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王道学園
懺悔
しおりを挟む『、な、、ずな』
足音もなく現れたなっちゃんの名前を無意識に呟く
それに応えてくれたのか曖昧に微笑む姿はいつもの生徒会会計の顔ではなかった
「あっきぃ、ぼくの話聞いてくれる?」
昔の面影が残る喋り方でぽつりぽつりと話し始めた
「本当はねこうやって声をかけるつもりもなかったんだ
あんな消え方しちゃったからね?
絶対怒ってるだろうし嫌われちゃってたらと思うと怖くてなによりどんな顔して会えばいいのか分からなかった
もしかしたらもうぼくのことなんて忘れてるかもしれない
あっきぃに 誰? とか言われたらそれこそ立ち直れない
だけどあの新歓のイベントで他の人の隣を歩いて楽しそうに笑顔まで見せてるあっきぃを見てああ、かつてその場所はぼくだったのにっておもってきて。
なんで今その場所に自分が立っていないんだろうってすごく悔しくなったんだ
気づいたらあっきぃを追いかけて1人になったところで声をかけたんだ そしたら急に倒れるんだもん
びっくりしたけど心配だった
もしかしたらぼくが近づいたから身体が拒絶するほど嫌だったのかってね
医者に寝不足だと言われた時はホッとしたけどちゃんと寝ないとダメだよ?
でもねその後ぼくは嬉しかったよ
名前覚えててくれたんだね、そして呼んでくれた
本当はねここに来るのも迷ってたんだ
場所もあっちじゃなくてこっちだってこともわかった上で、ね?
臆病者で卑怯なぼくはあっきぃを試してたんだ
ほんと自分が嫌になるよ
だけどあっきぃは約束の時間を過ぎてもここに30分以上いたでしょ
んふふ、自分で気づいてなかったの?あっきぃらしいね
で、ね、、、?」
ここまでずっと口を挟まずに相槌だけで話を聞いていた
時折こっちを向きながら反応を見てくるなっちゃんの顔は終始不安が残っていて途切れた言葉のあとを紡出そうとより一層強くなったその感情に今にも泣きだしそうな横顔が何故だかひどく綺麗だと思った
「あの時、ぼく、知ってたんだ
あの日ぼくを追ってアイツらが来ることももう、あっきぃ、ッに会えなく、なる、ことも。
あの時のぼくの立場って危うくってね?
義母が自分の息子を後継者にってぼくを闇に葬ろうと躍起になっていて常に死と隣り合わせの生活を送ってたんだ
あの後あっきぃを迎えに来てくれた人、覚えてる?
あの人は俺の信頼できる人で今も着いてきてくれてる人
そしてあの作戦を立ち上げた張本人
流石に家の事が原因で他の家の人に怪我をさせちゃったら問題になるでしょ?
あの時した怪我は単なる偶然だったんだけれど、本当はさせたフリをして騒ぎを大きくしようとしてたんだ
仕事ばかりであまり家庭を気にかけてくれない父に気づかせる為にこうして巻き込んで賭けてみるしかなかった
結果的に上手くとはいえないけれど事態は明るみに出てくれたから良かったけれど、1歩間違えたら最悪の事態だったから最後までしたくないと言ったんだ。
でもこのままじゃ大切なあの子までにも被害がいって
最悪の場合失ってしまいますよって言われてそんなの嫌だからあっきぃを利用することにしたんだ」
『言ってくれたr「言えないよ、、!
一歩間違えたらあっきぃが死んでたかもしれないんだよ!!?
そんな危険な事に巻き込むなんて間違ってた!!
知ってのに利用した、止めれたのに止めなかった!!!
何度も、何度もなんども後悔した
もう会えない、謝ることも出来ず守りたかった筈なのに傷つけてしまった!!
そんな僕が嫌で憎くて合わせる顔すらなかったのに、、なのになんでかな~
ッなんでそんな優しい顔してぼくを見んの??
勘違いするじゃんか」
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