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決断の時
しおりを挟むそうしてすくすくと順調に育ってくれた愛しの我が子
正直こんなに早く見つかるとは思っていなかった。
さて貴方は何を俺に求めている?
「千影。いくつか質問をしていくから答えてほしい、但し答えたくなかったら大丈夫だ。
だがお願いだから、嘘だけは絶対に言わないと約束してほしい」
その言葉にコクリ、と頷いた
「まずは…俺は千影が抱いているその子、千斗星が俺と千影の子どもだと確信している、違うか?」
『...…。違わない、この子は正真正銘俺とお前の子だよ』
思わずギュッと力を入れて目を伏せた
誤魔化すことも出来た、もしかしたら陽斗もそこで引いてくれたかもしれないけれど、言われた手前ウソはつきたくなかった
何よりこの子の目の前でこの子の生まれに嘘をつきたくなかった
「ぱぁ、ぱ?」
本当に聡い子だ、大丈夫だよという意味を込めて頭をそっと撫でる
「そうか!…それなら俺もその子と一緒に暮らしたいと思うんだがどうだろうか?」
っ、やっぱりそうなるよな。
俺にとって可愛い我が子であるように、貴方にとってもこの子は我が子に違いないもんな。
わかっていたけれど胸がギュッと鷲掴みされたように苦しくなる
まだ無理矢理奪われるよりかはこうやって質問してくれてるだけやっぱりこいつは優しい
『.....』
その想いに応えなきゃいけないのはわかってる
でも、でも………。
嫌だ。離れたくないよ。
「あぁ。やはりダメか、ならここに通うことは許してくれるか?」
『ッ、ぇ?』
「うーん、通うことも難しいとなると電話とかはどうだろうか、それもダメなら手紙とかになるわけだが。」
『....』
急に目の前の人物の言っていることが、何一つ理解できなくなった
あんなにも長いこと一緒にいたから大抵のことはわかっていたつもりだったけど。今の言葉はなんなんだ?
通う?電話?手紙?そういじらしいことまでして、貴方はこの子と過ごしたいんだ
「千影?」
『どうしてもこの子を連れて行くつもり?』
「ああ、ゆくゆくはそうしたいと思っている」
『貴方は』
「なぁ、千影。」
『何?』
「俺のことを名前で呼びたくないくらい、嫌いになった?まぁそうだよな、ハハッ…あの日気まぐれだったとしても千影から誘われたことが嬉しくて舞い上がってて.正直柄にもなく緊張してずっと上手いこと眠れない日々が続いて。それであんな童貞みたいに無茶苦茶にだき潰してカッコ悪りぃよな、幻滅した?その上中出しまでして処理せずに寝落ちるなんていくら千影が……ッ慣れてるからといってもあれはナイよな。流石に嫌われて家も出てかれるよなぁ
でもあの時はこの機会を失えば、もう二度とこのチャンスは巡ってこないとおもった
そう思ったら俺のをこの中に何度も何度も注ぎ込んで、何かの間違いが起こって既成事実をつくることが出来たらいいのに。って夢見てどうにかしてお前を繋ぎ止めておく方法がないのかって考えてた。
本当に千影がそういう体質だったとは知らなかったとはいえ、望まない妊娠までさせて幻滅までしてる嫌いなやつの子どもを産まざるをえない状況にさせた。すまない けど後悔はしていない
千影には不本意だとしても俺は好きなやつとの子どもがいたって知って、めちゃくちゃ嬉しかったんだよ
お前を繋ぎ止めておくことは出来なかったけれど、これでどうにか許」
『ちょちょ、ちょっと待って?』
「うん」
フリーズしていた意識が戻ってきた
まわらない頭で今言われた言葉たちを理解できるように反芻する
は?既成事実とか言ってたか?それと何、好きなやつ?俺のこと?それなら確認しなければならないことがある
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