レンタルサービス

yumemidori

文字の大きさ
上 下
27 / 38
レンタル4

レンタルコスプレイヤー

しおりを挟む





あれから寝ずに3日。漁りまくったサイトで心が潤いまくり心なしか肌艶もきめ細やかになってる気がする
そしていろんな神絵師さん、神作家さんと出会い恐れ多くもフォローさせていただき見ているうちに何回か出てきた”妄想くらぶ”という名前
怪しげな名前のそれは調べてみるとどうやらレンタルサービスをしている会社の名前らしくコンセプトは’オタクの妄想を現実に’というもの。色々な要望に応えてくれるらしく例えば、絵のモデルになって欲しいだったり、構図を見たいから手伝って欲しい等。
いわば絵師にとって痒いところに手が届くそんな素敵なサービスを提供している会社さんだった
怪しいなんて言ってごめんなさい。神様でした
ちなみにオリキャライメージを提出したら創作コスプレなんかもしてくれると聞いてひっくり返った
お金は、うん。まあまあするけど、払えないことは…食費を削れば問題ない。うん。そういうもんだろ、オタクってのは(?)

そう決断してからは早かった
とりあえずひさびさにペンを持ち描いていく
まずは昔ハマったジャンルで今も続くロングセラーの漫画の非公式カップリング
描いてるうちに楽しくなってきて入れる予定のなかった色までつけてしまう始末
完成して投稿する時には柄にもなく緊張して、未完だった物語ストーリーの為のリハビリ中ですと一緒に書き添えてアップした
そわそわして不安に思いながら次に確認した時には反応ももらえた上に”おかえりなさい、先生”とか”夢?15年越しにあの物語が動き出す!?”なんてコメントがあって目頭が熱くなった
そうして1ヶ月かけて描き続けた結果、やっとあのレンタルサービスへと登録した
コスプレレンタルの場合準備などもある為、期間が大幅に開いてしまう可能性もあるとのことでそれも了承済みで申し込む
申し込み欄で面白いなと思ったのが活動名と活動サイトを書く点だ。他では見られない光景に笑ってしまった

登録が完了して何回かメール上で打ち合わせもした
コスプレして欲しいイメージ画も送り、その画像を投稿したりもしてそのコメント欄が盛り上がってくれるのも嬉しかった



そしていざ当日。ソワソワしすぎて昨日までに家を磨き上げたし、そんなことしなくてもいいのに何故か髪も切りにいった
おまけに服もいつものダル着じゃなくて店員さんに見繕ってもらって購入した新品のものだし、とにかく緊張していた
多分若い子がいう推しに会う気持ちってこういうことを言うんだろうなと言う感覚に近いかもしれない
俺に関してはなんというか俺が生み出した子たちが現実に現れるなんてどんな世界!?って感じだけど、大丈夫そ…(?)
なんか吐きそうになってきた
約束の時間が刻一刻と迫る中、楽しみと不安と緊張でバクバクと脈打つ心臓が余計に思考を奪っていく
え、俺このまま4なないよね?心臓って一生の鼓動の数決まってたよね、え、俺どうなんの??ピーンポーン
パニックに陥りかけていた時響いた音にびっくりしすぎて後ろに重心が傾いたと思ったらそのまま重力に逆らわず落ちていった
ドスっと鈍い音を立てて転んだときまたチャイムの音がする
イテテと声に出しながらもでなければと思い玄関に向かって扉を開けると心配そうな顔をした顔面の強い理想の子達がいてまた後ろへと倒れ込みそうになる

「はわわ……」
キモい声が出たとかそんなことよりも俺このまま4んでもいいと思える心境に陥った
また重力に逆らわず落ちていこうとすると前から引き上げられた
『おっ、と。危ないじゃないですか』
『大丈夫ですか?』
ゴクリ。もうダメだ
……………
「お見苦しいところをお見せして申し訳ありません」
『そんなことは。喜んでいただけてるみたいでこちらとしても安心しました』
「それはもう完成度が高すぎてあの絵から出てきてくれたのかと思うくらいびっくりして、っとあんまり喋りすぎてもですね。早速ですが、お願いしてもいですか?」
あの後推しカプを目の前にして腰が抜けてしまった俺は2人によってリビングまで運ばせてしまうことになってしまった
申し訳ないという気持ちと今からこの2人を前にして平常心で描くことが出来るのかという不安がせめぎ合っている

『それでは僕から説明していきましょうか。ーーー』
今説明をしている遠愛とあくん役の子は、小さな顔にかかる艶のあるさらさらの黒髪は思わず撫でたくなるようなイメージに個性的な丸眼鏡がミステリアスな雰囲気
グレーがかった青みのある瞳は少しつり目で和服が似合いそうな猫っぽいイメージとぴったり合っていてそれを自然に表現できて完全にモノにしている
雰囲気に似合わないジャラジャラとついたピアスはギャップもあり危うさみたいなのがあって最高だった
『ーー以上が規約となります。なにか、わからないことなどありませんか?』
「はい。ありません」
『じゃあ俺からは補足かな!ーーー』
こっちのヤンチャそうな喋りかたの愛永あいとくん役の子は、同じく小さな顔で白に近い銀髪はウルフカットに外はねに遊ばせてふわふわしててわしゃわしゃ撫でまわしたくなるようなイメージ。大きめの銀縁メガネをアクセントに透き通った海のような色味を纏ったカラコンをつけた瞳のイメージを再現してくれていてどちらかというと白馬の王子様みを感じる雰囲気の男の子
どっちも再現が高すぎて本物じゃないかと疑うくらい等身大だ。やっぱりコスプレイヤーって凄いんだな
感心しながら観察をしているとあっという間に説明が終わってしまった


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。

しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。 基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。 一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。 それでも宜しければどうぞ。

マジで婚約破棄される5秒前〜婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ悪役令息は一体どうしろと?〜

明太子
BL
公爵令息ジェーン・アンテノールは初恋の人である婚約者のウィリアム王太子から冷遇されている。 その理由は彼が侯爵令息のリア・グラマシーと恋仲であるため。 ジェーンは婚約者の心が離れていることを寂しく思いながらも卒業パーティーに出席する。 しかし、その場で彼はひょんなことから自身がリアを主人公とした物語(BLゲーム)の悪役だと気付く。 そしてこの後すぐにウィリアムから婚約破棄されることも。 婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ一体どうしろと? シナリオから外れたジェーンの行動は登場人物たちに思わぬ影響を与えていくことに。 ※小説家になろうにも掲載しております。

処理中です...