【R18】「千エロ」-千文字でエロエロになる掌編集-

杏野 音

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寸借詐欺の女

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三年ほど前の話だ。
俺は仕事で都内でも有名な某寺院の近くに来ていた。
夕方頃、仕事も終わり今日はもう帰宅しようと寺院の近くを歩いていると、向こうから歩いてきた中年の女に急に声をかけられた。
駅への道を教えてほしいと言ってきたので、俺は道筋の説明を始めたのだが、女は途中から急にお金が足りないから電車賃を貸して欲しいと言いだした。
もちろんそんな古典的な手口に引っかかりはしないが、その日は少し好奇心にかられて女をからかってみることにした。
女は、四十半ばくらいの中肉中背で、地味な顔立ちだが身なりも特に悪くはなかった。
「あのなぁ、たいした額じゃないといっても、ただお金をくれってのは虫が良すぎだろう」
「どうすればいいの?」
「そうだな、手で俺のアレを気持ちよくさせてくれたら二千円貸すよ」
さすがに女は断ると思った。
しかし意外にも女は「いいわ」と答える。
半信半疑ながらも自分から言い出した手前、俺は女と連れ立って寺院の裏手にある人気のない公園へと向かった。
木陰に入ったところでズボンを緩めて女に陰茎を見せると、女は特に躊躇することもなく手を伸ばして陰茎を扱き始める。
そのころ少し女にご無沙汰だった俺の陰茎はすぐに硬くなった。
リズミカルに扱かれていくうち、俺の中でさらに欲求が高まった。
「なあ、口でしてくれたら、五千円貸すよ」
そう持ちかけると、女は黙って俺の前に屈んで陰茎を口に含んだ。
チャプチャプと音を立てて陰茎が女の口を出入りする。
見かけによらず女の口は巧みだった。
視線を落とすと、屈んだ女のスカートの奥に股間に食い込む白い下着が見えた。よく見ると胸も思ったより大きい。
視線を上に戻すと、公園の木々の向こうにホテルのネオンが見えた。
俺は再び女に持ちかけた。
「も、もしアソコでやらせてくれたら、一万出してもいいよ」
女は、陰茎から口を離すと黙って頷いた。

それから俺と女はホテルに入った。
女の体は年相応の緩みはあったが十分鑑賞に耐えるものだった。

俺は女に覆い被さり腰を振るった。
女の具合は思いのほかいい。
俺は次第に欲求を押さえきれなくなっていた。
「な、なあ、中に出させてくれるなら、あと五千円で、どうだ」
女は少し息を乱しながら頷く。
「あっ、あっ、いくぞ、いくぞっ」
俺は更に激しく腰を突き上げ、直後、女の中で果てた。

女に約束の金を渡してその日は別れた。

今でも女は時々電話をかけてくる。
「また電車賃を貸してほしい」と。


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