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3.同級生に見られる前で
しおりを挟む僕達はその後三人で下校し、今日は両親とも出かけていて夜遅くまで帰ってこないという蓮の家に向かうことになった。
道中は三人ともやや緊張した面持ちで、言葉も少ない。
蓮の家に着くと、僕と蓮は順番にシャワーを浴びることにした。
先にシャワーを浴びた僕が蓮の部屋に戻ると、入れ替わりに蓮が出て行く。
部屋には僕と成見さんだけになった。
「成見さん、これでほんとにいいの?」
僕は心のどこかで彼女の変心に期待しながら話しかけた。
「うん、私も覚悟を決めたわ。約束したことは必ず守るから」
成見さんは決意を秘めた眼差しで答える。
「そう……ならいいんだけど」
その時、蓮が部屋に戻ってきた。
僕と蓮は並んでベッドに座り、成見さんは向かい合うように蓮の勉強机の椅子に座る。
そして「私、下書きとかは手書きなんだ」と言いながら鞄から小さなノートとシャーペンを取り出した。
「それじゃ、会田君、矢崎君、お願いしていい?」
僕と蓮は顔を見合わせて小さく頷く。
「あの、成見さん。今さらで悪いんだけど、実は僕達女の子ともそういう経験をしたことがなくて……」
「心配しないで。私もないよ」
「そして更に男子同士なんで、その、どういうふうにしたらいいかよくわからないから、成見さんが見たいことを言ってもらってもいいかな?」
「あ、ごめん。そうだね、いきなりじゃ無理よね」
成見さんは何かを思い浮かべるように目をとじると、「それじゃあ」と言葉を切った。
「二人とも裸になって見つめ合ってくれる?」
「あ、う、うん……」
僕と蓮は覚悟を決めると、立ち上がって服を脱ぎ始めた。
躊躇いながらも下着を下ろすと、僕達は素裸になって成見さんの前に立つ。
成見さんは頬を少し赤くしながらも僕と蓮の身体を隅々まで観察していた。
「会田君も矢崎君も肌がキレイね。毛深くないのもイメージ通りだわ」
成見さんはそう褒めてくれたが、僕達は気恥ずかしさから逃れるようにベッドの上に登り、膝をついて裸のまま向かい合う。
しかし、困ったことに全くそういう気分になれる気がしない。
考えてみれば、これを初体験にカウントするとしたら「同級生の女の子の見守る中で同性の親友とする」という非常にマニアックな状況だ。
緊張のせいか僕の陰茎はうなだれたままで、蓮も同様だった。
「それじゃ、キスしてみて」
固まったままの僕達に成見さんから指示が来てしまった。
僕が蓮に目で合図をすると、蓮も頷いた。
ゆっくりと顔を寄せ、目を閉じる。
互いの鼻先が触れた後、僕の唇を柔らかい感触が包む。
「これが……キスの感触(蓮のだけど)」
フニュフニュと触れ合うそれは決して不快ではなかったが、情動を呼び覚ますこともなかった。
この後どうしたらいいんだろう。
そう思ったとき、再び成見さんから指示が下る。
「舌を絡めて」
おずおずと唇を開いて舌先を伸ばすと、先端にぬらっとしたものが触れた。
「んんっ」
それは生き物のように僕の舌に絡みついてきた。
「んぐ、うん」
今まで数え切れないほど口の中に食べ物を入れたことがあるはずなのに、これは初めての感触だった。
クチュクチュと舌が交わる度に総毛立つような感覚が背中を撫でる。
あ……。
さっきまで何の反応もしてなかった僕の陰茎が、徐々に固く勃ち上がっていく。
気恥ずかしさに薄目を開けると、蓮の陰茎も屹立していた。
「すごい……男の子って、そんな風に大きくなるのね」
間近で成見さんの感嘆の声が上がる。
「ね、次はお互いに触って見せて」
「う、うん」
僕達はまるで成見さんに演出でもされているかのようにお互いの陰茎に手を伸ばした。
「ん、はぁっ」
蓮の手が上下する度に僕の腰はビクッと震え反応してしまう。
蓮も無意識に何かを求めるように小さく腰を前後に動かしている。
人に見られながら手淫をしあう状況に、急激に淫らな情動が膨れ上がり嚢の奥がむず痒いような感覚に襲われてくる。
僕はたまらず蓮から唇を離した。
「成見、さん。このままだと僕……すぐに出ちゃうかも」
「お、俺も」
「それはそれで見たい気もするけど、少しもったいないかな……うん、それじゃ会田君、横になって。そして矢崎君、会田君の乳首を舐めて」
成見さんは興奮した眼差しで次の指示を下した。
言われた通りに僕が仰向けに横たわると、乳首を舐めるように言われた蓮は戸惑いの表情を浮かべつつも、僕の胸に顔寄せると小さく突き出た先端を口に含んだ。
「あ、あっ」
蓮の唇が吸い付き、舌先が先端を撫でるとひとりでに声が漏れた。
「やっぱり、私が思ってた通り会田君は受けみたいだね」
「う……受け?」
「攻められることで感じちゃう方」
「そんな……あっ、ああ」
蓮に先端を強く吸われて、身体が勝手によじれ奮える。
こんな様子では、成見さんの言うことを否定出来そうにない。
というか……蓮、いつの間にか積極的になってない?
胸を吸いながら、蓮の右手が僕の股間へと降りてくる。
嚢をまさぐりながら、蓮の指先はさらにその下の窄まったところへと伸びてきた。
「はぁ、蓮、そこはっ」
「陸斗、ここ、触ってみたい」
「ええっ? いいけど……」
その時、成見さんが鞄に手を伸ばして中から何かを取り出した。
「矢崎君、これを使ってみて」
「それは?」
成見さんのが手渡したのは使いきりタイプのシャンプーが入ってるような小さなパウチだった。
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