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レンタル4
レンタルコスプレイヤー
しおりを挟むあれから寝ずに3日。漁りまくったサイトで心が潤いまくり心なしか肌艶もきめ細やかになってる気がする
そしていろんな神絵師さん、神作家さんと出会い恐れ多くもフォローさせていただき見ているうちに何回か出てきた”妄想くらぶ”という名前
怪しげな名前のそれは調べてみるとどうやらレンタルサービスをしている会社の名前らしくコンセプトは’オタクの妄想を現実に’というもの。色々な要望に応えてくれるらしく例えば、絵のモデルになって欲しいだったり、構図を見たいから手伝って欲しい等。
いわば絵師にとって痒いところに手が届くそんな素敵なサービスを提供している会社さんだった
怪しいなんて言ってごめんなさい。神様でした
ちなみにオリキャライメージを提出したら創作コスプレなんかもしてくれると聞いてひっくり返った
お金は、うん。まあまあするけど、払えないことは…食費を削れば問題ない。うん。そういうもんだろ、オタクってのは(?)
そう決断してからは早かった
とりあえずひさびさにペンを持ち描いていく
まずは昔ハマったジャンルで今も続くロングセラーの漫画の非公式カップリング
描いてるうちに楽しくなってきて入れる予定のなかった色までつけてしまう始末
完成して投稿する時には柄にもなく緊張して、未完だった物語の為のリハビリ中ですと一緒に書き添えてアップした
そわそわして不安に思いながら次に確認した時には反応ももらえた上に”おかえりなさい、先生”とか”夢?15年越しにあの物語が動き出す!?”なんてコメントがあって目頭が熱くなった
そうして1ヶ月かけて描き続けた結果、やっとあのレンタルサービスへと登録した
コスプレレンタルの場合準備などもある為、期間が大幅に開いてしまう可能性もあるとのことでそれも了承済みで申し込む
申し込み欄で面白いなと思ったのが活動名と活動サイトを書く点だ。他では見られない光景に笑ってしまった
登録が完了して何回かメール上で打ち合わせもした
コスプレして欲しいイメージ画も送り、その画像を投稿したりもしてそのコメント欄が盛り上がってくれるのも嬉しかった
そしていざ当日。ソワソワしすぎて昨日までに家を磨き上げたし、そんなことしなくてもいいのに何故か髪も切りにいった
おまけに服もいつものダル着じゃなくて店員さんに見繕ってもらって購入した新品のものだし、とにかく緊張していた
多分若い子がいう推しに会う気持ちってこういうことを言うんだろうなと言う感覚に近いかもしれない
俺に関してはなんというか俺が生み出した子たちが現実に現れるなんてどんな世界!?って感じだけど、大丈夫そ…(?)
なんか吐きそうになってきた
約束の時間が刻一刻と迫る中、楽しみと不安と緊張でバクバクと脈打つ心臓が余計に思考を奪っていく
え、俺このまま4なないよね?心臓って一生の鼓動の数決まってたよね、え、俺どうなんの??ピーンポーン
パニックに陥りかけていた時響いた音にびっくりしすぎて後ろに重心が傾いたと思ったらそのまま重力に逆らわず落ちていった
ドスっと鈍い音を立てて転んだときまたチャイムの音がする
イテテと声に出しながらもでなければと思い玄関に向かって扉を開けると心配そうな顔をした顔面の強い理想の子達がいてまた後ろへと倒れ込みそうになる
「はわわ……」
キモい声が出たとかそんなことよりも俺このまま4んでもいいと思える心境に陥った
また重力に逆らわず落ちていこうとすると前から引き上げられた
『おっ、と。危ないじゃないですか』
『大丈夫ですか?』
ゴクリ。もうダメだ
……………
「お見苦しいところをお見せして申し訳ありません」
『そんなことは。喜んでいただけてるみたいでこちらとしても安心しました』
「それはもう完成度が高すぎてあの絵から出てきてくれたのかと思うくらいびっくりして、っとあんまり喋りすぎてもですね。早速ですが、お願いしてもいですか?」
あの後推しカプを目の前にして腰が抜けてしまった俺は2人によってリビングまで運ばせてしまうことになってしまった
申し訳ないという気持ちと今からこの2人を前にして平常心で描くことが出来るのかという不安がせめぎ合っている
『それでは僕から説明していきましょうか。ーーー』
今説明をしている遠愛くん役の子は、小さな顔にかかる艶のあるさらさらの黒髪は思わず撫でたくなるようなイメージに個性的な丸眼鏡がミステリアスな雰囲気
グレーがかった青みのある瞳は少しつり目で和服が似合いそうな猫っぽいイメージとぴったり合っていてそれを自然に表現できて完全にモノにしている
雰囲気に似合わないジャラジャラとついたピアスはギャップもあり危うさみたいなのがあって最高だった
『ーー以上が規約となります。なにか、わからないことなどありませんか?』
「はい。ありません」
『じゃあ俺からは補足かな!ーーー』
こっちのヤンチャそうな喋りかたの愛永くん役の子は、同じく小さな顔で白に近い銀髪はウルフカットに外はねに遊ばせてふわふわしててわしゃわしゃ撫でまわしたくなるようなイメージ。大きめの銀縁メガネをアクセントに透き通った海のような色味を纏ったカラコンをつけた瞳のイメージを再現してくれていてどちらかというと白馬の王子様みを感じる雰囲気の男の子
どっちも再現が高すぎて本物じゃないかと疑うくらい等身大だ。やっぱりコスプレイヤーって凄いんだな
感心しながら観察をしているとあっという間に説明が終わってしまった
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