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キツネさんがいることによっていつもより長めに入った風呂からあがると睡魔が襲ってくる
多分いつもよりはしゃぎすぎたせいだ
小学生並みの早い時間に眠くなるとはなんたる失態
でも幸せなものだから後悔はないもんね
自然と出たあくびが移ったのかキツネさんもあくびをしていた
え!?レアじゃね?どちゃくそ可愛い
『煌陽くんに俺のあくび移ったね、眠い?俺はもう寝るよ。煌陽くんのベッドないや、どうしよう?』
一旦ソファに降ろしてみる?やっぱりやだかぁ
それなら俺と一緒に寝る?
寝室に向かいそっとベッドに降ろして俺も一緒に寝転がる
さっきとは違って俺が布団に入ったからか拒絶されることなく布団の中に入って丸くなり始めた
そっと一撫でしてからすぐに睡魔が襲ってくる
『おやすみ、煌陽くん』
幸せな気持ちのまま眠りに入る
深い深い眠りだったようで一度も朝まで目覚めることはなかった
 

ーーぺろぺろと舐められてる感覚がする
なんだろ?夢か?たくさんのアニマルさんに囲まれて幸せだ
もふもふ天国最高!!うさぎさんにねこちゃんにわんこ、キツネさんとそれからちっちゃいアザラシも!
みんなぬいぐるみみたいに可愛くてちっちゃくてふわふわ艶々の毛並み
寝っ転がっている俺の上に次から次へと乗っかってそれぞれ好きな場所で寝っ転がったりぺろぺろと舐めてくる
最初は手とか足だったけどそれが服の中に潜り込みお腹あたりに隠れてしまった子もいた
ふは、胸はくすぐったいって
うおっそこもダメだよ、俺の急所なんだから危ない
舐めちゃダメ!こーら
んッ、ばっ…か変な声出ちまった、恥ずかし
ふ、ぅあーー


『ゔぅうーあれ?ふあふあ』
たくさん寝たような気がするけどまだ夢だったりする?ふわふわの塊が腕の中にいるような…
覚醒しない頭でその塊を確認しようと目を開けたらそこにはオレンジ色の塊が。
あ、そうか。キツネさんがきてくれてたんだった
小さな声でおはようと挨拶をしつつそっと優しく撫でていく
アニマルさんを飼うってこんなに幸せな朝を迎えることが出来るんだ
新たな発見すぎて感動すぎんだろ
心の中で感動しているともぞもぞと動き出したキツネさんがクルッと態勢を変えて上に乗り上げぺろぺろ舐めてきた
『ふぐっ、おはよう。煌陽くん』
返事の代わりだとでもいうように顔中ベタベタになるまで舐められた
これすらも至福のひととき
朝はそのままだらだらと過ごして昼からは存分に戯れた
あっという間に時間も過ぎてそろそろお迎えが来る時間だ
『煌陽くん、お家に来てくれてありがとうね
あっという間のすっごい楽しい2日間だったよー
このままうちに来て俺と一緒に住んでくれる?』
じっと目を見つめてキツネさんに話しかける
伝わるかな?伝わってたらいいな
じっと見つめ合ったあと、キツネさんが近寄ってペロっと唇を舐めてきた
多分これはいいよの合図、昨日から肯定の時は必ず決まって唇を舐めてきていた
『やった!!!ありがとう、嬉しい』
思わずぎゅっーと抱きしめた
そのまま擦り寄ってきてるから間違いない!!
うちの子になってくれるんだ、やったね

程なくして夕方にお迎えにきたのは昨日の穂高さん
煌陽くんをお迎えしたいことを伝えて一度事務所へ戻り手続きが終わり次第こちらへ再度訪れるとのことだった
正直、過ごしたのは2日だけだったのに離れ難い。そして煌陽くんも離れ難いと思ってくれているのか穂高さんに向かってまた威嚇をしていた
穂高さんがなんかを小声で言ったらカゴへと戻っていったけど何を言ったんだろう?
「それではまた後日。おそらく別の者がお訪ねしますのでその時にご契約となります」
『あの、その間別の人と煌陽くんが契約することはありませんか?』
「ええ、間違いなくあり得ないのでご安心を。」
『よかったー!じゃあまたね煌陽くん。ありがとうございました』
それではと言ってキツネさんを連れた穂高さんは去っていった


幸せ空間だった自分の部屋が元に戻ってしまった
でも!何日か後には煌陽くんと一緒に住めるんだ!
それまでにアニマルショップに行って色々買い揃えよ
うわぁ、たのしみだなぁ
本格的に飼うって考えたら何が必要なんだ?今回向こうから用意されてたものも大分少なかったし、本来必要そうなベッドとかも寝てくれるのかなー?
昨日は離れてくれなかったからもし揃えても寝てくれる保証もないし…
あ、そっか!穂高さんなら何か相談できるかも!
それなら早速帰ったところだけど連絡入れてみよう

ご相談があります、っと。こんな感じか?
気が早すぎて笑われるかもだけどそんだけ楽しみってことが伝わればいっか
それに悪いことしてるわけじゃないし。
るんるんの気分で送るとすぐに返信が来た
んん?必要なものを買い揃える必要はない?
住んでから一緒に選べばいいですよ、か
なるほど一理あるかも。たしかに煌陽くんが気にいるものを買ってあげた方が必要なものもわかる
ありがとう穂高さん!勉強になります!!
これならもうやることはないってことかぁ
なんかやりたくてソワソワする
意味もなくぴっかぴか掃除しちゃいたいし、色んなもの買いたくなる衝動が止まんない
そう思っているとまたメールが届いた
お、やった!来週くらいには準備が整うらしい
それならまた俺が2日間休みになる土曜に来てもらって存分に戯れたい
その旨を伝えるとそれからはとんとん拍子で事が進んでいった


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