に困ること。一つは、クリスマス・パーティーでのパンケーキのこと。
あと数日で、どうにかなるものだろうか悩まされる。
瑞貴は粉を混ぜて焼くだけで何とかなると思っているが急に不安になってきた。まず、お店で出されるような本物のパンケーキを瑞貴は食べたことがなかった。
味付け?トッピング?まだ何も情報を持っていない。
「どうしたの?何か暗い顔になってるよ?」
「あっ、ゴメン。何でもないんだ、大丈夫」
秋月が覗き込むようにして瑞貴の顔を見るので動揺が露骨に出てしまう。
「何かあるなら相談してほしい」
「あっ、うん。パンケーキ……」
咄嗟の反応で思わず瑞貴から単語だけが漏れて出てしまっていた。
「えっ?……パンケーキ?」
「……ゴメン、違うんだ。本当に何でもない」
「パンケーキが何!?」
そこまで言ったのなら最後まで話せと秋月から圧力がかかる。こんな時の美人が発する圧に瑞貴が勝つことなど出来るはずもなかった。
「あっ、フワフワのパンケーキって簡単に作れるものなのかな?って考えてたんだ」
「ホットケーキミックスとかで簡単にはできるけど、フワフワにするならメレンゲ入れたりして少し手間はかかるかな?ちょっと手間は必要だよ」
「……えっ?『メレンゲ』って何?」
「……卵白を泡立てた食材」
「卵をそのまま泡立てたらダメ?」
首を横に振っている秋月を見て、瑞貴は自分の認識の甘さを痛感した。両親不在の食事を全てパンケーキにして練習するくらいの覚悟が必要かもしれない。
「どんなパンケーキを作りたいの?」
「どんな、って……ちゃんと食べたことないから、詳しく分からないんだよな」
「えっ、食べたことないの?」
この後、前回同様に秋月の自宅まで送る行動を大黒様は迷わず選択する。
「大黒様って凄いね。ちゃんと道が分かってるみたい」
迷わず秋月のマンションに向かう大黒様を見て秋月は感心していた。
――はい、ちゃんと分かってるんです
瑞貴は心の中で答えたが、時々立ち止まって振る動作を繰り返す大黒様を不思議に思う。明らかに普段の視察では見せない動きをしていた。
「どうしてパンケーキなんて作りたいの?」
突然、話が戻ったことに瑞貴は驚いてしまう。
「あっ、食べさせてあげたい人たちがいるんだ。……その人たちが指定してるのが何故かパンケーキで」
いきなりの質問することで瑞貴が誤魔化すために思考する時間を与えない秋月の作戦かもしれない。元々、誤魔化しながら話すのが得意ではない瑞貴には有効な手段なっていた。
会話には脈絡を持たせず、少し黙って突然違う話をしたりする。瑞貴の意表を突いて頭の中を整理さえてくれない。
「この前、コンビニの前で待ってる時大黒様に不安を漏らしたから私を守ってくれてるのかも……」
「えっ?不安って何かあるの?」
「……最近、外で人の気配を感じることがあるの。だから、私も大黒様みたいなワンチャンがいてくれると心強いなって話してたの。そのことを覚えてくれてるのかな?」
「……それって、ストーカー?」
「そんなハッキリした感じじゃないんだけど、ちょっと怖い時があるの。……冬だと暗くなるのも早いから特に不安な感じがするし」
日が短くなっている時期は気持ちが落ち着かなくなる。『気のせい』である可能性もあるが、秋月に『ストーカー』はあり得ない話でもない。
そして、初めてマンションに秋月を送った後で瑞貴は嫌な感覚が残っていたことを思い出す。
――あの時の嫌な感覚って、それが原因か?それなら、あの時も近くにそいつが居たのか?……大黒様は気が付いてて秋月と一緒に帰ろうとしてる?
大黒様が積極的に秋月と一緒に歩いているのことも何かに気付いて守ろうとしているのかもしれないと瑞貴は考えた。
「美味しいパンケーキのお店知ってるよ。……フワフワのパンケーキのお店」
深刻な話から突然パンケーキに戻す秋月の会話に瑞貴はついていけていない。
「……えっ、どこにあるの?」
「場所を説明するのは難しいかも」
「近くにある?」
「近くだよ。説明できないから、明日、連れて行ってあげようか?」
「イメージしやすくなるから助かる」
ピタッと大黒様が歩くのを止めて、今回は瑞貴の顔をジッと見つめていた。
「どうしたんです?急に止まって、何かありましたか?…………。あっ!」
秋月の『ストーカー』を心配していたらパンケーキを一緒に食べに行くことになっていた。知らず知らずのうちに秋月のペースで話は進められていたらしい。
「歩いて行けるお店だけど、大黒様はお店に入れないから外で留守番だけど大丈夫だよね?」
そこから秋月の家まで瑞貴の記憶は曖昧になっていた。
翌日の日曜日、午前10時に秋月の家に迎えに行って本屋に寄ってからパンケーキのお店に行くことだけは覚えている。
折り紙の本を探したかった瑞貴が『本屋にも寄りたい』と漏らした結果生まれた予定ではある。秋月の家の前で予定を確認して連絡先を交換したことも間違いないが経緯を覚えていない。
別れた後に瑞貴は放心状態で再び動き出すまでに時間がかかってしまい、自分の身に何が起こったのか理解できていなかった。
「わんっ!」
大黒様の声で我に返ることが出来て冷静に状況判断をすることになるが、それでも数分前までの出来事が信じられないでいた。
突然に訪れた自分自身の『青春』展開に頭がついてきていない。
「それじゃぁ、帰りましょうか」
やっとのことで絞り出せた言葉はそれだけだったが、大黒様の様子は違っている。
前回、秋月のマンション前で取った行動と同じように来た道を戻ろうとした。
「……大黒様?……そっちだと、かなり遠回りになってしまうので、こっちです」
言葉に反応して瑞貴をジッと見つめるが、大黒様はその言葉を無視して違う方向に進み始めてしまう。
――もしかして……!?
大黒様の態度を見ていて瑞貴は秋月の話を思い出した。それは『ストーカー』の存在についてだった。
「……本当にいるんですか?」
舞い上がっていた感覚は一瞬で消え去り、一気に緊張感が高まる。大黒様が分かり易く行動で示してくれているのであれば間違いなく何かがあるはずだった。
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